Under a Blood Red Moon

〜小粋にエレガントPLAY第7回 血の如く紅き月の下で〜

Movie】【前編】【後編


部下こうさくいん「ペ、ペネロープ様〜(>_<)」 ←バカ
ボス「また乗り換えたのか。移り気なやつめ。だいたい今回はユカプーが出てくるのだぞ」
こうさくいんtwiLiteに天上の星々が集う魔法の宴celestia-Lite。そこへ迷い込んだ思い出を持たない寂しげな死天使。黒衣の少女に声をかけた猟犬の紋章に属する若者。偶然異なる警察機構に属していた二人は、互いの正体を知らなかった‥‥運命的な出会いなのでしゅ。萌え〜(>_<)」
ボス「くくく。ここはファミリー自らがお相手せねばなるまいな。さて例によって夏の盛りにエレガントPLAYである。今回はクトゥルフにWorld of Darknessと同志エクスノフの趣味満載の大作アクトである。世界もガゼン滅びるぞ。タイトルもシカゴで吸血鬼と人狼たちが戦うクロスオーバーシナリオからの引用である」
こうさくいん「ヴァンパイア、遂に翻訳でしゅね〜」
ボス「うう、苔むす墓石に一輪の紅い薔薇――あの本を手に取った日から幾星霜‥‥。遂に日本語で読める日が来たのだ‥‥(一人感涙)」
こうさくいん「(読んでいる)すごい設定でしゅねー。カマリリャにサバト‥‥黒手団ってなんでしゅか?」
ボス「うむむ。Black Handの訳が『黒手団』か。『死ね死ね団』のようで微妙にヤだな。ところで何に出てきたんだったかな? まあよい。このコンテンツの画像とFLASH内の英文フォントもWofDシリーズのものを使用しておるゆえ、その筋の者は探して笑うがよい。White Wolfの製品はフォントに凝っていて楽しいな」
こうさくいん「そんなマニアックなネタわかんないでしゅー。それより最新のキャンベラAXYZセッションはリゾートだったらしいでしゅよー。水着でしゅー(>_<)」 ←バカ




And so, they appeared under the lite of blood red Moon .....

Handle: 天草 剣柳斎
Style: タタラ◎●,ミストレス,カリスマ Aj: 85 Jender:
 すべての物事に通ずる天草流武術の伝承者。武術で名を遺したすべての人物の師匠と豪語する豪傑ジジイ。普段は天草流道場の主をしており、あちこちに弟子が多数いる。
Player: 夏瀬 冬 【エレガント弐式
▼通称“天じぃ”“リサーチジジイ”。いったい何者でしょうか。この時点で夏瀬的にオカシイ人なのが容易に予想できます。しかも! Dansin' under lite of the MOON!!に出てきたあのオカシイ傭兵のベリアルを思い出してみましょう。彼も天草流を使うと言い張っていたような‥‥。第一弾『ミストレス・オブ・ナイト』が発売されてSSSづいているので<※一喝>も持っています。天草流が出会った瞬間に使う技はまず<※名声>!

Handle: “不明者”来崎 煉(くるざき・れん) 【Profile
Style: カタナ=カタナ◎●,カブキ Aj: 28 Jender:
 来崎家長女。父親に反抗して家を飛び出し、千早のサイバー被験者に。類い希な戦闘センスを認められて軌道千早の先兵として闘ったが、ある大規模な抗争で、原因不明の大爆発に巻き込まれ記憶を失う。その後各地を転々、バウンティーハンター協会でも指名手配されている。【サイト妖神演舞】の中華街BBS第一話『悪魔を哀れむ歌』で、ティーン向け小説の如く一人でずっと戦い続けていたあの人。黒髪、186cmの長身にライダースーツ、様々な武装を合成した両腕の可変アインハンダーを始め、全身を重度にサイバー化している。
Player: F. 【HARLEQUIN'S EMPIRE】(休業中)
▼最近ヘタレ気味のF.クンです。twiLiteのステージで『Dreamy Dreamer』を歌って盛り上げてくれた来崎翔歌のお姉様はこんなにオソロシイ人なんですねえ。ブルブルブル。今回はExp200ですが上はExp700バージョンまであるそうです。
 ちなみに彼女は軌道千早で改造を受けた際、何体もクローンが創られ、そのクローン達が軌道から逃げ出した他のF.'zキャスト達を抹殺しに探し回ってるとのこと。そのために煉は自分のクローンを探し求めて戦っているそうです。中華街でひとり戦い続けていたのには理由があったんですねえ。ちゅーかそういうオレ設定はまず他人に言いなさい(苦笑)

Handle: “真紅の子悪魔”ユカ・プルデーレ
Style: レッガー◎,バサラ,カブトワリ● Aj: 16 Jender:
 レディ・イザベラ率いるコルシオーネ・ファミリーの末娘にして、悪魔を気取る煉獄の使徒。赤一色のカジュアルウェアに癖っ毛の不良少女だが、小娘と侮った相手はトンプソンから踊り狂う燃える弾丸に後悔することになる。こう見えてもあの“聖人”ジョニィの手下。スルーパス・キーを持っているのをいいことに、いつもゲオルグ・ブレナンの家に勝手に上がりこんでいる。
Player: 九龍 【九龍の好き放題勝手ページ
▼ユカプーです。こうさくいん君はもうファンから移ってしまったようです。エイメン。そういえば真紅の名を持つ彼女も十字のロザリオを持っています。ちょびっと疑惑なカンジですね。<※必殺の矢>は1Lvでも<※元力:炎/正>8Lvがかなり凶悪!

Handle: “霧の騎士”ゲオルグ・ブレナン
Style: カブト◎●,カゲ,バサラ Aj: 24 Jender:
 霧の古都ロンドンからやってきた若き騎士。彼はこの時代においても自分の内なる信念に従い、霧満ちる黒の魔剣シグムンドを振るう騎士なのだ。“死の卿”や“盾の乙女”との関わりから、自分の立つべき場所を見つめ直した。全属性の元力を習得し、魔法の盾に魔法の鎧、首にはマーテルクロス(fromブレカナ)をつけている。
Player: 緋(あか) 【THE AFTER LIFE
▼緋親衛隊長です。<■ク・フレ>から<メレー>+<※Fウィークネス>の黒の剣で致死ダメージを「もらいに来る」ゲオルグ様です。いわゆる「誘い受け」キャストですね。(fromニューロタング大誤解【Wired Human】)‥‥って、投稿したのオレじゃん(笑) やはりここはユカプーに『わたしの可愛いゲオルグ』本を出してもらうしか‥‥(謎)
 SSSづいている今回のゲオルグは新特技<※一心同体>に<※転送>も習得。元力はカドケウスの杖相当の本人の力で代用しています。二重反撃も可能な彼の目指すルール的コンセプトは‥‥「瞬間的に村雨を超えること」ッ! ということはネギも切るのか?(謎)

Handle: “光の弾丸”静元 星也 【Profile
Style: イヌ◎,マヤカシ,カブトワリ● Aj: 22 Jender:
 ブラックハウンドN◎VA本部生活安全課の若手巡査。射撃の腕は抜群で幻術を操るともいう。生真面目で優しく、誇り高い若者である。LU$TやAXYZやあちこちに遠出するといつもたいてい事件が起こっており、年の離れた姉が心配している。ウォーカーとの遭遇率が高い。
 LU$T支部の要だった東耀司死去の悲報に泣くハウンドだったが、立ち止まってはいけない。東教官の想いを胸に、若き猟犬は今日も災厄の街に踏み出すのだ。エニグマの名は至天煌(バサラ)。魔剣化された拳銃に宿る守護神だ。
▼正式なエレN◎VAでは初登場なのか? 今回は秘幽体使いVerの星也巡査なのデース。元力:光学/正なのでこれで光の弾丸のハンドルも実現。お姉様の回りは光使いと闇使いでペアなのですわ!(死)
 SSSで追加された、エニグマの特技を組み合わせられるようになるマヤカシ奥義<■合技>を奥の手で加えると強いですね。だがしかし、数字の上で強いことと命が吹き込まれていることはまた別なのです。

Ruler: X 【天真名井にて
▼同志Xです。皆さん、キャスト人気投票Fz 2.N.D.!!の総領美樹部長のインタビューは御覧になったでしょうか。あそこに同志エクスノフの秘密が‥‥あーいや、暑い夏の夜にぴったりなシナリオでした。次はいよいよV:tMですな。ビバWofD。いえー。


Symbol of Red Taron & Black Spiral Dancers

 

Under a Blood Red Moon

scenario name from "Chicago Chronicles", of Vampire:The Masquerade and Werewolf:The Apocalypse


 能力者たちの見た夢。それは紅い月に照らされた巨大な緑の沼だった。深さも知れぬ底から瘴気が湧き上がり、泡となって水面で弾けていく。泡の中からはぬめぬめとした不定形の落とし子が生まれ、縁へと這っていく。
 沼の中央にぼんやりと姿が見えるのは彼らのあるじだった。巨大な不定形の体、蠢く触手や眼球などの器官もあるものの、現れては無秩序に消えていく。
 それは人間世界に属するものではなかった。人間の思考や理性の外の世界に属するものだった。名状し難いその姿は人間には理解できないだろう。完全に理解した時、その理性は破壊されてしまうのだから‥‥


「はい、こちら静元です。現在位置はタタラ街Dブロックです」
『パトロールの延長だ。倉庫街を回ってきてくれ。どうも妙な死体が最近増えてきたからな‥‥』
 ゼロ巡査部長からの無線連絡が入ってきたのは真夜中だった。妙に紅い月が、ぼくのRV-Iを照らしている。災厄の街は偽りの光で満たされているはずなのに、その月の光は何故だかひときわ強いようだった。
 ぼくの名は静元星也。所属は、特務警察ブラックハウンド生活安全課。この街に事件はいつでも多いけど、最近特に惨殺死体がレッドエリアで目立つようになった。そう、あの時はまだ、ただの殺人事件でしかなかったんだ。


 相棒――と彼女自身が信じているゲオルグ・ブレナンの家から追い出され、ふてくされたユカ・プルデーレはぷらぷらと夜のストリートを歩いていた。いつものパターンとして、見つけたゲーセンに入ると店の中を物色する。
 その時、こんな時間に彼女のK-TAIが鳴った。ファミリーのシマの知り合いの少年アルフレッドからだった。だが、様子がおかしい。
『ユ、ユカの姉ちゃん? オ、オレだ、アルフだよ。助けて、助けて‥‥あ、ああ‥‥ギャーー!!』


 災厄の街の夜の住人たちが集まるBAR《ヤロール》。それぞれ別々にこの店に呼び出されたゲオルグ・ブレナン、来崎煉、天草剣柳斎の三人は偶然出会い、店内を眺めていた。“海”まではいかなくとも店内はかなり暗い。中央では靄とレーザーライトの中で、若者達が踊り狂っている。
「うむ、古流武術には能の舞いがあっての。天草流の舞をひとつ見せてくれよう」
 調子に乗った剣柳斎は中央に進み出ると、独り妙な舞を始めた。周囲の気温が下がり、曲を楽しんでいた若者達が硬直して老人を見つめる。
 その時、店の奥で悲鳴が起こった。客の数人がいきなり、変身を始めたのだ。服が破れ、鉤爪が伸び、その上半身は狼のそれへと変わる。狂ったように唸り声を上げ、人狼たちは手当たり次第に周りを襲い始めた。あっけなくもげた女の首が、遠く一行の足元にまで飛んでくる。
 ゲオルグ・ブレナンはいち早く黒の魔剣シグムンドを抜いた。剣先で足元に即席の魔法陣を描くと、呪文を呟いて足を踏み入れる。遠くブリテンから来た霧の騎士は、全ての領域の元力と幾つもの魔法を操ることができる。
「む、あやつ! 人前で奥義を使うなとあれほど言うたのに‥‥」
 相手がE&B人であるにも関わらず、剣柳斎はもちろんゲオルグを弟子の一人と主張している。彼の姿が突然消えたのに驚くと、天草流師範代は下駄を鳴らして後に続いた。無言で立っていた来崎煉も、両手に隠された武装を確かめて静かに続く。

 ワーウルフたちの周りは血の海だった。手当たり次第にあたりの人間を切り裂き、噛み切り、えぐり、貪り、純粋な破壊衝動に身を任せている。
「古来よりワーウルフには魔剣を使うものと決まっているからな‥‥ッ!」
 ゲオルグの剣が唸った。神秘の世界に属する生き物にはシグムンドが一層効く。数秒後にすべての人狼が倒れ、ようやく店内は静かになった。
 遅れてやってきた剣柳斎は死体を検分した。天草流の奥義を極めた者は、あらゆる物質の真の姿を看破することができるとも言われる。最近若者の間で流行っているボディ・スカルプトでもなかった。人狼の筋肉は本物だった。
「ややや。こやつら、本物の物の怪か??」
 その時、来崎煉の背後から拍手が起こった。途端に振り向き、手から展開されたサイバー武器を突きつける煉。だが少しも怯まず、上から下まで黒一色で揃えた男は帽子に手をやって会釈した。
「素晴らしい‥‥私が見込んだ通りの実力です。その力を見込んで、ぜひ仕事をお引き受け願いたい」
「むむ。おぬし‥‥おお、おぬしじゃったか! あの時はお互いまだ十と幾つの餓鬼であったな‥‥」
 あちこちにやたら知り合いの多い剣柳斎が、取り立てて特徴のない男の顔を見て声を上げる。昔の知り合いだったのを思い出したのか、それとも老人の戯言と理解したのか、正体不明のメン・イン・ブラックは小柄な老人を見つめ返した。
「場所を変えましょう。そう‥‥私のことはコード“N”とでも呼んでいただければよろしい」
「おおN。じゃがな、ひとつだけ言っておこう。この煉の後ろに立つ時は気配を消さないようにせよ。次はもうないぞ」


Symbol of Red Taron & Black Spiral Dancers


 電話の発信源を辿って、ユカはアルフレッド少年が掛けてきた場所へ急ぐ。そこには少年の変わり果てた姿しかなかった。首が半分千切れ、噛み傷が残っている。伝説に聞く‥‥吸血鬼の類の仕業なのだろうか?
 騒ぎを聞きつけてレッドエリアの住人たちがやってきた。それをかき分けるようにサイレンの音が響き、黄金の猟犬のしるしを輝かせたバイクが近付いてくる。警察と知ってどきりとするユカだが、乗っていたのは高圧的な黒の猟犬のイメージとやや異なる若者だった。
 死体を調べ、若者は事情聴取に応じるようユカに頼む。自分はストリートの弱者の少女に見えているようだ。
「いいけど‥‥食べ物なんかくれない?」


「こちら静元。応援を頼みます。ええ‥‥そうです。被害者の友人と思われる少女を一人、確保しました。あの、食料を要求しているんですが、どうしましょう?」
『別に構わんが‥‥こっちにゃカツ丼しかないぞ』
「ええと、それでいいと思います」
 やがてハウンド隊員が何人か揃い、死体を運んでいった。ひどい死に様だ。人間の仕業だったとしたら、本当に悪魔のような心を持ったサイコでもないとあんなことはできない。最近続発している事件と同一犯なのだろうか。ぼくは何か、この街の普通の殺人事件とは根本的に違うものを少しずつ感じていた。


 野次馬の整理に忙しい警察とは逆に、任意同行まで暇なユカはしばらくぼうっと立っていた。その横に音もなく滑り寄る高級車。後部座席のウィンドーの中から顔を覗かせたのは、彼女が忠誠を誓うコルシオーネ・ファミリーの人間ではなかったものの、紅蓮のお偉方の一人だ。
「ユカ・プルデーレ。コルシーネの末娘。我々の版図の中で殺しがあった。何をするか、分かっているな」
「‥‥ああ。紅蓮の誇りをなめるんじゃないよ」


 場所を変え、中華街にあるBAR《桃花源》。今夜は客の流れも軽く、一行はテーブルに陣取ると謎のエージェント“N”の話を待った。天草剣柳斎は飲茶セット、来崎煉はブラディマリー、そしてゲオルグ・ブレナンは何も頼まずに、謎のMIBが口を開くのを待つ。
「おぬしはあの頃から謎の多い奴じゃったのう‥‥さて、話を聞こうか」
「先ほどの事件には隠蔽されたより大きな事実が隠されています。もう事件は無数に起こっています。そう、真実は遥かに大きい。それを調査して欲しいのです。‥‥そう、来崎煉。貴方への容疑を一時的に緩める手も考えましょう」
 N◎VA/LU$Tで来崎煉は指名手配犯としてあちこちの企業警察やB.H.K.に話が回っている。圧力を掛けてそれを緩めてやるともいうのだ。煉は無言で拳を握り締めた。格納されたサイバー武器を隠すラバーがぎりぎりと音を立てる。
「言われるまでもなく、やってやるさ」
 それだけ言い残すと、煉は一人桃花源を後にした。そして、エージェント“N”も姿を消す。
「やれやれ、ここは爺が重い腰を起こさなければならんかのう」
 剣柳斎は残っているゲオルグの肩を叩いた。
「おお、おぬし。ここの勘定は頼んだぞ」


Symbol of Red Taron & Black Spiral Dancers


 形式通りの事情聴取が終わって、ユカ・プルデーレという少女は解放された。放っておくのも可哀想なので、ぼくがタタラ街までバイクで送ってやることにする。
 ある家の前で止まると、彼女は見慣れないキーカードを取り出してドアを開けた。手招きするのでぼくもあとに続く。
 ずいぶん広い家だった。本当にこの子の家なのだろうか? ユカは冷蔵庫から麦茶を取り出すと勝手に飲んでいる。勧められたので、ぼくも一息つくことにした。

「‥‥住居不法侵入に無断飲食だな、ユカ」  奥の書斎から家の主が現れた。白金の髪の長身、青い瞳の青年が呆れた目でユカを見つめている。E&Bの人のようだ。ユカは麦茶を吹き出しそうになっていた。
 知り合いのこのゲオルグ・ブレナンという人も、今回のアヤカシ騒ぎを調査しているという。詫びると彼は快く許してくれた。いつも二人はこんな調子のようだ。でも、いったいどういう関係なんだろう。兄妹にしては全然似ていないし、恋人にも全然見えないし、本当にユカの言うように相棒なんだろうか?
 ゲオルグさんは手に豪華な装丁の本を持っていた。走り書きでタイトルが描かれ、中央には爪でえぐられたような紋章が描いてある。災厄前から世界に伝わる人狼の伝説を記した本らしい。その筋のことには、この人も詳しいようだ。
「ちょっと、いいですか。この本は何処から‥‥?」
「祖父の遺した書斎にあったものだよ。吸血鬼の本も揃っている」
 ぼくは本の中を確かめてみた。絵の中で二匹の人狼が睨みあっている。次の頁で位置を変え、その先の頁で闘いが始まっていた。
「へえ、面白いな。一頁づつ通して見ると漫画になってるんですね」
「ああ。漫画なら巻末にもあるよ」


 ゲオルグ宅へ天草剣柳斎もやってきて、一堂が揃った。
「おお、おぬし! ブラックハウンドの講習会以来じゃな」
 生活安全課の射撃の名手静元巡査も、勿論、天草流柔術を一度は学んだ身だ。
 ユカは弾王に連絡を取るが、占いじじいが不在で今回の事件はよく分かっていないという。ストリートでこの事件を追っているのは“白い針”ことスティンガーだそうだ。一行は連れ立って彼女の元に向かうことにした。


「おお、スティンガー、久し振りじゃのう」
 北米出身の元暗殺者スティンガーも、勿論、天草流を一度は学んだ弟子だ。その名を表す手の甲の刺青を見せると、彼女は天草老人に微笑んだ。
 術者たちの話を総合すると、N◎VA全体の空気が騒いでいる。なんとかして元を正すしかない。人狼をはじめとするアヤカシが出現した事件は既にN◎VAじゅうのあちこちで起こっており、死体の身元にはまったく共通点がない。
「全てはこの、紅き月のせいかな?」
 ゲオルグの問いかけに、スティンガーはテラスから夜空を見上げた。
「月の女神が、血の涙を流しているのかしらね‥‥きっと兄弟が殺しあうのが悲しいからよ」
 微笑み、ストリートのクロマクは会合の時間が終わったことを告げる。
 ゲオルグは魔法陣の中に姿を消し、星也たちはバイクに。一行はスティンガーの前を後にした。“白き針”の耳に光るやけに大きな耳飾りの十字の印が、紅い月の光を浴びてきらりと輝いた。


Symbol of Red Taron & Black Spiral Dancers


「あ、セイヤ巡査さん。こ、こちらの人たちは‥‥??」
「ああ、この事件の協力者です。すみませんけど、今日だけはちょっと‥‥」
 まいったな。署内でもセイヤと呼ばれることが多くなってきたような気がするよ。
 受付で揉めていたゲオルグさんたちを中へ入れて、ぼくらは地下へ向かった。
 ハウンド本部の地下にあるモルグ。鑑識委員の保科隼人さんが早速出てきた。人狼に変身した死体の札を探すと、金属の棚を引っ張り出す。中から靄が溢れ、低温に保たれた死体が出てきた。
 ぼくらは少しは慣れている光景だけど、子供には恐ろしい光景なんだろうか。ユカはゲオルグさんにしがみついていた。ああいうところを見ると兄妹にも見えるのだけど、どうも二人の関係は複雑らしい。
 保科委員の話だと染色体そのものが違うということだった。彼らは元から人間ではない。どんな企業がハイブリッド体を作り出しても、このレベルは無理だという。だが知能は人間と同程度のままだ。暴走はありえない。
 署内にも噂が流れていた。アヤカシ関連の証拠をまだハウンドは掴んでいない。どうやらMCAや真教浄化派からの圧力が掛かっているようだ。なにか、世界全体を巻き込む事態になりそうだ‥‥


こうさくいん「保科隼人鑑識委員はタタラ=タタラ,フェイトの恋人募集中の26歳なのでしゅー。同志XのIRCアクト『愛と狂気の人形師』【第1話】のシーン2、ハウンドLU$T支部のシーンで出てきたのでしゅー」
ボス「うむ。『眼鏡の男』と聞いて某PLから女にしろと文句が出たあれであったな。ゲストに注文をつけるとはなんと勝手な。かの方が眼鏡っ娘好きだという話は巫女/チャイナの話と違って本当なのでそう理解せよ」
こうさくいん「今回はチョイ役ゲストが総出演でしゅね〜〜〜(笑)」


 一行は次にレッドエリアの情報屋、ラットを当たることにした。ストリートの種々の噂に通じている男だ。
 鼠の如く、彼の家は散らかり放題だった。ユカはゲオルグにしがみつくといつもの一心同体を頼むが、「パスだね」と冷たくあしらわれる。ゲオルグは自分の力を解放すると、宙に数センチ浮かび上がって汚い家に上がる。
「そ、その技は! あれほど使うなと言うたのに!」
 ブリテンの魔法も、全ては天草流に通ずる。剣柳斎は目をかっと見開くと後に続いた。
 ラットはアルフレッド少年の最期を見ていた。真夜中のストリート、黒いコートの青白い肌の男と肩がぶつかり、口論になったところでいきなり相手がその本性を現して首筋に噛み付いてきたのだった。


「ラット‥‥LU$Tから渡ってきたんだったな。だったら、得意先の東教官――東耀司巡査長を覚えているだろう?」
 去り際に、ぼくは情報屋の小男を振り返った。
「へぇ、黒犬の東の旦那だったら前によく世話になってやしたが‥‥?」
「‥‥東教官はもう、お前の所に来ることはない。‥‥そういうことだ」
「へ? 旦那に何かあったんですかい? まさか‥‥??」
 彼の目を見て頷くと、ぼくは情報屋の家を後にした。
 そうだ。ハウンドLU$T支部の要だったあの人はもういない。ぼくが知ったのはずいぶん後だったし、葬式にも行けなかった。最後に会ったのはLU$Tの基地でだった。お前なら使いこなせるかもしれないと、基地に保管されていたこの拳銃を餞別にもらったあの時。だから、ぼくはこれを教官の形見と思おう。
 この『至天煌』は星幽界すら撃ち抜く魔銃だった。ぼくの手に渡ってから、本当の力が発現するようになった。そう、ぼくも今や、世のマヤカシたちが言うところの秘幽体使いだ。
 その時、ゼロ巡査部長から無線連絡が入った。N◎VAの各地で一斉に同じような事件が起き出したという。ユカも誰かから同じような話を聞いたらしい。
 次の行く手は天草老人の知り合いのところだ。ご老体の茶飲み友達だという――あの青の魔道師の元へ。


こうさくいん「N◎VAへ移住してきた情報屋のラットは実はゲスト、ニューロ,タタラ,レッガーでしゅ。今度は『愛と狂気の人形師』【第2話】シーン5、デス・ロードが見守る先で東教官が聞き込みをしていた相手でしゅね〜〜(笑)」
ボス「うむ。東教官も散ってしまった‥‥。神業の回数ミスで《守護神》を秦真理に使って果てたというのが微妙にナニでアレで泣けるな。いいやだがゲーム内世界の面々はそんなことは知らないはず。という訳で星也巡査のエニグマはその時がきっかけということにしようではないか」
こうさくいん「燃える設定になったでしゅね〜〜〜」



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Bar from V:tM
...... Under a Blood Red Moon / Paj.1 ......

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