Lebewohl, Schoene Welle - さらば、麗しき波濤よ
〜さらば、麗しき波濤よ 第二部 さらば、麗しき波濤よ〜
ダーククイーン陛下&フクムラお兄タマと遊ぼう!

第一部 挽歌は奔流の如く 伝説】【前編】【後編
第二部 さらば、麗しき波濤よ 幕間】【前編】【後編】

-大河の水先案内-
(河霧彦陛下のお達しによりIE5以上で見られたし。)



第七章 暗き絶望の波間より


 海の水は凍れるほどに冷たく、そして暗かった。激しい雨が叩きつける水面は遥か頭上に消え、何も見えない。濡れた服の裾で揺れているはずの翡翠の刺繍も、冷たい塩水の中に消えていく涙も。
「憎い、あの女が‥‥。ザルムが憎い‥‥」
 強い潮の流れが体を弄び、流してゆく。
『哀れな女。良いわ。わたしの復活のために働くのならば、復讐の機会を与えましょう』
 威厳に満ちたその声は、暗い海よりも、何も見えぬ海の底よりも、もっと深い何かに染まった声であった。


 古ぼけた告解部屋であった。天上の主への罪の告白(バィヒテ)を続ける女はすすり泣き、それを聞く司祭は激しい調子で諭す。
 小さな扉がばんと開き、僧衣に身を包んだ女の司祭が出てきた。泣き続ける女の肩を掴むと告解部屋から引きずり出す。
 希望の御子アングルスのしるし、暁の子の鎖に縛られた夜の踊り子(ナハト・テンツェリン)こそ天上の(シュテルン)の力を宿すことを示すしるしが、そのさまをを星を求むる者たちに知らせた。


 濃い金髪を結いあげ、ゆったりとした黒の僧衣に身を包んだ女司祭(プリーステリン)の姿は、たとえここが公爵(ヘルツォーク)の御前だとしても似合ったであろう。だがふだんの清楚な雰囲気とただよう気品はどこへやら、ドロテアの周りにはなにやら悪しき気が満ちていた。緑色(グリューン)の瞳は魔物のように燃えている。
「よいですか! あなたは、夫を裏切ったのです。その不貞の行いを始めた時のことを思い出してみなさい。拒もうと思えば拒めたはず。でも、貴方は拒まなかった‥‥それは、あなたの心の奥底に、淫らで汚らわしい想いがあったからよッ!」
「司祭さま‥‥あたしは、あたしは罪深い女です‥‥」
 色の薄い金髪を乱したままに、女は泣き崩れるままだった。司祭は容赦なく追い討ちを掛けるように、さらに女をなじる。
「子まで為しておきながら、不憫とは思わないのですか。考えてもみなさい。その子は一生、私生児となじられ続け、貴方の不貞のために不幸な人生を送るのよ。貴方はもっと早く、神の元で詫びるべきだった‥‥ッ」
「主よ、お許しください、救世母さま、お慈悲を‥‥」
 百人目の女の肩に、司祭はそっと手を置いた。
「‥‥辛いでしょう、こうして生きていくのは。貴方のようなあまりに罪深い人間が取るべき道は、真実の書には記されていないの。でも大丈夫。救世母様はきっとあなたを分かってくださる。だから、決めなさい。迷うことも、痛みを感じることもない。一生の苦しみから、すぐに解放されるのよ‥‥さあ」
「‥‥‥‥はい、司祭さま‥‥‥‥」
 先ほどまでの禍禍しさはどこへやら、偽りの司祭ドロテアは一転して安らいだ表情を浮かべた。救世母(マーテル)の如き慈愛を称えた微笑みに、女は立ち上がった。何処かの貴き身より奪った暁の子の王冠(クローネ)の聖痕がその力を発したか、それとも司祭の静謐な微笑みに心を決めたのか。
 安らいだ表情で教会の裏口へ――波が押し寄せる切り立った崖へ――向かう女が決意したのは、真教の聖典『真実の書』には決して記されていない道‥‥すなわち、自らの命を絶つことである。

ハーランド、震天槌の使い手、早瀬の姫を探す者

 その時、教会の古びた大扉が勢いよく開いた。扉は中の壁に当たり、二人しかいない礼拝堂(ゴッテスハウス)に大きく響いた。
 まず入ってきたのは大きな戦槌(ウォーハンマー)を軽々と肩に掛けた、銀髪の大柄な男だった。
「司祭さんよォ、懺悔していいかな」
「誰? ‥‥な、何を懺悔したいというのです」


 普段と変わらぬ調子でハーランドは告げ、軽い驚きから立ち直ったドロテアは態度を取り繕うと問うた。
「好きだった女を、ぶち殺しちまってな」
「‥‥おや、貴方もあの汚らわしい不貞の女に惑わされたのね」
 聖痕者(グラヴィエールト)たちと闇に落ちた伯爵令嬢(グレーフィン)は相対し、互いの星のしるしが共振を始めた。かつてアウグスタ・ラインフェルデンであった女は、目の前の傭兵(ゾールドナー)もまた、自分から最愛の相手を奪った忌まわしい姫のひとときの恋の相手であることを悟った。
「ウェルテクス様が復活すれば、ザルムは一夜で滅ぶ。もう二度とあんな化物の女は現れないわ」
「ちょっとやそっとの懺悔じゃ足りないぜ」
 ハーランドは低く告げ、その鉄色の眼は暗い輝きを帯びた。
「こっちは、徳の高い司祭にも手を上げなきゃならないんだ」
「そうよ。神は許すものと、教えたのはあなたのはず。ドロテア、何故」
 その後ろから現れたクレリアが、哀しげな顔で光のない瞳を女司祭(サセルダ)に向けた。ヤーデシュタットの町で多くの人々に慕われていた、敬虔な司祭の姿に。
「あら、わたくしを罰するつもり? だったらお互い様ね」
 司祭は教会では決して見せなかった表情を浮かべた。
「わたくしは貴方を最初に見た時から、その体の聖痕を奪うつもりだったのだから。そう‥‥その透き通るような声をね」
 そして、盲目の詩人(ゼンゲリン)を護るように前へ出る騎士(リッター)に告げる。
「それからそちらの聖騎士様もお久し振りね。魔女討伐の大義、本当によい仕事をしてくれたわ。あの女と戦ってくれたお陰で、わたくしは自分の仕事に専念できたのだから」
「‥‥これ以上、誰も傷つけさせる訳にはいかない」
 神聖騎士団員オスヴァルトが抜剣し、数多くの害悪を退けてきたその右手の(シルト)を掲げる。
 そして、対峙する両者の緊張を破るように、鋭い声が死への旅路へ踏み出そうとしている百人目の女に投げ掛けられた。その声は身分ある女王の声のように、不貞の女に掛けられた呪縛を打ち破った。発したのはマリア、力を与えたのは暁の子の聖痕であった。
「早く正気に返って帰んなさいッ! アンタ、クララのお母サンでしょ。あの子が待ってるわよ」
 操られるように崖へ踏み出そうとしていたクララの母親がはっと脚を止め、魔法(マギー)から解かれたように辺りを見回す。女はマリアの方に駆けより、そして二言三言ことばを交わすと、教会から駆け出していった。
「あと一人だったというのに‥‥どこまでもどこまでも、邪魔をしてくれるのね」
 貴族然とした女司祭(プリースタァ)は吐き捨てるように言うと、品のあるその顔を歪めた。
「そんなにあの“お友達”が心配なの? 夫を裏切ったあんな愚かな女が? 心配しなくても、すぐに会わせてあげるわ」
「フン」 殺戮者のもたらす圧倒的な気迫にも少しも動じず、夜にこそ輝く美女は言った。
「男に構ってもらえないからって、勝手にしてんじゃないわよ!
だいたい男の一人や二人で絶望する、アンタの方がよっぽど見苦しいわ!」
 五十年の昔、絶望により身を投げて果てた伯爵令嬢(グレーフィン)はその言葉に果たして動じたのか。アウグスタでありドロテアであり殺戮者であり司祭である女は目を細めると、手を振った。誰もいないはずの礼拝堂(ゴッテスハウス)に、鋼の音が響き渡った。突如として物陰から現れたのは、黒い鋼鉄の甲冑(パンツァー)に身を包んだ巨大な騎士であった。長身のオスヴァルトやハーランドよりもさらに大きな、巨人(オウガ)並の背丈。剛力のハーランドでさえ両手で操るような巨大な(シュヴェーアト)を、両の手に一振りづつ握っている。
 だが息遣いが聞こえるわけでもなく、騎士はなんら人らしい素振りを見せなかった。顔をすっぽりと覆う(ヘルム)の面頬の下には何も見えないどころか、何もない。
 司祭ドロテアは首から下げた胸の十字架(クロイツ)に触れると、美女に冷たい目を向けた。
「そうよ。わたくしはあの雨の日に、海に身を投げた。雨音さえ聞こえない暗い海の中で、体じゅうのぬくもりを奪われながら、何も見えない海の底に沈んでいったのよ。
 この町の港はもうあの暗い波間に沈みつつある‥‥きっと無数の人が私と同じ思いをしているはずよ。わたくしには分かるの。冷たくて、怖くて、苦しくて‥‥。ああ、なんてこの絶望は心地よいのでしょう!」

 くつくつと忍び笑いを漏らし、闇に落ちて止まった時の中を過ごした尊い伯爵令嬢(グレーフィン)は言った。
「あの日、あの忌まわしい女がディートリヒを惑わさなければ、わたくしも父上も死なずに済んだ。なんて汚らわしい、人を堕落させる魔物なんでしょう。わたくしはもう金輪際見たくもない‥‥だから、ザルムは嫌いなの」
 神に仕える聖職者が闇に堕ちていたことに衝撃を受けていた公子アリアンは何も言い返すこともできず、愛する男を奪われた女を声もなく見つめるだけだった。

 (フィンスターニス)の気を漂わす司祭ドロテアの周りの空気が歪み、殺戮者特有の幻影(ヴィズィオーン)が浮かび上がった。それは、崖の上に一列に並んだ女を次々に眼下の海へと導く、薄布をまとった使徒の如き天の使いであり、そのものを操る糸は天ではなく地に、遥かな海の底へと続いていた。

Kroneprinz der Azurblau - 碧瑠璃の公子、星の青玉の主

こうさくいん「ドロテア司祭は‥‥第一部だと善い人だったのに‥‥(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
ボス「うむ。第一部の終章でそうではなさそうであることは明かされているがな。50年の昔に果てた伯爵令嬢アウグスタこそ背徳の司祭の正体であったのだ。ちなみにここでマリアお姉たまはアングルスの《夢語り》を用いて教会の場所と中の様子を伝えているぞ。その後は∵紋章∵の打ち消し合いでクララの母親が救われていよいよ殺戮者との対決となっている。さて司祭様の解説をするのだ」
こうさくいん「ラジャーでしゅー。アルカナはフィニス=エルス=マーテル。本人はHP24で割とふつう、レイピアで《弱点看破》+《鷹の目》で攻撃しつつ防御は《悟り》+《ファミリアガード》や《シミュラクラム》で使い魔にダメージ移送もあり。ファミリアに戦わせつつ後ろから《聖戦》+《聖撃》のサポートもあるのでしゅ〜。聖痕の他に魔印も5つ持ってるでしゅよ〜(@_@)」
ボス「クレリアの呼び出す使徒マーテルの影も同じ手を使うので敵味方双方で一心不乱だったな‥‥(笑) マーテルの《真食》で範囲を拡大して指定した相手に同士討ちさせるという奥の手もあったようだ。さて闇の眷属の頂点に位置する魔神が人間に与える魔印は2ndから追加された要素だ。それぞれが様々な力を持ち、聖痕と同等の威力を持つものもある。一度死んだ敵が魔神の力で蘇るというのも実現できるぞよ。魔印保有者を滅ぼした時は聖痕以上にDPが回復するのでありがたいな。システム上時折起こってしまう、聖痕解放時にその場に居合わせないと何故か堕ちてしまうという現象も回避し易くなり、殺戮者を倒さなくとも魔神退治のシナリオもできるようになったり幅が広がったわけだ」
こうさくいん「そして! ファミリアの闇の騎士は本当の名前は 「 」の騎士/ガランドウのキシ。
ディアボルスの鎧の魔器でHPも86点。クリーチャー特徴で《生体武器・爪》や《複数攻撃》やいろいろ持ってるのでしゅ。剣のダメージは1d10+13で《聖撃》が掛かったら+23でしゅよー。しかも魔印の痛撃の印が刻まれてるからアーマー無効。やばいでしゅよ〜受けられなかったらオズぽんも一撃でしゅよ〜ノエルたんの元へ帰れないでしゅ〜(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
ボス「そして《生体装甲》でSダメージも14点、さらに《非実体化能力》で通常ダメージは8点止め、剣で受けもできるのでかなり固かったな。魔法の武器扱いになるハーランドの戦槌でもかなり通らなかった。ファミリアや魔獣を従えた、本人は術師タイプであったり肉体的にはあまり強くない殺戮者は割と見掛けるが今回もその形となった。見せ場の分配の為にもそれはよいやもしれぬな。おおそういえば、第一部と同様にデータをアウトソーシングしたそうで前にやった時より少し強くなっていたらしいぞ(ニヤリング)」
こうさくいん「(きらーん)をを? 名前からして何やら緋いでしゅね?(☆w☆)」
ボス「はて黒騎士なのに緋いとはこれ如何に‥‥い、いやいやいやそれはともかく、教会にて宴は始まるのだ」
こうさくいん「みんな(E)煮え台詞も言って最後の決戦でしゅね!o(≧▽≦)9゛」
ボス「5人だとお腹いっぱいゆえアリアンぽんだけは言葉も無いがなッ!(笑) さて対決フェイズに行くぞよ」



第八章 主よ、御身は我らの心の秘密を知り給う


「ドロテア。あなたには絶望しか見えないというのなら、別の力を見せてあげるわ」
「そうさ。マグダレーナの仇討ちだよ。誰がアンタなんかに負けるかい!」
 闇に捕われた司祭、物言わぬ巨大な騎士の圧倒的な気迫に臆せず、二人の女がことばを発する。クレリアの透き通る声に応えて現れたのは、力の術士エフェトスの幻、まったくの虚無(ニヒル)だった。虚の元力の生の魔力が何もない暗黒となり、真っ直ぐに伸びる。だがあるじの命を受け、黒き騎士はその二振りの大剣(グローセスシュヴェーアト)を交差させると真っ向から受け止めた。その隙にドロテアは僧衣を翻してしばし退いた。
 美女の声援を受け、ハーランドとオスヴァルトが同時に巨大な敵に挑み掛かる。振り回される剣を避け、ハーランドは発止とばかりに剛き魔法の戦槌(ウォーハンマー)を撃ち込んだ。
 だが、相手は甲冑の中はまったくのがらんどう、魔神(デーモン)ウェルテクスに遣わされた加護も篤き闇の騎士(ダーク・ナイト)なのだ。震天の槌は鎧に大きく食い込み巨体を揺らしたものの、騎士はさほど動じた様子もない。
「殴っても‥‥ダメなのか‥‥?!」
 銀髪の傭兵は憎々しげに呟き、頭上から振り下ろされる黒い剣を避ける。
「ハーランドさん、ここは私が」 一計を案じたオスヴァルトが前に出た。
「それ以上人を傷つけたいのならば、私の相手をしてみろっ」
 聖母の血(ハイリゲス・ブルート)を継ぐ美しく精悍な騎士の姿が見えたのか、騎士の言葉には意味があることをまだ覚えていたのか。闇の騎士(ドゥンケラーリッター)は巨体を揺らし、鎧の音だけを響かせてオスヴァルト卿を新たな目標と見定めた。(シュタッヒェル)つき手甲の先にそのまま繋がっているようにも見える大剣を打ち鳴らし、王室親衛騎士(ケーニヒシュッツェンリッター)をその甲冑(パンツァー)ごと打ち砕くことを宣言する。
 教会は高台にあるというのに、壊れた椅子の散らばる礼拝堂(ゴッテスハウス)にはどこからか水が湧き出してきた。戦士(ケンプファー)たちの足許を満たして止まるそれはキルヘンの清い流れ、地上にあろうともザルム一族にその強さを与える救いの水である。
 だが、河の力の加護を願った公子本人は今しばし悩んでいた。元はといえば恋多き早瀬の姫(プリンツェッシン・シュトロームシュネレ)のなした業、そして闇に捕われたとはいえ、神に仕える者を討ってよいのだろうか?
 悩むアリアンをよそに、司祭ドロテアは海の魔神ウェルテクスに助けを願った。恩寵の印として刻まれた魔神のしるし、使徒エフェクトスの聖痕に等しい破壊のしるしが流れの中から現れる幾本もの(シュピーア)となって噴き上がる。

「駄目よ。あなたにはザルムの力は分からないわ‥‥」
 星の詩人(ポエトリア・ステルラ)クレリアの美しい声、いにしえの秘密の歌(カントゥス・アルカヌス)を知る声はそのまま力となり、伝令ウェントスの吹かす大いなる(ウェントス)の如く響いて全ての槍を吹き払った。

クレリア、星降る詩、失われた歌の探し手
Vere ac libere loquere. - 正しく自由に歌え、アルカナの歌、星の詩人クレリア

 打ち鳴らされた黒き大剣が振り下ろされ、掲げられたオスヴァルトの盾が火花を散らせた。凄まじい腕力であった。一歩退いたオスヴァルトは目を険しくした。漆黒の剣と(シルト)を打ち合わせた瞬間、見えたのである。騎士の手の延長のように伸びるふたつの剣、その根元の黒い棘つき手甲に刻まれた奇妙な紋章(ヴァッペン)が。
 闇の加護を表す魔神の(ズィーゲル)である。幾種かあるうちのそれは、鎧を易々と貫き、凄まじい痛みと共に相手を切り裂けるようにと祈りが捧げられたものだった。司教(ビッショフ)マテウスら闇の研究者が痛撃の印と名付けたしるしである。剣や盾であの二剣を防げなかった時、本当にまずいことになる。
 クレリアの透き通った歌声(カントゥス)が今度は使徒マーテルを呼び寄せた。救世母の力は十字架(クルクス)の幻となって顕現し、聖なる戦いに赴く戦士たちを祝福する。いつの間にか主の元に現れた五つ又の魔法の(シュピーア)を手に、アリアンも闇の騎士を倒す戦列に加わった。
 ハーランドは再び渾身の力を込めて魔法の戦槌を振るった。相手が並の人間ならば鉄壁の守りごと地に打ち倒せるだけの力を持った一撃であったが、巨大な黒い甲冑はまたしてもよろめいただけで踏み止まった。
「チッ! 足りねェ、任せるぞ!」
 決意したハーランドは横のオスヴァルトに呼びかけた。オスヴァルトが頷いた時、震天の戦槌(ヘヴン・シェイカー)を放る。
 騎士の剣を手放した鉄の右将(アイゼンリヒテ)が宙を舞うその槌を掴んで受け取った時の光景は、闇の使徒との戦いのさなかでなければ非常に目を引くものだったであろう。
 オスヴァルトが戦槌を受け取った途端、ハーランドの姿が霞み始めたのだ。傷跡だらけの体をした大柄な銀髪の傭兵の姿は海上の蜃気楼(ルフトシュピーゲルン)のようにぼやけ、次の瞬間には鎧兜や荷物ごと消えてしまった。

Cognosce te ipsum. - 汝自らを知れ、天を震わすもの、アルカナの槌よ

「ならば、わたくしが全てのものに破滅の輝きを与えて差し上げるわ‥‥」
 祈る相手は天上の主か海底の魔神か、司祭ドロテアがマテラの言葉で祈りを捧げれば、詩人(ポエトリア)クレリアは今度は使徒デクストラの助力を請う。
 合唱の中で戦士たちの戦いは続いた。公子アリアンは迷いながらも河の力の加護を願い、足元に満ちる水が吹き上がるように手元の槍へと吸い込まれる。星の如く五つに広がった(ジルバァ)の穂先、水晶(クリスタル)のように透き通った柄を持つ星の青玉(シュテルンザフィーア)はキルヘンの流れを纏い、一層の光を帯びた。
 怪力に任せた闇の騎士(デュンケラーリッター)の斬撃に、オスヴァルトは右の騎士盾でなく左の戦槌(クリークハマー)を掲げた。果たして、ハーランド自身である強力な魔法の戦槌は二振りの大剣を発止と受け止め、漆黒の甲冑(パンツァー)をしばし退かせる。がらんどうの中身を持つ強力な鎧の魔器、使徒(アポステル)ディアボルスのしるしを持つ巨大な騎士を相手にこの戦法を取ったのは正解であった。ハーランドの剛力と震天の槌の高い能力、そして神聖騎士団員オスヴァルトの技量がひとつになり、さらに背後の奔放な美女の声援もが加わり、闇の戦士に対抗できるだけの力となる。

 声にならない雄叫びを上げ、闇の騎士(デュンケラーリッター)神聖騎士(ハイリゲリッター)の挑発を打ち破った。より組みし易いと見たか、そばで奇妙な(シュピーア)を構えるもう一人へと大剣の先を転じる。痛撃の印の加護を受け、さらに司祭から闇の戦いへの祝福(ゼーゲン)を受けた強力な二振りの剣は、鎧もつけていない小柄な若者を真っ二つに断ち斬ることができた――が、その斬撃をも魔法の戦槌は見事に受け止めた。
 オスヴァルトとアリアンは攻勢に転じた。アルカナの歌に導かれ顕現した十字架(クルクス)の幻が剣先に宿した、聖なる戦への祝福(ベネディクティオー)が大きかった。
 戦槌が振るわれ、闇の騎士の棘のついた鎧の破片が弾け飛ぶ。聖なる戦への闇の祝福(ゼーゲン)を唱えていたドロテア司祭の蓄えていた真理の探求者の証、使徒(アポステル)アクシスの聖痕が力を発し、オスヴァルトのさまよい人ウェントスの聖痕が吹かせた大いなる風がそれを打ち消す。
 続く一撃はさらに剛く、黒い甲冑(パンツァー)にひびを走らせた。そこへ踏み込んだザルムの公子の槍が甲冑を完全に貫き通した。海の魔神に仕えし闇の騎士(デュンケラーリッター)は未だ剣を手放さぬまま仰向けに倒れ、大きな水しぶきが上がった。
 潮水の女王ウェルテクスから授けられた忠実な部下が倒れたのを見てとると、司祭ドロテアは(フィンスターニス)に奇跡を願い始めた。彼女が殺戮者へと堕つる前より身に宿すしるし、慈愛の聖母マーテルの聖痕が復活の奇跡を起こそうとする。
「駄目。塵は塵に、土は土に、滅びなさい、騎士よ」
 それを遮ったのは透き通るような美しい声、星の詩人(ポエトリア・ステルラ)クレリアの声に宿る使徒ファンタスマの力だった。さらに幾つかの聖痕が輝き、教会に満ちたキルヘンの流れが力を発し、巨大な騎士に与えられようとしていたいまふたたびの生を封じる。
 巨大な甲冑はばらばらになると転がった。戦いの最中と同じく、その面頬の下にも、厚い胸当ての下にも何もなく、ただ海の潮の塊が鎧の裏のそこここにこびりついているだけであった。

Kroneprinz der Azurblau - 碧瑠璃の公子、星の青玉の主

 くるぶしまで溜まった水を掻きわけ、オスヴァルト卿は重装の騎士としては格段の速度で背徳の司祭(プリースタァ)の元へ迫った。マリアも旧友の仇の元へと駆け出す。クレリアはまたも秘称の歌(カントゥス・アルカーナー)を歌い、現れた使徒ステラの幻、星の導き手にして英雄の介添人のしるしが星を帯びし者たちに力を与える。
 盗み蓄えたエフェクトスの聖痕が水上の爆発となって水しぶきが散るも、神聖騎士団員オスヴァルトは司祭ドロテアにその槌を向けた。だが忠実な部下を失ってもなお殺戮者は闇の気迫を纏い、僧衣の下から抜いた見事な細剣(ラピーア)で応戦してくる。
「死は安らぎよ‥‥わたくしに当てられますか?」
 司祭の瞳は五十年前のラインフェルデン伯令嬢と同じ(グリューン)の瞳であった。相手は五十年の昔の悲恋に未だ捕われた永生者(フィニス)、その瞳は定命者の目線からその剣先を読み取り、心の内を看破するのだ。神聖騎士団員の振るう魔法の(ハマー)を見事に弾き流すと、司祭はなおも正確な突きを入れてきた。

アリアン、碧瑠璃の公子、青玉の槍の使い手

 一方、甲冑の残骸と化した闇の騎士の前に佇む公子アリアンの胸の内には未だ迷いがあった。河の民一族は陸の人間の分けた旧派新派の区別なく、天上の主アーを尊んでいる。元は河の乙女の為したこと、神に仕える司祭を害してよいものだろうか?
 アリアンは手を振って槍を放した。水しぶきを散らせながら、不思議な(シュピーア)は空中に浮かび上がった。

「‥‥星の青玉(シュテルンザフィーア)よ、お前も王命を知るのなら飛べ。お前が決めよ!」
 穂先の(ジルバァ)は星の光、河に集える天の光、ザルム一族が天命を果たすべき一族であることのあかし。魔法の槍はその主と同じく、その穂先を向ける相手に迷ったか。
 否、河の王国に降り注いだ光を集めて造られた槍は少しも迷うことなく、その五つ又の先を向けた。河の力を纏い、討ち果たすべき相手のもとに一直線に飛んだ。数々の聖痕と数々の魔印、魔神の篤い加護の元に掛けられた魔法の護りを打ち破り、司祭ドロテアの体を深々と貫く。
「まだよ‥‥ザルムには‥‥ザルムにはやられないわ‥‥ッ!」
 だが神々の博士フィニスの聖痕が、司祭の命の灯火をふたたび灯した。僧衣を血で濡らしながらも、踏み止まったドロテア司祭は胸から自分の手で槍を引き抜く。
 アーの許しを願いながら、そこへオスヴァルトが踏み込んだ。義手の右手の騎士盾(リッターシルト)を打ちつけ、司祭の手の細剣(ラピーア)が見事にそれを弾く。

 だがそれは、オズが放浪者だった頃より習い覚えている惑わしの技だった。左の手の戦槌が力強く振るわれた。
震天の槌(ヘヴン・シェイカー)の強力な威力と遠きエステルランドの王室親衛騎士(ケーニヒシュッツェンリッター)の腕がひとつになり、殺戮者の体を守る幾重もの魔法の護りを打ち破った。十字架(クロイツ)が縫い取られた僧衣がはらりと揺れ、旧派真教の偽りの司祭の細い体は薄く満ちた水の中に倒れた。

オスヴァルト・シュイヴァン、鉄の右将、聖盾の乙女に仕えし騎士
そのマントは白、その甲冑は白銀。エステルランド神聖騎士団

「ウェル‥‥テ‥‥クスさま、わたくしの‥‥わたくしの命は、もう、終わ‥‥り‥‥な、の、ですか‥‥っ!」
 結い上げていた金髪が乱れ、水に濡らしながら、それでも司祭は数歩だけ海の方に這い進んだ。かつて貴き令嬢(フロイライン)アウグスタ・ラインフェルデンであり、魔神の信徒(グレウビゲ)ドロテアであり、人々に慕われた司祭(プリースタァ)であり、忘れ得ぬ悲恋ゆえ(フィンスターニス)に捕われた殺戮者はそこで動かなくなった。その体は塵と化し、背徳の司祭が住んでいた教会を清めていた水の中に広がると見えなくなった。高低の差を無視して流れ出した水はひとつの流れとなって集まり、裏の崖から滝となって海に注ぎ始めた。魔神が最初に与える闇の紋章(ヴァッペン)は自らの名であり、花押の(ズィーゲル)の刻まれた人間は生まれ変わることができない。ドロテアの魂は魔神の糧となり、そして消滅してしまうのだ。
 地に堕ちた星の欠片が輝き出した。司祭が僧衣の中に隠していた聖痕、五十年もの間盗み蓄え続けた天のしるしが輝き出し、宙に浮かぶ。力を失った魔神の印(デーモンズィーゲル)、五つの奇妙な紋章も闇の勢力の力が弱まったことを知らせながら消えた。七つの聖痕は静まった海ではなく、雲間から光の差し込む天に向かった。数十年緩慢に続いた女の身投げはもうなく、公都を襲った大波(ヴォーゲ)も二度はないことを示しながら、雲間の先の日光の中へと昇っていったのである。

マリア、夜の踊り子、暁の子の鎖

 崖の上の高台に位置する教会からは眼下に公都カルデンブルクを見ることができた。遠目にも波は退き、全てが落ちついたことが見えている。きっと救助活動も始まっていることだろう。
 マリアは手の中の布の切れ端に目を落した。教会に遺った司祭ドロテアの服の切れ端である。

「‥‥アンタは自分の想いに殉じて死ねたけど、マグダレーナは――」
 僧服の下かと思われるその布に刺繍されてあったのは、古ぼけた翡翠(ヤーデ)の紋であった。
「――できなかった‥‥」
 マリアはその布をゆっくりと握り潰した。

Nacht Taenzerin - 夜の踊り子、マリア

こうさくいん「司祭は塵に帰り邪悪は滅ぼされても‥‥死んだ人は元には戻らないのでしゅね‥‥(>_<)」
ボス「うむ。人の世とはそういうものだ。さてこの闇との戦いも都合4ラウンドに及ぶものであった。例によってハイライトシーンの連続を描写する形にしているが、では流れを解説するのだ」
こうさくいん「ラジャーでしゅー。マリアおねえさまは今日も《喜びの歌》《盾の乙女》でヲトコたちを応援。一心不乱のはたコズなクレリアたんは《魔獣召喚》で使徒エフェクトスにデクストラにマーテルの影が乱舞。ドロテア司祭様も闇の騎士を祝福してみんな一心不乱なのでしゅよ!o(≧▽≦)9゛」
ボス「そして司祭はエンゲージを離れ、立ちはだかる黒の騎士との肉弾戦となった。前述の如く《痛撃の印》を刻まれたいた騎士はかなりの強敵。そして一計を案じたオズぽんは《聖誓》《挑発》《神の恩恵》で敵の目標を自分に固定。19点止める盾の受けが得意な彼が黒の大剣を受け持ったのは正解じゃろう。アリアンぽんなぞ本当に真っ二つにできるからのう(ニヤリング)」
こうさくいん「そして。震天の槌のクラッシュダメージが全然通らないことにガクゼンとしたハーランドぽんは《人化》を解いて槌本体に。オズぽんが持ってユメの協力合体攻撃が開始! みんな一心不乱でグルグルなのでしゅよ!ヽ(´▽`)ノ」
ボス「協力してより大きな敵を倒す。まさにブレカナチックな戦闘の象徴だな!(´∀`;) こうした場合の扱いはナゾなのだがこの時は両者の特技が共に使えることにしたのだ。おかげでオズぽんは特技を組み合わせまくってダイスも10個近く振ってタイヘンなことになっていたぞ。ほとんど麿なみだな(笑)」
こうさくいん「さらに《鋭き刃》《勇猛なる胸びれ》でなにげに魔法の槍が全攻撃クリティカルしているアリアンぽんはクレリアたんの一心不乱の祝福もあってダメージIの40点台が連続。黒の甲冑は倒されるのでしゅよー。今度は使徒ステラの影が力を与えて聖痕者たちは司祭の元へ迫るのでしゅ!o(≧へ≦)9゛」
ボス「そして槍は《霊操》開始。アリアンぽんは悩んでいたのだが星の青玉は貫くべき敵を知っていたようだ。天の光を集めて造られた槍だからな (´ー`)」
こうさくいん「んんーんんー星也くんのエニグマが時々使う手でしゅね〜( ̄ー ̄)」
ボス「(ギク)い、いやいやいや何の話だ。今日はブレカナの話をしようではないか(ごーりごーり) そして聖痕が使い果たされたところへオズぽんが肉薄。ドロテアと剣を交えるも、神聖騎士の腕と震天の槌の威力がひとつになり、ようやく背徳の司祭は討ち取られたというわけだ。花押の印を刻まれていたドロテアは転生することはできず、その魂は魔神に捧げられてしまう。叶わぬことだが冥福を祈りつつ終わろうではないか」
こうさくいん「というわけでいよいよ終章なのでしゅ〜(≧▽≦)ノ」



終章一 星降る詩


 公都カルデンブルクを津波が襲った日より一ヶ月の時が経った。犠牲者の数は決して少なくはなかったものの、彼らは丁重に葬られた。
 沿岸の店は立て直され、船は再び造られた。まだ完全な復興には至っていないものの、(ポルトゥス)はなんとか船が出入りできるようになった。
 (ウルブス)には普段の活気が戻り、いつもの光景が繰り返されるようになった。大聖堂(アエデース・カテドラーリス)から響く(カンパーナ)の音、十字(クルクス)の縫い取られた布をつけて道を走る馬、《汽笛亭》の扉をくぐる旅人(ウィアトル)たち、魔神を倒す英雄ごっこに興じる悪童たち。

 《汽笛亭》にほど近い広場では、ひとりの詩人(ポエトリア)の歌が始まろうとしていた。白い旅装、後ろで纏めた黒髪、額に輝く水晶(クリスタルルム)の飾り、常人と動作は変わらぬのに常に閉じられた瞳。
 その(ウォクス)水晶(クリスタルルム)の如く透き通って響き、伴奏がないにも関わらず不思議な感銘を聴衆に与えた。

クレリア、星降る詩、失われた歌の探し手

 (カントゥス)の内容は古代の物語だった。はるかな昔の河と海の民、偉大なる河の王、そして河の王国を襲った大波(ウンダ)の物語。
 用事の帰りに足を止めた聖堂の助祭(カペルラーヌス)たちや道行く人、神妙に聞く子供たちに混じり、聞き手には親子がいた。頭の上で纏めた色の薄い(アウルム)の髪の束を揺らした娘とその母親。クララとその母である。母親はその後勇気を出して離縁状を出し、母と子でたくましく生きていこうと決めた。クララに受け継がれた父親の血は変わらないが、彼女はもう母親の子なのだ。
 そんな聴衆を前に、失われた古代の詩(カントゥス・アンティクイタース)を知るクレリアの美しい歌声は響き渡った。

「今は昔の神の時代。空に星が満ち、温かな太陽の時代。河人の若き王フルスと、海の女王の哀しき物語‥‥」

Vere ac libere loquere. - 正しく自由に歌え、アルカナの歌、星の詩人クレリア



終章二 遺された髪飾り


 彼女が出てきた家は公国(ヘルツォークトゥーム)のやんごとなき身分の領主(フュルスト)の城、彼女を暁の子(キント・ダス・モルゲン)の鎖で縛る家。ゆえに美貌の夜の踊り子(ナハト・テンツェリン)には帰る家はなく、行く先々の町こそが家だ。
 マリアは荷物を纏め、旅の仕度をしていた。旧友の仇は討たれ、務めは果たされた。賑やかな公都カルデンブルクは仕事の口には困らずに済むし楽しい都であったが、商売敵も多く、また上の締めつけも少々強い。どの町に行っても彼女は困ることはなかった。彼女の踊りに目を奪われる客と彼女の肌を求める男たちが必ずおり、時には彼女を巻き込む厄介ごとと、彼女が導くべき相手もいる。
 幾つかある装身具を纏めながら、マリアはふと翡翠(ヤーデ)の髪飾りに目を落とした。マグダレーナが用意してくれたものだ。マリアの波打つ豊かな金髪にとびきり似合う、宝石を精緻な彫刻が取り囲んだ飾り。だが、幸せになってとこれを贈った旧友は、天に召されてしまった。
「ふふ。‥‥当分は、必要ないわね」
 しばしその髪飾りに細い指を這わせてから、女王(ケーニギン)もかくやの美貌を誇る踊り子は荷物の中にそれをしまった。意を決したように立ち上がる。
 カルデンブルクを離れ、いざ次なる町へ。そしてマリアにはもうひとつやることがあった――世間知らずのあの坊やを、見送らねばならない。

Nacht Taenzerin - 夜の踊り子、マリア



終章三 さらば、麗しき波濤よ


 キルヘンの流れは変わらず、澄んだ水が力強く、音を発てながら河口へと流れ込んでゆく。河原の石にぶつかった流れは泡立ち、しばしその姿を留めていた。早瀬の姫が消えていったのと同じ、白い泡。
 河原には一人の男が佇んでいた。長身、手入れのされていない銀髪、傷痕の走る隆々とした体。旅装だが荷物も少なく、強力な魔法の戦槌(ウォーハンマー)が一緒に吊ってある。
 よく見かける無骨な雰囲気を漂わす傭兵姿だったが、その表情はいつになく深い思いに沈んでいた。
 その力強い手が動いた。弧を描いて水面に落ちたものは、ごく簡単に布で巻かれた花束だった。とりたてて統一もない季節の花は、流れの中でゆっくりと下流に向かっていった。
「‥‥ザルムはどういう花が好みなのか、あの坊っちゃんに聞いときゃよかったかな」
 沈むことなく流れてゆく花束を眺めながら、傭兵は呟いた。

ハーランド、震天槌の使い手、早瀬の姫を探す者

「一度死んだこんな姿じゃ、会いに来る資格もなかったけどよ。でも、会いに来ちまった」
 花束は小さくなったが、まだ沈むことなく大河の上を流れていった。
「‥‥こんな馬鹿だけどさ、シオナ、お前を愛してる。さよなら」
 震天槌のハーランドはそう呟くと、身を翻した。

Cognosce te ipsum. - 汝自らを知れ、天を震わすもの、アルカナの槌よ



終章四 聖盾のもとに


 司教(ビッショフ)マテウス・レピドゥスは本人の意志の力と司祭(プリースタァ)たちの治療の甲斐あって無事に回復した。すぐに大聖堂(ドーム)内の自室で研究を続けようとするさまは助祭(ディアコーン)の娘たちを呆れさせたが、司教は自分の足で立ち、別れを告げるオスヴァルト・シュイヴァンを元気に見送ることができた。
 ゆえにオスヴァルト卿は何の心残りもなく、公都カルデンブルクを単騎離れることができた。はやる心を白銀(ヴァイセジルバァ)の甲冑のうちに抑え、愛馬を駆って東へ。母なるキルヘンの大河沿いに走り、やがて南へと分かれる街道を王国領へ。幾日も旅し、父なるフィーデルの流れを越えた先にある王都(ハウプトシュタット)。輝ける新国王宮殿(ノイエケーニヒスレジデンス)、かつては英雄と謡われた老王の治める地。愛くるしい小夜鳴き鳥ナハティガルの姫、王国守護の大義のもと、十字(クロイツ)の旗の元に集った八十六人の神聖騎士団(ハイリゲヴァイセリッター)の同志、そして何よりも尊ぶべきその団長。エステルランド神聖騎士団副団長にして王室親衛騎士隊が一騎、鉄の右将(アイゼンリヒテ)オスヴァルト・シュイヴァンは無事王都へと帰還を果たしたのである。

オスヴァルト・シュイヴァン、鉄の右将、聖盾の乙女に仕えし騎士

 オスヴァルトは王城の詰め所のお気に入りの一角に腰掛け、鎧の下から横笛(フレーテ)を取り出すところだった。かつて放浪者(ヴァンデラー)だった頃に習い覚えた笛を、副団長は時折披露する。
 エステルランドではついぞ聞かぬその旋律は、遥かな公都カルデンブルクで習い覚えた新しい曲。河のザルムの悲恋を歌った、物悲しい恋歌(リーベスリード)の曲だった。
「‥‥ニコラウスには気の毒だったが、何が悪かったのでしょう‥‥」

 非業の死を遂げた商人ニコラウスは河に棲む赤き魔女(ローテ・ヘクセ)の犠牲。だが元はといえば早瀬の姫(プリンツェッシン・シュトロームシュネレ)の為したことも、障害を越えて燃え上がった愛ゆえ。そして自らの所業を悔いた姫が、より大きな邪悪(ベーゼ)を封ずる為に為したことが魔女の仕業と呼ばれていたのだ。果たして、愛は何をも越えるものなのか。世界でただ一人の乙女(メートヒェン)に身も心も捧げている、いまだ歳若いオスヴァルト卿にはまだ分からぬことであった。

 人の気配を感じ、オズは笛を止めた。振り返ると、そこに一人の騎士(ライテリン)が立っていた。長身のオズの肩ほどまでしかない背、男のオズから見れば決して頑丈とは言えぬ女の肩。男のように短く切り揃えた金の髪、初々しくも聖母の慈愛を宿した空色(ヒメルブラウ)の瞳。
 かつて少年の頃に邂逅を果たし、未来永劫この人を護って生きようとオズが密かに誓った人物がそこにいた。オズが賜った十字架の主、誉れも高き神聖騎士団団長(フューレリン)、太陽の姫にも劣らぬ麗しき乙女の騎士。
 エステルランドを守護する聖なる盾、その盾の乙女(シルト・メートヒェン)の名は――


そのマントは白、その甲冑は白銀。エステルランド神聖騎士団



終章五 瑠璃の騎士


 静かに流れるキルヘンの川縁では、ここでも別れの時が来ようとしていた。川縁に佇む金髪の美女と、その前にいる色黒の若者。そして二人の後ろでは、盲目の吟遊詩人(ゼンゲリン)が何も言わずに二人を見守っている。
「じゃあね、坊や。次に来る時は、ちゃんと食べて、もっと大きくなってから来るんだよ。もう少し背が伸びないと、踊り(タンツェ)の相手にも釣り合わないじゃないのさ」
 マリアは笑うと、王侯貴族と見紛うばかりの美しい少年の濡れたような黝い髪をくしゃくしゃに撫でた。女王もかくやの夜の踊り子(ナハト・テンツェリン)よりも少し背の低い河の王国の公子(クローネプリンツ)は、それが遠回しな親愛の情だとも気付かず、小さく悲鳴を上げるとその白い手から逃れた。
「‥‥ところで、マリアさん」 澄んだ河底の如き碧瑠璃色(アツーアブラウ)の瞳を伏せると、アリアンは言った。
「今回のことは、元を正せばぼくたちザルムの、河の乙女が人を好きになったことが原因でした。
‥‥男と女の愛というのは、そんなに複雑なものなのでしょうか」
「そうね」 たくさんの男と女の情愛を見てきた美女(シェーネ)は、腕組みをすると息を吐いた。
「でも、決めちまえば簡単よ。だから、アンタも好きな子ができたら、さっさと言っちまった方がいいのよ」
「はぁ。そうします」
 麗しき夜の踊り子は正しくもあり間違ってもいることを答え、河の世界の若き公子は神妙に頷いた。
 やがて、アリアンは水の中に足を踏み出した。元から薄着の服、右手には星の光を集めた槍が姿を変えた青玉(ザフィーア)の腕輪、首には小石の首飾りと聖痕、そしてそれを隠す黒髪。キルヘンの流れが足首をひたした時、公子は二人に振り返った。星の詩人クレリアは会釈し、マリアは去ってゆく少年を見つめた。
「それでは、世話になりました。我らがクラール王と、金色外套王アイルハルトが交わしたいにしえの盟約は、今も続いています」

 異国の王子の如き初々しい高貴さを漂わす若者は言った。
「母なるキルヘン河でも、フィーデルでも、どこの河でもいい。河のせせらぎが聞こえるたびに、どうか思い出してください。河には常に我らザルム族がおり、陸の友人たちが危機に瀕した時、必ずや馳せ参じることを」

アリアン、碧瑠璃の公子、青玉の槍の使い手
マリア、夜の踊り子、暁の子の鎖

「ああ、アリアン」
 別れの場にて初めてその名前を呼び、マリアはとっておきの微笑を浮かべた。
「その騎士が、碧瑠璃の騎士であることを願ってるよ」

 とんでもなく世間知らずの公子は、瀟洒で純粋なザルム族の美しい若者は、水の中へと歩んでいった。最後の瞬間、その手が口に掛かり、見守る二人の前で緑色(グリューン)の光が閃いたかと思うと、アリアンの姿は消えていた。マリアの紺碧の瞳とクレリアの見えない瞳が見つめる川面にはもはや若者の姿はなく、ちゃぽん、という音と共に波が広がっていくだけだった。
 一瞬だけ、碧瑠璃色(アツーアブラウ)のひれを備えた何かが水面近くを走っていったようにも見えたが、後には大河キルヘンの変わらぬさざなみが広がっているのみであった。

Kroneprinz der Azurblau - 碧瑠璃の公子、星の青玉の主

 立ち昇る泡の中、深い深い海の底、かがやきに満ちた海の宮殿。もはや忘れ去られた玉座に座するは麗しき潮水の女王、力あるアルカイ、聖レオナに封ぜられし異教の魔神。
 その前にいるのは若いザルムであった。多くの河の民が命を落とした大海嘯で、民を守り散った王がそこにいた。
『女王よ、何故あそこまでお怒りになったのか。かつては巡礼を欠かさなかった我らが民に、あまりに酷い仕打ち』
 女王は言った。
『王よ、私はそなたに心惹かれていたのだ。年が変わるごと、一族を率いて我が宮殿に参るそなたを。私はいつしかそなたを愛していた。歳月の中で忘れ去られようとも構わぬ。私はただひとこと、そなたの別れの言葉が聞きたかったのだ』
 アリアンは答えに困った。次なる王となるべき定めにある長子でもなく、賢王ヴォーケンの子たる王子の一人というわけでもなく、ましてや未だ年若く、愛も知らない若い公子に、一体何が答えられようか?
 アリアンが? みたび否、そのような名ではない。その名はフルス、“清水彦”フルス、誇り高き河の民の一族の歴史が語られるとき、王国を襲った戦の折りに民の存続の為に散った王、初代の王とも伝えられる名である。
 しばし悩んだのち、王は言った。
『ならば今こそ答えよう、麗しき女王よ――』

 河の王国でまどろんでいたアリアンは仰天して目覚めた。見たのは奇妙な夢だった。太古のザルム王が語り掛ける夢、ザルム王が一体となる幻視。
 王の息子でもない公子の前世か、あるいは巡り巡った来世がかつての王だというのだろうか。それともそんな大それたことではなく、古代の王が何かを伝えようとしていたのだろうか。

 しかしてここは河の王国(シュトローム・ケーニヒライヒ)、空気を吸う陸の人間には窺い知れぬ秘密の王国。ここがいかなる場所であり、公子がどんな驚いた顔で目覚めたのかは、この物語には記されていないのである。

 
 
 
Und, Erzählung von Schöne Welle enden,
auf Strom in Kirchen ...

かくて、キルヘンの流れの中に麗しき波濤の物語は幕を閉じる。



Mit vielem Dank für:
Toll Shinohara [NEUROGUE]
Kazuhiro Hukumura [KAZZ TECH]

ボス「というわけで、麗しき波濤の物語は無事に終わることができたのだ(´ー`)」
こうさくいん「ハーランドぽんは昔のオンナに別れを告げて孤独に旅立ち。クレリアたんは一心不乱のはたコズムを歌に乗せつつ。そして微笑むマリアおねえたまと別れてザルム族の公子は帰っていくのでしゅね!o(≧▽≦)9゛」
ボス「うむなんかホワーンとしてきたぞ。やはりファンタジーはよいナ!(*´ー`).。oO(ぽわぽわ〜ん)」
こうさくいん「でも‥‥オズぽんが再会するのはきっとノエルたんだけど名前が出てこないでしゅ‥‥(>ω<)」
ボス「Σ( ̄口 ̄;) 最後の最後まで来てそんな話かぁ。あえて出てこないところに情緒があるんじゃぁ」
こうさくいん「ことあるごとにオズぽんは胸の十字かに何か呟いていたけど‥‥誰もツッコまなかったでしゅね‥‥(>ω<)」
ボス「うむ残念だ‥‥ツッコもうにも総帥のアリアンぽんではそんなことは分かるはずもなく‥‥いやそうではなく、、そんな些細なことはどうでもいいのじゃぁぁ。さて気を取りなおして終わりなのだ。海に旅立つ夫への愛は深くとも、マグダレーナは孤独には耐えられなかった。そして令嬢アウグスタが闇に堕ち、誤った信仰に身を捧げる者として生き長らえたのも、忘れ得ぬ失われた愛のため。このへんもしっとりとオトナでよかったな。(´ー`)」
こうさくいん「準備万端だったからキャラクターの住みわけも万全でしゅね! 美しいキャラクターが揃って女王陛下もきっと満足でしゅ!(>ω<)」
ボス「うむ美形がイパーイのイラストもつくしきっと陛下ご満悦に違いないぞ(ごーりごーり) 誤った信仰の形と言えば最近はマーテルのSSSでも扱われていたな」
こうさくいん「殺戮者が一部で人気らしいでしゅからね!(笑)」
ボス「なかなか工夫がしてあって面白いな。未見の方にはちとネタバレになるが、今回の巻末にはフェリックス公に仕える十三鬼衆が筆頭、カール・ブリッツが姿を見せているのだ。しかも殺戮者でも聖痕者でもなくただのNPCなのだ。鬼たちを束ねる老人の底力ここにあり。やはりジジィはよい‥‥」
こうさくいん「でも‥‥これで13人全員妹説は覆されてしまったでしゅね‥‥(>ω<)」
ボス「Σ( ̄口 ̄;) んなもんは覆されて当たり前じゃぁぁ。気を持ち直してさらばなのだ」
こうさくいん「アウフ・ヴィーダーゼンでしゅ〜ヽ(´▽`)ノ」



〜おまけ〜
(協力:参加者の皆様)


〜アルカナの歌は今や九つの巻〜

闇クレリア「そう、私は失われた歌を探しています。アルカナの力が秘められた歌を。今の私が知る歌は八つなのです」
ハーランド「へー。ディアボルスの歌はまだないんだな」
闇クレリア「そうことですから、貴方も私の魔獣になってくださらない?(ニヤソ)」
ハーランド「(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」

Cognosce te ipsum. - 汝自らを知れ、天を震わすもの、アルカナの槌よ


〜全てを見通す瞳の巻〜

闇クレリア「この町にアルカナの力が集まりつつあります。偶然という運命に集いし力が、河の魔女を打ち払うことでしょう。私には光が見えるのです」
オズぽん「なるほど、さきの詩人殿。光がないからこそ見えるものもあるか‥‥」
闇クレリア「ええ。だから貴方の胸のマーテルクロスの秘密も、全て見えていますのよ(ニヤソ)」
オズぽん「(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」

そのマントは白、その甲冑は白銀。エステルランド神聖騎士団


〜夜の踊り手の人生設計の巻〜

闇クレリア「将来はいずれ、どうなさるのですか? いつまでも踊り子という訳にもいかないでしょう」
闇マリア「そうさねえ。いいオトコをさっさと捕まえるつもりだよ」
闇クレリア「お金持ちの方が、何かと都合がよろしいですね(邪笑) あの騎士様は心に決めた方がいるようですし‥‥」
闇マリア「なんだかんだいって王族だし、もう少し大きくなりゃ、あの坊やもイケそうだね(ニヤソ)」
アリアンぽん「(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」

Nacht Taenzerin - 夜の踊り子、マリア


〜少女の挑戦の巻〜

闇クレリア「あらクララ、食べないの?」
クララ「クララ、おさかなが嫌いなの」
闇クレリア「駄目よ、ちゃんと食べなければ。そう、私が歌を歌ってあげましょう。アルカナの歌、使徒フルキフェルの歌を。
『♪サ●ナサ●ナサ●ナ〜 サ●ナ〜を食べ〜よう〜(以下略)』」
アリアンぽん「(゚Д゚;)ガーン!」

Vere ac libere loquere. - 正しく自由に歌え、アルカナの歌、星の詩人クレリア


〜物語は常に変転すの巻〜

 一行はハーランドを先頭に洞窟に入った。湿った洞窟は足元を水が流れていく。平たい一帯には髪を互いに結ばれた男と女の遺体が並べられている。そして、一行の背後に影が‥‥

ハーランド「シオナ!? そこにいるのか?」
超巨大ザムエルたん「フハハハ。当然そう思っただろうがここでシナリオ変更だ。ブレカナ公式シナリオの中で最も愛されている麿であるこの俺が相手をしてやる。ありがたいと思え」
マリア「なんだって? これもアタシたちが周知プレイだからっていう暗黒女王の陰謀なのかい? それにしてもなんて脈絡のない‥‥」
ハーランド「貴様! シオナを返せ! うぉぉッ!(突撃!)」
オズ「我が同胞たちが彼奴を倒すこと幾度、彼奴を操って得た経験点が私の血肉となること幾度。私は相対するのは初めてだが、さらにここでひとたび倒すのみか‥‥ノエル団長、どうか加護を!(抜剣!)」
超巨大ザムエルたん「グハハハハ。ジェズイートなどいなくても俺一人で十分よ。オレが愛される限り宴は続くのだ。逝くぞ! 捧げよ聖痕、今宵は殺戮の宴なりッ!!」
クレリア「落ちついて皆さん。力を合わせて戦えば、この面子の戦力なら勝てます。必要な時間は1ザムエル*1もいりません。私には見えます。およそ0.5ザムエル。ですから貴方も頑張って‥‥あら、アリアン?」
アリアン「‥‥ぼく、もう帰ります」

※1 1ザムエル:約2時間に相当する時間単位。公式シナリオ「処刑都市」「黒風再来」で悪役ザムエルを倒すまでの平均時間から名付けられた。地域によっては「1処刑都市」の言い方もする。(ハイデルランド大誤解より)

Kroneprinz der Azurblau - 碧瑠璃の公子、星の青玉の主



〜おまけのおまけ〜

 さて細かいところまでお読みいただいた方だけにお送りする恒例のおまけのおまけのひみつメモの時間でーす。(てへ) 今回はPL陣もシナリオもぐっとオトナで一味違うものとなりました。ヽ(´▽`)ノ

タイトル画像に使われているフォント Vivian Cacophony は篠原さんのプレプレアクト用ページの画像に使われているものと合わせました。そう、V:tMのカマリリャの血脈、不協和音の娘(ドーター・オブ・カコフォニー)に使われているフォントです。歌い手なのでシオナ姫たんには合いますな。(いったい読者の何人に分かるんだYO!)
このふたつのシナリオのイメージソングが鬼束ちひろであることは最初に触れましたが、どうもこの人の独特の歌詞、ブレカナファンには割と共感できるところがあって有名らしいです。定番ブレカナ系サイト、まいけるさんのアルカナ・フラグメンツにある用語集をチェックだ!
各章たいとる。「星を帯びし者」はマキプリップの「イルスの竪琴」シリーズ1巻、「夜の片隅で」はミステリの名前、「血の如く赤く」はタニス・リーの短編集タイトル、「探求者の誓い」は《真実の剣》シリーズの中の一作、「制覇せよ、光輝の海を!」はSFのスコーリア戦記、「この世の彼方の海」はエルリック・サーガ、「茨の海」は前述の鬼束ちひろのヒットソング。そして「天の使いは来たり」「われは思いを巡らさん」「主よ、御身は我らの心の秘密を知り給う」は主を称える祈りの歌とグレゴリオ聖歌の曲名でちた。
イラストからなんとなく分かるかもしれませんが、本作に登場する吟遊詩人クレリアたんのイメージソースは、かのロードス島戦記に登場する司祭レイリアだそうです。本体は額の魔器サークレットですよ冒険者の皆サン!(違)
本作に登場する夜の踊り子マリアおねえさまのイメージソースは、月刊アワーズで連載中、コミックス1巻も出た漫画『ピルグリム・イェーガー』の、コミックスにまだなってない5月号の最後に3コマ出てくる屋根で葡萄を食べてアデールたちを見下ろしている女の人マルガレーテです。(長いなこれ・笑) 暗示タロットは《恋人》と見せかけて《女帝》。
 16世紀イタリア、歴史の影での異能者たちの戦いを描いたこの作品、時代考証も深いし雰囲気もぐっとダークでなかなかよいです。主人公たち《三十枚の銀貨》はなんとそれぞれの異能力が全部大アルカナ(もちろんイタリア語)に象徴されており偶然とはいえチョーブレカナっぽい! ぽっくんは《恋人》の傭兵隊長ジョヴァンニを見た瞬間、拙作『雪色花の歌』に登場するシノハラコズム全開の聖グラウディシア騎士団員ヴィンケンティウス卿が思い浮かびましたゾ!(ニヤリング)
第一部に出てくる情熱の河の乙女シオナ姫の外見のイメージソースを考案願ったところ、女優のモニカ・ベルッチが返ってきました。『ジェヴォーダンの獣』で扇からシャキーンのあの高級娼婦を演じた美人ですよ! そして令嬢アウグスタ/司祭ドロテアは女優のグウィネス・パルトローだそうです。ソースに映画が出てきてボクうれちー。
そして第二部に出てきたマテウス・レピドゥス司教は暗黒女王陛下の御好みが結実して大人版ハリー・ポッターだそうでしゅ。マテウス司教の額に稲妻型の傷痕があるのはもちろんギャグです。(ニヤソ)
ちなみにザルム族の公子アリアンの名前はケルト神話の女神アリアンロッドから取りまちた。(てへ) 月と運命の女神ですが星の銀輪で海を掻き回している‥‥というところが偶然ですがちょっと似ていたので。人名としてはアリアドネから仏語ではアリアンとなり、やはり女性名のようです。
第二部のオープニングにちょっとだけ流れるムービーは最新版のFLASH MXを買った記念に製作しました。いちおう使った新機能の紹介をすると
Lebewohl, Schöne Welleの文字が流れるモーションタイポグラフィー:ワンタッチでのテキストの分解、各レイヤーに分配
よく見るとURL欄にアンカーが表示:ムービーの途中をブックマーク登録が可能に
ファイルサイズが小さい:主にActionScript多用のムービーに効くムービー圧縮 (本作は86%に減った)
背景で波が広がりながら手前で星型のマスクが別々に移動:オブジェクト単位のマスク
 でもこれが分かる人ってきっとぽっくんの友人の中で2,3人だけでしゅ。(ショボンヌ)


第一部 挽歌は奔流の如く 伝説】【前編】【後編
第二部 さらば、麗しき波濤よ 幕間】【前編】【後編】

-大河の水先案内-
Sword from BoA Sword from BoA
...... Lebewohl, Schöne Welle / Seite 2 ......
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