
〜シュネーブルーメの歌〜
【雪色花の歌】【前編】【中編】【後編】
-花の道案内-
(ルビ式記述により、IE5.0以上を用いた閲覧を推奨するものなり。)
Und, Sie in Bühne des Schicksals kommen ...
Name: ヴィンセント・シアーズ(ヴィンケンティウス)
Arkana: フィニス=アルドール=グラディウス Rasse: 人間(マテラ/ワイト) Alter: 20代後半(外見) Geschlecht: ♂
白い肌に褐色の髪の流れの剣士。軽口を叩いて女を口説き、軽佻浮薄な旅の剣士を気取るその姿は敬虔な真教教徒にも騎士にも到底見えないが、その左手は常に手袋に隠されている。
そう、使徒フィニスの聖痕と共に刻まれし剣十字こそ沈黙の騎士の印。かつて五百年前、聖グラディウシア騎士団員のすべてが火刑台に送られた異端審問を生き延び、
Spieler: 篠原透 【NEUROGUE】
▼AXYZ星系方面のシノハラ陛下たちが調整してアクトを開いてくれました。ハイデルランドの舞台に上がるのはボアにおける宗教系秘密結社の定番ともいえる聖グラディウシア騎士団員。しかも。普段は正体を隠すためにロクデナシのプレイボーイだというのがシノハラコズム 全 開 だー!(ぽわぽわ〜ん) アル●ラーン戦記のギー●みたいなサムシングらしいですぞ?
しかし聞いたところ、PL本人から見たらAXYZの完全無敵吸血鬼ルイ様もこのヴィンセント卿も好みのタイプではないそーです。ムシロいたらヤだとか。わざと少し外しているんですかねえ。うーむ、奥が深い。(笑)

Name: LOBO
Arkana: フルキフェル=アクア=レクス Rasse: ウルフェン Alter: 23 Geschlecht: 雄
ウルフェンの部族出身の若者。白い狼に変身する。部族では彼の体に現れた奇妙なしるしが元で排斥され、流浪の旅に。たまたま近くにあった真教修練派の道場で格闘術の修行を行う。メオティアの森で嘆きのエルフ、“ディアスポラ”アルダと邂逅したのちに
Spieler: しまやん
▼N◎VAで活躍したバイオ犬ベルや亀系カブトのグイドなど明らかにジンガイスキー(笑)なしまやん陛下、ボアでもウルフェンです。やはり 犬 属 性 だー!(ニヤリング)
確実な戦闘系技能が多くイメージしやすいウルフェン族はアルドールやアクアと重ねて戦士や格闘家にしたキャラクターはよく見かけますね。

Name: アコット
Arkana: ルナ=ウェントス=クレアータ Rasse: クレアータ Alter: 19(外見) Geschlecht: ♀
珍しい薄青の髪に紫の目、額に使徒クレアータのしるしを刻まれた人形の娘。自分が創られし者とも知らず盗賊団ブルーダーシャフトの大兄“スローハンド”エリックに忠誠を捧げていたが、ケルバーの街の大きな仕事で見捨てられ捨て駒に。自警団や竜伯リザベートの放った追っ手から逃れ、ハイデルランドをさ迷っていた。北方の村ブランシルトで体の仕掛けに不調をきたしたところを錬金術師ヨアヒムに救われ、ある願いを託されるのだが‥‥
Spieler: ガンツム
▼忙しいところをルールブックも買ってガンツム軍曹さんが来てくれました。(ははー) 何やらまだ一度も迎撃に加わっていなかったしということですが、いやーん気合入れて迎撃されても沈没しちゃうでしゅ〜(笑)
アコットはキャラクター陣の中で唯一、刻まれし者や聖痕の秘密、世界の知識を知らない役回りです。それがかえってアクトの中で際立ちました。後での本人の談話によると額の印をフードで隠して巡礼姿で歩くのはやはりファ●ィマのイメージだったとかないとか。やはりクレアータといえばファイブスターは必須なのか?(ヲレはNewtype増刊の設定集しか持ってないけどナ!)

Name: “魔焔の射手”オルウェン・ケレブラント 【Profil】
Arkana: デクストラ=アクシス=オービス Rasse: 半エルフ Alter: 20代後半(外見) Geschlecht: ♂
老人の如き灰色の髪をした半エルフの魔術師。幼い頃に森人の母と人間の父は死亡し、錬金術師の家に拾われて育てられた。天慧院を出た後は“蒼然の鷹”という古ぼけた雷の杖を携え、この世の真理と聖痕の秘密を解き明かすべく旅を続けている。銀縁の天眼鏡を掛けた痩身の繊細な容貌だが、目付きが悪く性格も曲がっている。
▼ほりの殿下にキャラクター案を教えたら何やら触発されたようで魔法なシナリオを作ってくれました。きゃー。なにやら転生する前の前世まで推測されてしまいまちた。そんなはずはないデス(ブルブルブル)

リタイアしたSpieler: 8bit 【dice - LU$T Section】
▼飲みに行ったことは山ほどあるけどゲームした回数はジツは少ないハッチーの旦那とチョー久々に卓を囲むことになるのか? ちゃんとキャラ作り終わったのか? つかBoA2nd持ってるのか? と思いきやリタイアして大王様とハラダイさんと買い物に行ってしまいまちた。ありー(笑)
Der Spielmeister: 堀野
▼準備期間が短い中をゆらゆら皇太子殿下がシナリオを作ってくれました。シナリオ用因縁や導入など事前準備も完璧。しかも当日は印刷したPL用ハンドアウト、雪色花の歌の叙事詩には現実世界でのモデルであるスノードロップの花の画像入りという念のいれよう。す、すごいでしゅ。
さあいよいよ幕が上がるのは、中世欧州の重苦しい香り漂う異世界ハイデルランドの薄闇の大地。やはりここにも漂う儚さは、ほりのコズム 全 開 だ ー !(うふ)
ちなみにこのゲームでは人と人との繋がりを因縁という値で設定しますが、シナリオ用因縁として騎士ヴィンセントは断罪:斑の凶手、LOBOは喪失:夢の森人、クレアータのアコットは恩人:錬金術師ヨアヒム・ゲルハルト、魔術師オルウェンは幼子:レベッカ・ゲルハルトを所持。
プレイヤーキャラクター同士を結ぶ因縁としては、ヴィンセント→LOBO:過去の道連れ同士、LOBO→アコット:アコットを過去に告発した経験あり、アコット→オルウェン:錬金術師ヨアヒムの遺言の相手、オルウェン→ヴィンセント:未来に秘密を共有する定めにある、ということになりました。

〜シュネーブルーメの歌〜
| 序章一 老師の願い |
ハイデルランドの冬は寒い。たとえ雪は降らずとも、北の魔神アーグリフの力の強い北方は寒風吹きすさび、黒い森に囲まれたこの小さなブランシルトの村もその中にひっそりと佇んでいた。
小さな
「済まないね‥‥。満足に、君をもてなすこともできずじまいだった。春になって、このブランシルトの川辺に咲き乱れる花を、見てもらいたかった」 |
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記憶をなくしてさ迷っていたところをエステルランド王国の影の世界を牛耳るブルーダーシャフトに拾われ、しばらく仕事を行っていたものの大兄エリックに捨てられたアコットは、ケルバー領主の竜伯リザベートの放った追っ手を逃れて北方をさ迷い、この地へやってきた。体に不調をきたして倒れた彼女を見つけたヨアヒム・ゲルハルトは、献身的な看護でその命を救ってくれたのだ。だがそれと引き換えにするかのように老人は肺をわずらい、今その天命は尽きようとしていた。
「わたしのような咎人に、過分な助けです」
「業だよ。研究の成果はこの館に残っているが、たくさんのことをやり残したままにしてしまった」
アコットは輝きを失ってゆく老人の瞳が、自分とは別の誰かを見ているのに近付いた。多くは語らない錬金術師だったが、なんでも昔は魔術師の大きな学院を目指して挫折したという。都の方に残った子供がいるという話ではなかったか。
「君に‥‥頼みたいことがある。いつかこの城館を出て、また旅に出る時でよい。そこの机の中に二通の手紙がある。それぞれの宛名の場所へ、届けて欲しいのだ」
「わたしにできることでしたら、何でもいたします」
アコットは手紙をあらためた。一通には老人の瞳に見えていたのであろう人物の名が、そしてもう一通には聞いた事もないような変わった名が記されていた。
ヨアヒム・ゲルハルトが神の御許へ召されたのはそのすぐ後だった。生憎とアコットは
「あなた様の遺言は、必ず果たします」
二通の手紙を胸に、アコットは古ぼけた城館を後にした。目立ちすぎる容貌をマントの中に隠し、冬のブランシルトを後にする。
目指すは遺言状に示された王都フェルゲン。

|
こうさくいん「いえーでしゅ〜遂にプレイレポにボア見参なのでしゅよ〜o(≧▽≦)9゛」 |
| 序章二 錬金術師のおい |
華やかなフェルゲンの都を覆うのは静かな雨だった。王城を、そこを囲む大通りを、市を、旧派真教の
その外れにある閑静な屋敷の書斎で、一人の青年が一心に書物を読み耽っていた。痩身、鼻の上にあるのはよく錬金術師が掛ける天眼鏡の如き銀縁の
かつて
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然り、私は人間の父とエルフの母との間に生まれた子だ。名はオルウェン・ケレブラント、名は父母がまだ生きていた頃に授かったものだ。 |
人間の叔父上エーリッヒ・エッセンハイムの法螺話には昔から閉口してきたが、叔父上と叔母上イライアには感謝している。あの時拾われなければ混血の子供が生き長らえることもなかったし、こうして魔術師として身を立てることもできなかったのだからな。
巷では
エステルランド王室には既に何人も魔術師は登用されているし、私もそういった栄達には興味がない。目下のところ私が調査しているのはアクシスの操る魔術と並ぶさらなる系統――即ち秘密の門の保持者オービスがこの世に残したという、秘儀魔法の研究だ。噂だと、引退したサルモン老もかなりの知識を蓄えているとのことである。
凝った歯車の仕掛けが鐘を鳴らす機械式の呼び鈴が来客を告げ、半エルフの魔術師は玄関へと向かった。
霧雨の中、扉の前で待っていたのは二人の娘だった。
「真教の布教なら間に合っている、」と皮肉のひとつも言おうとしたオルウェンは、レベッカのただならぬ様子に思い留まった。
「レベッカではないか。どうしたのだ?」
「少し、よろしいですか」
未来の天慧院を目指し勉学に励んでいる娘の声は震えていた。
「こちらの御使者の方が知らせてくださいました。父が‥‥父が、亡くなったと‥‥」
「そうか‥‥」 半エルフの魔術師はしばし黙り、天慧院を諦めて故郷へと帰っていった壮年の男性のことを思い出した。
「‥‥分かった。中へ入れ」
レベッカは頷き、連れを振り返った。悲しい知らせを持ってきた巡礼姿は初めて
「そなた‥‥
「聖痕‥‥者?」
何も知らぬ自動人形の使者は、薄紫の瞳で魔術師を見上げた。

ヨアヒム・ゲルハルト殿は私が学芸院にいた頃の先達に当たる。下積みが長かったことにより年はかなり上だった。
その後は引退して故郷の北方の村へ帰り、先祖の残した伝承や近隣の伝説の類の研究に打ち込んだと聞いている。
その一人娘レベッカは今年十六になるはずだ。やや幼いがその理知的な顔立ちは未来の魔術師に相応しいものであり、現在は王都フェルゲンで修行を続けている。幼い頃に傷付いた右腕を父の作ってくれた義手で補い、尊敬する父が果たせなかった天慧院の門をいつかくぐらんと、自ら困難な道を歩んでいるのだ。
彼女の悲しみには訳があった。父上殿は故郷の村ブランシルトにて伝わる、“
面々は書斎で遺言状を見ていた。
「父が亡くなったのと同じくらい、悲しいことです」
肩を震わせ、レベッカは悔しさを堪えて呟いた。
「アコットさん‥‥でしたね。この手紙を届けてくださったことには感謝しています。でも、私も未熟ですけど、いつかは、いつかは、あの
青い髪のアコットは何と言うべきか分からず、悲しそうな顔をして黙って立っている。
「そう気を落とすな」 手紙を読み終えたオルウェンは言った。
「田舎に引退した父上殿の研究だ。その――道楽混じりで君が継ぐほどではなかったのかもしれぬし、何かお考えがあったのかもしれぬ。それに、君はこの都でも他に学ぶべきことは多いだろう」
使者アコットの携えたもう一通の手紙の宛先に記された名はLOBOであった。ゲルハルト父娘やオルウェンらヴァルター人のドルトニイ語にしても、西方からこの地にやってきたワイト人のノッティング語にしても、珍しい名前である。
「‥‥オルウェン様。どうか力を貸してもらえませんか? 私とブランシルトに赴き、父が行っていた研究が、天慧院にとって価値なきものだったのかどうかを見定めてほしいんです。こんな人に無条件に渡してしまうなんて、あんまりです‥‥」
「ああ。確かめる必要があるな」 魔術師は中指で銀縁の眼鏡を直した。「それに、王都にいたとて私はどうせ暇だ」
老魔術師の娘は普段の快活さを少しだけ取り戻し、顔をほころばせた。
同行のことを話すと、アコットも「わたしは放浪の身、御一緒させていただきます」と了承する。その動作はどこも寸分人と違わず、錬金術の素養のあるオルウェンでさえも人との僅かな違いを看破できぬほどであった。
オルウェンは近付き、その額のしるしをもう一度見分する。その青い髪の中と手の甲に二つ目、三つ目の聖痕を持つアコットは、自分には変わった痣があるとしか思っていなかった。
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ボス「さて次は魔術師関係のアルカナを豪華に揃えたオルウェンぽんだ。なにやら卵皇太子殿下が彼の前世をしかと推測しているが、そんなものは氣のせいだぞ」 |
| 序章三 剣の騎士 |
ヴィンセント・シアーズはフェルゲンの歓楽街の近くにある馴染みの料理屋を出るところだった。 |
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流れの旅人ながらもその端正な容貌や洗練された物腰に惹かれていた女給たちが名残惜しげに手を振り、傭兵たちが「早く行けよ、色男」と茶化す。腰に長剣を佩き、軽い革鎧を着た剣士はいつものように気安く手を振ると、女給たちに目配せし、散歩にでも行くように軽い足取りで歩き出した。
背後の料理屋が雑踏に紛れた頃。ヴィンセントは常に左手を覆っている手袋を外した。その掌に刻まれしは翼十字の如き不思議な印、時のくびきと因果より解き放された永遠の神々の博士フィニスの聖痕の印。
念と共に浮かび上がり、聖痕に重なるように現れしは――数百年の昔よりそこにある
その顔にはもはや普段の放蕩ぶりはどこにもなく、あるのは静かな殉教者の表情だけだ。
それより二百年の後、騎士団は
だが、旧き先代の団員である彼の者の使命は変わらぬ。火刑の夜に剣十字の印は消え、そして騎士団が蘇った夜に掌にふたたび現れた。世界に手を伸ばす
「‥‥神の御加護を」
聖グラディウシア騎士団第九位

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ボス「さて何やらひとり異なる雰囲気を纏ってヴィンセント様の登場なのだ。この開幕フェイズは時間的には、この後の展開フェイズの途中ということになっているぞよ」 |
| 序章四 狼王ロボ |
時刻はそれより少し戻る。
王都フェルゲンの歓楽街のそばにある安い
裏切りの使徒、生命の始祖フルキフェルの子であり人間の姿、巨大な狼の姿、人狼の姿を取ることのできるウルフェン族は武器の扱いや腕力に優れ、数は多くないながらも優秀な戦士として人間の街でもよく見かける。特に強力なものは獣の血を濃く受け継ぎ、さらに強靭な生命力やいにしえの魔狼の力を持つのだ。
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ウルフェンの例に漏れず、欠伸をしながら楊枝をくわえているロボも、人の姿をしてはいながら白い毛皮の狼の面影をどこか残していた。たてがみのように伸び放題の白い髪、左右が近い濃い眉。 |
戦いがない平時の戦士は暇なものだ。たっぷり肉を食べて満足すると、ロボは椅子にひっくり返って両腕を枕にすると穏やかなまどろみの中に意識を委ねようとしていた。
その時、
弾いているのは時々この店にやってくる
ウルフェンの若者の頭から昼寝の悦楽がきれいさっぱり消え、ロボは神妙に歌に耳を傾け始めた。最近度々夢の中で見る情景にあまりにも似た歌だったのだ。もし今が狼の姿であれば、文字通り耳をそばだてていたであろう。
フィーデル川のほとりの暗黒の土地の物語。黒い霧を吐く闇の木々に苦しむ農民、そこへ現れた旅の剣士。ただひとり力を貸すことを約束した、輝く銀の髪を持つ美しい森人の姫。
たくさんの薪で起こした炎と、剣と、魔法で、ふたりは呪われた木々を焼き払った。思い直した農民たちが加わり、そして、闇の種子が最後のひとつとなる。剣士はいつしか、姫に惹かれるようになり‥‥
「おいおい、昼間っからこんな甘ったれた歌かよ!」
「もっと派手な奴はねえのか? 血沸き肉踊るってヤツをさ。ハハハッ!」
「よう」 夢から覚めた心地のロボの後ろから陽気な声が掛かった。 |
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マテラ人の王国バルヴィエステの方から流れて来たとおぼしきこの流れの剣士は、軽装ながら剣の腕はかなり立ち、前に一時の道中を共にしたことがある。流れ者ながら洒落た服装を好み、瀟洒な物腰が女給たちに密かな人気となっていた。
「いつも快活で一本気なキミが、歌に聞き入るなんて珍しいね」
「うるさいな。ごちゃごちゃ言うナ!」
「それとも他にお目当てでもあるのかな」
ヴィンセントは椅子に腰掛けるとロボの顔を覗き込んだ。その
「ははーん、さてはあの詩人に恋煩いか?」
「オレが歌を聞いちゃワルいのかよ!」
ひとしきり軽やかに笑ったあと、ヴィンセントは聞きそびれた歌の続きを教えてくれた。旅の楽士気取りとでもいうのか、この青年はこういう話に妙に詳しいところがある。
どうしても最後の闇の種子を退治できなかったエルフの姫は、民に伝わる魔法の儀式を使った。種子と一緒に長い眠りにつき、その力を封じるいにしえの秘儀だ。だが、姫は剣士の若者が人間であり、寿命を持つことを知らなかった。若者は深く悲しみ、放浪の旅に出た。夢の中でそれを知った森人の姫は、川のほとりに雪色の花を咲かせ、彼の帰りを待ったという‥‥
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ロボは神妙に考え込んだ。たびたび夢の中で見る光景――暗い蔦に身を捕らわれた銀の髪をした妖精のような娘が、無言で呼びかけてくる夢。この歌に何処か、似てはいないだろうか。 |
「また、引っ掛けたのかい?」
ヴィンセントの軽口を無視してロボは相手が誰だか思い出そうとしたが、頭の中に浮かんでこなかった。
「今度は一体、ダレが来たって言うんだ」
「さあ‥‥でも、とても大事なご用だそうですよ?」
「マエに会った奴かな」
ロボは立ち上がり、客人の方へ歩き出した。背後に残した女給を、甘やかな声で誘う旅の剣士の声が聞こえてくる。
「ところでロボはほっといて、僕とお茶でもどうだい」
「え、そ、そんな‥‥」

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ボス「さて最後に真打ち登場の犬属性ロボぽんなのだ。解説せよ」 |
| 第一章 魔術師の遺産 |
果たして、悩める狼と旅の剣士の元に現れた
「オマエ、あの時のアコットだよな」 ロボは娘の薄紫の瞳を覗き込んだ。
「あれから、コウセイしたのか?」
過去の逃避行の中で自分の罪を告発された時の嫌な思い出を蘇らせ、アコットは身を固くした。そうでなくとも、伸び放題の白い髪に筋骨隆々の体を持つ大柄な若者に迫られるのは、彼女にしてみれば少し怖い。
「とにかく、あちこちの伝を辿って、ようやく見つけることができたのです。ヨアヒム・ゲルハルト様の最後の願いである
封を切り、流れるような筆跡で丁寧に書かれた書面に目を通す。横からヴィンセントも覗き込んだ。
「キミ、字が読めたんだね」
「ウっせえな。ちゃんと読めるよ!」
何の縁もない人物から突然手紙をよこすことを詫びた後、ヨアヒムは自分の
手紙にはブランヒルトまでの簡単な地図が同封されていた。王都フェルゲンから北への旅となる。幸い途中までは街道筋で、案内もあれば数日で到着できる距離だ。
「まずはオレにここまで来て欲しいってコトかい」
地図を広げて眺めるウルフェンの若者の横で、流れの剣士は目を細めた。「ブランシルトだね」
賞金稼ぎの

「アコット。遅くなった」
店の入口に、錬金術師の好むような厚い革マントの旅装束に身を包み、銀縁の
耳の尖った魔術師はその横で手紙を覗きこんでいる青年を認めた。よく馴染みの料理屋を通り掛かると、中で若い
「ところで、俺はその村には別の用事で用がある。向こうで現地集合という段取りにしないかい」
「構わんゼ。オレも一人旅の方が楽だからな」
ヴィンセントが発案し、ロボも同意する。
「分かりました。ではロボ様、道中はさておき、ブランシルトの村までご同行願います」 |
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取り決めは済み、四人はそれぞれの方法でしばし旅に出ることになった。 |

| 第二章 姫君アラベラの呼び声 |
ロボは一人、野営の仕度をしていた。一足先に出発し、気ままな一人旅で北を目指す途上だ。健脚を生かしてだいぶ距離を稼ぎ、今夜は森の中で一晩を明かそうとしている。
都の怠惰な生活に慣れきった人間族がいればやれ寝床だの食事だので面倒なことになるが、元より自然の中で暮らしているウルフェンであれば楽なものだ。適当な場所に荷物を放り、地面から石を取り除けただけでロボはごろりと横になった。
遥か昔に大皆食が起こってより、ハイデルランドの夜空から星は消えた。月もその姿の一部を闇に食われ、傷付いた姿で地上を弱々しく照らしている。地上は闇の鎖に捕らわれ、さまざまな闇の眷属や怪物の類も多い。だが大地を守って散った二十二使徒の欠片はまだ消えていないのだ。聖痕者の持つしるしこそ、地上に残った星々の力が消えてはおらぬ証なのだから。
ロボは川のほとりにいた。フィーデル川のせせらぎは耳に心地よく、遥か北方から流れてくる澄んだ水が小石を濡らしている。
せせらぎには別の音が混じっていた。竪琴か何かを弾く音だ。目を転じるとほとりの石に腰掛け、一人の女が聞き覚えのある旋律を奏でていた。少女にも女にも見える妖精のような美しさ、それ自体が輝きを宿したかのような銀色の髪。もうその名を知っている。アラベラ。森人の姫君アラベラ。その灰色の瞳が、ロボをそっと見つめ‥‥
「オレが、こんな昔にいるワケがない」
そう呟いた途端、ロボは自分の声で目を覚ました。 |
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ヴィンセント・シアーズは役目を果たした伝書鳩を空に放した。騎士団に伝わる秘密の符丁で記された手紙を無事に送り届けた鳩は舞い上がり、フィーデル川のほとりから寒空へと飛び立った。
ハイデルランド各地の真教教会の中に、騎士団に影ながら協力している者たちが隠れ、網を作っている。あの鳩も何処かの街へと帰るのだろう。
死体が発見されたのは川下の別の街だった。筏に引っ掛かった無残な巡察騎士の死体を農民が見つけ、教会の
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寒村に遣わされた哀れな巡察騎士の魂の安らぎを祈ると、彼は先を急いだ。 |

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こうさくいん「なんか闇の匂いがするでしゅよ‥‥(゚o゚)」 |
dice-jp.com > Iwasi Studio > Report > Das Schneeblumenlied
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