闇忍軍、推参


 誘いを受けたので連休6回セッションの5回目。今日の話は芸能系です。トーキー、カブキなどの芸能系ペルソナ、そして護衛のカブトがグッドだそうですな。

And so, they appeared on the Staj of Wheel of Fortune .....

Handle: “硝煙の楯”赤坂 圭介 【Profile
Style: カリスマ◎,カブトワリ,カブト● Aj: 26 Jender:
 ナイト・ワーデンと二足のわらじを履く若手アクション俳優。自分に人を護れる自信がついたらとクリスタルシールドを預けたまま、盾なしで仕事を続ける。銃で依頼人を護ることからこの名がついた。
Player: 聖槍帝 【Welcome to Ronguinus World!
▼次の日からバイトらしい聖槍帝さんは140点Verの赤坂氏です。「火力が足りない」と自分でぼやいていましたがその通りでした(笑)。副業ではしょうがないですな。

Handle: 真名瀬 一機(まなせ・いつき)
Style: フェイト=フェイト◎,カブトワリ● Aj: 32 Jender:
 助手ALSAと共に《真名瀬探偵事務所》を構えるNIK所属の渋めの探偵。普段はその素振りを見せないが、リボルバーの抜き撃ちを得意とする。
Player: 羽沢ミナト 【黒幕ホワイト
▼最近N◎VA回数が多いミナトさんです。経験点がどんどんたまっていきますね。僕も連休は6回分貯まったけど(笑)
 本日は渋く探偵の新キャスト。そういえば私立探偵のハードボイルドなイメージのせいか、フェイトとカブトワリの組み合わせはMYO専務のクリス・ハーデル始めあちこちでよく見掛けますね。フェイトでカタナってあんまり見ないもんなぁ(笑)

Handle: ALSA(アルサ)
Style: ニューロ◎●,ハイランダー,カゲ Aj: 20 Jender:
《真名瀬探偵事務所》の助手を務めるバイオロボット。外見は普通の女性である。サテライト上にある秘密基地からの物質転送機で、各社の携帯許可証を始め実に様々な物を用意してくる。
Player: AZ3EL 【中欧出班/TOKYO N◎VA the 3rd level network
▼ボア尊師です。なぜ東京にいるのでしょうか(笑)!
本日は急だったのでキャストを作ってきました。メイド服こそ着ていませんがお手伝いさんです。でもカゲで<※完全奇襲>してきます。しかも<※隠れバディ>はよしとして<※謎のプレゼント>10Lvというはっちゃけぶり! 謎の光線であらゆるものが降ってきますね。その上<※猿飛>でさらに達成値を上げて降ってきたプレゼントで即攻撃してきます。
こうさくいん「はっちゃけ過ぎでしゅ〜(笑)」

Handle: “広報部の華”静元 涼子 【Profile
Style: クグツ◎,トーキー,ミストレス● Aj: 30? Jender:
 オーストラリア、アデレード本社の中堅企業ニューセンチュリー・バイオテック・コーポレーション広報部2課対外取材班の主任。自分の立場と仕事を楽しむキャリアウーマン。好奇心の強い快活な女性で、社内でも慕われている。ハウンドに勤める弟がいる。カブトの肩を持つことが何故か多いらしい。
▼メディア系ということで静元女史の登場です。3種の戦闘のどれにも弱いですが架空世界で一人の人間として生きていることこそキャラクターの本当の価値だい!と主張。
今回は<※女神の御手>でぱわーUp。チーム全体の精紳戦防御が強くなるし彼女のコンセプトにも合いますね。<※盾の乙女>もあるのでコンビを組むとちょっといいカンジになりそうです。
こうさくいん「コンビって、だれとでしゅか〜(笑)」

Ruler: 九龍 【九龍の好き放題勝手ページ
▼RIファミリーの部下くりゅりゅんクンが急遽シナリオを作ってきてくれました。えらいえらい。最近のマイブームはキャストのダメ版(しかも人のキャストメイン)を作ること。
「《不可知》状態から<※花吹雪><※※洗脳>のフルオートで殺し屋をチャイナ服萌えにしていくダメトニーおじさん」「<※※異形化>でウォーカーと一体化して空を飛ぶダメリリー」「完全義体+白熱掌で握手してくるダメリリー2」「<※職権乱用>でメーザーやウォーカーを持ち込んでくるダメ星也」「<※※リザレクション>で毎回ピンピンして義体で復活してくるダメ涼子」「家に帰ると謎の生き物相当の小妖精を愛でているダメアレックス」とか言ってきます。タシケテ〜〜(悲鳴)

 
 
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The Icy Staj

〜氷のステージ〜


 ウェットシティに社屋を持つ音楽事務所X-eba(ゼクセーバ)。2人の新人のメジャーデビューコンサートまであと3日に迫っている。だが、1年前のコンサートと同じく、M∵C∵Aからのテロ予告があったことがメディアに漏れた。企画部長の“偽華(フェイクフラワー)”佐倉 恵(さくら・けい)氏は、ただ「安心です、ノーコメント」と繰り返すだけだった‥‥


 新作アクション映画撮影の合間に、赤坂圭介はX-ebaの佐倉恵企画部長に呼ばれる。多忙な業務の合間に俳優も、そして学生までやっている不可能な若者だ。一説によると佐倉恵は3人いるとも言われている。
 ナイト・ワーデンにも登録している赤坂への依頼は今度のコンサートでデビューする新人アーティスト2人の護衛だった。物理的な護衛は既に就いている。テロ予告の元を正し、二人を安全にデビューさせてほしいと。


 一方、《真名瀬事務所》では、真名瀬所長がX-ebaマネージャーの浅羽氏から話を聞いていた。横では助手ALSAがコーヒーを入れている。
 依頼内容はテロ予告の原因を可能であれば突き止め、未然に解決すること。報酬は1プラチナムだった。
 参考に持って来たホロデータの中では二人のカブキが歌っていた。ジーナ・マクドガルは確かな歌唱力を持つ実力派シンガーで、バックバンドのギターには“ラッシュ”を迎えている。一方、カズヤ・フレデリックは歌より雰囲気で攻めるアイドル系美少年。一体、誰が二人を狙っているのだろうか‥‥??


「なあ静元君。ついでだし‥‥もう一仕事してきてくれんかね? あそこにはNCBからも金が出ているんだ」
「‥‥あの、課長、もしも、本当にテロが起こったりしたらどうするんですか? 今からということは、どうせ護衛もなしなんですわよね?」
「なぁに大丈夫大丈夫。会場のセキュリティもしっかりしてるそうだし、そう簡単に起こったりせんよ」
 背後に課長の影を感じた時から不吉な予感がしたけど、やっぱり的中しちゃった。あの出向組の課長が自分から言ってくるなんて、大抵ろくなことにならないのよね‥‥。
 わたくしの名は静元涼子。ときどき“広報部の華”なんて嬉しいことを言ってくれる人もいるけど、それはヒミツね。肩書きは、ニューセンチュリー・バイオテック・コーポレーショントーキョーN◎VA支社、広報部2課対外取材班主任。あ、大抵の方は聞き返してくるから、一度で覚えられなくてもいいのよ。
 NCBはオーストラリアに本拠を持つバイオ系企業です。中堅どころの我が社はバイオテックの他にも医療やメディアを始め、いろんな事業を手掛ける企業複合体として認知されつつあるの。本社がCFCさんやテンプルトンさんに負けてようと、一介のクグツには関係ないしね。テンプルトン製のキャロティーヌ香水なら、私も使っているし。
 という訳でテロ予告の出たコンサートを取材に行く羽目になってしまったのだけど、何かあったらお金は後から出すとか言ってるのよね。ほんとに危ないことになったらどうしましょう。護衛とか呼ぶにしても、あの人はずっとロンドンに行ったままだし‥‥

   
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 真名瀬所長は調査を開始した。知り合いの赤坂圭介も、コーヒーを飲みにやってくる。
 世界を破滅に導くために動いていると言われるM∵C∵Aには、目立った動きがまったくなかった。情報屋の御堂真黄に当たってみたところ、ブラックハウンドはまだ捜査に取り掛かっていないようだ。デビュー予定のジーナ・マクドガルはどうやら超常能力を持っているようだが‥‥他の芸能プロダクションの妨害なのだろうか?


 X-ebaのイベントルームを抜けて、企画室を探しながら、私はちょっと考えをまとめてみた。もし本当にコンサートが大変なことになったとして、損するところは‥‥まず当然このゼクセーバ。報道提携しているマリオネットもね。あとうちもちょっとだけ。近々別のコンサートを予定している他のプロダクションも。でも‥‥得するような企業筋は全然思い当たらないのよね。


 有象無象のトーキーの群れが隙あらば中へとへし合うX-eba企画室前。NCB社の記章を見せ、静元涼子はなんなく中へと入っていく。
 一方、バイオロボットのALSAはサテライト基地と通信すると適切な許可証をダウンロード。謎の光線によって手元に現れたゲストカードを手に、真名瀬局長と中へ入る。


「ああ、静元さんだね。噂は聞いてるよ」
 佐倉企画部長はにこやかに微笑を浮かべながら、私たちを出迎えてくれた。洒落た服で女性みたいな格好をしてるけど、この人は男。どうも裏の多そうな人なのよねー。なんでも通り名は“偽華(フェイク・フラワー)”。どんなに綺麗でも、造花じゃ人の心は動かせないのよ?
「ところで一年半前に起こったその前回の事件ですけれども、心当たりはないのですか? 佐倉部長でしたら企業筋に顔も広いと伺ってますけど‥‥?」
 探偵の真名瀬さんがちょっと探りを入れたところによると、佐倉部長は利益も大事だけど事件の解決を望んでいた。ということは彼が自分で仕組んだ訳ではなさそうね。
 そして、私とのやり取りの中で、部長はついぽろっと本当のことを漏らした。前回、会場を襲ったのはM∵C∵Aの名を騙ったレイド&ルーラー社の偽装した引き抜き部隊。当時デビューした舞原優はマヤカシ能力の持ち主だったの。今回、R&R以外に考えられるところはないみたいだけど‥‥
 確かに、この世界には不思議な力を持つ種類の人たちがいる。強い霊力を持つ人間を強引に奪取するようなところもあるのね! 力の持ち主と言ったら‥‥はっ、あの人は強いから大丈夫でしょうけど、どうしましょううちの星也もそうだわ。


 有象無象のトーキーの群れが隙あらば中へとへし合うリハーサル・スタジオ。中では、ジーナ・マクドガルとカズヤ・フレデリックが練習に励んでいた。
 部長から正式な許可を受けている赤坂は二人に話を聞きに赴く。真名瀬局長と助手ALSAも中へ。トーキー達を尻目に、静元涼子は記章を見せると颯爽と中へ入る。佐倉恵部長はサーフェス・ホロドレスに着替えていた。
 二人の周りに異常な出来事は起こっていないという。滞在中のホテルは遂に報道陣にばれてしまったが、セキュリティは万全だ。ジーナは自分の能力を理解していたが、その力のせいで狙われたことはないということだ。
 カズヤ・フレデリックが、思い出したように話し出す。X-ebaの企画室助手のクグツ、浅羽マネージャーが二人に余計な世話を焼き過ぎるというのだ。真名瀬探偵事務所への元々の依頼人でもある浅羽氏の入社は3年前。狭い視野の人物で、余計な上昇志向の持ち主だともいう。


 コンサートまで2日と迫った。真名瀬は探偵事務所に戻り、マネージャー浅羽氏を洗い出す。随分な量の金をマネキンに使い込んでいた。今までの仕事でよく見掛けたタイプ――いかにも身を持ち崩しそうなタイプだ。
 レイド&ルーラー社の動きは完全にゼロだった。R&Rはシロ、佐倉部長もシロ、二人と前回デビューした舞原優もシロ。真名瀬の探偵としての勘が、浅羽氏が怪しいと告げていた。アポイントメントを取り、助手ALSAが出した車に乗り込む。


 私は喫茶店で一休みすることにした。美味しいショートケーキとお茶でゆっくりすればいい考えが浮かぶこともあるけど‥‥浮かばない時もあるのよねー。
 確かにR&R社のような悪名高いところなら、もしかしたらマヤカシを集めたりするかもしれない。そういえばあのtwiLiteを運営しているミリオン・ライト社もその筋に関係があるらしいわね?
 でも、調べたところマネージャーの浅羽氏は他企業と接触した気配はなかった。警察の記録でも、小さな詐称で訴えられたことがあったくらい。
 考えがまとまらなくて店を出たちょうどその時、私の前で真名瀬さんの車が止まった。
「静元さん。我々はこれから浅羽氏に会いに行くところです。一緒にどうですか」
『彼女との協力は13%の確率で事務所に不利益をもたらしますが、73%の確率で真実へと到達する助けになります、所長』
 あの渋めの探偵さんがそう言うなら、きっと何かを掴んだのね。途中で赤坂さんも合流して、私たちは最後の容疑者の元へ向かうことにしたの。


 マネージャーの浅羽は1年前の舞原優襲撃事件には関与していなかった。結果的には黒字になったのだからと言い張る。静元涼子の問いかけにも、心当たりはないと堅く口を閉ざすだけだった。
 だが、真名瀬所長の執拗な追求に、遂に彼は白状する。例えテロが起こったとしても未然に防がれれば事務所側には得になる。M∵C∵Aの話は売名のために彼が自分一人でばら撒いた虚言だったのだ!
「ふざけるなテメェ、芸能人をなんだと思ってやがるんだっ!」
 あまりの怒りに赤坂圭介はいきなり一瞬で銃を抜き、彼の額につきつける。
 そこへ、佐倉恵企画部長が丁度よく登場する。浅羽氏は泣きそうな顔で上司の顔を見返していた。
「まあまあ佐倉さん、この行為は社に利益をもたらそうという、彼の忠誠心によるものですよ。利となるのならば、貴方はそれで良いのではありませんでしたかな?」
と半ば皮肉を込めて弁護する真名瀬。だが、扇子を開いた佐倉部長は部下を冷ややかに見つめた。
「浅羽君。わたくしはあなたと違って、プライドを捨てていないの。どうなるか分かっているでしょうね?」
 あまりの緊張に失神する浅羽氏。こうして、真名瀬探偵事務所と赤坂圭介が受けた依頼は完遂された。
「私には理解できませんが、彼らにも彼らなりの誇りがあるのでしょうな」
 約束のプラチナムを受け取り、真名瀬探偵は取材が目的のトーキーを振り向く。「静元さん、あなたはどうします?」
「ど、どうしましょうねぇ‥‥」
 結局、コンサートは1日早めて実施。その模様は、NCB社の子会社プラグドNC・ドットコム社からWeb上で独占報道されることになった。

   
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 予約していたファンたちを騒がせた一日早いコンサート当日。赤坂圭介はストリートで妙な噂を聞きつける。なんでも真教の謎のテロリスト集団、氷の静謐派がコンサートを狙っているというのだ!?
 ALSAはコンサート会場のメインフレームに侵入し、今日のパスワードを読み取ると、いつでも会場の全トロンを操作できる体制を整える。
 ファンたちの黄色い声で開始前から盛り上がる会場を、真名瀬は油断なく見渡した。カズヤ君に夢中の女の子の目は誤魔化せても、プロフェッショナルの探偵の目は誤魔化せない。群衆の中にカゲの群れが混じっている!


 まさか、この会場で何かが起こったりするのかしら。でも真名瀬さんは銃の腕が立つそうだし、会場の後ろで待機している赤坂さんもワーデンに登録しているぐらいの優秀なカブトだし‥‥
 でも変わってるわね。ふつうカブトの方といったら盾を持ってるものだし――あの人もそうだけど――銃だけしか使わないなんて。“硝煙の楯”とは言うけれど、スナイパーライフルだけで大丈夫なのかしら?
 気を取り直して、私は撮影に入ることにした。
『さあ、ニュースを御覧のネットランダーの皆さん、お元気ですか? コンサート開始直前の会場はすごい熱気に包まれています。ここでちょっと会場の皆さんに聞いてみましょう。そこの方たち、ジーナ・マクドガルとカズヤ・フレデリックと、どちらがお目当て?』
「んー、ジーナもいいけどぉ、やっぱりカズヤ君!」
「そうよ! ガゼンあの子よっ!」
『そうですわよね、ガゼン、カズヤ君ですよねっ! ‥‥‥‥あら?』
 その時、会場中央で異変が起こった。はー、結局こうなってしまうのね。


 暗殺者達の動きにいち早く気付いた真名瀬はホルスターから銃を抜き撃ちする。だが、残像を残して銃弾を躱した彼らはステージに飛び上がり、凍りついたままのジーナ・マクドガルに斬り掛かった。ALSAが制御するバックライトが動き出し、カゲたちを止める。
「な、何者なのでしょう、彼らは?!」
 思わずカメラを向ける静元涼子。残った黒装束のカゲたちは三段に並び、声高らかに叫んだ。
「我らは真教浄化派、氷の静謐・闇忍軍。ここに推参!」

 やる気満々の忍者達に向かい、赤坂圭介は狙撃地点からサンダーボルトライフルの引き金を引く。だが、観客に混じっていた敵のカブトたちが狙撃を防いだ。
 そして‥‥ステージ上に現れた赤衣の暗殺者リーダー。その両腕に構えられているのは超微細フレシェット弾を撃ちだす二挺のニードルガンだ。ALSAが操る自立型カメラの群れが、防具をつけていない人間には致命的な射撃を防ぐ。
 声援を送る静元涼子に応えつつ、真名瀬のマグナム弾が暗殺者たちを倒していった。リーダーも、部下も、ためらいなく壇上のジーナを攻撃している。探偵の勘が告げた。――異能力を持つ彼女の脳だけを回収するつもりだろうか?
 再び致命的な二挺のスティンガーが壇上のアーチストに向けられた。ぎりぎりのところで赤坂圭介の放った弾が、ニードルガンの手元を狂わす!


「ステージ上のジーナを狙って現れたあの全身真っ赤な二挺拳銃の男、一体何者なのでしょうか?!」
 あの時の私の声は、何故か彼に届いたみたい。
「ハ! 冥土の土産に教えてやるゼ! 十二閃光将が一人、俺の名は“緋色の針”のスコーピオンッ! ここは退いてやろう。だが、これで終わりじゃねえぜ!」
 忽然と姿を消すカブトワリ。反撃が激しいのを見てとったのかしら。そしてALSAさんがどこからともなく取り出した短剣型手榴弾が爆発して、残った忍軍の暗殺者たちを倒した‥‥ちょっと待ってよ、爆発させちゃったら、こっちがテロ犯みたいじゃないの!
 結局コンサートは中止。佐倉部長があちこちに手を回して、報道関係は一切ノータッチ。うちの会社が独占報道権をもらえることになったのだけど‥‥。
 そういえばカズヤ・フレデリックの姿がコンサート中ずっと見えなかったわね。その後も行方知れずなんだけど‥‥それに彼、目立つロザリオをリハーサルの時もずっとしていたわね?
「まあ、普通ロザリオぐらいつけているだろう」
 銃をしまった真名瀬さんはそう言ってはくれたけど、何だか妙に気になる‥‥


 ジーナ・マクドガルは突然の出来事にかなりショックを受けていた。そして、行方をくらましたカズヤ・フレデリックは? そういえば、彼の身元をまったく洗っていない。
 カブキの少年はストリート出身だった。スラムを拠点としていた頃は、その青いコートから“青の翼”のジークと呼ばれていたらしい。
 目撃者を洗い、真名瀬探偵の追跡が始まる。浮かび上がったのはレッドエリア、スラムのある教会跡地だ。
『所長、63%の確率で危険です』
 助手ALSAが車を回す。一行は人気のない教会跡地へと乗り込んだ。


『あなた達の負ける確率は89%です。もう間に合いませんよ』
 扉ひとつ向こうの礼拝堂に、彼らはいた。拳銃に手をかけた真名瀬さんの声が、静かな教会に響く。
「そこにいるのだろう、スコーピオン!」
「ああ、いるさ。俺は隠れたりしないぜ。さあ、入ってこいよッ!」
 でもあのスコーピオンとかいう人、確か忍軍なのに少しは隠れなくていいのかしら‥‥??
「カズヤ・フレデリックもいるのだな。建設的な方法は他にいくらでもある。力でなく人の心を掴んだらどうだ?」
「戻る気はない。さあ不毛な議論はここまでだ。決着をつけようぜ!」

   
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 ヌーヴ系美少年のカズヤ・フレデリックの様子は豹変していた。風もないのに揺らめく深青のコート、その顔にはストリートの一部で見られるペイントがしてある。
 会場を急襲したカブトワリのスコーピオンの他に、二人の仲間が待ち構えていた。謎のエリクサーを飲み下し、幻術の準備に入るプラチナの髪の少女カレイア。そして‥‥片目をサイバーアイの“バロール”で複眼仕様にした大男は、銀色に鈍く輝く巨大な両手剣を構えている!

 真名瀬は自分の体が腐っていく幻影を振り払い、リボルバーを抜く。ALSAはサテライト基地から“ハードメタル”アーマーをダウンロードし、攻性モードにチェンジした。
「あなた、カズヤ・フレデリックじゃないのね?」
 問い掛ける静元涼子に、少年は誇らしげに答える。
「僕の名はジーク。“青の翼”のジーク。氷の静謐のエージェントさ。僕の前に立ちはだかったことを後悔させてやるよっ!」
 超微細フレシェット弾の嵐に、緊急ダウンロードされた様々な武器が飛び交う激しい戦闘が開始された。


 私は後ろの方で慌ててるだけだったけど、ALSAさんはいきなり変形しだすし、礼拝堂の中はもう大変だった‥‥。
 赤坂さんの抜き撃ちはジークの青いコートの残像を貫いただけだった。大剣の大男の側に現れた本物が指令を下す。
 途端に大男は大きく飛ぶと、いきなり空中を回転しながら銀色の剣で斬り掛かってきた。こんなのってあり?
「あなた、何者なのっ?!」
「これぞ奥義・大旋風魔斬! 我が名はアージェス、“銀の旋”のアージェス! ジーク様の忠実な配下よッ!」
 でも変ね、緋色の針のスコーピオンに青の翼のジーク、銀の旋のアージェスに白金の何とか‥‥どうしてみんな名前に色がついてるのかしら??
 形勢不利を悟ったスコーピオンはまたしても捨て台詞を残して忽然と逃げた。そして、少年ジークの背後の影に突然現れたALSAさんがすごく大きな斧を振り下ろして、危険なエージェントを仕留める。
 探偵事務所のお手伝いさんだとずっと思ってたけど、本当はロボットだったのね。‥‥でもちょっと待ってよ、あの自分より大きな斧ってふつう闘技場でウォーカーとかが使うものじゃないの? いくらロボットでもあんなの持てるの? だいたい、一体どこから取り出したのよ??

   
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 テロ予告が売名の為の虚言だったこと、そして実際にコンサートで起こった騒ぎはプラグドNC・ドットコム社がWebから流すニュース配信で報道されたが、突然失踪したカズヤ・フレデリックについては不明なままだった。
 第2回目のジーナ+カズヤのジョイントコンサートも予定通り開催。失踪したヌーヴ系の美少年は、合成された声だけの出演となった。あの謎めいたアマデウスの再来として、10代の少女たちの心をしばらくときめかすこととなる。
 第2回コンサートのチケットは、佐倉恵部長から一行に手渡された。
「いただいておきましょう。来るかどうかは、別ですがね」
 チケットを受け取り、真名瀬探偵は助手と共に事務所に帰還する。
『今回は黒字ですね、所長』
「ああ。君にも助けられたよ」
『いえいえ。あの時、99%以上の確率で、私の行動が必要でした』
「しかしあの佐倉という人物、ずいぶんと裏がありそうだな‥‥」
 真名瀬探偵は今回の件で調べ上げたX-eba企画部長のプロファイルを、要注意人物扱いで彼のみが知る知り合いに送信し始めた。
「それでは、しばしの安息を楽しむとしようか」
 二人は探偵事務所で、とりあえずコーヒーを入れることにした。


 撮影の合間の久し振りのOFF。恋人を横に車を出す赤坂圭介は、街頭スクリーンに流れるジョイントコンサート予告に目をやる。彼はチケットを受け取らなかったのだ。
「芸能界は魔窟だな」
 連れに漏らすと、彼は車を走らせた。


 ジョイントコンサートの結果は上々だった。収益を弾き出すトロンのスクリーンを前に、佐倉恵企画部長は一人考え込む。
「人的資材の損失を考えるとかなり差し引いて考えるべきだな‥‥完全な黒字にするには考えなければ‥‥」


 結局、コンサート襲撃の後のあの話は一切報道しないことにした。下手に公表して厄介なことになっても大変だし、なにより、ヌーヴ系の美少年に夢中だった女の子たちの夢を壊すのも可哀想だし。でも、ジョイントコンサートの券はもらう気にはなれなかった。
 ある日のこと。仕事を終えて私が街を歩いていると、イベント会場から人がたくさん出てくるところに出くわした。
「カズヤ君、結局声だけだったわねー」
「あたし、前のコンサートが始まる前、ちょっとだけ見たよ? 青いコート着て、出てくとこだったの!」
「ねぇ、でもでもー、声しか聞けないっていうのもー、アマデウスみたいでー、ガゼンカッコよくない?」
 ちょうど、ジョイントコンサートが終わったところだったのね。
 日が暮れた超新星の街には命が灯っていくように、次々と光が灯っていった。空中に現れたホロスクリーンに、うちの会社のニュースが流れ始めた。
『‥‥次のニュースです。ロンドンではソーホー地区において連続爆破事件が発生。エール解放戦線からは一切犯行声明が発表されておらず、広域警察FROSTとスコットランドヤードでは別犯人との見方を強め、解明を急いでいます‥‥』
 あの美しい街並みは、ロンドンH@ZEね。あの人が今いるはずだけど、大丈夫かしら。
 ふぅ。そのうちヨコハマLU$Tの闘技場を特集する計画もあるのだけど、とにかく早く帰ってこないかな‥‥

 
 
And Here, The kurtain dropped,
in the Bane City ...
-XYZ-

〜 関 連 サ イ ト 〜

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