雪色花の歌 - ダス・シュネーブルーメンリート
〜シュネーブルーメの歌〜

雪色花の歌】【前編】【中編】【後編
-花の道案内-
(ルビ式記述により、IE5.0以上を用いた閲覧を推奨するものなり。)


Und, Sie in Bühne des Schicksals kommen ...

Name: ヴィンセント・シアーズ(ヴィンケンティウス)
Arkana: フィニス=アルドール=グラディウス Rasse: 人間(マテラ/ワイト) Alter: 20代後半(外見) Geschlecht:
 白い肌に褐色の髪の流れの剣士。軽口を叩いて女を口説き、軽佻浮薄な旅の剣士を気取るその姿は敬虔な真教教徒にも騎士にも到底見えないが、その左手は常に手袋に隠されている。
 そう、使徒フィニスの聖痕と共に刻まれし剣十字こそ沈黙の騎士の印。かつて五百年前、聖グラディウシア騎士団員のすべてが火刑台に送られた異端審問を生き延び、永生者(フィニス)として今もなお闇との戦いに身を投じる殉教者なのだ。残虐な賞金首“斑の凶手”に闇の鎖の匂いを感じ、その行方を追って舞台に立つ。
Spieler: 篠原透 【NEUROGUE
▼AXYZ星系方面のシノハラ陛下たちが調整してアクトを開いてくれました。ハイデルランドの舞台に上がるのはボアにおける宗教系秘密結社の定番ともいえる聖グラディウシア騎士団員。しかも。普段は正体を隠すためにロクデナシのプレイボーイだというのがシノハラコズム 全 開 だー!(ぽわぽわ〜ん) アル●ラーン戦記のギー●みたいなサムシングらしいですぞ?
 しかし聞いたところ、PL本人から見たらAXYZの完全無敵吸血鬼ルイ様もこのヴィンセント卿も好みのタイプではないそーです。ムシロいたらヤだとか。わざと少し外しているんですかねえ。うーむ、奥が深い。(笑)

GLADIUS ARCANA - 主は汝とともに

Name: LOBO
Arkana: フルキフェル=アクア=レクス Rasse: ウルフェン Alter: 23 Geschlecht:
 ウルフェンの部族出身の若者。白い狼に変身する。部族では彼の体に現れた奇妙なしるしが元で排斥され、流浪の旅に。たまたま近くにあった真教修練派の道場で格闘術の修行を行う。メオティアの森で嘆きのエルフ、“ディアスポラ”アルダと邂逅したのちに聖痕(スティグマ)の秘密を知った。ウルフェン族には珍しい聖痕者であり、転生前の記憶を保持している。夢の中にたびたび現れる銀の髪の妖精の姫の声に導かれ、運命の舞台に上る。
Spieler: しまやん
▼N◎VAで活躍したバイオ犬ベルや亀系カブトのグイドなど明らかにジンガイスキー(笑)なしまやん陛下、ボアでもウルフェンです。やはり 犬 属 性 だー!(ニヤリング)
 確実な戦闘系技能が多くイメージしやすいウルフェン族はアルドールやアクアと重ねて戦士や格闘家にしたキャラクターはよく見かけますね。

BLADEofARCANA - 狼の兄弟

Name: アコット
Arkana: ルナ=ウェントス=クレアータ Rasse: クレアータ Alter: 19(外見) Geschlecht:
 珍しい薄青の髪に紫の目、額に使徒クレアータのしるしを刻まれた人形の娘。自分が創られし者とも知らず盗賊団ブルーダーシャフトの大兄“スローハンド”エリックに忠誠を捧げていたが、ケルバーの街の大きな仕事で見捨てられ捨て駒に。自警団や竜伯リザベートの放った追っ手から逃れ、ハイデルランドをさ迷っていた。北方の村ブランシルトで体の仕掛けに不調をきたしたところを錬金術師ヨアヒムに救われ、ある願いを託されるのだが‥‥
Spieler: ガンツム
▼忙しいところをルールブックも買ってガンツム軍曹さんが来てくれました。(ははー) 何やらまだ一度も迎撃に加わっていなかったしということですが、いやーん気合入れて迎撃されても沈没しちゃうでしゅ〜(笑)
 アコットはキャラクター陣の中で唯一、刻まれし者や聖痕の秘密、世界の知識を知らない役回りです。それがかえってアクトの中で際立ちました。後での本人の談話によると額の印をフードで隠して巡礼姿で歩くのはやはりファ●ィマのイメージだったとかないとか。やはりクレアータといえばファイブスターは必須なのか?(ヲレはNewtype増刊の設定集しか持ってないけどナ!)

BLADEofARCANA - 立て、使徒クレアータの娘よ

Name: “魔焔の射手”オルウェン・ケレブラント 【Profil
Arkana: デクストラ=アクシス=オービス Rasse: 半エルフ Alter: 20代後半(外見) Geschlecht:
 老人の如き灰色の髪をした半エルフの魔術師。幼い頃に森人の母と人間の父は死亡し、錬金術師の家に拾われて育てられた。天慧院を出た後は“蒼然の鷹”という古ぼけた雷の杖を携え、この世の真理と聖痕の秘密を解き明かすべく旅を続けている。銀縁の天眼鏡を掛けた痩身の繊細な容貌だが、目付きが悪く性格も曲がっている。
▼ほりの殿下にキャラクター案を教えたら何やら触発されたようで魔法なシナリオを作ってくれました。きゃー。なにやら転生する前の前世まで推測されてしまいまちた。そんなはずはないデス(ブルブルブル)

KLINGEvonARKANA - 困難を克服し星々へ

リタイアしたSpieler: 8bit 【dice - LU$T Section
▼飲みに行ったことは山ほどあるけどゲームした回数はジツは少ないハッチーの旦那とチョー久々に卓を囲むことになるのか? ちゃんとキャラ作り終わったのか? つかBoA2nd持ってるのか? と思いきやリタイアして大王様とハラダイさんと買い物に行ってしまいまちた。ありー(笑)

Der Spielmeister: 堀野
▼準備期間が短い中をゆらゆら皇太子殿下がシナリオを作ってくれました。シナリオ用因縁や導入など事前準備も完璧。しかも当日は印刷したPL用ハンドアウト、雪色花の歌の叙事詩には現実世界でのモデルであるスノードロップの花の画像入りという念のいれよう。す、すごいでしゅ。
 さあいよいよ幕が上がるのは、中世欧州の重苦しい香り漂う異世界ハイデルランドの薄闇の大地。やはりここにも漂う儚さは、ほりのコズム 全 開 だ ー !(うふ)


 ちなみにこのゲームでは人と人との繋がりを因縁という値で設定しますが、シナリオ用因縁として騎士ヴィンセントは断罪:斑の凶手、LOBOは喪失:夢の森人、クレアータのアコットは恩人:錬金術師ヨアヒム・ゲルハルト、魔術師オルウェンは幼子:レベッカ・ゲルハルトを所持。
 プレイヤーキャラクター同士を結ぶ因縁としては、ヴィンセント→LOBO:過去の道連れ同士、LOBO→アコット:アコットを過去に告発した経験あり、アコット→オルウェン:錬金術師ヨアヒムの遺言の相手、オルウェン→ヴィンセント:未来に秘密を共有する定めにある、ということになりました。

雪色花の歌 -ダス・シュネーブルーメンリート
〜シュネーブルーメの歌〜



序章一 老師の願い


 ハイデルランドの冬は寒い。たとえ雪は降らずとも、北の魔神アーグリフの力の強い北方は寒風吹きすさび、黒い森に囲まれたこの小さなブランシルトの村もその中にひっそりと佇んでいた。
 小さな城館(シュロス)の一室。病の床に伏せる老人とその手を握る小柄な娘がいる。造られし者であるその娘の目にも、老人がアーの御許に召される時が近いであろうことは明白であった。

「済まないね‥‥。満足に、君をもてなすこともできずじまいだった。春になって、このブランシルトの川辺に咲き乱れる花を、見てもらいたかった」
「ヨアヒム様‥‥」
 娘の名はアコット。ヴァルター人の中でもついぞ見かけぬ薄青(ヘレスブラウ)の髪に薄紫(ヴィオレット)の瞳、抜けるような(ヴァイス)の肌を持つ娘だ。その額に刻まれた燭台のような奇妙な紋様が使徒クレアータの恩寵を示すことも知らぬ彼女は、自分が錬金術アルヒミーの秘術で生み出された存在であることもまだ知らぬ。

アコット、クレアータの娘

 記憶をなくしてさ迷っていたところをエステルランド王国の影の世界を牛耳るブルーダーシャフトに拾われ、しばらく仕事を行っていたものの大兄エリックに捨てられたアコットは、ケルバー領主の竜伯リザベートの放った追っ手を逃れて北方をさ迷い、この地へやってきた。体に不調をきたして倒れた彼女を見つけたヨアヒム・ゲルハルトは、献身的な看護でその命を救ってくれたのだ。だがそれと引き換えにするかのように老人は肺をわずらい、今その天命は尽きようとしていた。
「わたしのような咎人に、過分な助けです」
「業だよ。研究の成果はこの館に残っているが、たくさんのことをやり残したままにしてしまった」
 アコットは輝きを失ってゆく老人の瞳が、自分とは別の誰かを見ているのに近付いた。多くは語らない錬金術師だったが、なんでも昔は魔術師の大きな学院を目指して挫折したという。都の方に残った子供がいるという話ではなかったか。
「君に‥‥頼みたいことがある。いつかこの城館を出て、また旅に出る時でよい。そこの机の中に二通の手紙がある。それぞれの宛名の場所へ、届けて欲しいのだ」
「わたしにできることでしたら、何でもいたします」
 アコットは手紙をあらためた。一通には老人の瞳に見えていたのであろう人物の名が、そしてもう一通には聞いた事もないような変わった名が記されていた。


 ヨアヒム・ゲルハルトが神の御許へ召されたのはそのすぐ後だった。生憎とアコットは旧派真教(シニストラリック)流の立派な葬儀の仕方は知らぬ。土を盛った簡素な(グラーブ)に遺体を埋葬し、春に咲くように、その上に種を蒔く。
「あなた様の遺言は、必ず果たします」
 二通の手紙を胸に、アコットは古ぼけた城館を後にした。目立ちすぎる容貌をマントの中に隠し、冬のブランシルトを後にする。
 目指すは遺言状に示された王都フェルゲン。国王(ケーニヒ)ヘルマン一世とその妻マルガレーテの住まう王城、名高き神聖騎士団ハイリヒヴァイセリッターのお膝元。エステルランド王 国(ケーニヒライヒ)の中枢の地だ。

BLADEofARCANA - 立て、使徒クレアータの娘よ


こうさくいん「いえーでしゅ〜遂にプレイレポにボア見参なのでしゅよ〜o(≧▽≦)9゛」
ボス「ふっふっふ。ニューロエイジからハイデルランドに舞台が変わってもおまけトークは健在なのじゃあ。財団支部もどこかにこっそりと建設せねばならんのう( ̄ー ̄)」
こうさくいん「どこがいいでしゅかね‥‥ファンタジーだと難しいでしゅ‥‥」
ボス「うむ。擬似リアルスペース2002年のローズ財団の動向も気になるし早急に解決せねばならんな。いや話がそれた。さて舞台は薄闇のハイデルランドの大地、主人公たちは三つのアルカナを持ち、さらにN◎VAの神業ほどではないが同等の奇跡を起こす力となる聖痕を天から与えられた、刻まれし者(エングレイヴド)だ。まずはアコット殿のアルカナでも解説せよ」
こうさくいん「ラジャーでしゅー。アコットたんはルナ=ウェントス=クレアータ、過去に盗賊組織ブルーダーシャフトに所属し、今は吟遊詩人やさまよい人を表すウェントスとして逃避行の途中。そしてクレアータが未来なので自分の正体が人造生命であることをまだ知らないのでしゅ〜」
ボス「ペルソナとキーがない代りにそれぞれが過去、現在、未来を表しているところがN◎VAと違うところだな。だがアルカナ毎の特技習得数に制限がないため、ジツはアルカナを2枚3枚重ねる意味が薄れている。ゆえにN◎VAよりは本当のところキャラクター作成の幅が狭くなっているのだ」
こうさくいん「自分の本当の正体も誰に造られたのかも、これから探しにいくのでしゅよ〜!」
ボス「この世界ではキリスト教に酷似した真教が信仰されているが、なんと聖書である真実の書にはクレアータの記述があるので存在が認められているのだ。これは珍しいな。数は少ないはずだがまあ実際にはPCの1/22はいるだろうしNPCにもけっこういるぞ。(笑) 取れる特技から連想されるイメージがどうも、錬金術から生み出されたホムンクルスの類いよりもややロボットに近い印象があるのだが、まあその辺は好きに考えてよいだろう」
こうさくいん「N◎VAのアヤカシ人形の一族やテラガンのオートマータやドラゴンアームズの魔操士の仲間でしゅね〜けっこういるでしゅよ〜」
ボスあちこちのサイト(リンクBoA編)を拝見すると、本当の名前として形式番号を付けてあるクレアータのキャラクターは時々見掛けるな。まあそういう方面が好きな方はやられるがよかろう」
こうさくいん「くぅ〜人形娘でしゅよ〜。さすがボアは深淵と違って萌えがたくさん入ってるのでしゅね〜o(≧▽≦)9゛」
ボス「Σ( ̄口 ̄;) ええぃそんなもの入らんでよいわぁ。今回は格調高くファンタジーをやるんじゃあ」



序章二 錬金術師のおい


 華やかなフェルゲンの都を覆うのは静かな雨だった。王城を、そこを囲む大通りを、市を、旧派真教の大聖堂(ドーム)を、陰鬱に包み込む。
 その外れにある閑静な屋敷の書斎で、一人の青年が一心に書物を読み耽っていた。痩身、鼻の上にあるのはよく錬金術師が掛ける天眼鏡の如き銀縁の 眼 鏡 (アウゲングラース)。背中まで掛かるくすんだ長い髪は老人の如く灰色グラウ、だがその中から先端だけが突き出た両の耳は、木の葉型にはっきりと尖っている。
 かつて森人(ヒューリン)族のエルフが住んでいたメオティアの森は焼き払われ、上古の昔から人間よりも多くの叡智を蓄えてきたエルフへの旧派真教の迫害は無視できない。だが森人と人間の両方の血を引くこの青年は、意に介さないように王都の片隅に住んでいた。

オルウェン、星の理を知る魔術師

 然り、私は人間の父とエルフの母との間に生まれた子だ。名はオルウェン・ケレブラント、名は父母がまだ生きていた頃に授かったものだ。
エルフの言葉でケレブラントとは上古の昔、まだ星に近きエルフの王国があった頃、その地にあった何処かの地の名に由来するとも言われているが、詳しくは分からぬ。それに実の母は既に死んだ。


 人間の叔父上エーリッヒ・エッセンハイムの法螺話には昔から閉口してきたが、叔父上と叔母上イライアには感謝している。あの時拾われなければ混血の子供が生き長らえることもなかったし、こうして魔術師として身を立てることもできなかったのだからな。
 巷では学 芸 院(プリモ・ユダス)やその上の天 慧 院(ウエルス・サピエンティア)と聞くと何やらそれだけで感心されるが、実際にはそうでもない。私も 天の塔 (テュリス・カエルム)をくぐる資格を得るまでに何回も失敗したし、後でサルモン・フィースト老に聞いたところ試験の結果はぎりぎりだったという。まさに末席のそのまた末という訳だ。
 エステルランド王室には既に何人も魔術師は登用されているし、私もそういった栄達には興味がない。目下のところ私が調査しているのはアクシスの操る魔術と並ぶさらなる系統――即ち秘密の門の保持者オービスがこの世に残したという、秘儀魔法の研究だ。噂だと、引退したサルモン老もかなりの知識を蓄えているとのことである。


 凝った歯車の仕掛けが鐘を鳴らす機械式の呼び鈴が来客を告げ、半エルフの魔術師は玄関へと向かった。
 霧雨の中、扉の前で待っていたのは二人の娘だった。(シュヴァルツ)の髪に蒼氷(アイスブラウ)の瞳、いつになく暗い面持ちでオルウェンを待っていたのは旧知の魔術師の娘、レベッカ・ゲルハルト。その横に控えている小柄な娘は‥‥鮮やかな青い髪が縁からのぞいているものの、巡 礼 者(ヴァルファーラ) 風の長衣で全身を覆い、顔を隠している。
「真教の布教なら間に合っている、」と皮肉のひとつも言おうとしたオルウェンは、レベッカのただならぬ様子に思い留まった。
「レベッカではないか。どうしたのだ?」
「少し、よろしいですか」
 未来の天慧院を目指し勉学に励んでいる娘の声は震えていた。
「こちらの御使者の方が知らせてくださいました。父が‥‥父が、亡くなったと‥‥」
「そうか‥‥」 半エルフの魔術師はしばし黙り、天慧院を諦めて故郷へと帰っていった壮年の男性のことを思い出した。
「‥‥分かった。中へ入れ」
 レベッカは頷き、連れを振り返った。悲しい知らせを持ってきた巡礼姿は初めて僧 帽(カプーツェ)を取り、人目を引くその姿があらわになった。鮮やかな薄青の髪、白い肌に紫の瞳。だがこの世に残された秘儀魔法を探求しているオルウェンの注意をひときわ引いたのは、その小柄な娘の額にしっかりと刻まれた奇妙な紋様だった。かつて天上神アーに仕えし二十二の使 徒(アポステル)の一人、銀の星の司祭クレアータの祝福のしるし。
「そなた‥‥ 聖痕者 (グラヴィエールト)か?」
「聖痕‥‥者?」
 何も知らぬ自動人形の使者は、薄紫の瞳で魔術師を見上げた。

KLINGEvonARKANA - 困難を克服し星々へ


 ヨアヒム・ゲルハルト殿は私が学芸院にいた頃の先達に当たる。下積みが長かったことにより年はかなり上だった。史学(ゲシヒテ)錬金術(アルヒミー)にことのほか詳しく、アクシスの卵たちにも慕われていた。努力の末に天慧院の道も一旦は目指したが――どうやら私ほどは運がなかったようで、知の探求院にての席を得ることはできなかった。
 その後は引退して故郷の北方の村へ帰り、先祖の残した伝承や近隣の伝説の類の研究に打ち込んだと聞いている。
 その一人娘レベッカは今年十六になるはずだ。やや幼いがその理知的な顔立ちは未来の魔術師に相応しいものであり、現在は王都フェルゲンで修行を続けている。幼い頃に傷付いた右腕を父の作ってくれた義手で補い、尊敬する父が果たせなかった天慧院の門をいつかくぐらんと、自ら困難な道を歩んでいるのだ。
 彼女の悲しみには訳があった。父上殿は故郷の村ブランシルトにて伝わる、“雪 色 花(シュネーブルーメ)の歌”なる伝承に関してかなりの文献を集め、伝説の研究を残していた。そして遺言状には当然、父の遺産を継ぐに相応しいレベッカの名が記されて然るべきだが、見ず知らずの他人の名が記されていたのだ。


 面々は書斎で遺言状を見ていた。
「父が亡くなったのと同じくらい、悲しいことです」
 肩を震わせ、レベッカは悔しさを堪えて呟いた。
「アコットさん‥‥でしたね。この手紙を届けてくださったことには感謝しています。でも、私も未熟ですけど、いつかは、いつかは、あの 天慧院 (ウェルス・サピエンティア)の門をくぐることを志すものです。どうして、故郷に父が残した研究を‥‥こんな、こんな素性も分からぬ人に継がせると言うのでしょう」
 青い髪のアコットは何と言うべきか分からず、悲しそうな顔をして黙って立っている。
「そう気を落とすな」 手紙を読み終えたオルウェンは言った。
「田舎に引退した父上殿の研究だ。その――道楽混じりで君が継ぐほどではなかったのかもしれぬし、何かお考えがあったのかもしれぬ。それに、君はこの都でも他に学ぶべきことは多いだろう」
 使者アコットの携えたもう一通の手紙の宛先に記された名はLOBOであった。ゲルハルト父娘やオルウェンらヴァルター人のドルトニイ語にしても、西方からこの地にやってきたワイト人のノッティング語にしても、珍しい名前である。
「‥‥オルウェン様。どうか力を貸してもらえませんか? 私とブランシルトに赴き、父が行っていた研究が、天慧院にとって価値なきものだったのかどうかを見定めてほしいんです。こんな人に無条件に渡してしまうなんて、あんまりです‥‥」
「ああ。確かめる必要があるな」 魔術師は中指で銀縁の眼鏡を直した。「それに、王都にいたとて私はどうせ暇だ」
 老魔術師の娘は普段の快活さを少しだけ取り戻し、顔をほころばせた。
 同行のことを話すと、アコットも「わたしは放浪の身、御一緒させていただきます」と了承する。その動作はどこも寸分人と違わず、錬金術の素養のあるオルウェンでさえも人との僅かな違いを看破できぬほどであった。
 オルウェンは近付き、その額のしるしをもう一度見分する。その青い髪の中と手の甲に二つ目、三つ目の聖痕を持つアコットは、自分には変わった痣があるとしか思っていなかった。魔術師(マーギア)はしばし、天より授かった聖痕とその使命のことを教えるのだった。


ボス「さて次は魔術師関係のアルカナを豪華に揃えたオルウェンぽんだ。なにやら卵皇太子殿下が彼の前世をしかと推測しているが、そんなものは氣のせいだぞ」
こうさくいん「ひひひのひ〜。デクストラ=アクシス=オービスで錬金術師の家に育って現在は魔術師で聖痕の力を操る秘儀魔法使いでもあるのでしゅね〜」
ボス「元力使いエフェクトス、幻術のファンタスマ、マーテルの祈りの力、魔術師アクシス、錬金術師デクストラ、秘儀魔法のオービスとあるが、この世界でいわゆる一般的な魔法使いというとアクシスになるのだ。ボア1stでは非常に弱かったが2ndで他の系統の魔法との組み合わせの幅が格段に広がり、その座を取り戻している。9と3/4線ホームから出発して最近巷を賑わすホグワーツ魔法学院に入りたかったりする人は、アクシスが学ぶ学芸院及びその先のエリートが集う天慧院は割に近いかもしれんのでそうするがよいぞ。(笑) アクシスの魔術も戦闘に偏っているところが残念だがな。というかボアの特技は全体的にちと戦闘偏重なのだ」
こうさくいん「くぅーデクストラを入れれば眼鏡っ娘もできるのでしゅね〜o(≧▽≦)9゛」
ボス「んー、デクストラは錬金術師なのだが、実際には《雷の杖》《爆炎の杖》などなど幾つかある射撃武器の特技を取って射手のアルカナ、イグニスを重ねるファンタジーには珍しいはずのガンマンや、《超巨大武器》を取ってダメージの大きい武器を振り回す戦士ばかり見かけるな。
 西方のブリスランド王国で生産される硝子はいちおう貴重品ということになっているらしいのだが‥‥このゲームの中でイラストのついているデクストラのNPCは確かに全員眼鏡っ娘orメガネマンなのだ。(笑) ちなみに知覚にボーナスが加わる特技の《天眼鏡》はデクストラが現在に来ないと取れないぞよ。デクストラが過去のオルウェンぽんが掛けているのはゆえに妄想天眼鏡なのだ。なっはっはっは!」
こうさくいん「ゲーム小説で眼鏡っ娘といえば。『魔法戦士リウイ』のアイラたんとかでしゅね〜ヽ(´▽`)ノ」
ボス「Σ( ̄口 ̄;) ええぃなぜそのような軟弱な例が出てくるのじゃあ。だいたい眼鏡なんぞ眼鏡好きの向きに任せておけぃぃ」



序章三 剣の騎士

 ヴィンセント・シアーズはフェルゲンの歓楽街の近くにある馴染みの料理屋を出るところだった。
 白い肌に(グリーン)の瞳はこの地で見られるワイト人のものだが、その褐色(フルウス)の長髪はさらに西、教皇領バルヴィエステ王国のもの。複数の民族の血が混じりあうことは、ハイデルランドでは珍しくない。

ヴィンセント、剣の騎士にして仮面の剣士

 流れの旅人ながらもその端正な容貌や洗練された物腰に惹かれていた女給たちが名残惜しげに手を振り、傭兵たちが「早く行けよ、色男」と茶化す。腰に長剣を佩き、軽い革鎧を着た剣士はいつものように気安く手を振ると、女給たちに目配せし、散歩にでも行くように軽い足取りで歩き出した。

 背後の料理屋が雑踏に紛れた頃。ヴィンセントは常に左手を覆っている手袋を外した。その掌に刻まれしは翼十字の如き不思議な印、時のくびきと因果より解き放された永遠の神々の博士フィニスの聖痕の印。
 念と共に浮かび上がり、聖痕に重なるように現れしは――数百年の昔よりそこにある(エスパーダ)の十字。
 その顔にはもはや普段の放蕩ぶりはどこにもなく、あるのは静かな殉教者の表情だけだ。永生者(フィニス)の孤独な(ウィリデ)の瞳に映るのはあの夜の火刑台の(フラマ)。異端審問に掛けられた騎士団の同志たちは秘密を一言も漏らさぬまま、アーの御名を唱えて灰となっていった。天の加護により火刑を耐えた若き騎士は、アプリア大司教クララの温情によりあの場から逃がされ、祈りと共に送り出されたのだった。
 それより二百年の後、騎士団は 教 皇 ポンティフェクス・マキシムス直属、異教を討つ外向きの刃として再生し、今やこの王国では教皇の信も篤い 枢機卿 カーディナラトゥスマレーネ・ジーベルの手足となって動いている。
 だが、旧き先代の団員である彼の者の使命は変わらぬ。火刑の夜に剣十字の印は消え、そして騎士団が蘇った夜に掌にふたたび現れた。世界に手を伸ばす 闇の鎖 (カテーナ・テネブラーリウス)を防ぎ、永遠の命を果て無き戦いに捧げることこそ、彼の者に残された唯一の、自らの救済の手立てなのだ。
「‥‥神の御加護を」
 聖グラディウシア騎士団第九位騎士エクエスヴィンケンティウスは小さく呟くと、闇の胎動する北へと向かった。

GLADIUS ARCANA - 主は汝とともに


ボス「さて何やらひとり異なる雰囲気を纏ってヴィンセント様の登場なのだ。この開幕フェイズは時間的には、この後の展開フェイズの途中ということになっているぞよ」
こうさくいん「いきなりシリアスでしゅよ‥‥(゚o゚) アルカナはフィニス=アルドール=グラディウス。年を取らない代りに輪廻の輪から外されたフィニスに戦士のアルドール、そして軽武器を操るグラディウス。フィニスの∵不死∵以外はかなり前のめり系でしゅ〜」
ボス「鎧を着ない剣士タイプのグラディウスは読者諸兄ら日本人には馴染みやすいかもしれないな。重武器を使うアルドールと軽武器を使うグラディウスは重なりにくいのだが、ヴィンセント様は一部の特技の為にアルドールも入れているのだ。
 さて旧派真教内部の堕落を見張る秘密部隊聖グラディウシア騎士団は、ボアにおける宗教系秘密組織の定番だな。公式シナリオの導入に入っていたり2ndからは枢機卿マレーネが有名NPCリストに載ったりしているので、騎士団員のキャラクターを持っている方も多かろう。イスカリオテ機関ごっこや国務聖省の派遣執行官ごっこやその他諸々のキリスト教系異教殲滅秘密部隊はだいたいここで再現できるぞ(笑)」
こうさくいん「ふつうの団員は再建された新生グラディウシア騎士団員だけどヴィンセント様は旧代の生き残りなのが珍しいでしゅね〜。ネーミングもちゃんとラテン系でしゅ〜」
ボス「うむ。ちなみにモデルは現実世界の1118年、十字軍の時代、聖地巡礼者の保護と街道警備の目的で結成された宗教騎士団『テンプル騎士団』(オーダー・オブ・テンプラーズ)だと言われている。赤い十字や内部の秘密結社めいた香りやその最期など共通点は多いな。こちらは1307年に時のフランス国王に異端嫌疑を掛けられ一斉摘発のあとに上層部が火刑にされて終焉している。サバトの悪魔めいた偶像神バフォメットを信仰していたとも、異端カタリ派を滅ぼし莫大な富を蓄積していたとも、魔術の探求を行っていたとも、内部では同性愛がはびこっていたとも言われているのだ。オカルト関係にはよく出てくる名だな」
こうさくいん「(゚Д゚;) ど、同性愛‥‥グラディウシア騎士団の説明にもそんなことが書いてあるでしゅよ‥‥(ブルブルブル)」
ボス「ええぃヴィンケンティウス卿までホ●疑惑だとは言っとらんわぁ。Σ( ̄口 ̄;) リサーチの広い新作TRPG『ブルーローズ』の世界情報にもテンプル騎士団のことは書いてあるぞよ。そういえば映画『ジェヴォーダンの獣』でも遺跡がちらっと出てきたな」
こうさくいん「気を取りなおしてれっつらごーでしゅ〜」
ボス「ちなみに旧代の騎士団だと本当は剣十字の位置が‥‥ごにょごにょだったり団長が‥‥ごにょごにょでナニでアレだったりするので後付けで設定を少し調整しているぞ。その内容は罪ありき地の書の秘密の約定に従って伏せておこう。(ニヤソ)」



序章四 狼王ロボ


 時刻はそれより少し戻る。
 王都フェルゲンの歓楽街のそばにある安い料理屋(レストラーン)では、傭兵たちに混じって ウルフェン (ハルツェンヴォルフ)族とおぼしき若い戦士が気だるげな午後を過ごしていた。
 裏切りの使徒、生命の始祖フルキフェルの子であり人間の姿、巨大な狼の姿、人狼の姿を取ることのできるウルフェン族は武器の扱いや腕力に優れ、数は多くないながらも優秀な戦士として人間の街でもよく見かける。特に強力なものは獣の血を濃く受け継ぎ、さらに強靭な生命力やいにしえの魔狼の力を持つのだ。

白きハルツェンヴォルフ、LOBO

 ウルフェンの例に漏れず、欠伸をしながら楊枝をくわえているロボも、人の姿をしてはいながら白い毛皮の狼の面影をどこか残していた。たてがみのように伸び放題の白い髪、左右が近い濃い眉。
 彼の体に刻まれた三つの印の意味を解さない部族を後にし、真教修練派の修道院で格闘術を学び、焼け落ちたメオティアの森で一人嘆き続けるアルダと出会い、そして流れて今へ。ロボも今や、聖痕スティグマの秘密を知り、戦い続ける刻まれし者エングレイヴドのひとりだ。

 戦いがない平時の戦士は暇なものだ。たっぷり肉を食べて満足すると、ロボは椅子にひっくり返って両腕を枕にすると穏やかなまどろみの中に意識を委ねようとしていた。
 その時、竪琴(ライアー)の音が柔らかに響き、ロボは閉じ掛けた目を開けた。
 弾いているのは時々この店にやってくる女の吟遊詩人(ファーランダー・ゼンゲリン)だった。軽い旋律に載せて、北の地方の悲恋を歌った甘く切ない 恋 歌 (リーベスリード)が幕を開ける。
 ウルフェンの若者の頭から昼寝の悦楽がきれいさっぱり消え、ロボは神妙に歌に耳を傾け始めた。最近度々夢の中で見る情景にあまりにも似た歌だったのだ。もし今が狼の姿であれば、文字通り耳をそばだてていたであろう。

 フィーデル川のほとりの暗黒の土地の物語。黒い霧を吐く闇の木々に苦しむ農民、そこへ現れた旅の剣士。ただひとり力を貸すことを約束した、輝く銀の髪を持つ美しい森人の姫。
 たくさんの薪で起こした炎と、剣と、魔法で、ふたりは呪われた木々を焼き払った。思い直した農民たちが加わり、そして、闇の種子が最後のひとつとなる。剣士はいつしか、姫に惹かれるようになり‥‥


「おいおい、昼間っからこんな甘ったれた歌かよ!」
「もっと派手な奴はねえのか? 血沸き肉踊るってヤツをさ。ハハハッ!」
  傭兵 (ゾールドナー)たちの野次が飛び、“雪色花の歌”(シュネーブルーメンリート)は中断を余儀なくされた。詩人は苦笑して手を止めると、しばし考え、今度は調子の早い別の曲を弾き始めた。

「よう」 夢から覚めた心地のロボの後ろから陽気な声が掛かった。
「ウルフェンには似合わないね」
 芸術に耳を傾けていた文化に理解ある獣人が振り向くと、褐色の髪を流した端正な容貌の青年が手袋をした左手を上げていた。最近ここ王都で再会したヴィンセント・シアーズだ。

ヴィンセント、剣の騎士にして仮面の剣士

 マテラ人の王国バルヴィエステの方から流れて来たとおぼしきこの流れの剣士は、軽装ながら剣の腕はかなり立ち、前に一時の道中を共にしたことがある。流れ者ながら洒落た服装を好み、瀟洒な物腰が女給たちに密かな人気となっていた。
「いつも快活で一本気なキミが、歌に聞き入るなんて珍しいね」
「うるさいな。ごちゃごちゃ言うナ!」
「それとも他にお目当てでもあるのかな」
 ヴィンセントは椅子に腰掛けるとロボの顔を覗き込んだ。その(グリーン)の瞳が笑っている。
「ははーん、さてはあの詩人に恋煩いか?」
「オレが歌を聞いちゃワルいのかよ!」
 ひとしきり軽やかに笑ったあと、ヴィンセントは聞きそびれた歌の続きを教えてくれた。旅の楽士気取りとでもいうのか、この青年はこういう話に妙に詳しいところがある。

 どうしても最後の闇の種子を退治できなかったエルフの姫は、民に伝わる魔法の儀式を使った。種子と一緒に長い眠りにつき、その力を封じるいにしえの秘儀だ。だが、姫は剣士の若者が人間であり、寿命を持つことを知らなかった。若者は深く悲しみ、放浪の旅に出た。夢の中でそれを知った森人の姫は、川のほとりに雪色の花を咲かせ、彼の帰りを待ったという‥‥

白きハルツェンヴォルフ、LOBO

 ロボは神妙に考え込んだ。たびたび夢の中で見る光景――暗い蔦に身を捕らわれた銀の髪をした妖精のような娘が、無言で呼びかけてくる夢。この歌に何処か、似てはいないだろうか。
「ロボさ〜ん。お客さんですよー!」
 悩める若き狼と旅の楽士の相談事は、そこで中断された。今度は馴染みの若い女給が駆けてきたのだ。見れば料理屋の入口に、巡礼服のようなマントで身なりを隠し、杖をついた背の低い娘が立っている。


「また、引っ掛けたのかい?」
 ヴィンセントの軽口を無視してロボは相手が誰だか思い出そうとしたが、頭の中に浮かんでこなかった。
「今度は一体、ダレが来たって言うんだ」
「さあ‥‥でも、とても大事なご用だそうですよ?」
「マエに会った奴かな」
 ロボは立ち上がり、客人の方へ歩き出した。背後に残した女給を、甘やかな声で誘う旅の剣士の声が聞こえてくる。
「ところでロボはほっといて、僕とお茶でもどうだい」
「え、そ、そんな‥‥」

BLADEofARCANA - 狼の兄弟


ボス「さて最後に真打ち登場の犬属性ロボぽんなのだ。解説せよ」
こうさくいん「アルカナはフルキフェル=アクア=レクス。異種族のひとつウルフェン生まれで格闘術を学び、なおかつ『禿鷲の巣』に所属する賞金首追いでもあるのでしゅ〜」
ボス「レクスはボア1stでは不人気No.1の座を争ったとかないとか言われているな。(笑) 2ndからは相手を無力化したりする戦闘補助系特技が充実したので、戦闘系アルカナと組み合わせるとかなり強くなっているぞ。ウルフェンの戦士や格闘家はよく見かける定番だ」
こうさくいん「これでもハイデルランド建国王を助けてたり重要でしゅよー。ボアは非人間種族がみんな(E)のでしゅ〜(≧▽≦)9゛」
ボス「うむうむ。普段は眉毛が左右で繋がっていたりするらしいので鉤爪を生やしてウルバリンもできるな。カイリンドー格闘術を操る妄想スターゲイザー族を夢想した方もいるだろう(ぽわぽわ〜ん)」
こうさくいん「そんなのマニアック過ぎてわかんないでしゅよ〜(笑) 数少ないウルフェンの中でもっと少ない聖痕者は自分から使命を悟るらしいでしゅね?」
ボス「うむ。サプリメントのランド・オブ・ギルティにはそう書いてあるがロボぽんは焼け落ちたエルフの森メオティアでアルダから聞いたそうだな。他にもいろいろ秘密を共有しているらしいぞ(ニヤリング)」
こうさくいん「“ディアスポラ”のアルダたんと言えば! ヒルダ姫たんや神聖騎士団のノエルたんや竜伯リザベートたんと並ぶ! 人気女性NPCのひとりでしゅね!o(≧へ≦)9゛」
ボス「Σ( ̄口 ̄;) マレーネ睨下や予言者エロイーズやシャロンやティナやゲルダその他はどうしたぁ。いやそうではなくたんとか言うなあ。今回は格調高くファンタジーをやるのじゃあ」
こうさくいん「んんーんんー『ファンタジー魂』のリプレイ『ディングレイの魔核』でもノエたんって呼んでるでしゅよ〜(>ω<)」
ボス「ええいあんなのはネタで笑って終わりだぁ。巨大戦艦バハムードのどこがファンタジーなんじゃぁぁぁ」



第一章 魔術師の遺産


 果たして、悩める狼と旅の剣士の元に現れた巡 礼 姿(ヴァルハーラ)の来客の正体はアコットであった。店を変えて事情を話し、老魔術師の遺言状を出す。アコットの青い髪の姿はひときわ注意を引くものであったが、ロボもヴィンセントもこの娘の正体までは見破れなかった。
「オマエ、あの時のアコットだよな」 ロボは娘の薄紫の瞳を覗き込んだ。
「あれから、コウセイしたのか?」
 過去の逃避行の中で自分の罪を告発された時の嫌な思い出を蘇らせ、アコットは身を固くした。そうでなくとも、伸び放題の白い髪に筋骨隆々の体を持つ大柄な若者に迫られるのは、彼女にしてみれば少し怖い。
「とにかく、あちこちの伝を辿って、ようやく見つけることができたのです。ヨアヒム・ゲルハルト様の最後の願いである遺言状(テスタメント)をここにお届けします。遺品の所有権をロボ様にお譲りするとのことらしいのです」
 封を切り、流れるような筆跡で丁寧に書かれた書面に目を通す。横からヴィンセントも覗き込んだ。
「キミ、字が読めたんだね」
「ウっせえな。ちゃんと読めるよ!」

 何の縁もない人物から突然手紙をよこすことを詫びた後、ヨアヒムは自分の城館(シュロス)にある遺品や文献を譲り渡すことを述べていた。先祖伝来の館で資料もきちんと整理してあり、同じ分野の研究を続けるならば価値あると。一度自分の目で見た後に処分を自由に決めて構わないと。
 手紙にはブランヒルトまでの簡単な地図が同封されていた。王都フェルゲンから北への旅となる。幸い途中までは街道筋で、案内もあれば数日で到着できる距離だ。


「まずはオレにここまで来て欲しいってコトかい」
 地図を広げて眺めるウルフェンの若者の横で、流れの剣士は目を細めた。「ブランシルトだね」
 賞金稼ぎの組合(ギルデ) 禿鷲の巣 (ヴァルチャーズ・ネスト)の構成員たちが、最近悪名を馳せている“斑の凶手”という賞金首のことを話している。街道で腕利きを返り討ちにし、そのまま北へ逃亡したという。行く手の森の近くには、ちょうどブランシルトの村があるではないか。

BLADEofARCANA - 立て、使徒クレアータの娘よ


「アコット。遅くなった」
 店の入口に、錬金術師の好むような厚い革マントの旅装束に身を包み、銀縁の眼鏡(アウゲングラス)を鼻に乗せた痩身の青年が姿を現した。半エルフの魔術師オルウェン・ケレブラントである。アコットは遂に探し当てた遺言状の相手がなんとウルフェン族の若者であったことを、かいつまんで話す。天慧院出の魔術師は少し驚いたように遺産相続者を眺めた。
 耳の尖った魔術師はその横で手紙を覗きこんでいる青年を認めた。よく馴染みの料理屋を通り掛かると、中で若い女給(バーダーメ)の娘を口説いていた軽薄そうな男だ。そして対するヴィンセントもまた、よく店の外を通り掛かる目つきの悪い魔術師を覚えていた。
「ところで、俺はその村には別の用事で用がある。向こうで現地集合という段取りにしないかい」
「構わんゼ。オレも一人旅の方が楽だからな」
 ヴィンセントが発案し、ロボも同意する。

「分かりました。ではロボ様、道中はさておき、ブランシルトの村までご同行願います」
 アコットは頭を下げた。
「おいオイ、その“ロボ様”ってのはやめてくれねえか。ロボでいいよ。ロボで」
「‥‥分かりました。では‥‥ロボ」
「ったく、ヤリにくくてしょうがねえなあ」

アコット、クレアータの娘
オルウェン、星の理を知る魔術師

 取り決めは済み、四人はそれぞれの方法でしばし旅に出ることになった。
「できればわたしも、あの人とは一緒に行きたくないのですが‥‥」
 筋肉の塊のようなウルフェンの若者を見やりながら、一方のアコットはオルウェンにこっそりとささやく。
「う、うむ‥‥」 魔術師は中指で銀縁の眼鏡を直した。
「私も、あのような粗野なウルフェンに魔術師の繊細な遺産が理解できるとは思えぬが‥‥」

KLINGEvonARKANA - 困難を克服し星々へ



第二章 姫君アラベラの呼び声


 ロボは一人、野営の仕度をしていた。一足先に出発し、気ままな一人旅で北を目指す途上だ。健脚を生かしてだいぶ距離を稼ぎ、今夜は森の中で一晩を明かそうとしている。
 都の怠惰な生活に慣れきった人間族がいればやれ寝床だの食事だので面倒なことになるが、元より自然の中で暮らしているウルフェンであれば楽なものだ。適当な場所に荷物を放り、地面から石を取り除けただけでロボはごろりと横になった。
 遥か昔に大皆食が起こってより、ハイデルランドの夜空から星は消えた。月もその姿の一部を闇に食われ、傷付いた姿で地上を弱々しく照らしている。地上は闇の鎖に捕らわれ、さまざまな闇の眷属や怪物の類も多い。だが大地を守って散った二十二使徒の欠片はまだ消えていないのだ。聖痕者の持つしるしこそ、地上に残った星々の力が消えてはおらぬ証なのだから。


 ロボは川のほとりにいた。フィーデル川のせせらぎは耳に心地よく、遥か北方から流れてくる澄んだ水が小石を濡らしている。
 せせらぎには別の音が混じっていた。竪琴か何かを弾く音だ。目を転じるとほとりの石に腰掛け、一人の女が聞き覚えのある旋律を奏でていた。少女にも女にも見える妖精のような美しさ、それ自体が輝きを宿したかのような銀色の髪。もうその名を知っている。アラベラ。森人の姫君アラベラ。その灰色の瞳が、ロボをそっと見つめ‥‥
「オレが、こんな昔にいるワケがない」

 そう呟いた途端、ロボは自分の声で目を覚ました。
 夜明けの森は静かだった。朝靄が立ち込め、どこかで鳥の鳴き声が聞こえる。頭を振ってひときわ鮮明な夢を振り払い、ウルフェンの若者は立ち上がった。
 そして夢の中で見た同じ川辺の場所を見つけ、丘をひとつ越えた時、彼は目的地の村が近いことを知るのだった。

白きハルツェンヴォルフ、LOBO

BLADEofARCANA - 狼の兄弟


 ヴィンセント・シアーズは役目を果たした伝書鳩を空に放した。騎士団に伝わる秘密の符丁で記された手紙を無事に送り届けた鳩は舞い上がり、フィーデル川のほとりから寒空へと飛び立った。
 ハイデルランド各地の真教教会の中に、騎士団に影ながら協力している者たちが隠れ、網を作っている。あの鳩も何処かの街へと帰るのだろう。 聖堂 (カセドラーレ)に荘厳なる鐘の音の響く中を物見の塔に舞い降り、十字(クルクス)を切って近付いてくる助祭に剣十字の騎士が敵に近付いていることを知らせ、ようやく羽を休めるのだろう。闇の鎖とのひそやかな戦いは、そうして何百年も続いてきたのだ。
 死体が発見されたのは川下の別の街だった。筏に引っ掛かった無残な巡察騎士の死体を農民が見つけ、教会の司祭(サセルダ)に知らせたというのだ。死体の刀傷はふたつ、二刀での左右からの傷が命を奪ったものと思われる。教会から派遣された騎士ともあらば、腕はそれなりに立とう。それをただ一度の斬撃で屠り、川に落として辱めたとあらば、手配中の“斑の凶手”なる残虐な賞金首の仕業の線が濃い。

ヴィンセント、剣の騎士にして仮面の剣士

 寒村に遣わされた哀れな巡察騎士の魂の安らぎを祈ると、彼は先を急いだ。
 ブランシルトの村に到着した時、剣十字の騎士ヴィンケンティウスは確かな闇の鎖の匂いを感じ取った。村全体が、どんよりした暗い霧とも瘴気ともつかぬものに覆われていたのだ。

GLADIUS ARCANA - 主は汝とともに


こうさくいん「なんか闇の匂いがするでしゅよ‥‥(゚o゚)」
ボス「うむ。そういえばハイデルランドの人種や宗教のことも触れておいた方がいいな。解説するのだ」
こうさくいん「ラジャーでしゅー。ヨアヒム老師やレベッカたん、人間の血の混じったオルウェンぽんたちはヴァルター人。この地に昔から住んでいた民族でドルトニイ語を使うのでしゅ〜」
ボス「これはほぼそのままドイツ語になっている。まあ銀○伝でも思い出すなりなんなりするがよいだろう。ルールブックの世界設定以外の部分では英語が使われているがこれは仕方ないな(笑) 外見の描写や強い復讐心などなどから、ヴァルターは北方のゲルマン系民族やヴァイキングがモデルと思われる。真教が広まる以前に信仰されていた魔神アーグリフは誰がどうみても北欧の神オーディンがモデルなのだ」
こうさくいん「そしてヴィンセント様はワイト人とマテラ人の血が混じっているのでしゅー。ワイト人は西方のブリスランド王国など後から移住してきた人たちで使っているノッティング語はそのまま英語なのでしゅ。マテラ人のバルヴィエステ王国は教皇領、真教発祥の地でしゅよ〜」
ボス「ワイト人はそのまま英語圏の人々だろう。ブリスランドから来てエステルランド王宮に滞在中の女王陛下の騎士は頭文字もJ.B.だしナ!(ニヤリング) そして数は少ないながらも高い文明や教養を誇るマテラ人は、現実世界でそのまま聖書発祥の地バイブルランドの人々だろう。マテラ語はラテン語ということになっている。救世母マーテルを始めとした22使徒の名前も、全てラテン語の意味のある単語なのだ」
こうさくいん「そして〜教皇領から広まった真教はどこから見てもキリスト教でしゅね〜教皇の名前もなんかN◎VAと同じでしゅ〜」
ボス「サイバーパンクに異文化の匂いは大切だし『重力が衰える時』を初めとした諸作品にはイスラム教が重要なファクターとして登場する。その辺があってN◎VAの真教はキリスト教+イスラム教にしたのだと思われるが、氷を崇めていたりよく分からぬ。対してBoAの真教はよりキリスト教そのまんまなので、かえってやり易いかもしれんな(笑)
 大きな違いは女性上位であること、転生思想があることだ。キリスト教圏の人々は死んだら神の元に召されるのだが、BoAの真教では生まれ変わって転生を繰り返すことで罪が浄化されていくと教えているのだ。ハイデルランド建国の歴史の中にも転生した英雄の話は何度も出てくるぞ」
こうさくいん「騎士の生まれ変わりなら〜。カーライル・シンジケートに沢山いるでしゅね〜ヽ(´▽`)ノ」
ボス「Σ( ̄口 ̄;) ええぃゆえにあのへんの妄想はスゴク可笑しいのじゃあ。現実世界では主に東洋の思想だが、ケルトの人々にも転生思想はあったらしいな。
 さてもうひとつ、唯一神アーもどうやら女性だしキリストの受難と聖母マリアを連想させる救世母マーテルも女性、実は22使徒もみな女性だと言われている。真教では女性上位で、旧派の司祭、新派の祭司から上の位に上がってゆけるのも女性なのだ」
こうさくいん「教皇も女性だしエステルランドにいるマレーネ枢機卿も女性でしゅ。シスター系のキャラクターも頑張れるのでしゅよ〜o(≧へ≦)9゛」
ボス「何を期待しているんじゃぁぁΣ( ̄口 ̄;) 確かにこれは女性PCもより活躍できるようにという配慮になるかもしれんな。では社会全体では女性が優遇されているのかというと、国王がふつうに一番偉いしどうもそうではなくよくわからん(笑) まあ先に進もうではないか」



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