The Big 3 Monsterz strikes Tokyo
〜三大怪獣帝都来襲〜
【前編】【後編

K a u t i o n !!
 いきなりめっさ失礼なタイトルから始まるこのレポートの題材となるシナリオは、関西マニアクスコンベンションの常任RL、原代さんらによる作品です。もしあなたが西の方で何かの機会にこのシナリオをプレイすることがあるかもしれないなら、楽しみを取っておいたほうがよいかもしれません。
そんな時は我慢する/斜め読みする/読んだけどメモリーが8ビットしかないので(少なすぎ)忘れる などの適切な方法をお取りください。後で記憶を消してもらうのもいいですね。ホラ、鳳の紋章をつけた世界的謎の組織の人があなたのすぐ後ろに‥‥

 新年気分の冷めてきた1月某日。急遽、関西トーキョーN◎VA Maniax コンベンションの常任RL、関西三大怪獣のうちの原代さんMAKIさんが帝都に遊びに来ることになりました。しかもさらに、関西四大怪獣にすると入る(ニセ)ハヤシロ大王様まで。これは! 関東方面軍の名に掛けて全力を挙げて迎撃せねば! というわけで、別件で集まっていたぶるれぼ/妖神演舞/R財団/あとその他 と、帝都に来ていた人で滅多にない超豪華面子によるアクトが実現したのです。
 

And so, they appeared on the Staj of Wheel of Fortune .....

Handle: 【寛恕】クリス・ハーデル
Style: フェイト◎,カブトワリ=カブトワリ● Aj: 28 Jender:
 北米連合第三開発エリア、エネルギープラント式巨大アーコロジー『エイジス』。LIMNETプファイルはエイジス本社の、トロン関係の開発に高い技術力をもつ総合企業だ。異業他社数社が集まって作ったブランドであり、北米連合国境警備軍のバックでもある"flower crown movement"自体の権利をも所有している。
クリスはLIMNET攻勢広報処理官にして、アーチスト【金字塔】YUKIの広報担当兼ボディガード。企業間の軋轢の交渉による調整、時に実力行使をによる消去をも行う。メモ魔で何かを書いている時は常に相手のことを観察し記憶に入れている。銃の腕も抜群。愛銃のリボルバーはジュノー製、その名はSWORD。
Player: MYO 【BlueRevolution
▼なんと! 薔薇コンベンションに続いてあのMYO専務のあのクリス登場なのです。夏コミ発売に向け鋭意製作中のエイジス設定本の原稿を関係者Onlyに持ってきてくれました。これはマジすごいです。ガゼン買いです。これから設定もリンクしていきます。ビバLIMNET。ビバレイストーム。
本日もクリスメモ炸裂。細かいメモと言ったらN◎VAではクリスメモ、リアルスペースではいわしメモらしいです。(だからなんだよそれ)

Handle: “紅の瞳”秦 真理 (シン・シャンレイ) 【Profile
Style: カタナ◎,レッガー,ミストレス● Aj: 24 Jender:
 N◎VA三合会のウェイン王の養女。虎九街近くで秦商会を開いている。穏やかな物腰と淑女めいた雰囲気を持ち、戦いを好むスリルドラッカーだが、芯は優しく繊細な女性。普段は封印した黒の剣黒蓮(ヘイ・リィェン)を携え、その両の眼は紅いサイバーアイ。
Player: しおざきゆり 【Deep Blue Ocean
▼シズオカ勢のしおさんが来ていたのでこちらに。妖神の中華街BBS2話で目立った真理ぽんがオフライン2回目です。ちなみに服装も真理チックでした(笑) 当サイトの新年企画、キャスト人気投票のFz 2.N.D.でもかなり上位でしたね。

Handle: “斬哭剣(ざんこくけん)”ブラッディ・S
Style: カタナ=カタナ=カタナ◎● Aj: 30 Jender:
 身長180を超えるミトラス出身の剣客。その人生の中で一度ミトラスに戻り、また災厄の街に舞い戻ってきた。コートの下には追加した2本のサイバーアーム。その眼が押さえていた殺気を解き放ち、二振りの降魔刀とオメガREDが踊る時、斬哭剣の慟哭が響き渡る!
Player: 加納 【Kennel-K 〜Kの犬舎〜
▼神風ブレイクスルー! チワワ! サークル【妖神演舞】ブレイン、あの加納さんです。妖神キャラというと退魔録の印象が強くバサラマヤカシばっかという気がしていたのですが(僕だけ?)意外や意外。二天一流使いもちゃんといたのです。裏世界のプロというのは燃えますなぁ。当然アクト中はその剣舞が炸裂。西の魔人にリベンジを誓わせたのです。でも機会はいつ?(笑)

Handle: 紀伊 敏也 (きい・としや)
Style: カブキ◎,チャクラ,クグツ● Aj: ?? Jender:
 またの名をスラップ“D”スティック。フェイト・コミックスが売り出したユタ・リン原作のアメコミの登場人物と同じ名をした彼は、世界的な謎の組織に忠誠を誓うエージェントだ。他キャストの前から何時の間にか消えたり、先々でゲストと知り合いだったりとその言動には怪しい点が多い。実は、御霊IANUSを埋め込んだ日の丸の人間である。
Player: 早城菱人 【トーキョーN◎VA通信
▼す、すごいです。アノのば通のアノ大王様もニセ早城としてお忍びで来たのです。多少シナリオを知っているということで経験点2桁台のサブRL的な立場となりました。絡む機会がなくてすまんす。
アクト中はナニアレソレが炸裂。シッテノトオリダイオウサマハトテモイイヒトデス。(ぎこちなく)

Handle: “デス・ロード”アレックス・タウンゼント 【Profile
Style: カブト=カブト◎●,バサラ Aj: 32? Jender:
死神の使いを名乗るブリテン出身のカブト。死神との盟約のため、そして裁きのために、その力と夜の魔法を振るう。このアクトではヨコハマLU$T中華街で起こった事件で負傷後、新型IANUSを埋め込みN◎VAに帰った頃。
▼妖神の中華街BBS第2部の原代RL、参加キャラの真理が揃うのでーということで彼に。ん〜、い、意外なことに人気投票では‥‥(以下略)

Ruler: 原代 【サイトは昨年からずっと製作予定】
▼関西Maniaxコン常任RL、元木、MAKIと並ぶ関西三大怪獣の一人、西の魔人にして猫を従えた某社代表取締役(前振り長いな)のハラダイさんが遂に登場なのです! RI財団では今のところストーリー展開BBSはしていませんが妖神演舞のストーリー展開BBS、中華街ではサイトマスターの代わりにRLをして盛り上げてくれました。定評あるそのマスタリングを体感する悲願が今日にしてようやく達成できました。ソノてくにっくハウワサドオリデシタヨ、エエ。(どこかぎこちなく)

 
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無・限・人・形
〜無限人形〜


 それは映画の序幕の如き光景だった。暗く、広い部屋、室内のただ一つの光はモニターの画面。それを見つめるスーツの男。
画面内にはどこかのハイウェイを一列に走る4台の高級車が映し出されていた。突如爆発する先頭車両。だが、襲撃を予期していた残り3台は残骸を避け、さらに走る。
 彼らの行く手に待っていたのは大型アサルトライフルを構えた黒コートの女だった。ウェーブのかかった金髪が微風に揺れた時、彼女の弾丸が2台目の高級車の運転手を一撃で撃ち抜く。
 混乱し停止する残りの2台。騒ぎの後方から駆けてくる別の女。どこかライフルの女と似た彼女は飛んだ。最後尾の車両ボンネット上に着地。一呼吸で繰り出される降魔刀が防弾ガラスを貫く。
残りは一台だった。中に乗っていたのは北欧系の企業人だった。その壮年男性は襲撃者たちに慌てふためき‥‥
 雑音と灰一色に反転する画面。
 右下に現れる"Lokation: Toko NOVA"の文字。


 ヨコハマLU$TとN◎VA山の手を繋ぐハイウェイ、午前1時。LIMNET攻勢広報担当官クリス・ハーデルは、前方の騒ぎに気付いてタクシーを止めさせた。
 4台の黒い高級車が炎上しており、警官やトーキーや野次馬が集まっている。メモ帳を取り出しつつちらりと目をやったクリスはイワサキの人間が多いことに気付いた。護衛たちの間で息絶えていた被害者はエトーレ・トーン。N◎VAイワサキのパトロンだった男だ。ということは、千早に属する勢力の仕業だろうか‥‥?


 そう、あの時は夜の大気が騒いでいた。何となく気になった俺は、力を解いてあの事件現場を眺めていた。突然現れた俺に驚いたSSSの警官が、すぐに咎めてきたが。
 俺の名はアレックス。デス・ロードは死神との盟約を護るために戦う。だが俺は欲望の街であの娘との盟約を護れぬまま、光の帝国から来た男の前に倒れてしまった。


 次の日のニュースで深夜のハイウェイの暗殺事件は報道された。そして、LU$T寄りの地域で、凄腕のカブト、カタナが辻斬りに遭っているという話がストリートに流れる。いずれも首の骨を一撃、頭を潰されていたという。
 そんなストリートに潜む刃の一人、ブラッディ・Sにフィクサーのカン・陣野から連絡が入る。千早重工業のゴードン・マクマソン統括専務が、仕事で彼女を呼んでいるという。
 別名、“ゲームマスター”。トップの千早俊之社長から下に数えて数段レベルの特権階級。ヨコハマLU$Tで起こった一連の事件にも裏で糸を引いていた油断ならない人物。カン・陣野は「‥‥幸運を祈る」と最後に付け加え、電話は切れる。
 何が起こるか分からない。ブラッディは愛刀を確かめ、身代わり符を始めとする装備を揃えると、中央区に聳える千早アーコロジーへと向かう。


 アドレスを知られていないはずの俺のところに電話を掛けてきたのも彼だった。茶色の髪、縁なしの眼鏡、一見とても切れ者に見えない中年のエグゼクティヴ‥‥。やはり、午後に千早に来いと。
「ひとつ聞こう。どうしてこの俺を選んだんだ?」との問いに、ゴードンは「私も上層部との軋轢やら衝突やら様々な問題を抱えていましてね‥‥社外の人間にお願いしたいのですよ」と答えた。
 災厄の街に来てだいぶ経ったが、企業人を好きになれない俺の気持ちは変わっていなかった。そう、あの時、ロンドンH@ZEで彼女を失った時から。


 Total.MultiMediaを合言葉に、新拠点ヨコハマLU$Tで成長を続けるLIMNETヨコハマのオフィス。クリス・ハーデルは上司のニケから調査指令を受けていた。日本軍進駐時にとばっちりを受けた反日テロ組織、《アンダーグラウンドリバー》が動いていると。
 世界の電脳の海を渡るLIMNETの情報網は深く、広い。ニケは、千早のゴードン・マクマソンが動いていることも掴んでいた。クリスは、“ゲームマスター”が集めた人員に知った顔がいることを確認する。


 N◎VA中華街、桃花源大飯店。秦真理はウェイン王と会っていた。大老は苦々しげに、千早のゴードンが真理を呼んでいることを養女に告げる。
「大老、始末は私がつけます」
 一連の事件の後、真理は夏へと去る予定だった。これが、最後のけじめになるのだろう。育ての親に安心するよう告げると、彼女は千早アーコロジーへと向かう。


 ニューロエイジ世界のどこか、真っ暗な一室。スラップスティックは画面の中と話をしていた。
『例の女がN◎VAを後にしようとしている。例の事件に多少関わった女だ』
 映っているのは秦真理だった。
「監視‥‥どこまで?」
『好きなようにしろ』
 話す相手に画像が切り替わる。深緑のスーツ。そして、胸には鳳の紋章‥‥

 相手はあのゴードン。ブラッディ・Sはいきなりのシーンカードに売買21+報酬点9点で身代わり符を購入。他キャストも準備と覚悟をしてから千早アーコロジーに向かいます。対面しても一触即発。ピリピリした中で依頼が進むのです。でも統括専務、人気投票で上位なんだよね。(笑)

 
 
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 面倒な入口を飛ばし、千早アークの受付そばに出現した俺は受付の女性と話をしていた。容貌を説明するとくすくす笑いながら彼女はゴードンのオフィスへと繋がるカードを手渡した。
「お久し振りです‥‥お怪我は大丈夫ですか? いろいろ御苦労様でした」
 背後に気配を感じ、振り返る。LU$Tで俺が護れなかったあの紅玉の戦姫がそこに立っていた。
 そして、彼女のさらに背後に現れた、触れただけで斬れそうな刃の殺気。受付嬢たちの顔がこわばった。ブラッディ・Sは俺を認めると無言で軽く手を振ってきた。
 俺達は案内された階数表示のない広い専用エレベータで、上へ向かった。千早重工の上へ、上へ。着いた先の廊下の多くの部屋はもらったカードでは開かなかった。
 それにしても気になるのは同伴したあの日系人のクグツ――スラップスティックだ。どうやらお客様待遇のようだが千早の社員なのか? 俺がLU$Tのレスキューの病院に収容されていた時、彼の顔を見た記憶がある。M○●Nの菓子折詰め‥‥あの差し入れは彼だったのだろうか。
 いずれにせよ、ゴードンの部屋の前で彼はいつの間にか消えてしまっていた。


 クリス・ハーデルはイワサキの九条誠と接触し、死んだエトーレのことを聞き出す。千早をかなり目障りにしていたらしい。LU$TイワサキとN◎VAイワサキの間を頻繁に行き来していたそうだ。互いに名刺を交換し、良好な関係を保ちたいと告げる彼にクリスは握手を交わす。「このカードのように割れるほど脆い、良好な関係をね」と言いながら。


 千早統括専務室からは災厄の街が一望できた。実質一点張りの部屋、控える秘書。相手は千早の“ゲームマスター”。三人が彼と向かい合った時、抜かれる寸前の刃に似た、張り詰めた雰囲気が室内に満ちた。
ゴードン・マクマソンの側には、白髭の老人がいた。千早重工開発部名誉顧問ゲオルグ・ビュガー博士。ゴードンが付け加える“フランケンシュタイン”の仇名にも「名誉な称号ぢゃよ」と下品に笑う不遜な男。
 専務室のスクリーンには二人の男女が映っていた。細面に丸眼鏡の男性と、彼が手を引く10代後半のスレンダーな娘。オレンジのコートに黒の十字架のチョーカーが揺れていた。画面を見ながら話すゴードンの依頼はこうだった。
 ゲオルグ博士の助手、研究員のキース・ブラッシュウッドが、ネイ・ビュガーという娘を連れて逃げ出した。場所も分かっている。ファッツ・ヤンという三合会系マフィアのシマ。どうやらテロ組織に助けを求めたのかもしれないと。現地には千早の精鋭部隊を10人派遣する。5人が表、5人が裏から突入。
 秦真理には、眠れる龍を起こさぬよう、ファツ・ヤンに騒ぎを一時的に見逃してもらうよう交渉を。ブラッディは正面からの突入部隊を援護、時間を稼いぐ。アレックスは同様、但しネイの身柄確保を優先。研究員キースの優先順位は低。
 ネイ・ビュガーは気弱そうな、何処にでもいそうな娘だった。「彼はこのゲオルグ博士の孫でね」とゴードンが説明した時、「おお、そうじゃったそうじゃった」と不自然に答える博士の様子をブラッディは見逃さなかった。
 それは血縁者への愛情のこもった老人の言葉ではなかった。まるで――自分の作品やペットに呼びかけるような‥‥。


「了解だ。だが二人とも、大それたことを考えるような人間にはあまり見えないが?」
「これはこれは、面白いことをおっしゃる、Mr.タウンゼント」
 俺の問いに、マクマソン統括部長は微笑しながら答えた。
「この街の人間が見た目通りでないことは、あなたが一番お分かりでは?」
 俺は目を細めた。いちいち気に触る男だ。だが‥‥ここで、断る理由はまだない。
 話が終わった時、横のドアからあの日系人がまた出てきた。しかも、統括専務と対等な口調で話をしている。何者だ?

 映画のカメラを意識し、その場にいる登場人物を明確にする――TRPGのGMに慣れた人なら無意識にやっているこの演出をルールで規定した登場判定は、TNRの革命たる所以のひとつ。
しかし、原代RLのアクトは舞台裏での一行動やシーンカードのチェンジ、実際にカードを出す登場判定など、あまり厳密にやっていませんね。この辺は1st、2nd時代から自然な技を培ってきた人の大らかなルーラリングでしょうか。
マジンノチカラハコレカラデスヨネ。ワクワク。(どこかぎこちなく)

 
 
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 その後、世界的に有名な謎の組織に所属するスラップスティックは金髪の美人秘書ジェニファーにリムジンを運転させ、タタラ街にあるゲオルグ博士の個人的なラボへ向かった。雷鳴が轟く中、ラボの中で雑談を交わす。去り際に「博士、孫娘は全部で何人だ?」とスラップが笑った時、雷光が一際激しく輝いた‥‥
 千早が作戦行動を起こす地点を把握したクリスは、近くのビルの屋上からポイントし、メモ帳を傍らに写真撮影の準備を整える。
 スラップスティックは千早俊之に連絡し、ゲオルグ博士の孫の記録を偽造しておいてもらうよう頼む。だが、ミラーシェードの社長の答えは「既に手を打っています」というものだった。


 俺は一般に公開されているデータベースを当たった。ゲオルグ博士はM○●N出身。孫娘ネイは、いかにも孫に相応しい記録が並んでいるだけだった。


 真理は三合会マフィアのファッツ・ヤンの店を訪れ、今晩の騒ぎに目をつぶってもらうよう頼む。彼は「王大老の子の言うことならな」としぶしぶ了解した。
 そこへやってくるクリス。真理が知り合いだと紹介したお陰で、彼は事無きを得る。
 だが一行が店内をよく見渡すと、世界的謎の酔っ払いスラップスティックがいつの間にかカウンターで酒を飲んでいた。腕っ節の強いバウンサーが彼をつまみ出す。だが、謎のIANUSを埋め込んだ世界的規模の謎の組織のエージェントは格闘戦に強い。雷鳴の響く外に出た途端に用心棒をのすと、謎の酔っ払いスラップスティックは何事もなく店内に帰ってきた。


「‥‥オペレーション開始まで3分。作戦に変更なし。全員の時計を合わせろッ」
 バンの後部。黒い防弾チョッキにフルフェイスで頭を隠した精鋭部隊たちが左手を出し合っていた。だが1人だけ、時計を忘れたのかおろおろしている隊員が混じっている。
 ブラッディと俺は顔を見合わせた。プロの目はごまかせない――いや、あれなら素人でも分かる。
「‥‥スラップスティック」 呟くブラッディ。
「ああ‥‥漫画の主人公だったかな」
 隊長格の男がやってくると、俺達の肩を叩いた。
「予定通り開始する。なあに、楽な仕事だ」
 それは秘密の不意打ちパーティタイムで、鉛弾を何度もプレゼントしてきた人間の酷薄な笑みだった。
「ところで隊長。一人だけ練度の違う隊員が混じっているようだが‥‥?」
「いえ一人、風邪で休んじゃったんですよ。急でしたね! 大丈夫、我々もプロですから」
 その一人だけ練度の違う、スラップスティックらしき隊員が答える。自分からプロと言う奴はそうはいないのだが‥‥


 クリスはポイント地点から一部始終を捉えていた。千早部隊の突入先は静かだった。バンから降り立った面々の中で、カタナの勘でブラッディだけがクリスの視線に気付いて上を見上げた。クリスは手を振り、敵意がないことを示してサーチを続ける。


 チームの前衛数人が壁にはりつき、手早くプラスチック爆弾を円状にセットする。教本通りの動きだ。
 だが、教本には凄腕のカタナが何を斬るのかまでは書いていなかったのだろう。ブラッディの降魔刀が一閃しただけで、扉は二つに割れた。あっけにとられた隊長が命令を出すの待たずに、俺達は建物へ突入した。
 俺は正面をブラッディに任せ、奥のドアまで一呼吸で飛んだ。背後から空気を切り裂く特有の音が聞こえてくる。あの程度の人間では、何人いてもブラッディの剣の前では一瞬だろう。
 その時、乾いた銃声が連続して響いた。くぐもった悲鳴、足音。俺は赤外受光とデータリンクをONにし、結線した右手のBOMBを先頭に部屋へ踏み込んだ。
 部屋は蜂の巣だった。テロ組織のメンバー、裏口から突入してきたストライク・チームの5人、目標の研究員キース‥‥全員が銃弾の雨を浴びて倒れている。
 裏口から銃を持った一人の女が逃げ出していた。俺が合図するまでもなく、ブラッディが刀を手に飛び出す。
 部屋に残った俺は状況を確認した。研究員キース・ブラッシュウッドはまだ微かに息があった。血だらけの手が俺を掴んだのだ。
「この子を頼む‥‥あの男に‥‥あの男に返さないでくれ‥‥」
「分かった」
 息絶えた彼の体の下で、そのネイ・ビュガーという少女が震えていた。奇跡的なことに、彼女だけには弾が一発も当たっていなかったのだ。声を掛けると、彼女はひしと手を握ってきた。
「大丈夫か」
「お願い、私を護って!」
「‥‥ああ」
「じゃあ約束して。私を護るって」
 様々なものが頭をよぎった。孫について言及するゲオルグ博士の口調。少しも似ていなかった博士と彼女の顔。そしてゴードンの顔。
「‥‥‥‥約束しよう。盟約は結ばれた」


 その頃。純和風で行われたある有名人の結婚式に、和服で着飾った報道陣が詰め掛けていた。
「あれ、静元先輩どうしたんですか?」
「あらやだ。あちゃー、下駄の鼻緒が切れちゃった‥‥」
「不吉ですよね、こんな時に」
「何かの前触れじゃないといいけど‥‥」

 流石は西の魔人、何やらゲストの女の子登場の時に一際描写に熱がこもってます。キャストが手を握り返した瞬間、やけに嬉しそうなのはナゼだ。(笑)
いきなり別シーンの約束な展開まで始めてきます。人のキャストいきなり勝手に使わないで下さい(泣) てゆーか、今どき誰が下駄履くんでしゅか(爆)
まにあくすノるーらーハトテモイイヒトタチデス。(ぎこちなく)


 アサルトライフルを抱えた犯人の逃げ足は思いのほか速く、脚をサイバー・アップしているブラッディも逃してしまう。
 アレックスは室内の調査を続けた。制圧に使われたのは13mm徹甲弾。部屋の外からのライフル速射で、壁ごと全てを撃ち抜いたようだった。弾には元力その他、通常以外の要素は付加されていなかった。
 そんな時、キース・ブラッシュウッドの死体が着ている緑のコートの中から、ポケットロンが鳴る。
「アナタ誰? 弟分はどうしたのヨ! え、どういうコト!」
 相手はよい体格をした黒人だった。ウェットシティの雇われ支配人、“Mr.ブラック”ことレイ・ヴァイダーベック。ゲイの男。どうやら死んだキースと親しくしていたらしい。


 アレックスとブラッディは、後で連絡するよう告げると既に闇に消えていた。
 クリスと真理はバー“桃花源”に集まり、今後の対策を話す。普段は混んでいるこのバーも、今夜だけは空いていた。
「そうなのよ。今夜はずいぶん軽いわねえ」と店主の翠が二人に飲み物を勧める。


 俺はレッドエリアにある隠れ家にネイとブラッディを案内した。ゴードンにはまだこの娘は渡せない。
「ネイ。この仕事は千早重工からの依頼だったが、俺が本当に仕えている相手は別だ。どうか君のことを全部教えてくれ」
 しばらくして落ち着いてから、彼女は身の上を話し出した。
 どうやら彼女は孤児院で生まれ、ゲオルグ博士に拾われたらしいのだが、記憶が曖昧で不明点が多いという。ゲオルグには苦痛を与えられた記憶しかなく、キースと違って少しも優しくない。キースが千早から逃げようと持ちかけ、確かに彼にも黒人の友人がいたという。千早から逃げた所でキースとネイの顔を知っていたテロリスト達に捕まり、軟禁状態にあった所であの騒ぎが起こったそうだ。
「‥‥試してみるか」
 その時だった。俺は突然背後から殺気を感じた。ブラッディが何時の間にか刀を抜いていたのだ。振り向き様に彗星剣を抜いたが間に合わなかった。
 降魔刀はネイの寸前の中空で止まっていた。だが――ネイは、信じられないことに、斬撃を察して身を引いていたのだ。俺は息を吐いた。
「ブラッディ‥‥ずいぶん乱暴だな」
「見たか」
「ああ、見た」
 サイバー・スキャンを仕込んだ彼女の“眼”には俺以上のものが映っていたようだ。言われて初めて分かった。彼女のIANUSは違っていた。スロットが多く、何かのジョイントがついている。それ以外は、彼女の体はほとんどウェットに近い状態のようだが‥‥
 剣の道を真に極めた者は一瞬で獲物を抜き、複数の刀で一度に斬りかかることすらできる。そんなことができる人間はそう多くはない。このブラッディの他に、実際に俺が見たのはあの黒の死神ぐらいだ。
 この俺でさえ反応が遅れた。だが、17才の普通の少女であるはずのネイ・ビュガーの体は、斬哭剣の鳴き声が響く前に反応していたのだ!
 顔を見合わせる俺とブラッディの横で、クリスたちから連絡が入った。


 スラップスティックは世界的規模の謎の組織の力でレイ・ヴァイダーベックの居場所を知ると、会いに行く。豪華な住まいは黒い内装、筋肉質の裸の男たちの絵が壁に並んでいた。
「ワタシはね、いい男の声はよく覚えてるのヨ」
 出てくるレイ。死んだ弟分のキースはああ見えて、捨てられた子猫や、そういった類に弱いところがあったという。


 桃花源に現れたブラッディら3人。ネイを連れたアレックスがまず、バーの年齢制限を破ったことを翠に謝る。気を利かせたクリスが2人に酒と、少女に温かいココアを頼んだ。
 ネイを仔細に観察したクリスは面白いことに気付いた。体術の達人並みのしなやかな体だが、制御する方が素人のように見える。抱いてみると、ずいぶんと重い体だった。
 相変わらず“軽い”静かな店内で、真理はアレックスに確認を取る。
「ネイを護るおつもりで?」
「そうだ」
「それは、今の依頼より優先してということですか?」
「ああ。‥‥真理、デス・ロードの本当の雇い主が誰か、君なら分かっているだろう」
 死の卿の意志を察した紅玉の戦姫は微笑み、途中経過報告を促すゴードンからの電話を調査中と軽く受け流す。
「枝は見えてるのかい? なんなら、僕が手を回すよ」
と、クリスはLIMNETヨコハマに連絡を取った。当たるのは電脳情報技師特級査察官。あの電脳の歌姫なら、広大な電子の海から鍵を拾い上げることなど、わけないはずだ。
 幸いなことに、リハビリ中のメレディーはだいぶ回復していた。
『楽しいわ、クリス。こうしてキーボードに指を走らせている時が、一番生き返ったような気がする‥‥』
 ダイブした彼女は示されたキーワードを元に、すぐにグリッドのきらめく浅瀬から真鍮の鍵を拾い上げた。
 ゲオルグ・ビュガー博士は元、M○●NのBIOS出身。千早に移ってからは戦闘用個人兵器開発に関わり、完全な戦闘ドロイドを研究していた。個人的な研究室はアーコロジー外、タタラ街に。
 現場からアサルトライフルと共に逃げた女の名はセレスと判明した。白髪の老人――おそらくゲオルグ――と共にタタラ街で目撃されたという。セレスも、完成された機体なのだろうか?


 俺とブラッディはネイを連れ、ウェットシティのレイ・ヴァイダーベックの元を訪れた。裸の男の絵の並ぶ屋敷で、彼は女のブラッディには目もくれず、俺と、俺のコートにしがみつくネイをじろじろと眺めた。
「アナタがあのデス・ロードね。噂は聞いてるワ。いつか、裸のアナタの絵をここにも飾りたイ‥‥あら、そちらは娘さん? それともその年だと‥‥恋人?」
「どちらでも好きに考えろ」
 俺はぴしゃりと答えると、ブラッディに目配せした。前にもこんなことがあった。巫人‥‥銀の守護者の自称恋人のあの小さな女神は、どうしているだろうか。
「そうなの‥‥千早がまた嫌いになったワ!」
 ブラッディから詳しい話を聞いたレイは吐き捨てるように行った。キース・ブラッシュウッドは元医者、義手類の研究をしていたところをゲオルグ博士にスカウトされ、助手として戦闘用ドロイドを製作。「あんなところから連れ出してやりたい」としきりにレイにこぼしていたという。やはり、千早のアークではなく、ゲオルグ博士の個人的なラボにいたそうだ。
 彼に別れを告げた後、俺は得られた一連の言葉をキーワードにDAKから企業情報を当たってみた。LIMNETやハマのB-2 UNIT、なんとかいう財団のDB‥‥当たりだった。Projekt: Hyper Human。アルファ、ベータ、ガンマのコードネームのついた、千早の究極の戦闘用個人兵器。ゲオルグ博士はそれを造っていたのだ。それに、ウォーカーや船、ドロイドの機体に女性の名を付けるのはよくあることだ。

 みんなよく忘れるウェットシティ「アーコロジー」を歩く三人。ここで!なにやらRL氏は追加のシーンを宣言します。やけに嬉しそうなのはナゼだ。(笑)
 ずいぶん楽しそうですねえ。何が始まるんですかねえ。ホトケノヨウナホホエミデチタヨ。(ぎこちなく)


‥‥陰謀を感じつつ【後編】へ

 
 

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...... Big 3 Monsterz strikes Capital! Prepare, Atakk, We Kanton-Troops! ......

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