
〜 ホーリィ†グレイル 〜
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-聖杯への道-
(ルビとポップアップメニューの動作のため、IE5.0以上でのブラウズが推奨です)
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ボス「さてしばらくお休みだったN◎VAのプレイレポートがここに復活なのだ。オフィシャルのN◎VAシリーズも10周年を迎えるそうなのでちょうどめでたいな。(´ー`) 同人誌として登場したゴイスーで一心不乱なシナリオのプレイの顛末だぞ。ゆるりと楽しまれるがよい」 |
And
so, they begin mystic quest for Holy Grail .....
Handle: カンツォート・ガルバニー
Style: レッガー◎●,カブト,カブトワリ Aj: 39
Jender: ♂
北米連合、カーライル・ファミリー出身の流れ者。事情がありファミリーを離れると渡世人となり、抜け殻のようになると死に場所を求めて世界をさまよう。行く先々で恩義ある人々に借りを返し、ロシアでは真冬の夜の物語を越え、渡世人は一宿一飯の旅を続けてきた。N◎VAにおいては紅蓮に身を寄せており、一時期少女アイザックを匿っていたことがあった。
自らは語らないが、かつてはカーライル最上層の12人からなるある組織に属していたとも言う。
Player: しろみけ 【無機化学的心理研究室】
▼最果ぽんが風邪でdownしていたので援軍を呼びました。ブレカナの月と太陽のさだめでもオウガのオルゲルを演じたしろみけさんがカタナ枠の導入です。最近は卒業研究が大変だったとか。このシナリオはイメージソースにアニメの『NOIR』が含まれているらしいのでちょうど良いかも?(謎)
Handle:
Style: マヤカシ◎●,タタラ,カブトワリ Aj: 23
Jender: ♀
トーキョーN◎VA、新星帝都大近くにある神社の主。かつて大学時代は才能ある医学研究者であり、M○●Nに渡った美作唯博士の後輩であったが、家を継ぐために研究の道を諦めた。艶やかな黒髪に白い肌、生まれつき朱色を帯びた霊界を見通す瞳を持つ。
医学に詳しく、なおかつ必要とあらば聖別された大弓をもって魔を狩ることも辞さない、科学と神秘の間にたゆたう巫女。
Player: X
▼久々の同志Xノフスキーが復活です。プレプレアクトで考えていたキャストは新造の和風剣士(←ポイント)か巫女(←ポイント)。タタラ導入で医者に近い人物が必要なので巫女さんになりました。
なんと春から、阪大の大学院に行くため西に行くことに。西といえばいふる漢爵と四季センセーと3人で最強のトリニティ(謎)を形成しそうです。N◎VA者なら(元)Maniax&AXYZ星系の皆様もいるしWoD者なら小太刀右京ドノたちもいますね。なんか日本で一番濃いゾォンが形成されそうなヨカン?!
Handle: ティナ・レオンハルト
Style: エグゼク◎,レッガー,カブトワリ● Aj: 19 Jender: ♀
カーライル・ファミリーの息の掛かった企業でマネーコンサルタントを務める娘。家は没落する前はゲルマン貴族の家系であったが北米に移住、家を離れてからN◎VAにやってきた。何ゆえか金融業に才覚があり、返さない客には実力で返却させることも。
金髪縦ロール、高圧的なお嬢様であり、ジークという名の不幸なお付きの青年を連れている。各種強襲ライフルの扱いに長じている。何の功績を上げたのか、カーライル最上層に座する謎に包まれた“円卓の騎士”の一団に迎えられることになってしまったが‥‥?
Player: 九龍
▼レッガー導入でカーライル円卓騎士団に属するキャストが必要です。というわけでどんなマフィアになるのかと思いきやお嬢様でちた。どうもネットゲーム『ファイナルクレスト』で使っているティナ・ソレキネルというキャラクターの姓違いの分身のようです。ブレカナやアルシャードでも分身を見かけたような気がしますが‥‥そしてほとんど本人だということを多くの人が証言していますが‥‥?
Handle: “デス・ロード”アレックス・タウンゼント 【Profile】
Style: カブト=カブト◎,バサラ● Aj:
36 Jender: ♂
死神の使いを名乗るカブト。E&B陸軍のカウンター・テロ部隊で技術を身に付けた。死神との盟約のため、そして裁きのために、その力と夜の魔法を振るう。極めて冷静なため、一見冷淡にも見える人物。夜色のコートにシールド、北米連合ジュノー社製の大型拳銃と黒銀の鞘に収められた古き魔剣を携えている。
美しき吸血鬼ルイ・タンの頼みにより、かつてM○●Nを襲った“女王”計画事件で姉と決別した美作麻耶を護衛することに。ちなみに最近身を固めた。
▼『ホーリィ†グレイル』は当サイトのコンテンツも飾った『月の支配者』の完全な続編。ならば共通のキャストが欲しいところ。そして題材が聖杯探索ならば一人ぐらいはブリテン出身の人物を‥‥ということでカブト枠は彼になりました。覚悟を決めて身を固めたので指輪をしていたり早打ち札を持っていたりコソーリとマイナーチェンジしています。キャストはともかく何故ゲストまで指輪の存在を知っているのだ‥‥(;´Д`)
Ruler: (はた)×弐
▼「関東圏のすべてのPLを知っている」(業物30Exp相当)らしいはたはたRLです。(((((;゜д゜))))) 2002年冬コミでもN◎VAシナリオ同人誌として完売した『ホーリィ†グレイル』、プレプレアクト用ページもあります。一心不乱にナニでアレなシナリオはプレイも4回?目、エレガント版がここに開始!
一緒に残っていた本の方も参加者に売りました。後で読んで笑ってくださいとゆーことでしたが、後書きに書いてあった拙作プレイレポのURLが激しく間違っているのでもうそこだけで十分オカシイでしゅ。ヽ(@▽@)ノ
なお本自体の紹介は一緒にサークル『卓神』としてスペースを取った修行さん(「さん」までがハンドルなのに注意w)のサイト【RANDOM WALKER】の中にあります。
当コンテンツの中ではこの本の中の修行さん作のイラストを幾つか使わせてもらいました。(Thanx!) 本当はキャストのイラストなど他にも書いてもらおうかと画策していたのですが、修行さんがオフラインの人になってしまったので断念しました(ガクリ) 万が一期待していた方がいたらごめんなさい。
+Date:: 17th, Desember: Prezent Day
+Lokation:: Tokyo NOVA: Main Avenue
災厄の街、トーキョーN◎VA。
だが聖夜を目前に控えた今夜は、街を彩る災厄も、悪徳も、幾らかはなりを潜めているようだった。気象の異常か、何処かの強力な術者が図ったのか、N◎VAには珍しい雪がメガ・プレックスの上空を舞っていた。白い雪は、災厄の街に染みついた全ての悪しきものを覆い隠してゆく。
時に12月17日、クリスマスイブまであと7日。ホロスクリーンではニューロエイジの海を横断する旅に出ようとしている豪華客船の話題が続いていた。
【‥‥処女航海に旅立とうとしているこの『タイタニック2世号』は、20世紀に悲劇の沈没を遂げた同名の豪華客船の名を受け継ぎ、このニューロエイジに生まれ変わりました。
航海が始まるのはグレートエール&ブリテン連合王国。クリスマスイブにこのトーキョーN◎VAへ。新年が始まる前に豪州キャンベラのAXYZ港へ寄り、計14日間に渡る世界一周の航海は来年まで続きます。千早マリンラインはこの話題でもちきりであり‥‥】
| 序章1:: 迷い猫 |
+Date:: 3 years ago |
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ガルバニーは興味なさそうに少女の姿を眺めていた。弱い者は死に、強い者が残る。それがストリートの掟だ。
煙草を投げ捨てると、ガルバニーは持っていた傘に目をやった。大して積もっていないので差さずに歩いていたのだ。
渡世人は傘を放った。少女は雪の上に落ちた傘に目をやり、それを拾うと、トレンチコート姿のマフィアの姿を見上げた。少女の瞳は、アルビノのような不思議な赤だった。
「‥‥生きる意志があるなら、お前にやる」
翌日。まだ雪は止まなかった。
調子に乗ったギャングをのしてくる他愛もない仕事を終えたガルバニーは、隠れ家へと急いでいた。
ストリートのまったく同じ場所、まったく同じ路地裏。まったく同じ位置で、少女は傘を差して立っていた。その回りだけ、雪が積もるのを止めている。
「傘は役に立ったようだが、いつまでそこにいるつもりだ」
「‥‥分からない。何をすればいいのか」 少女は呟くように言った。
「今、傘を差してろって言われたから、差した‥‥」
ガルバニーは帽子を直して少女を見下ろした。年の頃は16、7、だがその声には感情がこもっておらず、雪と寒さの中で消えてしまいそうに細い。
「なら来い。空腹を満たすぐらいのことはできる」
ほんの気紛れだったのか、無表情な少女の姿を何かに重ねたのか、不思議な絆を感じたのか。それが、カンツォート・ガルバニーとアイザック・ヴィクトリアの出会いだった。

| 序章2:: 夜光蟲の頼み |
+Date:: A few days ago from Prezent Day
+Lokation:: Tokyo NOVA: Somewhere
約束の時間、約束のBAR、カウンターの隅に置かれたキール・ロワイヤル。その前のスツールで、あの青年は俺のことを待っていた。
不思議なものだ‥‥妖月の都を震撼させた“女王”計画からしばらく経った。俺は千早重工M○●N支社長の魂が封じられた娘を護衛し、彼は道を違えた姉を追う妹を護った。彼の携えた
あれから俺も少し歳をとったし、覚悟して身も固めた。だがあの美しい青年の姿は少しも変わっていなかった。闇夜に佇むあの美影身は今でも――若い娘たちの心を惹きつけてやまないのだろう。
「すまないね。危険な仕事を、頼みたいんだ」
「不思議なものだな、夜光蟲。君と会うのはいつでも夜だ」
黒銀の瞳の美貌をもった華人の吸血鬼、ルイ・タン。彼が持ち出してきたのは、“女王”計画で姉の最後を見届けた妹、ドクター
「――それにぼくはカブトではないしね。あの時は間に合ったけど、今回は君のほうが適任だろう」
「なるほどな‥‥星に最も近い街に住む
俺はタイタニック2世号のスケジュールを調べながらふと思った。24日には間に合いそうにない。

+Date:: Prezent Day
+Lokation:: United Kingdom of GE & B: London
グレートエール&ブリテン連合王国、首都ロンドン。かつての大英帝国は斜陽の時代を越え、災厄後の破壊と混乱、エールの併合の後に、在りし日の威容はかなり衰えたもののその営みを続けていた。ロンドンは世界が傾く前と同じように霧と黒煙の街としてその名を馳せ、災厄をまぬがれた多くの文化遺産が、生まれ変わった大英博物館の中に収められている。
時計塔が午後6時の鐘を鳴らし、全長1km以上に及ぶ広い博物館にその音が響き渡った時。
遺跡エリアで待つ
「アレックスさん、来てくれたんですね」
「ああ。――これがその聖杯かい。いつの時代のものだ‥‥?」
「ええ。この黄金の聖杯は、ルネサンス期に作られたレプリカだと言われています」
ホログラフの画像で二人の前に浮かび上がるのは、エメラルドが散りばめられた、彫刻も細やかな黄金製の
近くの喫茶店で話は続いた。黄金の聖杯は貴族が所有しているが、それを美作麻耶博士が譲り受けることになったという。かつてロンドンに留学した時に知り合うことができた、アドニス・ウィンザー伯という大貴族だ。その聖杯を、彼女と共にAXYZにあるCFC研究所まで運ぶのが仕事だった。 |
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| 序章3:: アーサー王宮廷の金貸しの娘 |
+Date:: A few days ago from Prezent Day
+Lokation:: US of North America: Las Vegas
北米連合、ラスベガス。かつて多くの人々のアメリカン・ドリームをチップの上に載せ、沢山の一夜限りの夢と一握りの永遠の夢を見せてきた幸運の都。災厄後の混乱で一度は荒廃し、そこから復興したこの街は、ユーロエイジにおいても金の集まる都として名を知られていた。
有名な高級ホテル『キャメロット』。その最高級スイートルームは、ラスベガスの繁栄を一望するビル最上層部‥‥ではなく、一般客の目から完全に隠された地下にあった。そう、このホテルは、北米連合の暗部に根強く網を張り巡らせた、悪名高いカーライル・シンジケートの隠れ蓑でもあるのだ。
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その最深部、二人の巨体のボディガードが守る大きな樫の木の扉へと続く廊下を、足音高く一人の若い娘が歩いていた。まだ二十歳前、丁寧に手入れされた縦ロールの金髪に青い目はヌーヴ方面の貴族の出か何かを思わせ、門番も一瞥するだけの高圧的な態度はさらにそれを確信に導く。 |

手袋をはめた手で樫の木の扉を勢いよく開く。中の広間には巨大な円形の机――
円卓の真向かい、部屋の一番奥に座する貫禄ある男性は、全ての構成員が崇拝するカーライル最高幹部“約束の王”アーサー・カーライル。
奥のほうからティナを値踏みするような目で見ている逞しい黒人女性は、“ダークネス”ことグラマイカ・グラディアス。迎撃と暗殺に優れ、あらゆる重火器と格闘技を操り、新独立戦争ではその実力を示すためにあえてヌーヴ軍外人部隊に加わると北米軍に大打撃を与えたという。
その横で穏やかに眼鏡を直しているのは円卓の騎士の中での唯一の日本人、“日輪の眼”こと和泉 正嵩。地球の周回軌道上に位置するあらゆる軌道衛星に対する強制イントロン能力を有する伝説レベルのネット・カウボーイ。ニューロ達の間でイワヤト破りよりもさらに難しいと言われた軌道衛星アマテラスのパスコード奪取さえやってのけたともいう、地上のあらゆる場所をその電子の日輪の眼で見つめるウィザード級のニューロだ。
その向かい側からはマフィアらしからぬ派手な格好の男も興味深そうな目でティナを眺めていた。“サンシャイン”ことキリー・ウェーバー。円卓騎士団で唯一大衆の前での表の顔を持つ男。芸能界でも有名なこの男は裏ではシンジケートの宣伝工作活動を取り仕切っており、犯罪組織や治安当局から幾度も暗殺の対象となっている。ニューアーク市において3トンもの指向性特殊TNT爆薬と数百人の死者を道連れにした爆破事件『アンバー・ビル
「で、何をすればよいのじゃ」
11対の、様々な男女の瞳が縦ロールの貴族の娘に注がれた。事前にほとんど話を聞かされていなかったティナは、くだらぬものでも見るようにその視線を跳ね返すと返事を待つ。
「12番目? こんな若造の小娘が円卓の12番目だとぉ? 笑わせるぜぇ」 |
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「用は早く済ませろ」
ティナは汚らわしい禿の大男から心持ち身をひいた。だがそれだけでも激しやすい燃える鶏を怒らせるには十分だった。
「何だとッっ?! だったら早く座れってんだよォ!」
「それくらいにしておけ」 円卓の向かいから“約束の王”が口を開いた。
「本日この円卓に12名が集まってもらったのは他でもない。我がカーライル・シンジケートの大望である本物の
その言葉に、円卓のあちこちからどよめきが漏れた。
多くの真実が歪み果ててしまったニューロエイジに相応しく、本物の聖杯と目される品は合計四つも見つかっていた。一つ、E&B連合王国大英博物館所蔵の黄金の聖杯。二つ、AGARTAの地下オークションで競売に掛けられることになっている象牙の聖杯――これには既に円卓騎士団の一人、“嘲う死神”キース・シュナイダーが手勢を連れて向かっている。三つ、オーサカM○●N、天津コレクションの中にあるという真鍮の聖杯。そして四つ、木の聖杯は――、目下特定中だが、トーキョーN◎VAのどこかにあるという。
「‥‥金目のものの話か。確かにアンティークとしては売れそうだ」
大願成就に奮い立つ円卓の騎士たちを尻目に、ティナ・レオンハルトはひとり冷めた目で部屋を見回していた。
「そして今日は、十三人目の騎士にも来てもらっている」
その言葉と共に、円卓の十三番目の席――伝説では騎士ギャラハッドが座ったとされる危険な席につく人物を迎えるべく、樫の木の扉が再び開き始めた。

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ボス「このシナリオはカーライル・シンジケートに属するレッガー、BIOSに近しいタタラやクグツ、聖杯レプリカを護衛することになるカブト、嘲う死神とオークションに出かけるカタナで導入が用意されている。しかもオープニングがシーン二周してしまうという豪華絢爛ぶりなのだ。(笑)」 |
| 序章4:: 万魔殿より |
+Date:: A few days ago from Prezent Day
+Lokation:: Osaka M○●N: BIOS Garden Tower: Central Dogma
妖月都市オーサカM○●N、BIOSガーデンタワー。
キロメータ単位の高さを誇るこの4つの塔はM○●Nのニアサイドに雄大に聳え立ち、度重なるミュータントの襲撃に人間の技術力を誇示するように月の都を睥睨している。
だが――ほとんどのM○●Nの住人はその表側しか知らない。ガーデンタワー地下深くに根を広げたセントラル・ドグマの存在を知る者はBIOS内部でもごく僅かしかいない。人の皮を被った悪魔たち、人の心よりもメガ・コーポレーションと日いずる国への忠誠を優先させることのできる者たちの
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第111番から第555番までしか採番されていない最深部の特殊研究室にも裏がある。“666研究室”はBIOS内部でも特に危険度の高い違法研究に使われており、施設の公式データ上にも存在していない。 |
そんな666研究室に入ってきた人影がある。腰まで伸びた艶やかな黒髪を振った、白いコートの若い女性だ。白い肌はBIOSの研究員にも多い日系人と同じ、だがアルビノのような朱色を帯びた瞳だけが、常人との差を示していた。 |
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「その通りだ。ここが例の
その後ろから声を掛けたのは、ここが薄暗い地下でなく地上であればさぞその頭頂部は光り輝いたであろう、一本の髪の毛もない中年の男だ。N◎VAを追われ、BIOSに収まったかつての司政官、“日輪の監視者”こと天津昂一郎その人である。彼の命で、天才科学者である美作唯博士に一番近かった人物――かつて大学時代の後輩であるあやめが呼ばれたのだ。
「美作博士は一年前に亡くなったはずです。ですが確かに‥‥博士のほかに、あの研究ができる人がいるとは思えません」
美作博士が進めていた研究はその発想も内容も恐るべきものだった。昆虫のような生態系を持つヒルコ『ジバシリ』の女王の卵を、死国の最汚染地帯から持ち帰り手を加え、日本の軍事的手段に用いようとするものである。だがその計画は千早重工M○●N支社社長篠原郁と後方処理課から派遣されたエージェント、美作唯博士の妹の美作麻耶、並びに彼女近辺の数人の人物によって止められたはずだった。
「だが‥‥美作唯がM○●Nで目撃されているのだよ」
「博士が?」 あやめの朱に染まった瞳が濃い色を帯びた。「クローン体? ありえませんね‥‥」
「我々BIOSは、博士に最も近かった君に調査を依頼するのが最善と判断した。ここで一体何があったのか、これを行ったのが何者か、調べてもらおう」
「ええ。私も実験に関わっていましたし」
あやめは頷き、室内の惨状を見渡した。
「そう言ってくれると思ったよ。妙な手は使いたくないしな」
天津昂一郎の浮かべた俗に鮫笑いと呼ばれる薄い笑みが、非常灯の照らすセントラル・ドグマの中でひととき浮き上がった。

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ボス「さて財団版の『月の支配者』を読まれた方なら思い出すところもあろう。あのエヴァっぽいBIOS地下の極秘研究所で恐るべき計画を練っていた美作唯博士、千早後方処理課の邪眼のツァンユェの<※スナッチ>を使ったゴイスーに不可思議な技で倒れた唯博士が。なんとこのシナリオでは復活を遂げるのだ。計画名は女王計画でなくProject: Conquestだったような氣もするがそこは脳内を書き換えようw」 |
| 第1章:: アーサー王と円卓の騎士 |
+Date:: A few days ago from Prezent Day
+Lokation:: UN of N.A.: Las Vegas: Hotel "Camelot"
約束の王アーサー・カーライルの言葉に円卓の間はざわめいていた。円卓の騎士団員は十二人、それを超えても下回ってもいけないと言われていたのだ。そう、遥かな伝説の時代、賢王アーサーの側に常に控えた魔術師マーリンが告げたように。
『ここから先は、儂が話すとしようかの‥‥』
その時、約束の王の傍らに青い光が煌くと、濃紺のローブと折れ曲がった帽子に身を包んだ老人がいつの間にか現れていた。その周りにいつまでも揺らめいている光が、この老人が本体でなく意識体だけでこのホテル『キャメロット』に現れたことを告げていた。
そう、災厄の街においては占いじじぃと呼ばれている“青の魔導師”マーリンである。その謎めいた予言で幾度となくシンジケートを導き、カーライルの北米制覇の影の功労者と言われた人物だ。
革命前の世界より、N◎VAでもっとも強力な術師といえばこの老人の名が真っ先に上がることは常であった。“儂がかつてマーリンと呼ばれていた頃‥‥”とはこの老人がまどろみの中でよく呟く寝言ではあったが、ああ、“青の魔導師”を最高のマヤカシと仰ぐニューロエイジの全ての術師がこの光景を一目見たら、果たしてどのような思いに駆られるであろうか。
『フォッフォッフォ、どうやら全員揃ったようじゃの。ティナ・レオンハルト‥‥おぬしが新しい第十二位の円卓の騎士か。なるほど、よい顔をしておる。‥‥さて‥‥N◎VAで会ったかな?』
「‥‥覚えてないな」
ティナは少しの愛想もなく答えた。
『では、儂から最も危険な13番目の座につかんとする騎士を紹介しよう。さぁ、入られい』
樫の木の扉が開き、二人の女が入ってきた。
一人は動きやすいフードつきのパーカーを羽織った、比較的小柄な10代の娘。髪は黒、瞳は赤みを帯びており、中性的な顔立ちはどこか神秘的で、無表情な今も十分に美しい。背はそれほどでもないのにその自然体の身のこなしには一分の隙もなく、何か特別な調和を見せていた。
その後ろから入ってきたのは背の高い日本人の女性だ。黒髪を短めに切り揃え、背筋を伸ばし、その自信に溢れた表情の左の目にはほくろがあった。タタラの硬質の雰囲気をまとった女性である。
「おいおい、なんだァ? ガキと新入りのタタラの姉ちゃんじゃねェか。まさか、このガキが“13人目”ってんじゃねェだろうなぁ、爺さんよォ?」
早速、先程までティナにその怒りの矛先を向けていたチキン・バーンズが少女に向かっていきり立つ。
『いかにも。彼女が“十三人目の円卓の騎士”アイザック・ヴィクトリアじゃ。疑うならば戦ってみるかな? おぬしにはそれが早かろう』
「おう。こっちはそれでもいいぜェ‥‥?」
チキン・バーンズの周囲が熱によって揺らめき始め、その禿げ頭の上に可視の炎が形をとり始めた。
「‥‥やめておいた方が良いわよ。死にたいなら別だけど」 |
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「こ、このアマ共ォ!」
「そのくらいにしておけ」 円卓の奥からアーサー・カーライルの声が響く。
「美作唯博士、煽るのはやめていただきたい。それから第十一位バーンズ、第十三位アイザック、どちらも口が過ぎるぞ」
約束の王の言葉に一同は控え、続いてアーサー・カーライルが“聖杯”の確認を促す。美作博士と呼ばれた女性は荷物の包みを解くと、耐性容器の中に収められた品を一同の前に見せる。
「流石にBIOS本社から持ち出すのは骨が折れましたけれども‥‥ね。確かにあの天津昂一郎コレクションの中から抽出しました。間違いなく本物よ」
居並ぶ円卓の騎士から、感嘆と驚きの混じったざわめきがもれた。円卓の上に置かれた品は、素人目にもかなりの年代物と分かる真鍮製の

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「アンティークにしても随分な品じゃの‥‥」 |
「分かった。向かおう」 暑苦しい禿の大男を極力見ないようにしながら、ティナは言った。
「足手まといになるんじゃなィぜ。お嬢チャンは飴でもナめてるんだな」
元から男嫌い、不潔な男に触れぬために常に手袋までしているティナ・レオンハルトは、この男からは常に1m以上の距離を保とうと心に誓うのだった。
こうさくいん「ぎゃはははー。なんでしゅか〜このハゲシイ妄想は〜。“o(>ω< )o” マーリンってホントに占いじじいまで出てきたでしゅよ〜ヽ(@▽@)ノ」 |
| 第2章:: サー・カンツォートと嘲う騎士 |
+Date:: Prezent Day
+Lokation:: Ryukyu SUBARU: Underground Auktion
約束の王アーサーが、最高幹部たちに聖杯奪取の作戦を伝えてのち3日後。
カンツォート・ガルバニーはキース・シュナイダーとコンビを組み、リューキューSUBARUの地下オークション会場へと赴いていた。
地下都市AGARTAのようにジオフロントにある幾つもの鍾乳洞のひとつを改造したこのオークション会場は地下ホテルといいほどの充実した設備を持ち、裏世界では様々の品が取引される場所として名高い。ここまでの広さになると隠すのも難しいが、表のSUBARUからも黙認状態にあった。
オペラハウスもかくやの会場は人で埋め尽くされ、ガルバニーが見渡す先にも大物がひしめいていた。悠然と長い足を組み替え、波打つ金髪に手をやってオークション開始を待っているのはST☆Rの大物フィクサー、ガブリエル・モーラム。その近くで黒スーツの手下と小声で打ち合わせている黒眼鏡の中国人は、N◎VAを去ったジミー揚だ。よくよく見れば目立たないボディガードに守られた軌道の超大物、エリザベス・フェスラーの姿もある。
そして――客席のど真ん中にどっしりと構え、大物に取り入ろうと絶え間なく近寄ってくる政財界の人々を手で追い払っているのは、なんとトーキョーN◎VA新星市司政官の稲垣光平その人だった。
「Ha-Ha! あんましキョロキョロしナイでくだサーイ。ユーが田舎者に見えMassネー」
金髪の優男が気安くガルバニーに話し掛けた。“嘲う死神”の異名を持つキース・シュナイダーの本性を見た者は少なく、間近で見ているガルバニーでさえもその噂が本当なのか疑いたくなることがしばしばだった。
不機嫌そうに煙草の煙を吐き出したガルバニーは言った。
「‥‥お前が周りを警戒しろと言ってるからやってるんだ」
「しっかし、出るものが出るものだと顔ぶれもスプレンディッドでーす。ウェポン、持ち込めないのが、ホント残念Death!」
カーライル最高幹部にして円卓騎士団の一人である男はにやけた笑みを浮かべた。もしかするとそれは俗に鮫笑いと呼ばれるものだったのかもしれないが、キースがやると何か別の生き物の笑いにしか見えない。
「しかし、これだけ人がいると、お前の育ちの悪さも一段と目立つな」
ガルバニーが率直に言うと、嘲う死神は大げさに天を仰いだ。
「Oh、NO! 私の育ちのよさは、ブリリアントに光輝くほどデース」
見ていると、ガルバニーたちと同じカーライル・シンジケートに属する若いバッド・ボーイズたちも客の間にちらほら見える。
「‥‥まあ、俺には関係ないことだ」 ガルバニーは帽子を直すと、改めて会場を見渡した。
「眉唾モノでReallyかどうか怪しいですが、今日ここには、なんとホーリィ・グレイルが出品されるのデスヨ! 古来より『百分の一は舌足らず』とも言いますしね、今回は軍資金も、Many、Many持ってキマした」
キース・シュナイダーは持ってきたアタッシュケースをさっと開いた。裏世界に生きる全ての者を惹きつけて止まないその黄金の輝きは、総計で100億分はあろうかというプラチナム・グレードの支払い保証済みクレッドクリスの束だ。
「ほう。やる気はあるようだな」
さすがにガルバニーも見直してアタッシュケースを見下ろす。
「ユーにもカナーリ期待してますヨ? 是非とも『聖杯Getだぜ!』と行きたいトコロですネー」
ガルバニーが青い瞳で冷たく睨むと、キース・シュナイダーは慌てて何か黄色い生き物のマスコットのついたキーホルダーを示した。
「Oh、Oh、パケモンはVery面白いデース」

+Date:: Prezent Day
+Lokation:: Ryukyu SUBARU: Underground Auktion
【‥‥よろしいですか? では、ロットナンバー76、ダ・ヴィンチ作『最後の晩餐』は、エリザベス・フェスラー氏に30億で、ハンマープライス!】
また1回ハンマーが振り下ろされ、地下オークション会場からはどよめきと羨望のため息が沸いた。
出品されるのは超一級品ばかりだった。災厄後の混乱で行方不明となったままだった美術品や、まさに世界にひとつの品々が次々と落札されていく。
【さて‥‥ご来場の皆様。いよいよ本日最後の品となりました】
最後の出品物が何であるのか、キースとガルバニー以外にも知っている者がいたのか、会場は静まり返った。
【かつてアーサー王と円卓の騎士達が探し求め。前世紀では伝説の探検家とナチスが奪い合ったともいう。聖イエス・キリストの血を受けし‥‥“聖杯”でございます!】
「さーて、とうとうお目当ての物が出てきましたネー」 キース・シュナイダーはガルバニーの方を振り返った。
「途中、チョット‥‥ア・リトル無駄遣いをしてしまいまいしたが、ま、まあ大丈夫でショウ。ノー・プロブレム。Ha、HaHaHa!」
嘲う死神は慌てて自分が落札した年代物の映像ファイルを隠す。妙な色の猫とネズミが追いかけっこをしている古臭いアニメの全巻セットだ。その上にかつてジャパニメーションと呼ばれていた、世界最高水準を誇る日本のアニメも幾つかあったような気がしたが、ガルバニーは見なかったことにした。
【ロットナンバー77、キリストの血を受けし“聖杯”は‥‥開始価格5億から。さあ、どうぞ!】
最後の品物、象牙の聖杯の価格はあっという間に跳ね上がり、すぐに桁が一つ増えた。
【70億。それ以上はいらっしゃいませんか?】
「75億ッ! “聖杯”は俺が頂く。がっはっはっは!」
トーキョーN◎VA司政官のダミ声が会場に響いた。だが、ガブリエル・モーラムが豪奢な金髪を振ると、静かに人差し指を立てる。
【これは‥‥85億です。さあ、85億! 他にはございませんか?】
「な、なんだとぅ? ぐ、ぐぐぐ‥‥むむぅ‥‥」
稲垣光平は窒息しかけたような表情を浮かべると目を白黒させた。おかしな声を上げたのはガルバニーの連れも一緒だった。
「ん、んんーんんー。結構ヤバクなって来まシタ。こちらのエスティメイトよりもカナーリ早いデース。でも負けてはいられまセン。ここは‥‥90億デース!」
キース・シュナイダーがさっと手を上げる。STARから来た美貌のフィクサーは嘲う死神の姿を見つけると、呆れたように肩を竦め、降りることを示した。
「ぐ、ぐぐぐぐう‥‥ええいこうなったら政府の金‥‥い、いやいや、100億だ! 100億出すぞ!」
さらに稲垣光平が攻勢を掛ける。さらに一桁位が跳ね上がった聖杯の持ち主はこれで決まりか、と、会場は低いどよめきに包まれた。
「グレイト! でーハ、こちらは105億で‥‥What? 」
最後の最後で勝利を掴もうとしたキース・シュナイダーは、そこで凍りついた。
「ガッデーム! マニーがジャスト・ア・リトルにスコーシだけ足りまセン! オー、マイ・ガ〜ッ!」
【さあ、100億、100億です。他はありませんか? ‥‥それでは本日最後のロットナンバー77。キリストの“聖杯”は、稲垣光平氏に100億で‥‥ハンマープライス!】
「これで文句は言わせねぇ。聖杯は俺のものだ。げははは!」
司会が大きなハンマーを振り下ろすと同時に、オークション会場に派手な効果音が鳴り響いた。居並ぶ参加客は定まった聖杯の行方に大きくざわめいた。
「大口を叩いた割には情けないな」 |
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こうさくいん「キースは負けちゃったでしゅねー。(´・ω・`) ここで稲垣氏は《買収》で金を用意しているのでしゅ」 |
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