
〜 日、堕つる国の旅人 〜
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-日、堕つる時への道-
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| 終章1:: パンドラの箱 |
+Date:: April 29th, A.D.2103
+Lokation:: Tokyo NOVA: Hazard Konklujion Festival
災厄終結祭会場は静まり返っていた。マイクの前でしばし頭を垂れる御門忍、一斉に黙祷する群衆。その中で、異なる時の流れから舞い戻った5人だけが辺りを見回していた。
黙祷が終わると静寂が途切れ、ざわざわと会場がざわめきだす。だが、それだけだった。白い怪鳥が不吉な羽音を響かすことも、不和の女神の名を持つ災いが訪れることも、天の彼方に裁きの雷がその姿を見せることもなかった。
全てが正常な西暦2103年の世界、災厄終結祭は滞りなく進んだ。再び進み出た御門忍が、演説を始める。
【私は、今日ここで『“災厄”の真実』を明らかにしようと思います。もしかしたら、私はパンドラの箱を開けてしまう事になるかもしれません。しかし、私は信じています。ここにいる皆さんを‥‥いえ、“災厄”から生き残った人類を‥‥】
明かされた新たな真実。だが悲しみと欺瞞に満ちた過去には捕らわれず、次の100年を生きよう。過去の世界から来た自分は、日本人を含む全人類を信じる‥‥という内容だった。その演説は、同席していたマリオネットの記者、御櫛笥 来恵須の手で、世界に伝えられた。

+Date:: May, A.D.2103
+Lokation:: Tokyo NOVA: Marionet Building: Head Dr. Mita'z desk
過去からの告発者によって明かされたさらなる真実は、世界を動かした。日出ずる光の帝国が世界の中心に君臨するニューロエイジ世界においても諸外国から賠償を求める声が高まり、外相会議でも同様の決議が為された。少しずつではあったが、世界は変わるかもしれないのだ。
マリオネット本社ビル、社会部。デスクのそばでそんなニュースを眺めている二人組がある。社会部の名物部長、三田茂と、部長の娘と言っても納得されそうな歳の、真珠青の髪をダブルのポニーテールにした娘。
「これは独り言のようなものだけど‥‥、歴史を変えることはできないけど、それでも何かもっとできたんじゃないかって思うの‥‥。なら結局、世界は何か変わったのかな‥‥?」
来恵須は首を傾げると呟いた。その意味を分かったのか分からなかったのか、三田部長は答える。
「そりゃ、聞いた人が考えることだ。結論を出すのは早すぎるだろうな。意味なんてものは、歴史が語ってくれるよ」
「そっか‥‥ならあたしたちは、歴史の道標を残したってことなのかな」
来恵須は机の上に目を落とした。
「ああ。ま、分かってない連中もいるみたいだがな」
三田部長は椅子の背もたれに大きく身を任すと、古風な紙の新聞を広げた。そこには終結祭終了後も牽制の動きが目立つ、G.C.I.社の記事が載っていた。
来恵須は手元の写真を取り出した。あの時を超えた世界で、ライカの光学式カメラで撮った写真。マリオネットに残っていた現像室の設備で、なんとか現像することができた。ニューロエイジよりずいぶんとCDな街並み。 |
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| 終章2:: リターン・トゥ・イノセンス |
+Date:: May, A.D.2103
+Lokation:: Tokyo NOVA: Bousou West International Airport
災厄の街の南西にある房総南国際空港。亜軌道ジェット便の時間が迫っていた。
時空を超えることができる秋月昴はマヤカシの中でも極めて貴重な能力の持ち主であり、それゆえG.C.I.社やラングレーを始めとする北米側や日本の勢力に何らかの形で接触や介入されることもありうる。彼女はそうした圧力を避けるため、シリウス財団の保護の受けられるカムイST☆Rへ去ることとなっていた。
二人を待つクラウスは喫煙エリアへ去り、待合室には昴とノーバディが残された。悪夢の中で出会った時とも現実世界で出会った時とも同じ、和服に身を包んだ娘、砕け散った夢の中の記憶をようやく元の形にすることができた片傷のガンスリンガー。
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ノーバディは問うた。 |
ノーバディは来恵須から譲り受けた写真に目を落とした。古いカメラに収められていた映像、一堂に会した研究員たちの集合写真。まだ顔の傷もない、優秀な物理化学者だったもう一人の自分、100年前の別世界の自分の姿がノーバディの顔を見返していた。
ST☆R行きのシャトルの出発が近いことを知らせるアナウンスが、待合室に響いた。ノーバディは短く別れを告げると、星の都に去ってゆく日本人の娘を見送った。
「もうよいのか?」
「なに、もう会えなくなるというわけでもないだろう」
秋月昴は廊下を去っていった。待っていた白衣のクラウスが脇につく。
ノーバディ・シェルヴィッツは黙ってその姿を見送った。見事な肢体を包む黒のコート、すらりとした長身の体。
束の間、彼女が過去の世界から来たことを示す首の後ろのバーコードに手を這わす。今まではいつもコートの襟を立ててこの刻印を隠していたが、今の彼女は首筋を露にしていた。

| 終章3:: 時空の旅人 |
+Date:: May, A.D.2103
+Lokation:: Tokyo NOVA: Northwest of Asakusa: Amuzement Park "twiLite"
御門忍の演説は世界中に伝えられ、大きな波紋を巻き起こした。終結祭の余韻が去り、白き狼の若き族長が星の都へ帰還する日が迫っていた。
そんな最後の日、過去からの告発者は魔法の遊園地に寄っていくことになっていた。twiLiteに満ちる魔法の霧とひよこくんと機械仕掛けの幻獣たちが踊る横をしばし一巡りする。
彼女を案内したのは白金の髪を後ろでまとめ、リボンのついた制服に身を包んだ案内嬢だった。琴音の案内でベンチで一休みする。
「御門さん、ほんとうにお疲れ様でした。あんなすごい演説、大変だったと思います」
「そうね‥‥ST☆Rに帰ってからも、また忙しくなるわ」
カムイST☆Rにはシリウス財団や五つの民、族長を護る壁が厚い一方で、葛西翁率いる日本側やカーライル・シンジケートの手先など、対抗勢力も暗躍している。
「それから、ひとつだけ教えてほしいんです」
琴音は神妙な顔をして聞いた。
「御門さんは、たいへんな災いを生き抜いて、ここまで来られました。でも希望を失わなかったから、ここまで来れたんですよね。希望があったから、あれだけの偉業を成し遂げることができたんですよね」
「もちろんよ」 白き狼の族長は微笑んだ。「でも、これからだわ」
「それだけ分かれば、十分です。どうぞお気をつけて」
古の歌声の女神に護られた水晶の歌い手はにっこりとし、過去からの告発者を見送った。彼女の質問に不思議そうな顔をしながらも、やがて御門忍は去っていった。

こうして、時空を超えたわたしたちの旅は終わりました。N◎VAから軌道衛星、この世界の誰もが知らない100年前の過去の世界まで。 |
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| 終章4:: 白き世界 |
+Date:: May, A.D.2103
+Lokation:: Tokyo NOVA: Bousou West International Airport
片傷のガンスリンガーは去り、クラウスは秋月昴と共に廊下を歩いていた。護衛はもう終わりだったが、せめてシャトル直前までは、というのが彼の気持ちだった。
亜軌道ジェットのハッチに続く連絡通路の手前で、日本人の娘は振り返った。翻る艶のある黒髪、一際目を引く和装。“博士”はモノトーンの黒衣にくたびれた白衣、口には咥え煙草と、いつもの格好だった。
「ではな。こたびはいろいろと世話になった。ニューロエイジのカブトも伊達ではないのう」
「それはよかった。しかし、あいにくですが‥‥本業はこっちでしてね」
狼王という名の不和の女神を退けたカブトは、懐から紙の名刺を差し出した。そこに書かれているのはベスト・オブ・ベストのボディーガードではなく、開業医としてのクラウス・J・グノーの名だった。
「おや、そうなのか」
昴は驚いたように名刺を覗き込む。
「機会があれば訪ねてくださいな。‥‥もっとも、ST☆Rに行かれるのではN◎VAの貧乏医者には用がないでしょうが」
開業医は髪を掻いて苦笑した。
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「なに、この街はわらわも気に入っておるのじゃ。いつかまた来ることもあろう。その時は、道案内を頼むぞ?」 |
その時は地獄の大公メフィストフェレスと同じ台詞を言うことを約束し、
離陸準備を整える亜軌道シャトルを後ろに、白衣の開業医は去っていった。気の抜けたようないつもの飄々とした態度で、ゆっくりと歩いてゆく。
「あのエリスも、できることなら生きているといいんですがねェ‥‥」
夕方の国際空港と新星の街に光が点り、世界を照らしていた。
世界を巡り、悪魔の名のメスで負傷者を安らかに死なすことしかできないような戦場を渡って来たクラウスにとっては、心の中の世界は絶望と空虚な灰色に満ちていた。その灰色の世界が今、白く染まっていった。

| Travellers in the Land of Falling Sun | |
| Based Scenario made by: | Hata*Hata |
| Based Booklet will be made at: | [Circle TAKU-SHIN] for 2003 Summer? Winter? Comic Market |
| Illustrationz from: | Shugyou-san [RANDOM WALKER] |
| Extra Web Materials from: | Foreign Sites / Related Gun Foreign Fonts Sites / Oriental Fonts, Keltic dingbat etc. [幻影素材工房] / Oriental Image [ARTY BIRD] / Oriental Image |
| These Contents are made with: | Dreamweaver MX Fireworks MX |
| Powered by R I - F o u n d a t i o n And we wish your NEURO adventures! |
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こうさくいん「というわけでー。『日、堕つる国の旅人』は無事終わったのでしゅ〜ヽ(´▽`)ノ」 |
〜おまけ〜
修行さん作のイラスト原画 (+一寸のダメ)
さて今回のコンテンツは修行さんにイラストを書いてもらいました。(感謝!) そのうち秋月昴はじめゲストの分も加わるかもしれません。夏か冬に登場予定のシナリオ同人誌はきっとビジュアルも鮮やかになることでしょう。
300*300pixelで書いていただいた元絵は【RANDOM WALKER】にありますが、画質を下げて一寸ダメを加えた版も記念に置いておきまふ。
“博士”クラウス・J・グノー: |
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“スカーフェイス”ノーバディ・シェルヴィッツ: |
“ピコ・エクスプレス”御櫛笥 来恵須 |
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“クリスタル・シンガー”琴音=フェンデル: |

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