月の支配者 -月光の元、天にもっとも近い街より一人の吸血鬼が現れた。その携える銃の名は宿命と言うた。
〜ダーククイーン陛下と遊ぼう!〜

前編】【中編】【後編】
n a v i g a t o r

(ルビを使用しているため、IE5.0以上での補完がお勧めです)



Chapter IX: Raj akross the Moon
-レイジ・アクロス・ザ・ムーン


「もう少し保てば、きっと生き残れます」
 既に原田珠代に戻った彼女が外に助けを呼び、ツァンイェとアレックスと逃げ延びた人々は廊下を走っていた。後ろからは執拗に蝿の大群と、脚と目の数が多い蜘蛛の群れが追ってくる。
「これでは、防ぎきれませんね」
 最後尾のツァンイェはサングラスを外し、その両の邪眼をあらわにした。
 襲いかかってくるミュータントたちは、その金銀妖瞳の危険な美しさを理解できるほどの知能を有していただろうか。妖魅の右目が銀に光り、封じられていた鬼の腕が拘束から解き放たれた。虚空から現れた腕だけの鬼は嬉しそうにその鉤爪を開き、子蜘蛛たちを殺戮し始める。
「剣が震えているな‥‥」
 その剣に炎を灯し、原田珠代に近付いてくる蟲たちを追い払っていたアレックスは、剣を引き戻すと呟いた。所有者にしか分からない微妙な波動が、旧き銀の彫刻のなされた魔剣から伝わっている。
 ビル中央部の吹き抜けまで一行が近付いてきた時、ミュータントのものではない、何かの振動が響いてきた。窓ガラスと非常用障壁が盛大に破れ、龍鱗のような蒼い装甲板を備えた何かがその頭を覗かせた。


 ソニアの操縦するドラゴンスレイヤー、ダンサー、そしてハウンドの有志からなる突入部隊は千早アーコロジーを突破、中央ビルを目指した。ドラゴンスレイヤーのセンサーで拡大された窓から見た画像には、大混乱に陥っているビル内の様子が写っていた。人間の皮をまとって侵入した蝿のお化けのようなミュータントが活動を開始し、小さな蝿の群れがそこらじゅうを飛び交っている。
 ドアを爆破、ウォーカーごと1階の大ホールに侵入。ビル中央にある吹き抜けが使えそうだと龍騎士の頭とソニアの頭が見上げた時、地表と水平に非常用の障壁が次々と現れた。ドラゴンスレイヤーがよじ登る前に、行く手を塞ぐべく自動的にせり出してくる。1階は1階で、たくさんの目のある芋虫のようなミュータントと蟻の化物が壁を破りながら現れた。
『リミッター解除よ!』
 ソニアの高い声が響くと、ドラゴンスレイヤーの肩を保護していた分厚い龍鱗のような聖別済みの曲面装甲板が音を立てて外れ、地面に転がった。他にも幾つか重い装甲を捨て、同時にW.I.N.D.S.拡張型のナビゲーションシステム内にアクセス。出力の安定と機体負荷軽減の為に、動力部に課せられていた各種の電子的リミッターを解除する。
 身を軽くした蒼の龍騎士はその格闘用クローでダンサーの持っているトランクをひょいと摘み上げた。女戦士はターバンを靡かせ、ひらりとその上に飛び乗った。
「私たちが先に行く」 ダンサーは眼下の部下たちに言った。「全員、ショックに備えろ!」
 ドラゴンスレイヤーは無言の咆哮を上げると、閉まりかけた障壁にマシンキャノンを叩き込んで大穴を開けた。ダンサーを片手に乗せたまま助走を付けて飛び上がり、大穴から上へよじ登る。
 大きな音が響いた。有事に備えてビル全体が頑丈な設計になっているのが幸いした。鋼鉄の尻尾でバランスを取ると、蒼いウォーカーは無理やり上によじ登っていく。
 1階から呆気に取られて見守っていた隊員たちは視線を戻した。彼らは各々の武器を構えなおすと、一人が何人づつ倒せば近寄ってくる化物たちが全滅するのかを計算しはじめた。

踊る人形は彼女の戦友


 既に日が傾いた中、美作唯博士とそれに従うクグツの天城は大きなイベントホールに陣を構えていた。
 ニアサイドへのミュータント侵入と呼応して、ビル内の人間に寄生したベルゼブブの種が活動を開始。蝿の群れと外から侵入してきたヒルコの群れが社内を制圧した。
 持ちこんだ“女王”の素体は外界に触れてすぐに活動を開始。驚異的な速度で成長を終え、適切な大きさのジバシリとなった。その姿は通常の戦士種のジバシリより大きく、肉食恐竜とも昆虫ともつかないような奇妙な外観をしている。人間には聞こえないその精神感応の声にビルじゅうのミュータントが引き寄せられ、女王蟻のように膨らんだ巨大な腹は既に、来たるべき戦いに兵士として最適なように遺伝子を変化させた子の卵を有していた。
 世界の千早のM○●N本社ビルが、日暮れと共に蟲たちの悪夢の楽園と化そうとしていた頃。太陽の元を飛べぬ一匹の美しい夜光蟲が、楽園の入口に姿を現した。
「美作唯博士、本は読ませてもらったよ。そのための将軍(ジェネラル)がこれというわけかい」
 フランス生まれの華人のヴァンパイアは言った。
「博士、世界で一番数が多い生き物を知っているかい?」
「昆虫よ。この獣たちよ」 黒髪の美人博士の声は揺るぎなかった。
「彼らは実に完成された生物だわ。そこには調和の取れた美しさがある。その力をより大きな目的のために用いるのはごく自然な帰結だわ」
「ブーゲンビリアという訳かい。彼らに世界を渡すとしたら、人の住むエリアは10%以下だね。他の生き物はもっと少なくなる」
「あなたがいくら人間の世界を見てきたというの」
 目の前の美青年が不死者だとも知らず、遺伝子工学の天才科学者の声に怒りがにじんだ。
「この世界がどれだけ間違っているか分かるというの? 優れた者による正しき統治しか、この地球に残された道はない。その統治の手足となる軍隊は、完璧な進化による均整を持つ完成された生き物でなければ務まらない」
「悲しい結論だ。あなたに異論を持つ者たちが、もうすぐ来る」
 ルイは予言し、古めかしいリボルバーに触れた。2世紀と幾らかの昔、遥かな大西部を駆けた騎兵隊の友であったコルトSAAキャバルリーに似たその銃は今、狂気の科学者の前に若きカイン人によって抜かれようとしていた。ファタリーテは微かに震えていた。宿命の銃が定めを知らしらめる時が来た喜びに、そしてもうひとつの喜びに。
「闇の気配がするな」 ルイは微笑んだ。
 その時、巨大なフロア中央の吹き抜け方向から、蒼いウォーカーが無理やり壁を破りながら現れた。

Noctiluca: The Chinese Vampire


 M○●Nニアサイド中央部にある巨大なBIOSガーデンビル。そのひとつの屋上にあるプールの水が突如抜け、屋上がふたつに割れた。
 業務ビルに偽装した巨大な培養装置の側面が崩れ、中からプロジェクト・コンクエストの切り札が姿を現した。
 ヒルコという種の持つ多様性と人間の狂気の科学力が昇華したその姿は、おそらく死国の重度汚染地域においても目撃例はないだろう。ニアサイドからまだ避難していなかった市民たちはその姿を一目見た時、自らの正気を疑っただろうか。

BIOSセントラルドグマ 666研究室

 強靭な筋肉を戦車装甲並の外骨格で覆った体。6本の腕。ヒト科とカブトムシが混ぜ合わさったような奇怪な外見と少し前かがみの歩行。
 エイブラムズ級戦車一個師団相当、超々弩級重装甲戦術ヒルコ“ヘカトンケイル”は全長50mの体の方向を変え、千早アーコロジー中央ビルへと夕暮れのニアサイドをゆっくりと歩き出した。
 一歩毎に地面が揺れ、停止していたロボタクが玩具のように踏み潰され、6つの手が薙ぎ払ったビルが吹き飛んで行く。
 易々とアーコロジー敷地内へ入ったヘカトンケイルは抑え切れない破壊衝動に震え、中央ビルの前で立ち止まった。体内の発光器官が活動を始め、赤い光線を発振させ始める。
 ヘカトンケイルの額にある閉じられた第三の目が開いた。レーザーの掃射が中央ビルの下層部分を薙いだ。一瞬の沈黙の後、光の当たった全ての部分が蒸発した。あまりに短い間に起こった為に、ビルの上層部は無事な最下層部分の正確な真上にそのまま落ちてきた。


 激しい衝撃と轟音から面々がようやく立ち直った時。窓の外の眼下を歩いてきたはずの巨大なヒルコの殻に覆われた頭部が、窓と同じぐらいの高さの位置にあった。一行はこのビルにとてつもない異変が起こったことを知った。
「切り札は最後まで取っておくものなのよ」
 美作唯博士は微笑んだ。“女王”の声に引かれて集まってきた小型のミュータントたちが、母の敵に向けて襲いかかり始める。
『あの気味悪いでっかいのをなんとかするっ!』
 少女の甲高い声が響き、蒼いウォーカーはターバンの女戦士を抱えたままホールから向きを変えた。ガラスが割れる音を盛大に響かせ、今度は無理やりビルの屋上によじ登る。
 ファタリーテから放たれた運命の弾丸が、ツァンイェの炎がミュータントたちを蹴散らした。自分の魔眼が生み出した火でご丁寧に火を点けると、後方処理課員は落ちつきはらって煙草を吹かした。
「魂のこもった煙草のなんとうまいことか」
 ツァンイェは言った。「博士、あなたは愛国心が強いようだが、祖国へ帰れない人を知っていますか?」
「その人間の能力と努力が足りないだけよ」
 唯博士は白衣に手を入れたまま一蹴した。
「実は、私にも故郷はないんです」 大陸生まれのカンパニー・マンは灰を落とした。
流氓(リウマン)と言いましてね、もうないんですよ。だいぶ前から、この地球上のどこにもない。ご先祖様は中国や台湾でマフィアをやってた有様だ」
「お前の故郷などどうでもいいわ。この世界に必要な国はひとつだけ。日いずる国がより劣った人間を支配するのが、人類にとっての幸福なのよ」
「美作唯博士。お前は未来を選んだ」
 呪眼の蒼月はサングラスを外した。その左目に唯博士の姿が映った時、銀の妖眼が輝き始め、本当の力を発揮しはじめた。

金の死眼 銀の妖眼

 一陣の黒い風の如く飛び出した影は、突如姿を消した。夜の色をしたコートが翻り、夜の魔法をまとった古き剣の主が姿を現したのは博士の後ろに控えるクグツのすぐ前だった。瞬時に横薙ぎの斬撃が払われ、剣が宙に軌跡を描く。
 だが空気の動きを察知した天城圭一は軽捷な動きで身を引いた。軌跡はその糸のように細い目の上をかすめ、一筋の血が吹き出す。
「怪物たちでは死者の王国の門はくぐれないが」 アレックスは言った。「お前だけは送ってやるよ」
 古き魔剣の刀身に夜の焔が灯った。天城圭一は完璧なクグツの笑みを浮かべながら、体勢を立て直して空手の構えを取った。

危機に挑むものが勝利する -GEB陸軍第22SMF連隊徽章

「『蝮の子らよ、差し迫った神の怒りを免れると誰が教えたのか』‥‥」
 装甲を捨てて少し軽くなった蒼の龍騎士の肩の上で、ダンサーが呟く。ドラゴンスレイヤーの全武装解放の猛攻撃にも聖水銀の炸薬弾にも、巨大な“ヘカトンケイル”は耐えた。甲羅のような黒光りする装甲のあちこちが開き、中から内蔵火器が火を吹いてくる。どうやらこの悪夢のようなミュータントも、有機物の体の中に無機物の兵器を融合する能力を備えているようだった。たちまちビルの屋上が穴だらけになる。
 またしても、ヘカトンケイルの肩口の装甲が隙間を開けた。黒い穴が見え、周りの筋肉が収縮しはじめた。
「ソニア、来るぞ」
『分かってる!』
 コックピットの中のソニアは頷いた。意識と一体化したドラゴンスレイヤーの右手の格闘用クローが動き、エネルギーチャージャーの中で十分に力を蓄えた帯陽電子剣を勢いよく引き抜く。冬の帝国で生まれた龍騎士は怯むことなく、逆に巨人の方へ向かって走り出した。
 続け様に飛んで来たのはヘカトンケイルの中で生まれた6発の生体ミサイルだった。それ自体が意思と目標を区別する知覚と高速の飛行能力を持ち、なおかつ体内に特殊物質の爆薬を備えた一種の生物。朱雀ミサイル以上の破壊力を持つそれは複数方向から同時に迫ってきた。
 小さなパンツァーガールの脳裏にふと、まだロシア軍の庇護下にあった時の記憶が浮かんだ。楽しい楽しいショッピングに嫌そうに護衛についてきた、あの低血圧の感のある黒眼鏡の青年の顔が。
『‥‥マヒロ。今なら、マヒロと同じことができる気がするよ』
 人外の技が真冬の夜と星の都で放った青い雷光と同じ光が、妖月都市の黄昏の中に輝いた。ポジトロンブレードは縦横に閃き、全てのミサイルを爆発直前にふたつに両断した。火花を上げる剣を手に疾走するドラゴンスレイヤーの背後で、自爆の指令をくだす生命の糸を断ち切られてあえなく転がる。
 龍騎士は速度を上げた。女戦士を乗せたまま姿勢を低くし、バランサーの尻尾を上げてバランスを取り、両脚部とバックパックのバーニアを全開で噴射する。
 最後に力強く屋上の縁を蹴り抜け、ロシアで造られた対アストラル戦試験ウォーカーは空中に踊り出た。

その蔦薔薇は冬の力


こうさくいん「わわわわ〜! 身長50mがついに出てきたでしゅよ〜! ていうか千早のビルが思いっきり壊れてるじゃないでしゅかー!Σ( ̄口 ̄;)」
ボス「いやしかし本当に千早の皆さんスンマソンという感じだな。まあきっと別の話ではビルも無事に補完されているのじゃよ(笑) さて、ゲストの解説でもして補完せよ」
こうさくいん「ラジャーでしゅー。身長15mもあるジバシリの“女王”はヒルコ◎,エグゼク,クロマク●。このフロア全体を自分の“領域”にしたクイーン・エイリアンみたいなキョーフの女王だけど今回のアクトでは背景扱いなのでしゅ。赤木リツ子似の美人博士美作唯博士はタタラ◎●,ハイランダー,ヒルコ。部下のクグツの天城圭一はクグツ◎●,チャクラ,カゲで前に補完した通りでしゅ」
ボス「実はこの場面には寄生型ミュータントの“ベルゼブブ”(ヒルコ,カゲ,カゲムシャ)が潜んでいることになっているな。あとはトループの蟲がいくらかだ」
こうさくいん「“還ってきた女”篠原 郁はオフィシャル通りエグゼク=エグゼク◎,ミストレス●、“隠された鷹”の珠代ちゃんはハイランダー◎,マネキン,エグゼグ●だけどやっぱりエキストラに近い不参加状態でしゅねー」
ボス「トロンと融合できない人間の演算処理能力には限界があるからな。高経験点アクトやゴイスーなシナリオをやる時には注意すべき点だ。さあそしてウワサの、財団レポート史上ほとんど最もデカい敵キャラの登場だ!ヽ(´▽`)ノ Under a Blood Red Moonの外なる神やルナティック・オーヴァドライヴの月面要塞ユーミルを除けば、本気で一番デカいぞよ」
こうさくいん「ううーコンクエスト計画の技術力が結集したヘカトンケイルはアラシ◎●,カブト,ヒルコなのでしゅ。<※巨体>8Lvであんなに大きいのでしゅ。<※融合>でルールブックの全兵器を内蔵しているとかいうドリィ夢なミュータントなのでしゅよ〜(゚o゚)」
ボス「それどころか内部の情報提供者によるとジツはジネティック・インプラントも全種類内蔵していたらしいぞ。いやあ実に爽快。リアリティなんぞ吹き飛んでしまえ。大きいことはいいことだのうヽ(´▽`)ノ」
こうさくいん「ううービル内のツァンイェもなんか電波なこと言ってるでしゅよもっとしっかりするのでしゅよ〜(>_<)」
ボス「そこはほれ、エニグマと<■合技>攻撃のできるソニアたんと人形を出現させたダンサーぽんのエニグマユニットがヘカトンケイルの方へ向かってくれたではないか。さすが千早だけあって自動シャッター式の障壁を破って昇るのには達成値50の補完が必要だったそうな。ここで《突破》が飛んでいるぞよ」
こうさくいん「集中火力は《守護神》でディフレクション6連発。マヒロお兄タマと同じ技を使って飛んだドラゴンスレイヤーが肉薄するのでしゅ〜頑張るのでしゅよ〜o(≧▽≦)9゛」
ボス「シナリオではヘカトンケイルは《突破》で距離を詰めていきなり天井を破ってくることになっている。今回は高度に差があったために、ビル下層が吹き飛んだことに補完しようと後になって天上から電波が飛んで来たのだ。すごいぞRL公認だ。今、千早が滅ぶ!ヽ(´▽`)ノ」
こうさくいん「まだ滅んでないでしゅよ〜(笑)」





Chapter X: Queen of the Damned
-呪われし者の女王


 力強くビルの縁を乗り越え、ドラゴンスレイヤーは宙へ踊った。バーニアを吹かし、ポジトロンブレードを向けて巨人の体へ肉薄する。
 ソニアの脳裏に、今度はあの星の都での記憶が浮かんだ。悔しい悔しい体感ゲーム一本勝負で自分を平然と打ち負かした、あの天然が入り過ぎの感がある妙な口調の銀髪の少女の顔が。
『あたしの機体だって龍殺しだ!』
 輝く帯陽電子剣の切っ先は、伸びて来た巨人の腕に遮られた。巨大な掌を貫き、そこで刃の前進は止まる。
『行って、ロゼ!』
 ドラゴンスレイヤーの左腕に絡みついていた蔦薔薇が燐光を発した。世にも稀な機動戦車との協調攻撃が可能な秘幽体(エニグマ)は空中に展開した。踊り出した蔦が肩にしがみついていたダンサーとその戦人形に巻き付き、巨大なミュータントの頭部に向かって鮮やかに投げ上げる。

 空中で回転しながら見えない糸を引き、ダンサーは戦人形を操った。不思議な人形はその面の表情を変え、手足をさらに伸ばした。マントに覆われた背中から、白い杭を取り出す。
 巨大な頭の上に長衣をはためかせて着地した女戦士は糸を緩めた。戦人形は巨人の眉間の中央に、主なる神に聖別された棒杭を深々と突き刺した。
「お前の断末魔の声を代弁してやろう!」 ダンサーは糸を引いた。
神よ、神よ、私をお見捨てになられたのか!(エリ=エリ=レマ=サバクタニ) だ!」
 神聖なる力を帯びた白い杭は、人間の背信の業によって生み落とされた巨人にも効力を発した。ヘカトンケイルは激痛に吠え声を上げ、それはニアサイドじゅうに響き渡った。50mもの巨体がふらりと揺らぎ始めた。

踊る人形は彼女の戦友

 ミュータントの巨人の体が大音響を上げて倒れた頃。蟲たちの楽園と化そうとしている室内で、対峙は続いていた。
「まだ、続けるんだね」
「もちろんよ!」
 美作唯博士の変わらぬ様子に、ルイはちらりと呪眼を持つクグツの方を振りかえった。もしも説得が無理ならば、ツァンイェが博士を始末することを前に約束していたのだ。
「もう一度だけ聞きますが、いいんですね?」
 既にサングラスを外しているツァンイェは問い掛けた。華人の吸血鬼は左腰のリボルバーに触れたまま、無言で頷いた。
 後方処理課員は懐から、今まで一度も見せなかった大型拳銃を抜いた。13mm弾を撃ち出す強力なBOMBピストルを、美作唯博士ではなく自分の右目、銀色に輝く妖魅の魔眼へと向ける。
「美作唯。生死を選べ」
 ツァンイェは平然と引き金に手を掛けた。その時、横合いからも腕が伸びた。
「‥‥俺も、共犯にさせろ」
 リボルバーを構えたルイだった。ファタリーテの運命の弾丸だけが先に、魔眼の中に吸い込まれる。
 同時に銃声が響き渡ったと同時に、鬼の手の本当の力が発動した。頭が破裂してもおかしくない至近距離からの銃撃。だがツァンイェは倒れなかった。代わりに、右目から血を吹きながら美作唯博士がゆっくりと倒れていく。最後の瞬間まで、彼女は自分の身に何が起こったのか理解できなかっただろう。その主人を自ら変える力を持つ鬼の腕による奇怪な技だとは理解できなかっただろう。
 日本国による世界の急進的支配とその助けとなる完璧な生物による軍隊を夢想した遺伝子工学の天才博士は、最後まで表情を変えることなく床に倒れた。その黒髪がはらりと広がり、床に血溜まりが徐々に広がっていった。

金の死眼 銀の妖眼

 白衣が血に染まりだした時。美作唯博士の体がびくりと動いた。
 その体が割れ、何か黒い塊のようなものが中から湧き出てくる。美作博士もまた、体内にミュータントの“ベルゼブブ”を寄生させて生命力を増強させていたのだ。
 美人博士の白衣の背を割り、大量の蝿の群れが耳障りな音を立てて飛び立った。あまりに数が多く、それは空間が真っ黒になるほどだった。
 宿主の命を断った外敵を骨まで喰らい尽くすべく、蝿たちは一直線に二人に向かってきた。ツァンイェの眼が焔を発するより早く、ルイが銃を向けるよりも早く。数十匹を倒した程度では治まらない数だ。
「自らの引き際は知っていますよ」
 蝿の群れに取り囲まれる寸前、ツァンイェは呟いた。その姿は一陣の焔に巻かれ、一瞬で姿を消す。
 だがルイは間に合わなかった。美青年の既に血の流れていないその皮膚が喰い破られるかという時、彼は前方で身の軽いクグツと戦いを繰り広げている黒衣の戦士に助けを求めた。
「デス・ロード!」
「ルイ‥‥?!」
 ちらりと振り返ったアレックスの操る夜の魔法だったのか、それとも“宿命”(ファタリーテ)の危機に応えた、“アズュラーンの威令”なる名の古き魔剣の成した技だったのか。突如起こった夜色の嵐がヴァンパイアの危機を救った。全ての蝿が燃え上がり、その後には一匹たりとも残っていなかった。


 奴の体が空を舞い、俺の剣が幾筋も疾った後。深手を負った天城圭一は床の上に倒れ、美作唯博士もまた死んだのを横目で見て取った。あのヒルコの巨人も倒れ、もはや残存戦力はない。
「さあ、殺しなさい」
 戦意を失ったBIOSのカンパニー・マンはうなだれ、立ち上がろうとするのを止めた。俺は剣を振り下ろした。夜の力を纏った刀身を奴の首筋で止める。
 束の間ホールを見渡す。視界の端に俺の雇い主が映った。物陰に隠れていた珠代は悪夢のような目の前の戦いから目をそらすことなく、気丈にも一部始終を見ていた。彼女は首を横に振っていた。自分の命を狙ってきた男の命を救ってくれと、その目が語っていた。
「‥‥戦いは終わりだ」
 俺は剣を退いた。天城圭一は皮肉げに笑い、俺を見上げた。
「そうですか‥‥ならば、最後の仕事をしましょう」
 その男の完璧なカンパニー・マンのものでない表情を、俺は初めて見た。咄嗟に身を引いた次の瞬間、爆発が起こった。
 防弾コートが衝撃を防いでくれた。煙が晴れた時――そこには、身元を確かめようのない首から上のない死体が転がっていた。

危機に挑むものが勝利する -GEB陸軍第22SMF連隊徽章

 移動できないジバシリの“女王”(クイーン)はイベントホールの奥で、同族たちを滅ぼした人間たちとひとりの不死者に牙をむき、盛んに吠えていた。その腹はたくさんの戦士種の卵を抱え、大きく膨れ上がっている。
 ルイ・タンは静かに歩みより、死の王より人の世に遣わされた古き銃を向けた。その銃身は黒に銀、人の手によるとは到底思えぬ細やかなエングレーヴィングが、ようやく夜を迎えた妖月の都にひととき光を放った。
 シリンダーが回り、運命の力を封じた力ある弾丸がまた一発撃ち出された。その弾丸は“女王”を塵に変え、命を持たぬ地へと返した。
 最後の瞬間、女王は声にならない叫び声を上げた。精神感応で死国の全てのミュータントへと届いたその声は、もっとも大きなミスガルズ・スワームの女王が永遠に滅ぶことを同族に知らしめた。そしてその声は、何故か人間たちにも理解できる言語で頭の中に響いたのだった。「人間風情ガ操レルト思ウナヨ」、と。


こうさくいん「やたー人類世界は守られたのでしゅよーヽ(´▽`)ノ」
ボス「うむ。守ったのは不死者だったのだがな。さて今回はキャストが5人いるため神業に余裕があり、危険な状況に陥る前になる前に勝利できたな。分かり難いやりとりもあるのでここで補完するのだ」
こうさくいん「ラジャーでしゅー。ソニアたんがマヒロお兄タマの必殺技をぽわぽわ〜んと思い出して《守護神》の6連ディフレクションした後の攻撃はヘカトンケイルが《難攻不落》。そこへ伏兵のダンサーぽんがきらきら〜んと《死の舞踏》してレポ史上ほとんどビッゲストな敵は倒れるのでしゅ!o(≧▽≦)9゛」
ボス「若干あっけないようにも見えるが、ルールブック上の全兵器で攻撃されたらガゼン死ねるからな‥‥(笑)。
さて、次は最近流行りのカゲムシャのドリィ夢コンボだぞ。カゲムシャはこれからブームになる予感が大だからのう(ニヤリング)」
こうさくいん「たこ焼きツァンイェぽんの腹心、鬼の腕は電波の影で<※スナッチ>で21。その時点で主人は美作唯博士に変わっていたのでしゅ。ツァンイェぽんは『自分の眼を撃つ』という理由付けで補完して腹心を攻撃しようとしたところへルイ様が先に《とどめの一撃》。同じタイミングで鬼の腕は《神出鬼没》を使って自分の代わりに主人の唯博士が倒れてしまうのでしゅ!」
ボス「ダーククイーン陛下がこのクーデグラを絶対シビレる使い方だと御自らことのほかご満足であったからのう。(ニヤニヤ)
 外見が人間キャラクターでない鬼の腕はカゲムシャ工場で造られた訳でもなくそれ自体がドリィ夢なカゲムシャであり、眼を狙うのが腹心への攻撃として認められたからこそ実現できた技ではあるがな」
こうさくいん「ところが唯博士の体内には腹心扱いの“ベルゼブブ”が寄生中。こちらも《神出鬼没》で死んだ唯博士がカメラの当たらない場所に退場して代わりにベルゼブブが登場。《不可知》と《突然変異》からの《不可知》で不埒な人間たちに最後に復讐だったのでしゅよ〜(ブルブル) クグツと一騎討ちしていたアレクぽんはインヴァルしてくれなかったのでしゅ〜喫茶店の恨みの方が重要なのでしゅか〜(笑)」
ボス「ツァンイェは《霧散》で退場。陛下のルイ様は戦闘前に互いに気付いた前振りをした&助けを呼んだと補完を主張。ビジュアル的な理由付けができてこちらはアレクぽんが本人なのか剣の力か謎っぽく《難攻不落》で防御。最後はルイ様が《不可知》状態から“女王”に射撃行動でにファタリーテが一発。剣を退いたアレクぽんの前でクグツの天城は自爆‥‥という流れだったな」
こうさくいん「こうして人間世界は補完されたのでしゅ〜ヽ(´▽`)ノ」



Noctiluca: The Chinese Vampire



Ending 1: Survivor
-サバイバー


 人間たちの生存圏は守られた。ニアサイドに攻めこんできたミュータントたちは突如戦意を失い、ばらばらに敗走し始めた。勢いを盛り返したM○●N傭兵部隊やブラックハウンドの活躍によって彼らは撃退され、妖月都市は守られた。損害は大きかったものの再建が始まり、必要な地域には滅菌消毒が行われ、街は活気を取り戻しつつあった。オーサカは生命力の強い街だ。じきに、元通りになるだろう。
「あー軍曹! あんなところにいましたよ!」
「ほれ隊長! キロスニフ隊長! もうすぐ祝典ですぜ!」
 傭兵部隊の面々が探していた弱冠14歳のウォーカー隊隊長は、リゾートファッションに身を包むと楽しそうに歩いていた。日よけの帽子の下でショートの金髪が揺れている。
「あたしの休暇って、残ってたよねー」
「そりゃ、正規隊員にゃ誰だってありますけど」
 傭兵部隊の面々は十年単位で年の若い隊長を見下ろした。
「マダムM○●Nと牙王隊長が待ってますぜ。今日はお偉方がずいぶん来るそうですよ」
「祝典は、暇になったら行くよ」 ソニアは天真爛漫に笑った。
「船を借りたんだ。じゃ、あたしは海行ってくるから!」
 ロシアから来た天才パンツァーガールは、呆気に取られる面々を後にリニアステーションに駆け出した。新瀬戸内空港と港まではすぐそこだ。
「‥‥暇になったらって‥‥」
 行き先はゴーストEYEランドかオーストラリアか、それとものんびり釣りでもするつもりのか。少女の姿はすぐに人込みの中に消えてしまった。

その蔦薔薇は冬の力



Ending 2: Dancer in the Dark
-ダンサー・イン・ザ・ダーク


 元の活気を取り戻したオーサカM○●Nの夜。ダンサーは一人闇の中を歩いていた。いつものように表情を隠すヴェールと長衣、戦人形の折り畳まれた大きなトランクも後に続いている。
 本名を明かしていない彼女の名は、本人の希望によりブラックハウンドの正式な表彰式では呼ばれることはなかった。傭兵部隊に戻った彼女はまた、元通りの生活を続けていた。
 闇の中に一人の美影身が現れた。彼女が捨ててきた記憶の中の男、記憶の中から少しも年を取っていない男だった。
「‥‥強くなったと言うけど、私は大して変わっていない」
 はしばみ色の目を伏せ、彼女は呟いた。
「そんなことはないよ、」
 ルイ・タンは微笑み、何年も前に肌を触れ合わせた娘の本当の名を呼んだ。
「いつか、俺も君に狩られる日がくるのかもな」
 二人はすれ違い、闇の中に消えていった。女戦士の流した一粒の涙が、月の都の地面を濡らした。だがそれも、定時に降り出したにわか雨の中で、すぐに流れ、消えていってしまった。

踊る人形は彼女の戦友



Ending 3: Virtual Snow
-ヴァーチャル・スノウ


 ファーサイドには胞子が降っていた。傭兵部隊がミュータントを撃退し、ようやく事態が収拾に向かった頃だった。予防薬で治る程度のまだ軽度の胞子はうっすらと地を覆い、嘆きの壁を白く染めていた。
 そこにいるのは一人の男と一人の女だった。右目から血を流した白衣の女は地に倒れ、サングラスに黒服の男はそれを見下ろしている。
「どうして生き延びようとする。故郷に帰れないことを悔やんでいるのか」
「‥‥引き金を引きなさい。悔やんでなんかいない」
 体内にミュータントを飼っていた美作唯博士は、その驚異的な生命力によってなんとかここまで逃げ延びていたのだった。それを追う大陸生まれの後方処理課員の手で、今その命は終わろうとしていた。
「あんたは全てを見て来たといったが、それは違う。何も見えていなかったのさ」
「妹が後は生きてくれる。もう覚悟はできてるわ」
 邪眼のツァンイェは静かに大型拳銃を向けた。
「あんたを心配した男と女に、言い残すことはないか」
「‥‥死人に口はないのよ」
「それが望みなら」
 乾いた銃声が響いた。美人博士の命は断たれ、その体は大地に転がった。紫がかった無事な左目からも命の炎が消え、ゆっくりと閉じられた。
「胞子の日か。まるで雪のようだ」
 呟くと、金銀妖瞳のカンパニー・マンは嘆きの壁を後にした。

金の死眼 銀の妖眼



Ending 4: underworld
-アンダーワールド


 月光の差し込むバーに、吸血鬼は再び赴いていた。依頼人の美作麻耶に、姉の身に起こったすべてのことを話す。姉によく似た妹は、窓辺で外を見ながら黙ってそれを聞いていた。月光がその金に染めた髪を揺らし、揺れる緑のイヤリングが、その体が震えていることを告げていた。
「一度死んだ者はもう戻ってこない」 美貌のヴァンパイアは言った。
「憎かったら俺を憎むといい。その運命は甘んじて受けるよ」
「確かに、貴方が憎い‥‥でも、罰しようとも思いません」
 妹はハンカチを目に当てると手だけで机を指差した。「約束の報酬はそこにあります」
 コートの襟を立て、ルイは外に出た。ふだんの賑わいを取り戻した妖月都市の夜が、どこまでも広がっていた。
 血族の呪われた視覚は、電柱の影に佇む男を認めた。死の世界しか見ることのできない邪眼を持ったあのクグツだった。
「あの女の言葉を伝えておきましょう。死人にしか伝わらないですからね」
 ツァンイェは美作唯博士の最期の顛末を話した。
「死人の世界こそ、君に見えるんじゃないのかい」
 生と死の間を永遠にさ迷う不死者は言った。
「‥‥この眼は生者も死人も写さない」 クグツの視線はサングラスに隠れていた。「中途半端なものです」

Noctiluca: The Chinese Vampire



Ending 5: Proof of Life
-生命の証し


 平日の昼下がり。喫茶店にはいつものように珍メニューのミルクソーダとたこ焼きパフェがショーウィンドウの中に並び、静かな中にも賑わいを見せていた。
 奥のテーブルにはまたしても、似合わない奇妙な二人連れ。深緑の制服の少女の前には今度は培養の新鮮な苺と生クリームをふんだんに使ったショートケーキが置かれ、向かい側でコートを脇に置いた男も今日は少し緊張を解いたように、紅茶に口をつけていた。
 M○●N千早重工本社を襲った大事件は社内部での事故とされ、損害を被らないよう外部に対してはできうるかぎりの隠蔽工作がなされた。ニアサイドの復興と共に企業としての活動も本拠を移して再開され、事態は一応の沈静を迎えていた。
 そして篠原郁社長の身体と同義である少女、原田珠代の守護の任を離れ、デス・ロードが妖月の都を去る時がやってきた。

「今日でもう、終わりなんですね。どうも、ありがとうございました」
 珠代はちょこんと頭を下げた。
「そういえば、悩んでいると言っていたね」 アレックスは静かに言った。
「そんなに色々と考え込むことはない。君が篠原郁を保管する単なる器であるのなら、君は学校に行ったり、友達と話したり、勉強をしたり、そんなことをする必要はないはずだ。
 君は原田珠代という一人の人間だ。そう思って、生きていくといい」
「そう‥‥そうですよね。わたしだって、ふつうの中学生なんです。ふつうにしていれば、いいんですよね」
 はっとしたように顔を上げていた珠代はやがて表情を緩めると、目の前のケーキをつつき始めた。たっぷりクリームのついた一番上の苺に、最初にフォークを突き立てる。
 その様子を眺めていたアレックスはふと言った。「‥‥君は、美味しい所から食べる主義なんだな」
「えっ? あ、えと、そういえば‥‥そうですね」
 突然指摘された珠代は目を丸くした。
「それも、君が人間であることの証しだよ」 死神の使いは微笑んだ。「同じことをする女を、一人知っている」
「え、あ、時間が‥‥。えと、その人って」 彼女が脇に置いていたウォッチャーがメロディを鳴らし始め、護衛の契約期間が終わったことを告げた。
 彼女の護衛役は既に席を立っていた。夜そのものの光を帯びたコートに背を通し、身を翻す。死神の使いの名を持つ孤高の戦士は後ろ手に手を振り、少女のもとから去っていった。

危機に挑むものが勝利する -GEB陸軍第22SMF連隊徽章



Epilogue: Osaka by Nite
-オーサカ・バイ・ナイト


 新瀬戸内空港。M○●Nニアサイド以上に厳重な警備で守られたこの空港はミュータントとも縁がなく、昼夜問わず多くの亜軌道ジェットが世界へと旅人を運んでいく。
 総ガラス張りの建物の遥か向こうからから月が静かに見下ろす今となっても、便は途絶えない。ゲートや受付を行き交う人々は日中よりはまばらとはいえ途絶えず、免税品店では様々なオーサカ名物や世界各地の品物が並んでいた。
 月の光をも撥ねる黒いコートに身を包み、アレックスはその中を当てもなく回っていた。オーストラリアのテンプルトン社が出しているブランドの香水をふと眺めていた時。突然、背後から彼に声を掛ける者がいた。
「よっ」
「‥‥ルイ。君か」
 それはM○●N到着便側の通路を歩く娘の全員が振り返らずにはいられないだろう、月光の中に舞う夜光蟲の如く美しい青年だった。
「あの時はありがとう。助かったよ」
「ああ。剣が震えていた。君がいたせいだったのだな」
 アレックスは答えた。
「もしかするとあの剣も――君のファタリーテと同じく、本当に地の底の都で鍛えられたのかもしれない」
 ルイ・タンは懐から搭乗チケットを取り出した。
「出発はいつだい。俺は深夜便なんだ」
「俺は――その次の便だな」
 フランス生まれの華人のヴァンパイアは周囲を見渡し、向こうのラウンジバーの看板を認めると指で示した。
「一杯、やっていかないか」
「そうだな。黒ビールはあるかな」
 二人の男は連れ立ち、看板の方へと歩き出した。月は妖しく輝くのをやめ、地上世界をただ静かに照らしていた。

 
 
 
And Here, The curtain dropped,
under the serene lite of the MOON ....

-XYZ-

Noctiluca: The Chinese Vampire



Spesial Thanks
for kreating
Ultimate Dynamic Scenario:
H a t a - H a t a (90% of Imajination)
N a m a (10% of Imajination and
internal sekret infoz)


ボス「うむ!というわけで暗黒女王迎撃作戦はつつがなく終了したのだ。今回は参加者以外にヨコハマ方面の内部情報提供者殿にもこっそりと協力してもらったぞよ(ニヤソ)」
こうさくいん「たっぷり補完できたでしゅね〜ヽ(´▽`)ノ あれー美作唯博士はクライマックスで死んだんじゃないのでしゅか?」
ボス「う、うむ。ルール上は死んでいるのだが、(E)エンディングまでヒルコの生命力が保ったのだろう。まったく俺(E)なシーンの為に使いおって。と言いたい所だがオフィシャルのSSS8-1でも同じような場面があるな‥‥(笑)」
こうさくいん「ダンサーぽんとルイ様は何もなくまた闇の中で別れてしまうのでしゅか〜(>ω<)」
ボス「ちなみにダンサーの本名は結局考えつかなかったのでアクトで語られることはなかった。それゆえこのコンテンツでも語られていないぞ。いやー小説形式だと誤魔化すのが楽だな。なっはっはっは!」
こうさくいん「んんーんんー、でも‥‥ルイ様はなんかエンディングまで登場回数が多いでしゅね?(ニヤリング)」
ボス「(ギク)い、いやそこはほれ、基本的に今回は接待ゲェムであるゆえ主役はルイ様でよいのじゃよ。(ごーりごーり) シーン登場チェックも2回りする勢いで満腹だな。事前のキャスト間コネによる関係などもあったしな」
こうさくいん「作戦立案段階から決めてたからでしゅねー。アレクぽんとはどこかで運命的な邂逅を果たし、その業物が互いに惹かれ合っているというのは陛下のドリィ夢な提案だったでしゅ。んんーんんー、でもイロイロぽわ〜んと妄想してた割に会ったのは最後の1シーンだけでしゅね?」
ボス「(ギク)い、いや、きっと暗黒女王的には月の下でひっそりと萌えてそれだけで満足な理由が何かあるのじゃよ。ほれ接待アクトなのだからそれでよいではないか(ごーりごーり) おみやげのたこ焼きもいらないくらいお腹一杯になったからな」
こうさくいん「何言ってるんでしゅかたこ焼きは陛下の地元が本番でしゅよ〜(笑) とにかく迎撃作戦は無事に終わりでしゅ〜(≧▽≦)ノ」
ボス「うむ。各章のタイトルにはお遊びがかなり入っているゆえ暇な読者諸兄は探すがよい。シナリオがゴイスーでキャスト人数が多く大物が多かったことが少し懸念されていたがうまくいってよかったな。テストプレイ時からは老博士が姉妹に変わったり原田珠代が登場したりいろいろ微調整の後に今の形になったのだったな」
こうさくいん「そうでしゅね〜萌え度の方はかなり補完されてたでしゅね〜o(≧▽≦)9゛」
ボス「Σ( ̄口 ̄;) ええぃそんなもの補完せんでよいわぁ。そこで夢オチでもしておれ!」







お・ま・け




〜ファタリーテの主、ショッピングに赴くの巻〜


偽ルイ「買い物をしている時の君は本当に生き生きしているね。その若々しい血のたぎりを感じると、俺が永遠に失ったものをいやでも思い出すよ‥‥」

偽ソニア「ふー。あたしの血はあげないからねっ。だいたい、なんであんたが買い物に付き合ってくれるの?」

偽ルイ「AXYZで俺の住処を守って待っているグールに服でも買って帰ろうかと思うんだ。彼女はアンジェリーナ・ジョリー系のハードな女性でね。たまには大人しくメイド服でも着せようかと思ってね。(微笑)
 フフ、血族の嗜みとしてね‥‥(´∀`;) (ぽわぽわ〜ん)」

ルイ、カイン人の貴公子、ファタリーテの主
妄想カイン人、ルイ
コルベールたーん シメオン家の守護者、コルベール

「あの、ご主人様。あそこの方‥‥(怯)」
トレメールの魔術師、シメオン・G・レヴァイン(13世代)

「(見ないふり)‥‥行こう。
 我らカインの民に、あんな同胞がいるはずもない」
おまけのシメオンぽん




〜後方処理課3班の“邪眼”、核酸市場の名物を勧めるの巻〜

金の死眼 銀の妖眼

偽ツァンイェ「ところが今じゃ、その海は干上がってる。この中に入ってるのが陸地を歩くようになった賢いタコなのか――それとも全然別の生き物なのか――私は知らないんですけどね。ほうら、旨そうだ‥‥(ぱく)
‥‥は、はひ! あひ、あち!」

アレックス「デビルフィッシュは食べるのも命がけか‥‥。そら、水だ」




〜女戦士、闇の中で別れを告げるの巻〜

 闇の中に一人の美影身が現れた。彼女が捨ててきた記憶の中の男、記憶の中から少しも年を取っていない男だった。
「‥‥強くなったと言うけど、私は大して変わっていない」
 はしばみ色の目を伏せ、彼女は呟いた。
「そうか、」
 ルイ・タンは微笑み、懐から災厄前の漫画を取り出した。
「しろがねだけに、君も5年に1歳しか年を取らないんだね」

「Σ( ̄口 ̄;)」

踊る人形は彼女の戦友




〜小さなパンツァーガール、M○●N地下街にて大量の蟲と遭遇するの巻〜

その蔦薔薇は冬の力

 小さなパンツァーガールの脳裏にふと、まだロシア軍の庇護下にあった時の記憶が浮かんだ。楽しい楽しいショッピングに嫌そうに護衛についてきた、あの低血圧の感のある黒眼鏡の青年の顔が。

『‥‥マヒロ。今なら、マヒロと同じことができる気がするよ』
 ソニアはロシア連邦の寒さ並の威力があるあの青年の技を使った。
『蟲だけに、無視する!』

 M○●Nに降る白い胞子は変わらず、今日も一陣の風と共にただ吹き飛んでいくだけだった。




〜M○●N Express、突撃インタビューの巻〜

古館ヒカル「こんにちはっ! 『M○●N Express』レポーター、ヒカル・古館です!
今回は千早重工M○●N支社で起こった大事件の関係者へのインタビューを続けていま〜す」
エニグマのCheerful Angel「ヒューヒュー!♪」
古館ヒカル「をを? 篠原郁社長の護衛についていたカブトさんですね。早速ですが、萌えキャラしか護らないって、本当ですか?」

嘘アレク「‥‥フン。偶然だ」

おまけのアレックスぽん



〜おまけのおまけのタイトル引用元集〜
SOUND ONLY NERV本部シーンを補完セヨ!
Green Heaven music by Vincent de Moor。ダンスフロアを熱くするトランスのBestHit集に入っていた曲の名前。
DOG DAY MORNING ログアウト冒険文庫(古)の2ndのリプレイ集「猟犬たちの午後」。出典はアル・パチーノ主演の映画「狼たちの午後」でしょう。「ソードフィッシュ」でもトラちゃんが語っています。
Under the Pale Blue Moon WoD、V:tMとW:tAのクロスオーバーシナリオ集「Under the Blood Red Moon」。ガルゥがシカゴに攻め込んで公子が死んでゴイスー!
NIGHTVISION music by ダフト・パンク。アルバム「ディスカバリー」より。おフランスのダンス・シーンをリードする二人のロボ(違)を見よ!
Immediate Action 湾岸戦争にも参加したアンディ・マクナブ軍曹が自らの英国陸軍SAS連隊員の半生を振り返るノンフィクション。(今ならテロ関連書籍にあるかも) 燃え!
Unbreakable ブルース・ウィリス主演の映画じゃよー(観てないけど)
Man on the Moon これも映画のタイトルじゃよー(観てないけど)
Nights of Prophecy WoD、V:tMのシナリオソース集。ニューヨーク攻防戦、鬼人ロス襲撃、ババ・ヤーガの最期もここに!
stand by, stand by 元SAS連隊員クリス・ライアンが放つ小説シリーズ第1作「襲撃待機」の原版タイトル。このリアルさが超燃え!
Kindred of the Moon Kidred of the EastといえばWoDの東洋サプリじゃあ。K-J! 氣ェー!
Moonbeasts クトゥルフ神話にはこの名の怪物がいる。SANチェックをシクヨロ。
Shattered Sky プレステ2、ナムコ「エースコンバット4」の副題。ラファールという名の機体には何が?(ぽわぽわ〜ん)
Rage across the Moon Rage across〜シリーズはWoD、ワーウルフの背景世界設定サプリシリーズの名。黙示録の時来たる。立て、人狼の戦士たちよ!あをーん!
Queen of the Damned アン・ライスの「ヴァンパイア・レスタト」シリーズ最終巻。ルイ様〜☆
Survivor music by ディスティニーズ・チャイルドのヒット曲。クリスマスアルバム欲しー
Dancer in the Dark あの国籍不明ビョーク主演&主題歌。世界が泣いた映画じゃよー。
Virtual Snow 「バーチャル・ライト」といえばハヤカワのSF小説。
underworld UKクラブ・ミュージックの先端といえばこのグループ。映画『トレインスポッティング』のテーマ Born Slippyじゃよ!
Proof of Life ラッセル・クロウ、メグ・ライアン主演の映画。人質奪回すーぱーアクション。しかも主人公のボディガードは元SAS隊員という設定でしゅー(ぽわぽわ〜ん)
Osaka by Night 〜 by NightシリーズはWoD、V:tMの背景都市設定サプリシリーズ。銀月にひっそりと暗黒女王陛下が萌えて補完終了(ビシッ!)


前編】【中編】【後編】
n a v i g a t o r

Bar from V:tM
...... Ruler of the Moon / Paj.1 ......

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