
〜 日、堕つる国の旅人 〜
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-日、堕つる時への道-
(ルビとポップアップメニューの動作のため、IE5.0以上でのブラウズが推奨です)
さてさてエレガントN◎VAまたしても登場です。場所は某ホテルのスイートルーム(嘘)。控えるのは執事とメイド(嘘)。総帥がワインを傾けてアクト開始を宣言して(超嘘)、宿星の導く元に運命の天輪は巡り始めるのだぁ〜!(自棄)
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ボス「さてホリグレに続いてエレガントN◎VAレポートの登場なのだ」 |
And
so, they travelled to the Land of Falling Sun .....
Handle: “ピコ・エクスプレス”御櫛笥 来恵須(みくしげ・くえす) 【Profile】
Style: トーキー◎●, マヤカシ, ハイランダー Aj: 17? Jender: ♀
マリオネット名物三田茂部長の元で報道に勤しむトーキーの少女。トーキーとしての経験は長く、どんな事件にも怯む事なく挑むことからそのハンドルがついた。
実は限定的にアカシック・レコードにアクセスし、真実を書き変えることができるという秘密を持つ。精神的には幼い部分もあるが、実力もあり他人の心が分かる少女。完全ウェットで真珠青の髪をもつ。真実のためにその命を捧げた伝説のトーキー、アレン・ブラッドショウに尊敬の念を抱いている。
Player: しろみけ 【無機化学的心理研究室】
▼ホーリィ†グレイルの漢一匹渡世人のがるばんが人気だったしろみけさんです。と、見せかけてトーキーが必要だった今回は全方位アレやソレが詰まっているカンジの来恵須です。どちらが真髄なのでしょうかっ?
Handle: “片傷(スカーフェイス)”ノーバディ・シェルヴィッツ 【Profile】
Style: カブトワリ=カブトワリ◎, ハイランダー● Aj: 31 Jender: ♀
右頬から目にいたる傷痕が目を引く、ミトラス帰りのガントリックマスター。緑の目にブラウンの髪をした長身の女性で小型レールガンや9-WHを自在に操る。
ミトラス戦役以前の過去の記憶を失っており、手掛かりをもつ依頼人には格安の報酬で仕事を引き受ける。見事な肢体を覆う黒のコートの襟で隠されたその首筋には、謎のバーコードが刻まれているのだ。途切れ途切れの記憶の中で、和服を着た謎の日本人少女と度々出逢っている。
Player: どみにく(銅おりは) 【双曲線天使】【どみにく研究報告】
▼みけ殿と同じく東理大ゲ同のどみにくさんです。今回は周知PLAYのナレ龍様も一回休み、何やら前から来たがっていたのでエレガントに御招待(笑)することにしました。旧サイトの方で様々なキャストや長編小説やショートストーリーなどなどが展開されていましたが、今回は将来を見越した新キャスト作成となりました。来恵須と違ってオトナです。
Handle: “博士(ファウスト)”クラウス・J・グノー 【Profile】
Style: タタラ◎, カゲ, カブト● Aj: 35 Jender: ♂
E&B領であった南西ドイツ出身の青年医師。眼鏡にくわえ煙草、無精髭の一見強くなさそうな外見だが、元は世界を渡ってきたフリーの傭兵であり、三合会の持つ“赤手”と同等以上の性能を誇るサイバーアームの中に“メフィストテレス”と銘の刻まれた材質不明の巨大メスを仕込んでいる。刺客には見えない磁力シールドを振るうボディガードとしても名を馳せており、カブトとしての腕は世界有数を誇る。
負傷者の治療に死しか与えられないような戦地を巡ること度々であり、その青い瞳には世界は灰色に映っている。不死の狂人、狼王エリスその人と刃を交えた経験あり。
Player: なま
▼カブト導入は護衛相手が重要ゲスト、そして狼王エリス再来が予想されるため戦闘能力も必要です。いつもははたコズムなシナリオを全部プレイ済みのA級戦犯ぽいのなまどんが珍しく未プレイ。だったので新キャストを作ってもらって援軍を頼むことにしました。これで男性キャストがゼロというオソロシイ状況を回避できた‥‥(((((;゜д゜)))))
Handle: “クリスタル・シンガー”琴音=フェンデル 【Profile】
Style: カブキ◎,クグツ,マヤカシ● Aj: 22→25 Jender: ♀
アミューズメントパーク“twiLite”N◎VA本園の受付嬢の一人。E&B連合王国、アイリッシュ系の血を引くポニーテールの娘で、その水晶の歌声に癒しの力を持つ。死去した母の血筋でマヤカシ能力を持ち、守護神はケルト神話の女神ブリジット。魔法の遊園地で力を伸ばした彼女は、運営局ミリオン・ライト社のより多くの秘密を知ることとなった。完全ウェットの彼女を護り現れる秘幽体は、鏡の盾を携えた女戦士、ブリジットの娘ことフラムウェン。ミリオン・ライト社に属する魔術師達と同様、星幽の世界を見守っている星詠み人の願いにより、災厄の街のアストラルの乱れを調べることとなったが‥‥?
▼当初は懐かしの同人誌『MOONSHINE4』のゲスト用に作った琴音くんです。当サイトのコンテンツのtwiLite Inner Park Informationの案内役だったりパレードの様子を収めたBBSログ集の『銀の懐中時計を探して』に出てきたりはするものの、設定が特殊なためにオフラインではあまり出番がありませんでした。せっかくなので今回マヤカシ枠で登場となりました。ちなみにシナリオが一心不乱なのでRevised+SSS環境のフルスクラッチで細部を作り直しています。
しかしこういう時に限ってなにやらサイバーパンクらしからぬ面々が揃ってしまったのは宿星の導く所だったのでせうか。んんー(笑)
Ruler: (はた)×弐
▼好評だった『ホーリィ†グレイル』に続いてまたまた、はたはたRLです。もちろん、ホリグレに勝るとも劣らぬほど本作もはたコズムが溢れています(何) プレプレページもあり。どうも2003年冬コミ?夏コミ?で本作はシナリオ同人誌として登場の模様です。
Illustrator: 修行さん 【RANDOM WALKER】
ぺけらんくOFFでも一緒だった修行さんのニューロなイラストで、またまたコンテンツを飾ってもらえることになりました。いえーい。こんな時に限って狙ったように女性キャラクターがなんか多いのを怪しまれていましたが。でもいつも頼まれるイラストもギャルが多いそうです。(ナ、ナニー)
K A U T I O N
蛇足ですが本コンテンツで扱っている元のシナリオに関しておまけ注意点をば。 |

| 序章0:: 災厄終結祭 |
+Date:: April 29th, A.D.2103
+Lokation:: Tokyo NOVA: Hazard Konklujion Festival
マリオネット本社ビル前の中央公園は厳かな雰囲気に包まれ、いつになく多くの人間が特設ステージ壇上に注目していた。マリオネットビル壁面Fのホロスクリーンが、本日の災厄終結祭の動員数が100万に達するかとのニュースを流している。何年も前、時を超えてやってきた娘とともに傾いた世界の真実が同社にもたらされた時、震撼した人間はそれよりも多かっただろうか。
時に西暦2103年4月29日、トーキョーN◎VA中央区ホワイトエリア。災厄後の混乱に終止符を打ち、人類の希望を伴った次なる一歩を願う災厄終結祭が、静かに始まろうとしていた。
群集が注目する特設ステージ壇上でマイクの前に立っているのは、黒衣の若い女性である。純粋な日本人、卓越した未来予知能力に加えて術者としての能力も世界有数と言われる程になった災厄の生き証人、過去からやってきた告発者。カムイSTARの有名人の一人、御門忍であった。
特別席には新星東京市の稲垣司政官、N◎VA治安維持軍の和泉大佐を始めとする有名人が並んでおり、御門忍のそばの特別席にも奇妙な一団がいた。
一際目を引くのは会場内でもあまり見ない、和服に身を包んだ古風な娘である。長い黒髪を伸ばし椅子にちょこんと座っている姿はどこか違和感があり――かつて過去からの告発者が災厄の街に降り立った時さながらに、何か不思議な雰囲気を醸し出していた。
その娘の隣に座っている白衣の男はボディーガードだろうか。警護用のシールドも持たず、飄々と気の抜けたような顔をしていたが、その縁なしの眼鏡の奥の目は油断なく群集を見つめていた。その横、グレイのスーツを来た長身の女も、厳しい目で辺りを見ている。その顔にはカメラで写された映像でも目立つ傷痕があった。
およそ記者には見えない歳の真珠青の髪をした少女が、左腕のマリオネットの腕章も誇らしげに手の中のガンカメラを撫でていた。どこからか飛んできた白い小鳥が、その横のポニーテールの娘の肩にちょこんと止まった。
御門忍は壇上で一歩進むと、息を吸い込んでから話し始めた。群集の注意が一斉に向けられた。
【“真実”とは苦い薬である。だが、人はそれを飲もうと決心するよりも、むしろ病気のままでいようとする』 ‥‥こんなことを言った故人がいました。
確かに、“真実”を知るのは時として残酷です。しかし、百年の時が経ち我々は、改めて知るべきではないでしょうか? “災厄”が一体何であったかを。どうして、“災厄”が起きたのかを?】
その声はマイクを通し、映像を通し、光の海から災厄の街と世界中に伝えられた。
【私は、今日ここで『“災厄”の真実』を明らかにしようと思います。もしかしたら、私はパンドラの箱を開けてしまうことになるかもしれません。しかし、私は信じています。ここにいる皆さんを‥‥いえ、“災厄”から生き残った人類を】

〜 日、堕つる国の旅人 〜
| 序章1:: 夢の写真機 |
+Date:: Someday of April, A.D.2103
+Lokation:: Tokyo NOVA: Marionet Building
マリオネット社会部、名物デスク三田茂部長席前。
だが今日の三田部長は顔をしかめながら胃薬に手を伸ばしている訳ではなく、机の前の少女と一緒に小型スクリーンを眺めているのだった。画面の中には近々行われる災厄終結祭でスピーチを行うことになっている御門忍が映っている。
「前に、ぽしゃっちゃった企画だもんね。そりゃ気合も入るよ」
「そうだな。‥‥さてと、ちょっと場所を移そう」
「うん、分かった」
机の引き出しから柿ピーナッツの袋を取り出すと、三田部長は立ち上がった。真珠青の髪をした少女も心得た様子でその後に続いた。
“ピコ・エクスプレス”こと |
![]() |
誰が呼んだかXボックスと呼ばれる三田部長の秘密の私室へ、二人は入っていった。中は防音、盗聴阻止やネットワークからの侵入対策も万全である。
「ここも久し振りね」
「まあなんだ、別にわざわざここを使うまでもなかったんだが、たまたま会議室の空きがなくって‥‥な」
来恵須がきょろきょろと部屋の中を見渡す前で、三田部長はお菓子用のお盆に柿ピーナッツの袋を開けた。合成の嗜好品に混じって、鍵がひとつ袋から出てくる。デスクはその鍵で慎重に壁の金庫を開けると、中から綴じられた資料一式を取り出した。3年前に開催直前になって中止され、そして今また今度こそ開催されようとしている災厄終結祭の資料である。
関係者リストには世界の重要人物に混じって様々な顔が並んでいた。気象博士、地質学者、経済学者、文化人類学の権威に災厄史研究家そのもの、果ては占い師。
およそ100年前に世界を捻じ曲げた“災厄”については全ての謎が解明された訳ではなく、その後の地球は地形の変動や国の興亡のみならず、人類の文化や思想までも大きな影響を受けているのだ。そのため災厄そのものの研究も学術のひとつとしてこの時代は認められていた。
「今回ウチが災厄終結祭りのメイン会場になったお陰で、あっちこっちが人手不足でな。各方面への取材がまだ完全には済んでいないんだ。そこで取り急ぎ、専門家へのインタビューを手伝って欲しいんだよ」
「災厄の専門家ね。今さらどれだけ信用できるのかしら?」
来恵須は渡されたプロファイルを見た。災厄史の権威にして世界的な文献収集家、楠上ヘイズ博士、67歳。写真にはいかにも学者然とした老人が写っている。
疑わしげな来恵須を前に、三田部長は金庫の奥から一台の古めかしいカメラを大事そうに取り出した。デジタル映像技術全盛の昨今においてあくまで光学式。両手持ち一眼レフ、あくまで黒と銀2色のクラシックな色合い。精巧に作り込まれた上部スイッチ類、軍艦部に控えめながらも燦然と輝く Leika の文字。
そう、旧世界から受け継がれ、ニューロエイジにおいても権利を買い取ったメーカーが細々と光学式/デジタル式のレプリカを生産し続けている伝説の品、ライカのカメラであった。
「お前さんも、あのアレン・ブラッドショウを師と仰いでるんだったな。まあ、あの男を敬愛してる奴は多いんだが」
目を輝かせて見守る来恵須に、三田部長はゆっくりとそのカメラを手渡した。
「こいつは、アレンの奴が死ぬ直前まで使ってたカメラなんだ。もっと早くに、お前にも見せるべきだったな‥‥」
アレン・ブラッドショウ、SUNプロダクションの敏腕記者。真実の追求の為にその崇高な命を捧げた伝説のトーキー。御門忍の出現からF.E.I.R.社屋爆破に至る一連の事件において、当時33歳だった彼も火災に偽装された証拠隠滅工作の中で命を落としていた。
「あの人を出されちゃ、断るわけにもいかないわね」
来恵須は力強く頷くと、骨董品のカメラを受け取った。さらに三田部長は、調査費用として1プラチナム分のクレッドクリスを渡す。
「なんだかプレッシャーかかっちゃうな」
「なぁに、お前さんなら人気もあるし大丈夫だろう」
「うん。あたしにトーキーのイロハを教えてくれた人のためだもんね」
確かに、ダブルポニーの美少女といった風情の来恵須が様々な陰謀を白日の元に暴露してきた話は、視聴者にも人気がある。三田部長は冗談めかして少女の肩を叩き、取材が始まるのだった。

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ボス「さて災厄の真実に迫るこのシナリオにはトーキー導入が用意されている。調整の結果、ここは財団の偵察でも何度か見かけられたことのある来恵須嬢となったのだ。ちなみに名前が読みにくいな(笑)」 |
+Date:: Someday of April, A.D.2103
+Lokation:: Union of North America: Capital New Fort: The White House
北米連合首都ニューフォート。大統領の住居でありあらゆる政治の中枢が凝縮された地上と地下に渡る建造物は、前世紀までのものと同様に造られていた。芝生と木立の中に佇む瀟洒な宮殿は、その色も白、呼び名も同じ‥‥“ホワイト・ハウス”と。
執務室の窓を背に立つ偉丈夫は、第11代北米連合大統領ジョージ・ハーレー・Jrその人である。目立たないグレースーツの政府高官が、最新の報告を行っていた。
「‥‥しかし
「タイミングという奴だよ、スミス君。
大統領は平然と答えると続けた。「それよりも、準備の方は進んでいるのだろうな? 特に護衛の人選には最善を尽くしてもらいたい」
「はっ、それに関してはご安心下さい。ベスト・オブ・ベストの、世界で屈指のボディガードを用意させました」
スミス補佐官がさっと差し出した書類には、一人の男の経歴が記してあった。縁なし眼鏡に無精髭の、一見切れ者には見えないドイツ系青年の写真。氏名はクラウス・J・グノーとある。
「
「はっ、豪州政府との協力体制は確立済みです。軌道にはアレリオン・イーグルがおりますし、地上出口も‥‥おっと、失礼。‥‥なんだと。‥‥なに、連絡がつかないだと?!」
補佐官は胸の小型携帯電話を取り出すと二言三言会話し、みるみるうちのその表情を変えた。
「申し訳ありません、
「どうやら作戦を早めるべきのようだな。軍司令部に伝えたまえ。機密コードはそのまま維持、演習と作戦はそのまま行うようにと」
大統領の目に暗い光が走った。
「
「はっ、了解いたしました」
補佐官は急ぎ足で退出し、一人残った大統領は腕を組むと外の光景を見やった。
「また機会が巡ってきたようだな‥‥世界の警察に最も相応しいのが誰か、あの

| 序章2:: 異人 |
+Date:: Someday of April, A.D.2103
+Lokation:: Canbera AXYZ: Orbital Elevator Station
豪州キャンベラAXYZ、宇宙へと続く軌道エレベーター『ユグドラシル』。大樹のイメージとは裏腹にカーボンナノチューブ製の10本のケーブルから構成されるこのエレベーターから吐き出された各種貨物はキャピタルリニア公団の地下リニアラインで速やかに市内各所へ運ばれ、そして人間の乗客には専用の地下ターミナルが設けられている。
そんな駅の待合ホームで古めかしいボードレールの紙の詩集を読みながら相手の到着を待っているのは、着古した白衣を着込んだ一人のドイツ系青年だった。
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クラウス・J・グノー、別名 |
ターミナルを揺らす振動がエレベーターの到着を告げ、多種多様な人々が待合ホームへと流れ込んできた。
「そなたがクラウス・J・グノーであるか? 聞けば世界屈指のボディガードであるとのことだな」
まっすぐクラウスの方へ歩いてきた娘が真ん前で止まると、口を開いた。“博士”は眼鏡を直した。日本人特有の艶のある、腰まで届く長い黒髪に意志の強そうな黒い瞳。さらに着ているのは白と青が基調の和服。外見は10代後半ぐらいに20代にも見えるのだが、実際のところが何故かよく分からない。軌道エレベーターから降りてきた様々な人種の中で、いや回りの風景からも世界全体からも、明らかに何か浮いていた。
「私の本業は医者ですし、まァ、カブトは副業なんですがね」
「わらわは
「私は遂行率は高いかもしれませんが、ボディガードを頼む人はあまりいないんですよ」
クラウスが髪を掻いて苦笑すると、娘は毅然と微笑んだ。
「それは覚悟の上じゃ。万事よろしく頼むぞ」
頑丈なトランクに入った昴の荷物を持った係員が到着し、リニアで地上へ向かおうかとした時。係員が突然振り向いた。延ばした腕の肘から先が展開し、生身であれば骨があるところからマウントされた黒光りする銃口が向けられる。手に武器を隠し持つ必要のない、不意を打った暗殺によく使われる手だ。
だが、気の抜けたような態度で他人と世界を騙し続けるクラウスも元はフリーの傭兵の身、即座に完全武装の状態から右腕の義手が伸びた。夏製の“赤手”と同等の性能を持つサイバアームは腕の筋力と瞬発力を高め、素手と手にしたあらゆる武器の衝撃を増加させる。銃口を遮られ、拳の一撃を食らった係員はそのまま後方へ吹っ飛ぶと柱に衝突して動かなくなってしまった。
ユグドラシル周辺の地上部は建物のない隔離緑地体の森林公園になっており、飛行禁止の制限も厳しい。すべてが地下部に収められた移送施設も、警備は厳重であることで有名だ。だがその中にも、刺客が紛れていたのだ。
この日本人の娘と共にいる間、油断はすまいとクラウスが心の中で誓った時。二人の周りでまたしても耳障りな音が響いた。見ると周囲を行き交う人間全てが、その開放された機械仕掛けの腕から何かを向けようとしていた。

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こうさくいん「くぅーということでカブト役は例によってムスメを護ったりなんかする役なのでしゅね!o(≧へ≦)9゛」 |
+Date:: UNKNOWN
+Lokation:: UNKNOWN (Presumption: Japan)
何処とも知れぬ暗闇の中。微かに差し込む月明かりだけが、暗闇の中に立つ陰陽師を照らしていた。幽玄の光は世界の何処でもなく、日出ずる国を照らす銀月の光。
和式の正装に狩衣を纏い、直立する陰陽師の男の周囲には、石版めいた4つの物体が高く浮かんでいた。物体には真紅の文字で [SOUND ONLY] の文字が浮かび、その素顔を決して明かさぬ高位の人物が姿の代わりに用いるホログラフであることが分かる。
『この報告書によれば、“時空計”に反応があったそうだが、本当かね?』
「いかにも。それに神国を護る結界の一部に歪みが生じていたことも報告されております。それも数回に渡って」
銀月の光が陰陽師の顔を照らした。眉目秀麗、彫りの深い顔立ち、だがそこには能面のような冷たい表情しか浮かんでいない。
『何者かが、汚らわしい外から我らが神国内部に接触していたと?』
「そう考えて問題ないと思います。‥‥恐らくは、秋月一門の者かと」
『秋月であると? あの小娘一人を始末できんとは、まったく、関東軍の何と言ったかの‥‥そうだ、和泉は何をしておるのだ。何の為にあの出島のようなおもちゃを与えてやったと思っておる』
「なに、大佐殿もあれで苦労なさっているのですよ」
男は微笑むと慇懃に頭を垂れた。
『ふん、若造が‥‥。まあよい。誉れ尊き“帝”よりは、本件に関し“アマテラス”の使用許可も頂いておる。これがどういうことか、分かっておるな』
その言葉を最後に、四つの物体は不意に姿を消した。暗闇の中には神国に仕える陰陽師が残された。
「好きにしていい。そういう事でしょう? フフ、さすがは“帝”、話が分かる‥‥」

+Date:: Prezent Day of April, A.D.2103
+Lokation:: Tokyo NOVA: Central Area: 203th Rejiment Peacekeepers Base
女神アマテラスの見下ろすトーキョーN◎VA中央区、東京新星市治安維持部隊駐屯地。通称N◎VA軍、日本軍関東方面軍第12師団第203連隊の本拠地である。
司令官室にいる軍人は二人だけだった。司令官席に座する男と、その前で敬礼する氷の如く怜悧な雰囲気を漂わす女性。言わずと知れたN◎VA軍総司令の和泉藤嵩大佐と、情報部参謀の石見環大尉である。
「大佐どの。たった今隠密行動中の“伏雷”より報告が入りました。秘匿コード甲種
「だいぶ時間が掛かってしまったな‥‥で、場所は」
「中央区B-3エリア、マリオネット社屋内。詳細地点は未だ不明ですが、既に“黒雷”が確保に作戦行動を開始しました。ただ‥‥」
情報参謀としてその辣腕を恐れられてきた“J2”は表情を険しくした。
「未確認情報ではありますが、北米連合の中央情報局に動きがある模様。確保において、何らかの形での
「構わない。何としても北米より先に我々が手に入れる必要がある。少々手荒くなっても良い。それと‥‥」
和泉大佐はしばらく逡巡するように間を置くと、命令を告げた。
「“彼女”に連絡を取れ。鼠退治だと告げろ。任務開始だ」
「“彼女”にですか?!」
その手腕をもって数々の秘密作戦を成功させてきた石見大尉が平静を欠くことはほとんどない。だがこの時ばかりは、流石の彼女も声を荒げていた。
「あの女が破壊工作や正面からの殲滅戦に高い能力を有しているのは認めます。ですが工作員としてはあまりにも‥‥それでは事態を隠蔽することが‥‥」
「石見大尉」 “大佐”の声は静かだった。「君が返すべき言葉は、了解、ではないのかね」
「‥‥りょ、了解しました‥‥」
両者共に36歳、強烈な日本至上主義者。治安維持を名目にした203連隊の進駐から5年、N◎VA軍はその役目を警察組織に譲ると一線から退き、実力行使ではなくその存在をもって災厄の街を睥睨することが多くなった。端正な容貌、マスコミでの受け答えも丁寧な和泉大佐の人気は徐々に高まり、かつては悪の象徴であったN◎VA軍のイメージも徐々に変わりつつある。
石見環大尉と和泉大佐の間の男女の関係が噂されることもあったが、それも大佐に恋人がいるとの話が発覚するまで。最近は二人の間の不仲説が囁かれ、N◎VA軍情報部の独立活動が目立つようになっていた。あれから5年、J2の氷の美貌にも流石に衰えたのか。N◎VAスポが無責任に、女として認められなかった環は嫉妬に狂ったのかと書き立てるほどだ。
敬礼して退出する石見環大尉を見送り、和泉大佐はふと呟いた。
「災厄の真実など、誰も望んではいないのだよ。過去を変えることなど、誰にも出来ないのだからな‥‥」

| 序章3:: ガンスリンガー・レディ |
+Date:: Someday of April, A.D.2103
+Lokation:: Tokyo NOVA: White Area: Nobody'z Rejidense
それはいつもの夢だった。
連続した閃光の中で、現れては消えていく幾つもの光景。夢の中の彼女は白衣をまとい、回りの者たちに指示を出していた。施設は厳重に警備され、見慣れない観測器具が並んでいる。
何を研究しているのかはいつも分からなかった。ただ何かとてつもなく恐ろしい、決して行ってはならぬ禁断の研究。
そして夢にはいつも、一人の娘が登場するのだった。ゆったりと長い黒髪、帯を結んだ和装の娘。宙に浮かび、その姿は透き通るようだったが、亡霊の類ではないのだった。
『済まない、済まなんだ、シェルヴィッツ。わらわにもっと力があれば、そなたの家族も、いや世界中の人々を救うことができたのに。だけれども、もう時間がないのじゃ。そなただけでも良い、早く逃げるのじゃ。でなければそなたは‥‥』
おかしなことに、和服の娘の姿はいつも彼女にだけ見えていた。白衣の研究員たちはその姿に気付かず、作業を続けている。
そして夢の終わりもいつも同じだった。突然響き渡る警報。赤く点滅しだす照明。和服の娘が彼女に向かい、必死に手を伸ばす。そして、すべてを消滅させる爆発の白い光が‥‥
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ノーバディ・シェルヴィッツは目を覚ました。あの夢を見るたび、“災厄”という言葉を聞くたびに疼く頭を軽く振り、頭痛を追い払う。 |
記憶のない、
そして鏡でないと見えない後ろの首筋には――謎のバーコードが皮膚に刻まれていた。連続した縦線の下に刻まれた小さな文字は、[SP JPN-00base]。JPNが日出ずる国の略だとしたら‥‥彼女の過去には何か厄介な秘密が隠されているのかもしれない。
DAKが来客を告げていた。バスローブを引っ掛けた彼女が外に出ると、人間のバイクメッセンジャーが紙の手紙をよこしていた。
部屋に戻って封筒を見ると、珍しいことに蝋で封がしてある。カムイST☆Rに本拠を構えるシリウス財団の印入りだ。
封を破って手紙を取り出すと、それは災厄終結祭への招待状だった。興味なさそうにごみ箱の方に投げようとしたノーバディは、招待者リストに並んだ名前に気付くとふとその手を止めた。
御門忍を始めとする有名人に混じって、見覚えのある名前が並んでいたのだ。マリオネットの少女トーキー、当てのない彼女の行く末を遊園地で占ってもらったことのある娘、戦場でその名を知った元傭兵の医者の青年の名が。

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ボス「さてさて何やら『月の支配者』を彷彿とさせるはたコズム溢れるエヴァっぽいシーンやお馴染み和泉大佐&環大尉がちらりと出てきたりしながら続くのだ。某稲垣玉SSSをプレイした方ならば何というかこう無常感を感じたり感じなかったりしてしまうかもしれないのう(笑)」 |
| 序章4:: 星ぼしの世界より |
+Date:: Someday of April, A.D.2103
+Lokation:: Tokyo NOVA: North West of Asakusa: Amuzement Park "twiLite"
それは不思議な光景でした。静かな星々の世界に宝石のように浮かぶ青い球体、それはわたしたちの住んでいる地球。でも写真で見たものと違い、より青く、白い雲の下に見える陸地もどこか違います。
白い陸地がある地球の下のほう、そこから突然大きな光が生まれました。破裂していく光は大地を覆い、薄青い大気圏を貫いて広がっていきます。地球の上げる声にならない悲鳴が聞こえてくるようでした。そして、震える大地は遂に‥‥
「さてと、何が見えたかな?」
気付くとここは、わたしが名を変えていつも使っている占い小屋の中。目の前には青い帽子ともじゃもじゃの髭を生やしたおじいさんが待っていました。そう、ぶらりとやってきた青の魔道師が占いをしてくれて、わたしはあの不思議な光景を見たのでした。
わたしの名は琴音=フェンデル。いちおうのハンドルは、“クリスタル・シンガー”。黄昏の遊園地twiLiteのN◎VA本園、ミリオン・ライト社中央総務部付けで働いています。 |
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制服姿の琴音が見た不思議な光景のことを話すと、災厄の街でもっとも高名な老魔術師はもっともらしく頷いた。
「“何”が見えたとしても、それはわしには預かり知らぬこと。何かの前触れかも知れぬし、ただの気紛れかもしれない。もしかしたら、お主のただの妄想、ということもあるかも知れんな」
「も、妄想だなんて、ひどいですね」
琴音が軽く憤慨すると、よく寝言を口にする老人は朗らかに笑った。
「じゃがな、世の中には知らない方が幸せということもある。特に、“真実”というのは、厄介なものじゃよ。ほっほっほっ、さて、わしはそろそろおいとましようかの」
そして、来たばかりなのに突然立ち上がると、占い小屋を後にして出てゆく。
「あっ、待ってください、青の魔道師」 琴音は慌てて追いかけると、その背に声を掛けた。
「せっかくだからお茶でも‥‥」
占いじじいは立ち止まると振り返り、その目に不敵な光を宿して会心の笑みを浮かべた。
「安心せい。もういただいたぞ」
占い小屋を振り返った琴音は愕然とした。急須と日本茶の茶碗が、お盆の上に残っているではないか。
「(わたしは、ハーブティーの準備をしたはずなのに‥‥)」
偉大なる占いじじいの力を改めて思い知った若き水晶の歌い手は、笑いながら去ってゆく老人の背中に声を掛けた。
「青の魔道師、あのヴィジョンは、何かの暗示なのでしょうか‥‥」
「さてそうかも知れぬ、そうでないかも知れぬ。当たるも八卦、当たらぬも八卦じゃ‥‥」
ホログラフの幻像に様々なアトラクション、別世界の如き遊園地の中を、老人はゆったりと散歩しながら消えていった。
「(い、いつもの去り方だわ‥‥)」
琴音は半ば感心し半ば呆れたように、その姿を見送った。辺りでは変わらずホログラフの霧が流れ、空想上の生き物の姿をとったドロイドが楽しそうに駆けていった。
だが、癒しの声と未来を見通す瞳、生命と炎の女神の加護と古の戦士の分身を操るクリスタル・シンガーは知っていた。この遊園地の中の魔法の何割かが本物であることを。
そんな琴音の元へ黄色いひよこくんが手紙を届けてくる。彼女がポニーテールを揺らして改めると、丁寧に蝋で封をされた古風な紙の封筒だった。
大事にしている母親の形見の銀の短剣を取り出すと、琴音は封を切った。中には手紙と航空券、滅多に見るものではない軌道ジェットのチャーター便の切符が入っていた。差出人には琴音のよく知る星詠み人の名が記されていた。アスタロテ、軌道とヌーヴに本拠を持つカミロ・マッティ率いる巨大企業レ・トロン・ド・ルテチア特殊環境委員の、あの星詠みのアスタロテであった。

+Date:: Someday of April, A.D.2103
+Lokation:: Earth'z Orbit: Artifisial Satellite "Stella Mute"
地球の周回軌道上に浮かぶ軌道衛星ステラミュート。レ・トロン・ド・ルテチアの所有するこの衛星はアスタロテ特殊環境委員の個人オフィスとして用いられ、虚空に浮かぶ銀の
強化ガラスで護られた広い応接室の自動ドアが開き、チャーター便ではるばる地上世界からやってきた来客の娘が緊張しながら姿を現した。
20代の娘は深い森と同じ緑の瞳、ポニーテールにまとめた白金の髪。ビジネスジャケットとスカートの仕事着に胸からは控えめなリボンが覗き、左胸には黄金の獅子が刻まれた奇妙な社章が光っている。
「わざわざ済みません、御手数を掛けてしまって。どうしてもここを離れることができなかったものですから‥‥」
琴音を出迎えたのは神秘的な雰囲気を漂わす女性のエグゼクティヴだった。異能力者に多い紫と緑の色違いの瞳、長く伸ばした銀の髪。弱冠29にしてルテチア軌道幹部の社内組織である特殊環境委員を勤めるアスタロテである。星詠みのアスタロテは星の動きから未来を見通し、また地上世界で活動するある死天使の実の姉であるとも噂されていた。
「これはこれは、アスタロテ部長。名高い星詠み人に直接お会いできるとは、光栄です」
「そんな、いつも会ってるじゃないの」
緊張しながら琴音が挨拶すると、星詠み人は軌道と地上間でよく連絡を取り合っている娘にふと微笑んだ。
「それで、こちらを見てください。“バール”、例の物を‥‥」
アスタロテの声に反応し、不意に中空にホログラフのアイコンが姿を現した。ずんぐりした胴体に8本の足、三つの球体が頭となった、直線と円のワイヤーフレームで構成された不思議な生き物である。
高性能トロンの技術力を誇るルテチアには、特殊環境委員や幹部会議を支援する72機の超高性能計画支援AI“ソロモン”が存在する。アスタロテ部長はそのうちの3体を与えられ、自らの計画にふんだんに活用していた。そして地上世界のニューロたちの間では、ルテチアという名のソロモン王に封印されたこの電子の魔神たちのうち何体かは、主の支配を離れ、広い世界のどこかに散らばっているのだとも言われていた。
フェニキアの豊穣神にして秘め事を司る魔神がフロアに触れると、応接室の床一面がスクリーンに変化した。虚空に浮かぶ地球、その中の赤道地帯、日出ずる国の端に建造された出島。
「N◎VAは見えますね。そこに因果の糸が集まろうとしています。多くの力、多くの人、多くの思いが‥‥。しかし、その結果何が起こるまでかは詠み解くことができないのです」
アスタロテは目を伏せると嘆息した。
「星々の流れが読めない‥‥こんなことは、百年来なかったことなのですが‥‥」
琴音は心配そうに眼下を見下ろした。
「因果の糸、ですか‥‥。確かに世界が傾いてから、今の星幽界の乱れはまだ収まっていないと聞きますが、何かが起ころうとしているのでしょうか」
「しかし、私はここを離れることができないのです。そこで、貴方にはN◎VAで何が起ころうとしているか、見極めて来てもらえないでしょうか?」
常人であればまったく理解できない会話。だが、電子の魔神と銀の星々の見守る応接室の中で、星詠み人と水晶の歌い手の会話は問題なく続いていた。
「星辰を見通す星詠み人にさえ見えないというなら、何かが起ころうとしているのでしょうね‥‥」
琴音は胸の護符にそっと触れると言った。
「分かりました。我々ミリオン・ライトの黄金の獅子の紋章にかけて、お引き受けしましょう」
そのまま、思わず敬礼しそうになって留まる。
「それと、貴方にこれを渡しておきます。何か困った事があったら、開けてください」
アスタロテがふと手をかざすと、虚空から小さな小箱が現れた。そのまま宙を滑り、琴音の手の中に収まる。複雑な模様と九方星の印の刻まれた箱だった。限定的ながら霊的な知覚能力を持つ琴音にも、中に強い魔力が眠っていることが感じられた。
星詠み人との会見は終わった。応接室を後に緊張を解いた琴音は強化ガラスの向こうで星々が瞬く廊下を歩きながら、ふぅとため息を漏らすのだった。

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こうさくいん「というわけで! 夢を護る魔法の遊園地からは琴音たーんが旅に出ることになったのでしゅ!ヽ(^▽^)ノ」 |

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