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その穢れた地はフィーデルの流れのそばに
闇の木が地を這い 毒の息を吐く
黒い霧が立ちこめ 地は病に満ち 人々は嘆いていた。

現れたのは剣を佩いた旅の若者
約束したのはすべての木々を焼き払うこと
望んだのはフィーデルの川をせき止めるほどのたくさんの薪。

憂いた人々は誰もその話を信じず
手を貸してくれたのはただ一人
深い深い森の奥に住む 美しい森エルフの姫。

若者は剣と炎を振るい
姫はエルフに伝わる魔法の技を振るった。
七日と七晩ののち 人々も加わり
ようやく呪われた木々は灰となった。

けれども闇の力は大きく
最後の種は滅ぼすことができない。
姫はいにしえの儀式を行い
種と共に眠りについた。
長い長い眠りの魔法
種が闇の力を忘れてしまうほどの長い眠りを。

姫は知らなかったのだ
使徒が人間族には与えなかった恩寵を。
姫君には千年の夜も一夜の夢
けれども人にはその時は長すぎる。

ひそかに慕っていたエルフの姫を失い
若者は悲しみのうちにその地を去った。
あてどなく世をさ迷ったとも
影との戦いに旅立ったとも。

夢の中で姫はその悲しみを知り
フィーデルのほとりに花を咲かせた。
冬のたびに北の魔神が運んでくる雪と同じ色
輝いていた姫の髪と同じ雪色の花を。


だから 雪色花を摘むたびに祈りなさい、
悲しい旅に出た若者の魂が
いつか姫のもとに帰れますように。

――雪色花(シュネーブルーメ)の歌のひとつ

そして、星々を継ぐ者たちが現れた。