
〜 猟犬円舞曲 〜
【FLASH Trailer】【Page 1】【Page 2】
さてさて古き因習が破られ新たなる風の吹く時代。エレガントN◎VA-Dレポートここに初登場です。
メンバーはネクタイ着用(一部本当)。ひよこ総帥がワインを傾けてアクト開始を宣言し(超嘘)、円舞曲の幕がここに上がるのだぁ〜!(自棄)
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ボス「さて長編としては『日、堕つる国の旅人』以来であったな。Detonation初のエレガントN◎VAレポートの登場なのだ ( ´ー`)」 |
And
so, they appeared in the new wind blowing city .....
Handle: “ジョン・ドウ”千早 冬訝 【Profile】
Style: ハイランダー◎●, ミストレス, クロマク Age: 31 Gender: ♂
千早重工アーコロジー内ではその存在自体が抹消された人物。軌道千早の美門家一門の出であり、22本の“牙”の一人。千早アームズ重役として監査のために地上へと送りこまれた。
しかし汚れた地上の世界で彼は歪んだ欲望を完全に解放した。巧妙なデータ改竄で“存在しない人間”を作り上げ、存在を消去した人間に対し七つの大罪を重ねてきたのである。
どれほどの人間が消去されてきたのか不明、そしてあまりに危険な人間のため、SSS殺人課の女性捜査官クレア・M・スターリングの手で逮捕された後はアーコロジー地下1500mの特別監獄に捕らえられ、地上千早の手配で存在自体が抹消。クレア捜査官が引き続き事件の解明に当たることとなった。ちなみに判決結果は終身刑49回である。
Player: (はた)×弐
▼しばらくの入院から無事復活した一心不乱のはたはたさんです。さあやってしまいました。Detonationの時代になってみんな一度はユメを広げるであろう牙一族ネタ。しかも映画ファンならすぐ連想がつくハンニバル・レクター博士の世界と融合を果たしています。あのナレ龍様をして「はたはたクン、遂にやっちまったね‥‥」と諦めたように言わしめたこのドリー夢。何はともあれはたコズム!
Handle: クレア・M・スターリング 【Profile】
Style: イヌ◎, カタナ, フェイト● Age: 24 Gender: ♀
金髪に緑の瞳をしたSSS殺人課の女性捜査官。祖父の代から千早アーコロジーに住む千早人であり、たびたび表彰された優秀な捜査官だった祖父の影響と母の生活補助を受けるためにSSS入り。優秀だが頭が固く、マニュアル通りの論理的な思考に囚われる一面がある。SSS流護身術を修めている。
千早冬訝が戯れに行ったデータ改竄で父親が“存在しない人間”と変えられ殺害されそうになった時、入念な調査の末に真相に辿り着き彼を逮捕した。電脳に侵入され記憶も改竄されるはずの所が、サイバー不適合症の母親の記憶が以前のままだったためである。
ミドルネームは十字架と素手で敵軍を追い払ったキリスト教の聖人聖マルティヌスの頭文字。
Player: (はた)×弐
▼誤植ではありません。本アクトのキャストはあくまで千早冬訝、クレア捜査官がその《腹心》でプレイヤーが操る扱いになっています。表舞台に登場するのはすべてクレアという段取りです。クロマクが七つの大罪を犯した牙一族ならば、部下は何やら儚げな女性捜査官。何はともあれはたコズム!
Handle: 柳葉 和人 (やなぎば・かずと)
Style: イヌ◎, ニューロ, ミストレス● Age: 43 Gender: ♂
SSS管理官。元電脳犯罪者で検挙されずに法の目をくぐり抜けてきたが、自分の罪であった冤罪で友人が死刑にされたのを知り改心。現在の警官のあり方と電子物件を重視した判決に疑問を抱いてSSS入り。
数十年掛けて管理官の地位まで上がってきた。実際の足を使った捜査と物理的な証拠、直接の証言を重んじる。完全ウェット。シノハラ・セキュリティ・サービスのTOP、篠原朝尾総監とは長い付き合いである。
Player: NAT (NATRON)
▼アラビアに吹きすさぶ風の噂に語られる横浜の恐ろしき“十傑衆”の噂‥‥その一騎は“マイナス魔王”と称される、マイナススタイルを極めた王だ!
というわけで今回はゲストとして横浜方面で活動しているNATさんをщ(゜д゜щ)カモンカモソと御招待する運びとなりました。3尾の狐のカゲムシャ、アザーフェイスやタタリガミや白いワニの下水王など様々なマイナススタイルキャストを持つマイナス魔王ですが‥‥今回は「年経たエルダーの吸血鬼だけどSSS管理官」など他メンバーが勝手に予想していたところスタイルは全部プラスの珍しいキャストに。ウェットなのでニューロはフレーバー的という扱いです。
ちなみに中の人がアクト開始前に「ああ、エレガントな格好をしなきゃ」と深い赤のネクタイを改めて締め始めました。こ、ここにも誤解したエレガント像が!ヽ(@▽@)ノ
Handle: “ジーニアス”チャールズ
Style: イヌ◎, フェイト, タタラ● Age: 25 Gender: 眼鏡
特務警察ブラックハウンド鑑識課所属の警官。新星帝都大出身のエリートで高い知性を誇り、天才とナントカは紙一重を実証する人物。全てを予測した意味ありげな出没や全てが計算ずくの行動を好む。自称天才の眼鏡のかんちGUYで、こっそり聖美・キーファー巡査に胸キュンである。
Player: 修行さん 【RANDOM WALKER】
▼時々イラストを書いてもらったりしている修行さんもゲストとして招待する運びとなりました。SSS殺人課、SSS管理官、ハウンド機動捜査課、ハウンド鑑識課という4つの推奨導入から選んだのは鑑識課。しかも全国ウン万人(推定)の機捜課女性陣のファンと眼鏡ファンを敵に回して聖美たんにラビューンですよ。今日も好きに荒ぶった!(゚∀゚)
Handle: “星影の猟犬”静元 星也 【Profile】
Style: イヌ◎,マヤカシ,カブトワリ● Age: 26 Gender: ♂
ブラックハウンド生活安全課の若手巡査部長。鋭さを増した射撃の腕を誇り、魔剣化された拳銃に宿る至天煌(バサラ)を操る秘幽体使いの能力を持つ。入隊から数年、華々しい機捜課の影の生安課で経験も蓄え、力をつけた。生真面目で優しく、誇り高い若者であるところは変わっていない。
またしても機動捜査課の手伝いをしていた折、隊員たちは突然の人事異動に憤りをあらわにしていた。御存知千早課長が突然降任され、新たに課長として多々良史明(たたら・ふみあき)なる人物が入ってきたというのだが‥‥?
▼鋭さを増した光の弾丸は星影に佇む猟犬の手の中に‥‥ということで、はんどるも少し変わって新時代に挑む星也くんなのです。いえーい。
一般的な日本の警察(警視庁と警察庁しかありませんが/笑)の階級では巡査→巡査長→巡査部長は経験年数に従って割とふつうに上がれるようで大卒2年で巡査部長の昇任試験が受けられるようです。(試験が難しいらしいですが) 星也くんがあまり偉いのもイメージに合わないのですが、本アクトでは階級は巡査部長ということになりました。でも後で考えると五十嵐重蔵もすぐ上の警部補だし、巡査長で止めたほうが良かったかもなあw
余談ですが、フルスクラッチによるキャスト作成の経験点計算にはMana†Cryptさんの【霧之冥府】のN◎VA-DポータルにあるExcelによるフルスクラッチ作成シートを使わせていただきました。知ってる人も多いでしょうがこれはすごい便利ですね。Koeさんの【Koe's Website】でも、トーキョーN◎VA the Detonation キャスト作成シートとして同様のMacro付きExcelシートが公開されています。
Ruler: なま
▼アラビア(嘘)に吹く風の噂によると横浜国大サークルらいとぽいんたぁは“十傑衆”に対抗して“九天王”なる英傑を揃えた‥‥その一人はなま元帥だ!
というわけで今回はなまどんRLなのです。導入が全てイヌという犬づくしのイヌアクト。結末も一定でない社会派の異色シナリオです。ちなみにこのコンテンツのタイトルは『猟犬円舞曲』ですがシナリオ名は『猟犬たちの円舞曲』となっています。何はともあれ、なまぢからが炸裂!
| 序章0:: 狩りの猟犬 |
朝靄に煙るストリート。湿気が混じった靄はねっとりと辺りを多い、災厄の街から犯罪を覆い隠す。
その中を走ってくる人影があった。コートの女性である。何かから逃げ出すように必死に走る彼女は靴さえもどこかで落とし、それでも走り続ける。
響く銃声。女は倒れた。後ろから近づいてきたのは男だった。着ている上着は事件現場でよく見かけられる、民間企業警察シノハラ・セキュリティ・サービス捜査員御用達のものだった。だがその目に浮かぶ光は猟犬のものではなく、ぎらついた野犬のもの。
その手にあった小型拳銃がさらに2発。俗に“タクシー・ドライバー”と称されるものと同口径の暗殺用拳銃が、女の命を完全に奪った。無表情に死体を見つめる男はポケットロンを開き、仕事の終了を告げる。
「‥‥誇りなきイヌが、いま猟犬を狩った」
『ご苦労さん』
電話の向こうから声が響く。既に手はずは整っていた。この事実は隠蔽され、各種法執行機関もしばらくは気付くことはできない。
『舞台は整ったのだ。あとはせいぜい、舞台に上がった猟犬たちに踊ってもらおう』
通話は切れ、男は再び冷たくなってゆく死体を見下ろした。
「‥‥答えてくれ。誇りある犬は、まだこの街にいるのだろうか」
SSS捜査員御用達の専用コート。だがその背に大きくプリントされているはずの“SSS”の文字は消されていた。

| 序章1:: 猟犬の死 |
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朝のシノハラ・セキュリティ・サービス殺人課のオフィス。早朝から一人席に座り、黙々とデスクワークを続ける女性捜査官がいた。 |
「おい、聞いたかっ?!」
突然駆け込んできた同僚に、彼女は驚いて目を上げた。
「いえ、私はずっと書類を書いていたので‥‥」
続いて告げられた事実はあまりに信じがたく、クレアは絶句したのちに聞き返した。
「えっ‥‥もう一度、言ってくれますか」
殺人課の同僚だったアリッサ・紫藤の突然の死。アサクサで背後から撃たれ、絶命したのだという。
「あの一帯で、そんなに凶悪な事件はなかったはずなのに‥‥すみません、失礼します」
しばらく息を飲んでいたクレアは立ち上がり、殺人課を後にした。
| 序章2:: 疑惑の猟犬 |
時は流れ、世はまた変わった。生活の全てが電脳とより結びついた今では電脳犯罪対策はより重要になり、ストリートでは外国系マフィアの抗争が激しくなった。
ハウンド内部も同じだ‥‥細野隊長暗殺事件後の混乱の後にまたも隊長の首はすげ変わり、御堂新隊長の元で綱紀引き締めは始まっている。アサクサ出張所にいたあの人が亡くなってからも、しばらく経っていた。
でも、悪いことばかりじゃない。ハウンドには新しい隊員たちも入ってきていた。始末書の数や修理に出されるバイクの数が最近多いような気がするけど、新しい風が吹くのはいいことだ。
ぼくの名は静元星也。生活安全課所属、階級は巡査部長だ。
ブラックハウンド機動捜査課は騒然としていた。突然、見も知らぬ男性がずかずかと課内に踏み込み、唖然とする面々の間を抜けると課長室へと向かってきたのだ。年は40代、角ばった顔に眼鏡、典型的な中年男性の風貌といったところの男性である。
恐る恐る課員がその行く先を見守る中、男は課長室に入ると机から『千早冴子』と名が書かれたプレートを取り払った。
「ああ、千早警部。今日からそこは私の席でね」
その明晰な推理力で数々の事件を解決に導いてきたさすがの氷の猟犬も唖然とするしかなかった。千早冴子部長がすごすごと退席すると、男は持ってきた『多々良史明』の名の入ったプレートを机の隅に置いた。
「本日今より、特務警察ブラックハウンド機動捜査課は私の指揮下に入る。私の名は
新課長は部屋から出てくると、呆然としている機動捜査課の面々を見渡した。
「さて、隊員にはいっそう職務に励んでもらうとしよう。まずは‥‥アサクサの殺人事件の捜査でもしてもらいますかね」
課内は大騒ぎになった。誰も彼もがざわざわと話し出す。
「一体何のつもりだ!」
室内だというのにカウボーイハットを被った隊員の一人が騒ぎ出すが、新課長と一緒にやってきた部下に両脇を掴まれるとどこかへずるずると引きずられていった。
パトロールの人数が足りないために手伝いをしていた生活安全課所属の静元星也が現場にやってきた時も、混乱は続いていた。目の前で何をするわけでもなく、あっちへこっちへ行ったりきたりを繰り返しておろおろしている若い隊員がいる。ヌーヴ系の茶色のショートヘアに茶色の瞳に眼鏡が印象的な小柄な娘といえば、機動捜査課で特に一部に人気も高いオペレーター、聖美・キーファー巡査だった。
「ああ、静元さん! た、大変なんですよぉ‥‥」
「なあキーファー君。ずいぶん急だけど、何か前もって聞かされていたのかい?」 |
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| 序章3:: 法の猟犬 |
「ねぇおとーさん、今日はおみやげは?」
「ないっ! ほれ、父さんはもう仕事に行くぞ」
和やかな家庭を後に出勤する朝の風景がある。家を後に歩き出したのはSSSの柳葉和人管理官だった。若い頃は多くの電脳犯罪に手を染めた柳葉は当時から完全ウェット、ニューロのほぼ全てがIANUSや義体を使う現在でもウェットを貫いていた。非常用の銃も古めかしいR27リボルバー、電脳制御機能のないコートはいつも奥さんが洗濯し、持ち歩く装備も全て非電脳という徹底ぶりである。
沢山のクグツがそれぞれの行く先へごった返す地下のリニアステーションに入った時、彼のポケットロンが鳴った。
『今どこかね』 |
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長い付き合いである総監からの話は、今朝方起こったばかりの殺人事件に関してだった。SSS殺人課のアリッサ・紫藤捜査官が背後から撃たれて死亡。だが、特務警察ブラックハウンドから、この件には関わるなと圧力が掛けられているのだ。
「幾らなんでも、こちらの管轄にできないですかね‥‥」
発車してゆくリニアを見やりながら、柳葉管理官は言った。だが、元より逮捕権もなく毎度後手に甘んじているSSS、ハウンドに強行に捜査権を主張されている今は手が出しにくいのだという。
「何やらきな臭くなってきましたね。上の方の問題にはならないよう、調べてみましょう」
『すまんね。管理部の上の方には私から話を通しておく。君は有給休暇扱いとでもしておくよ』
早速手を回した総監の計らいで、SSS管理官には1プラチナム分のクレッドクリスが送金されていた。
| 序章4:: 才ある猟犬 |
アリッサ・紫藤殺害事件はブラックハウンドの知るところとなり、鑑識課の隊員たちは現場検証へと赴いていた。とはいえ相手は格下の請負い企業警察、多くの隊員はやる気もなく、指揮官の号令の空元気だけが響いている。
「僕は外を歩くのは好きじゃないんですけどね‥‥」
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愚痴を言いながら辺りを調べる鑑識課の面々の中で、やはり愚痴を呟きながら地面を探っている一人の眼鏡の若者がいる。 |
「上司はみんな分かってないのさ‥‥」
また一人ぶつぶつと呟きながら、チャールズは地を這っていた。身内殺しならSSSの同部署の人間が敵討ちの捜査を始めるべきなのは道理であり、ハウンド鑑識課の面々にやる気がないのもそれなりの理由はある。
その時、チャールズの眼鏡が光った。ゴミの山の中に指輪を発見したのだ。直径はちょうど女の指に合う大きさ、装身具のようだがトロン関係のデバイスにも見える。
「お〜い、何か見つかったか?」
「‥‥いえ、何も」
上司に答えると、チャールズは指輪をポケットの中に落とした。
「よ〜し、何もないようだな。はい、撤収〜!」
やる気のない声で指揮官が号令を下し、面々はよっこらせと立ち上がると現場を後にした。
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ボス「さてさてかくしてDetonation初のエレガントな犬づくしアクトは開始なのだ。序章::0では何者かが《不可触》を使い、アリッサ・紫藤殺害事件は隠蔽される。オープニングでは各キャストがそれぞれの形で事件を知るところから始まるな」 |
| 第1章:: 猟犬と咎人 |
「しかし、毎回あんたも大変だねえ」
「お好きなもんですねえ‥‥はい注意事項。金属製の物品持ち込みは原則禁止。ガラスに50cm以上近付くのは危険なので避けること。以前鼻に噛み付かれた奴が‥‥いや、ミス・スターリングには無用ですね」
太った黒人の看守の前で所定の書類にサインし、クレア・M・スターリングは開いてゆく格子の先へと歩んでいった。
トーキョーN◎VA中央区に威容を誇る千早重工アーコロジー、その住人のほとんどが知らない地下1500mに隠された特別牢獄。3重に覆われた軌道製強化クリスタルガラスと最新のセキュリティ設備の中で、存在自体を抹消された重犯罪人――“ジョン・ドゥ”こと千早冬訝がクレアを待っていた。
千早俊之の養子である牙一族の一人でありながら、汚れた地上世界で七つの大罪を犯し実に49回分の終身刑判決を受けた冬訝は、クレア自身の手で逮捕されたのだ。
「やあ。今日もいつも通りかな?」
「今は、被害者No.70、シンイチ・タナカ氏の証言を聞いていたはずです」
「何、記録どおりだよ。彼は存在しなかったのさ」
高度な知性を感じさせつつ、聞き手を煙に巻くいつもの話し方で、千早冬訝は微笑んだ。
「それより、私と君との語らいの中で、もっと聞きたいことはないかね?」
「質問に答えてください、ジョン・ドゥ」
「なに、質問は互いに1回づつの約束だよ、クレア。これを私からの質問にしようじゃないか」
いつものことだったが、クレア捜査官は千早冬訝に引き込まれ、SSS殺人課のアリッサ・紫藤が殺された事件を語った。彼女が正義感の強い、優秀な人物であったことを。
「ふむ。君とは正反対だね。君は理性で動き、彼女は感情で動いた」
ジョン・ドゥは興味深そうに話を聞いた。
「しかし、この件に関してSSSは捜査権がないのですが‥‥」
「考えられるのはひとつ。彼女は踏み入れた秘密ゆえに消されたのさ。ゆえに‥‥おっと、もう時間ではないのかね」
ジョン・ドゥの指摘通り、面会時間は終わろうとしていた。
「クレア君。事実は実際に見なければ分からない。子羊の声に耳を傾け給え――君にも期待しているよ」
いつものように面会は終わった。だが無益な訳ではなかった。牢獄の中でありながら外部の情報をどうにかして収集しており、天才的な知性を誇る千早冬訝は今までにも何度かアドバイスを寄せ、幾つかの難事件の解決に寄与しているのだ。
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ボス「さてTRPGファンの中の映画ファンの皆様なら『羊たちの沈黙』『ハンニバル』『レッド・ドラゴン』にて英国のサー付きの名優アンソニー・ホプキンスが演じたハンニバル・レクター博士を御存知の方も多かろう。千早冬訝とクレアは強くイメージソースを同作品に置いている。ていうか主人公のFBI捜査官はクラリス・スターリングだから名前もほとんど同じではないかっ(笑)」 |
ところ変わり、ここはブラックハウンド基地地下の
アリッサ・紫藤の死体は靴が脱げて脚がすりむけ、必至に殺害者から逃げた様子が見て取れる。銃弾は頭と背中、摘出された弾丸に残る
「スターリング捜査官、」 |
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柳葉和人管理官がプライベートに捜査を進めたい旨を話す。総監の命で有給休暇扱いの中、自分が真相究明の為に来たことを。 |
クレアは答え、物言わぬ死体の方を振り返った。
「‥‥アリッサ、必ず貴方の声を聞き届けてみせるわ」
アリッサ・紫藤は優秀だったが敵も多く、殺害される前はSSS管理官のひとりを調査していたという話があった。
| 第2章:: 猟犬と眼鏡 |
ハウンド鑑識課のチャールズがよく根城にしている資料室。細身の体に白衣を纏い、自分の城に彼が呼び出したのは自分と同じ眼鏡仲間のオペレーターだった。御存知、機動捜査課の聖美・キーファー巡査である。
「この事件には何か裏がある。そこで君の頭脳を買いたいのだよ」
「そんな‥‥。オペレーターの仕事もあるし、急に言われても困りますよぉ」
照明も抑え目の静かな2人だけの部屋に呼び出すというと、聖美ファンクラブの会員が何やら怒り出しそうなシチュエーションだが、そうではなかった。チャールズは現場で見つけた指輪を彼女に解析してもらおうと考えたのである。
「僕が調べてもいいんだがね。好きな子に調べさせてもいいし‥‥そして専門家の君が僕の頭に浮かんだのだよ」
対象がトロンとなると聖美の気もすぐに変わった。ざっとでいいということで早速調査に入る。果たして、事件現場で見つかった指輪は“リング=リング”という商品名で売られているものと似た、指輪型の超小型トロンだった。メモリにはアリッサ・紫藤が入力した各種のデータが格納されており、複雑さも量もそれほどではなかった。だが、プロテクトの掛かったファイルがひとつだけ存在する。
そのファイルは時間が掛かるので後でということで、キーファー巡査は抱えてきた書類をかき集めるのもそこそこに、資料室を後にしていった。
鑑識課の天才が眼鏡の余韻にしばし浸っていると、部屋の外からキーファー巡査の悲鳴とばさりと何かが落ちる音が聞こえてきた。 |
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「――――やあ、静元巡査部長」 |
「何、君を巻き込もうと思っただけだ‥‥では、第一の扉を開くとしよう」
チャールズの細く繊細な指先がトロンに伸びた。流れるように操作が進み、電子の魔法の杖が指輪の中の扉をノックする。
「(最初からひとりでやればいいのに‥‥)」
星也が見守る中、プロテクトは破られた。中に隠されていたのは、意味ありげなパスワードであった。
会心の笑みを漏らすチャールズは、ふと星也の胸ポケットに収められたサングラスに目をやった。“護法”の警察モデルである。
「サングラスがどうかしたかい」
「ところで、何故掛けないのかね」
「?! バイクでパトロールする時、目を保護するためだけど‥‥どうしてここで?」
天才以外にはまったく理解不能なやりとりの後、2人は資料室を出た。
「これで鍵は揃った。さて、次のピースを探しに行くとしましょうか」
チャールズは眼鏡を直した。見ると二人を認めた眼鏡のキーファー巡査が笑顔を浮かべている。
「ああキーファー君、じゃ」
静元星也が何気なく手を振った。その横で、ジーニアスの眼鏡がきらりと光っていた。
| 第2章:: 猟犬の食事 |
職員の食事時間が一定でないブラックハウンドの食堂は、いつもたいてい賑わっている。星也が歩いていると、遠くの方で騒ぎが起こっていた。
「くっそ〜! オレのコロッケが〜!」
唸っていたのは機動捜査課の新たな名物になりつつある必殺の“レイ・パンチ”、放っているのは星也が密かに尊敬していた、今は亡き巡査部長の養子である。
「いやー、オレの“暴走警官”の称号もヤツにやらないとなー」
「私も高速パトロール隊にいた頃はその名で鳴らしたんですけどねー」
手近の席では食事中の隊員たちが何やら感慨深げにうんうんと語り合っている。
「相変わらず元気だな‥‥」 |
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その人物は部下に時折奢ってくれる機捜課の千早冴子警部でもなく生安課の五十嵐重蔵警部補でもなく、機捜課新課長の多々良史明だった。
冷たいコーヒーを一口ゆっくりと喉に流し込むと、多々良課長は冷ややかな目で星也を見た。
「私も課長だ。一人一人の隊員のなすことにいちいち口を挟むつもりもないが、君はこんなところでぼけっと突っ立って一体何をしてるのだね?」
「‥‥いえ、何も」
「ではすみやかに職務に戻りたまえ。ブラックハウンドが果たすべき職務は幾らでもある」
「‥‥‥‥」
星也がじっと堪えていると、二人の背後から何やら美味しそうな匂いが漂ってきた。味噌の匂いに二人が同時に振り返ると、二人の視線の真ん前の席で、あらかじめ計算されていたかの如く悠然と味噌ラーメンを食べている人物がいた。誰あろう、湯気に自慢の眼鏡を若干曇らせたチャールズである。
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「君は」 |
無味乾燥なやりとりの後、多々良真課長は二人の警官を一瞥するとさっさと歩き去っていった。後には星也とチャールズ、そして美味しそうな匂いを漂わす味噌ラーメンだけが残された。
「‥‥なんだか、君とはよく会うね」
「いや、ここの味噌は絶品ですよ」
訝る星也に一般には“絶品”までの評価はされていない食堂のラーメンの感想をもらし、チャールズは平然と食事を終える。二人がしばらく食堂にいると、多々良課長の消えた方向から近づいてくるコートの男性がいた。
「おうい、そこの二人!」
SSS管理官の柳葉和人である。星也もチャールズも前に仕事で会ったことのある人物だった。
「やあ。こちらも内々に動きたいのでね。手はずも整った」
柳葉管理官が事情を話す。
「ぼくが主任捜査に? 補佐だったはずなのに‥‥?」
どこで行き違ったのか、当初と違う話に星也が首を傾げる。
「ところで君たち」手帳をしまった柳葉管理官が尋ねる。 |
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柳葉管理官のポケットロンには早速様々な情報が送られてくる。家で子供に教わったのか、見事な片手打ちでキーを叩き、何本か電話を掛けると、年配の人間に愛用者が多い古風な非電脳仕様のコートを翻して管理官は去っていった。
「さすが、腕は衰えていないようだ‥‥」
チャールズが勝手に納得し、その後姿に眼鏡を直す。
見送っていた星也は改めて鑑識課の自称天才の後輩を眺めると、両手を腰に当てた。
「それからチャールズ君。年上の人間と話す時は、あまり失礼な口を利かない方がいい」
「これは失礼しました」 チャールズは慇懃無礼に答えると眼鏡を直す。「以後、気をつけます」
「‥‥ぼくにじゃないよ」 星也は思わず声を大きくした。「あの柳葉さんにだよ!」
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こうさくいん「出ました新時代ブラックハウンド! 変革の時代に吹くのは百合の風でしゅよ〜新時代に挑むにはまず『マリみて』をチェックでしゅ。機動捜査課は『冴子様がみてる』のでしゅ〜(>ω< )」 |
| 第3章:: 猟犬と長 |
コートを脱ぎ、居ずまいを正したSSS柳葉和人管理官、そして控えめに立つクレア・M・スターリング捜査官。ブラックハウンド隊長室に挨拶に来た二人は、この部屋の主を前にしていた。
「このたびは、隊長ご就任おめでとうございます」
「あら。お祝いにしてはずいぶん遅いのではなくて?」
「いえ、これは別件ですから」
棘のある冷徹な女の声を、柳葉が軽くかわす。縁なしの眼鏡を軽く直し、天敵でもあるSSS管理官を見やったのはハウンド新隊長の御堂茜だった。頭の上で結い上げた黒髪、30代後半の女性に相応しい落ち着いた物腰。
かつてのブラックハウンドの名物だった御堂三姉妹の長女、優秀なオペレーター兼オメガ隊長の秘書。藤咲竜二や牙王が若手だった頃の隊員たちの憧れの的だった年上美人。だがM○●N基地が津波に飲み込まれた後、N◎VAに帰ってきた彼女は稲垣機関員の一員と化していた。新隊長になってからの手腕も目覚ましく、隊長暗殺事件後の混乱も手早く収拾している。
彼女が変わり果てたことには様々な憶測が囁かれていた。理由があって稲垣司政官の愛人となっているのだとも、前夫のさる探偵との間に設けた一人娘を人質にされているのだとも。
「‥‥それで今回の殺害事件の捜査権の件ですが、どうにも意味が汲み取れなくて伺いに来たのですが」
「現在の体制で十分捜査は行えると思いますが」
新隊長の声は冷たかった。
「とはいえ、今のままではいろいろと軋轢が生じるのですよ。ウチのモチベーションも配慮いただけるとありがたい。ここはひとつ、合同捜査はいかがでしょうかね」
「あくまでブラックハウンドが捜査権を保持します」
食い下がる柳葉管理官にも、御堂茜隊長は冷静だが断固として答えた。
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「あの、ちょっと、よろしいですか」 |
「あら、だったらどうしたらいいのかしら?」
一歩前に出た若い金髪のSSS女性捜査官を、御堂茜隊長は眼鏡を直して微笑むと検分するように眺め渡した。
まあまあ、と柳葉管理官が女同士の火花を散らす二人を宥め、話題を変える。
「担当になる巡査たちは優秀です、大丈夫でしょう。ところで――機動捜査課の課長が、ずいぶん急に変わったようですが」
その話を聞くと、御堂茜隊長は謎めいた微笑を見せた。
「千早冴子は確かに優秀ですが、いかんせん機動捜査課を私物化し過ぎました。正当な裁定が下ったのよ。‥‥あの課についても、今後見直しを進めます」
隊長室を辞した二人は、廊下を歩いていた。 |
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ボス「新生ブラックハウンドの隊長となった御堂茜についてはDではまだあまり触れられていないが、RのSSS追加パーソナリティーで今は稲垣機関に身を寄せていることが語られている。オフィシャルの展開では時代の変遷を感じさせるために故意に有名ゲストの設定に変化を持たせているため、彼女もその対象となってしまったわけなのだ」 |
| 第4章:: 猟犬の顔 |
再び、威容を誇る千早重工アーコロジー地下1500m。クレア・M・スターリング捜査官はまたもや、存在を消去された重犯罪人を前にしていた。
「次は被害者No.73 カトウ・コバヤシ氏についてですが‥‥」
「クレア君。君は、もっと知りたいことがあるのだろう」
書類から目を上げると、千早冬訝の茶色の瞳がクレアの心を見透かすように見つめていた。
決心したクレアは事実を話した。殺害されたアリッサ・紫藤捜査官が死の直前に調査していたのは、SSS管理官の唐橋涼子という女性だった。
「もう真実は見えているじゃないか」
七つの大罪を犯した牙一族の一人はくつくつと笑った。読書も、トロンでの外部アクセスも日単位で制限されているのに、この男は何故か外世界の様々な情報に詳しいのだ。
「しかし、それを言っても君は信じるのかが問題だね。――まあ、君を惑わすのはやめよう。意地悪に思われたくないしね」
そして千早冬訝は、現場に行くようクレアに助言を下した。
「子羊の声だよ、クレア。君は現場でその何かを感じたのかい? まだなら、そこへ赴くことだ」
「分かりました」
クレアは真摯な顔で頷いた。49回の終身刑を受けた
「君のその真面目な顔も好きだよ、クレア。だが――私を逮捕した時の顔が一番好きだ」
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ボス「さて2回目となるクレアの恥さらしシーンだ。千早冬訝は<※隠れバディ>でリサーチを行い、クレアに情報は渡さずに現場に行くよう助言している。そして《天罰》を《ファイト!》としてさらに使用しているな。 |
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