Demon comes, plays the Flute - 悪魔来たりて笛を吹く

〜 悪魔来たりて笛を吹く 〜

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-ミシェル学園案内図-


 ごきげん‥‥(ゲフンゲフン) いやそうではなく、さてさて古き因習が破られ新たなる風の吹くDetonationの時代。エレガントN◎VA-Dレポートまたまた登場です。今回は初の学園もののようですが‥‥


こうさくいん「いえーでしゅー。ひよこ様とミシェル様のお庭からごきげんようでしゅよ〜ヽ(´▽`)ノ」
ボス「 さて今回も特別ゲストを交えてお送りするエレガントなのだ。だが、しかし‥‥いくら参考文献に載っているからとはいえ‥‥ガ ク リ _| ̄|○」
こうさくいん「しかもキャスト/ゲストあわせ男性は世良神父ほぼ一人のみ! 乙女のバイブル、お嬢様のときめきストーリーにれっつらGOでしゅ!O(≧∇≦o)」



And so, they appeared in the St.Michelle High School .....

Handle: “ブラッドベリー”河村円華(かわむら・まどか)
Style: マネキン◎●, カタナ, カゲ Age: 15 Gender:
 斑鳩にある真教系ミッションスクール、聖ミシェル学園に正体を隠して通う女子学生。ワンレングスの髪に深紅の髪留め、十字架のブローチを肌身離さず身に着けている。極度の潔癖症と冷徹さを隠し普段はお嬢様として振舞っている。
 聞いた人間の心の奥底の衝動を突き動かすことのできる特殊な波形が混じった声を持ち、その力を見抜いた真教浄化派に拉致され、暗殺者として仕込まれた。幼い頃の家族の記憶一切が抜け落ちているが、信頼できる暗殺者の兄妹たち――“カレイドスケープ”がいるために寂しくはない。刃を手に取ることは既に恐れなくなっているものの、戦士としてはいまだ及ばない点が多い。
Player: 九龍
▼最近けなし言葉を誉め言葉にするのが一部で流行っているのですが。ハシタナーイ三人衆の一人、自らのプレイをもハシタナーイと評する自給自足のナレリュウ様ですよ!
 PC1は年齢が12〜18、浄化派の洗脳戦士という設定がつくため、シナリオに合わせて新造となりました。親しい人には一人称も「僕」、典型的なナレ世界的娘キャラがここに見参。まさにハシタナーイ!

Handle: “DragonVoice”リュネ 【Profile
Style: カブキ◎, ニューロ, ヒルコ● Age: 外見16 Gender:
 チハヤ・ミュージック・エンターテイメントで売り出し中のロックシンガー“DragonVoice”。顔も出さずコンサートもしない、反逆者の象徴であるドラゴンのアイコンでウェブ上にのみ現れる正体不明のカブキ。アマデウスの再来だともAIだとも人間ではないとも言われている。
 その正体は対人恐怖症のヒルコの娘であった。親に捨てられ、変異器官アンブロシアで美味となった血を売ってストリートで生計を立てていた。ファーストアルバム<S◎UL EATER>がヒットした今も否定されるのを恐れ、正体を完全にを隠してウェブ上でのみ反逆の歌を歌い続ける。
 CMEの敏腕プロデューサー佐村和哉からの仕事は、人材発掘が目的で聖ミシェル学園の聖歌隊を取材することだった。月の名を持つヒルコの娘は恐れながら学園に赴くが‥‥?
Player: なま
▼前作『人馬協奏曲』も好評だった、ハシタナーイ三人衆のなま元帥です。その頃はしばらくRLが続いてPLやらせろ一揆ゲージが満タン状態でしたが、最近は豪華客船に何度も行ったり秘伝書を探しに来た女の子を守ったりその他たくさんのアクトでPLが続いたので収まりました。
 メディア系指定のPC4に現れたのは引き篭もり型ニューロ能力を備えた正体不明のロッカー。なにやら『人馬協奏曲』に出てきたヒロインのガブレーラの系譜を引いているようです。ハシタナーイ!

Handle: “祝福された木偶(でく)”虎伏 世良(こぶし・せら)
Style: ハイランダー◎, チャクラ, カゲムシャ● Age: 外見は20代半ば Gender:
 かつてはフリーランスのカゲムシャ。奇跡を起こす能力を持つことを聖母殿のエージェントに認定され、氷の宮殿の奥深くに秘せられた秘密組織の一員となった。一見して狂信的なまでに敬虔な真教徒だが信仰を偽っており、神は信じているがそれが真教の神ではないと感じている。
 黒に白と水色を配した真教の礼服、鏡のような冷たい瞳を眼鏡の奥に隠した神父。その身を完全義体としており、擬似人格を用いた潜入捜査を得意とする。フルボーグ専用の格闘術と僧服の中に隠された武器をもって戦う。
 聖母殿にありしソフィア・クリスティー枢機卿の密命を受け、浄化派による救世教会襲撃事件を解明すべく災厄の街に降り立った。
Player: 帽子屋 【グラホパ
▼さァ第二回OFF会も無事に終わり、東京は東村山で活動しているグラホパーズのワカモノの皆さん、見てますか? ついにヘッドがエレガントを侵蝕ですよ?(ニヤリング)
 めでたく早稲田受験も終わってハッピーになったので招待の運びとなりました。聖母殿エージェントが必要なのでこちらもキャスト新造に。Dの時代になってますます擬似キリスト教的キャラがやりやすくなった真教関係。眼鏡神父ここに現る!

Handle:金龍(ジンロン)の瞳の”ミア・ウェイ 【Profile
Style: フェイト◎, カブトワリ, バサラ● Age: 23 Gender:
 中華街で探偵事務所を営む若い女探偵。叔父である中華街の名士トニー・ウェイに銃の手ほどきを受け、独り立ちすると探偵業を開業。一時期LU$Tにいたが世の混乱と共にN◎VA戻ってきた。典型的な東洋系の顔立ちをした黒髪の女性。
 物質透過と念動力の異能力を持ち、古代の風神の靴と共に重力を無視した体術を操り、二挺拳銃の弾丸の軌道を自在に変えて戦う。探偵を始めた頃世話になった恩師、築嶋晃一朗がその途上で命を落とした事件を追い、物語に巻き込まれるが‥‥
▼逆に最近RLが続いてPLをやらせろ一揆ゲージが満ちているぽっくんです。
ふっふっふ。PC2の調査系導入に入るのは二世キャラ(子供じゃないけど)のトニーおじさんの姪なのです。なにやら本日はハシタナイ人たちが揃ってるようですが、ぼ、ぼきゅはフツーなので(ゴニョゴニョゴニョ)


Ruler: (はた)×弐
▼ハシタナーイ3人衆のひとり、一心不乱のはたどんどんです。最近キャラの妄想がどんどんレッド・ゾヲンに近づいています。
今回のシナリオはプレイした多くの人が

「RLのはたはたさん、どうかと思うなー」

 と虚空を見つめながらコメントした、遂にやってしまったシナリオ。ハシタナーイ!


 アクトには参考文献としてナレリュウ様が映画『英雄』のDVDを持ってきました。
 というわけでぽっくんもおまけのサインを持ってきました。ギア・アンティークのCDドラマ『紅玉の少女』エルフィナ役、N◎VA-Rの『ナイフ・エッジ』のジェム役、最近はアニメ『マリア様がみてる』の福沢祐巳役の植田加奈さんのサインでーす。
 ジツはこの方は上記CDドラマ発売を機に2001年のGFコン in 白浜イベントにいらっしゃっていたので、不肖わたくしめがRLを務めてN◎VAを遊んだことがあるのです。(有 名 に な る 前 の 話 で す が ネ ! 笑)
 
 
 
 
 




Demon comes, plays the Flute - 悪魔来たりて笛を吹く

〜 悪魔来たりて笛を吹く 〜


 ミトラスE△EN。旧世界では南極と呼ばれていた大陸最大の都市。
 その事件が起こったのは3年前の6月26日だった。
 小さき者たちが忽然と姿を消した。朝の公園で、昼下がりの遊園地で、夕暮れの交差点で。警察機構の捜査の結果判明した行方不明者の合計は、実に130人に達していた。
 後になって保護された被害者の証言はみなばらばらだった。ある子は笛の音を聞いたのだと。ある子は夢を見たのだと。ある子は誰かに来るように言われたのだと。悪魔の笛の音に誘われて、半数の子はその後も永遠に帰ってこなかった。



+序章1+ 聖ミシェルの贈り物


 トーキョーN◎VA、斑鳩にある聖ミシェル学園。真教系ミッションスクールの学園は今年で創立20周年、新興の部類に入るとはいえ既にその名は名門として名高く、娘たちをここで学ばせることは上流階級の人間にとってステータス・シンボルとなっていた。
 全寮制で全生徒数約5000人、初等部から高等部までの一貫教育。厳しい規律と充実した教育内容、それに見合う高額の学費。入学者はみな淑女としてのたしなみと豊かな教養を身につけ、そして卒業していく。軌道ステーションから災厄の街に降り立った純粋培養のお嬢様、北米連合からやってきた金髪のお嬢様たちも多い。制服は胸にスカーフをあしらったブラウスにブレザー。スカートのプリーツは乱さないように、伸ばしたスカーフを翻したりしないように、ゆっくりと歩くのがここでのたしなみだった。もちろん、遅刻ぎりぎりで走っていくような、はしたない生徒などほとんどいない。

 学園中央にある噴水広場。四方には秋の訪れを告げる銀杏並木の道が続き、噴水の中央には学園の名の由来ともなっている聖ミシェルの像が立っている。災厄後の荒廃した世界で救世主と共に人々を救った聖人の一人である聖ミシェル。人々を希望に導いたフルートを口に当て、瞑想するように目を閉じたその姿は、さながら遥か昔の中世にありし吟遊詩人(トルバドール)のようでもあった。

  河村円華 - 紅の中天使、ブラッドベリー

 放課後の傍らのベンチでは、そんな純粋培養のお嬢様のひとりが優雅に詩集のページを手繰っていた。高等部一年、河村円華(かわむら・まどか)。ワンレングスに長く伸ばした黒髪、それを止める深紅の髪留め。ミシェル学園生の常として胸元に肌身離さず身につけているのは十字架のブローチ。
 記憶に空白を持ち、幼い頃から真教の施設で育った円華には過去がなかった。だがそれも円華にとっては大きな問題ではなかった。共に学び共に心を分かち合う姉妹(スール)たち、“ブラッドベリー”の名を持つ彼女と共に、真教浄化派の聖なる暗殺者として戦う“カレイドスケープ”の同志たちがいるのだから。

Blood Berry - ブラッドベリー

 ふと詩集を手繰る手を止め、消えてしまった過去に思いを馳せていると、その前に長身の人影が現れた。
「円華、そんな浮かない顔をしてどうしたんだい? ほら、スカーフが曲がっているじゃないか」
「お姉さま‥‥」
 高等部3年、セシル・ルクレール。男たちにも並ぶ170cmの長身、ショートに揃えた薄い金の髪、フランス系の凛々しい風貌を持つ美丈夫。学園高等部の生徒会長を務める彼女は下級生からの人気も高く、学園一の美人を決めるミス・ミシェル・コンテストでは、番外編のミスターを選ぶならNo.1にとの呼び声も高い。

セシル・ルクレール - 黄の大天使  

「生徒会の一員である君がそんなでは、示しがつかないな。生徒たちが何かあったのかと思ってしまうよ」
「いえ、夕陽が目に染みただけでございます」
 同時にセシルは円華にとっての(グラン・スール)“黄の大天使”(グラン・アンジュ・ジューヌ)であった。姉妹(スール)の契りを結んだ上級生が下級生を指導する姉妹制度はここ聖ミシェル学園の伝統でもあり、その起源は災厄以前に遡るとも言われていた。
「また詩集を読んでいるのだね。どうだね、感想は?」
「ええ、薔薇を摘み取るような気分ですわ」
 二人が優雅にそんなことを話していると、とたとたと駆けてくる足音がある。高等部とは細部が異なる中等部の特待生の制服、二人に比べるとずいぶん低い背。赤い髪に大きなリボン、まだまだあどけない顔立ち。

  楊・フランシス - 紅の小天使

「お姉さまー! はあ、はぁ‥‥いたいた、黄の大天使(グラン・アンジュ・ジューヌ)さま、赤の中天使(ジュネス・アンジュ・ルージュ)さま、ごきげんよう。もう探しちゃいましたよぉー」
「駄目よ、あれほど走ってはいけないと決められているじゃない」
 中等部2年、(ヤン)・フランシス。別名、赤の小天使(プティ・アンジュ・ルージュ)。姉妹制度では妹にもそのまた妹がいる――まだ幼いフランシスは円華にとって、誰よりも可愛い(プティ・スール)だった。

 フランシスが持ってきたのは最近生徒たちの間でひそかに流れているニュースのひとつ、ケーキの美味しい喫茶店の情報だった。学園からさほど離れていない大通りにある喫茶店“エトワール”が今、とても美味しいというのだ。
「あたしたちも行ってみましょうよぉ、お姉さまぁ」
「どうなさいます、お姉さま」
 フランシスをなだめ、円華は背後の姉を振り返った。
「駄目よ。許可のない外出は禁止だって、校則で決まっているだろう」
 生徒会長であるセシル・ルクレールの言葉は予想通りだった。まどかはかがむと、フランシスの耳に囁いた。
「後で二人だけで行きましょう。いい、ロビーに6時に集合よ」
 末の妹は顔を輝かせ、上の姉は怪訝な顔をする。“星”(エトワール)という言葉を聞いた瞬間、円華の頭の中で何かが駆け巡り、胸の奥が軋んだ。思い出すことのできない断片的な映像、繋がることのないパズルのピースが光り、消えていく。だが時折起こる現象を河村円華は頭を振って追い払った。
「それでは、ごきげんよう」
「ごきげんよう」


ボス「な ん て 突 っ 込 み 放 題 の オ ー プ ニ ン グ な の だ  _| ̄|○」
こうさくいん「遂にこの時が来たのでしゅ!(☆w☆) エレガント初の学園物! はたこずむ全開のマリみてぱわーも全開で行くのでしゅよ〜o(≧▽≦)9゛」
ボス「そんなことでハッスルするなぁぁ。・゚・(ノД`)・゚ ・。 気を取り直してゲストの説明でもせよ」
こうさくいん「ラジャーでしゅー。円華たんのグラン・スールのセシル・ルクレールは18歳、カタナ◎●。生徒会長だけど実は“カレイドスコープ”と呼ばれるゴニョゴニョの一員。剣の達人ではたコズムへの偵察によるとセーラーウラノスみたいな人らしいのでしゅ。きっとマリみてだと支倉令さま相当でしゅね!(☆w☆)」
ボス「そんな相当があるかぁぁぁ。というわけで特殊な設定が付加されるPC1の河村円華は新造と相成ったのだ」
こうさくいん「ちゃんとプティ・スールもいるのでしゅよー。妹ゲストの楊・フランシスは中等部の14歳、ペルソナはマネキン◎。やっぱりゴニョゴニョの一員なのでしゅ。大きいリボンも完備して年下の女の子の備える属性をみんな持ってて全方位対応可能なのでしゅ! 修行する人のイラストも『日、堕つる国の旅人』の来恵須たん以上に最強でしゅよ〜ちょっとドジだからきっと裕巳ちゃん相当が入っているでしゅね!(☆w☆)」
ボス「そんな最強はいらんわぁぁ。読んでいるだけでハズカシイ読者諸兄も多いだろう。いやむしろ頼むハズカシイと思ってくれ。ハズカシイからもう先に行くぞ (;´Д`)ノ」
こうさくいん「円華たんはお嬢様お嬢様してるからきっと祥子さま相当あたりでしゅねー。それではごきげんようでしゅよ〜ヽ(´▽`)ノ」



+序章2+ 金龍の娘


 喫茶店“エトワール”は新麻布十番街にある。素性の悪い男たちも集まるカジノ“フリーダム”もそれほど遠くないところにあったが、この店は常に静かな雰囲気を湛えた喫茶店として人気が高く、N◎VAを根城とするフェイトやトーキーには人気の高い店だった。マスターのアルバート・谷村は物静かに客たちに接し、各界のさまざまな情報に通じている。

 テーブルを囲んでいるのは二人の男女。一心に分厚い調査ファイルを調べ続ける日系人の壮年男性と、その向い側で茶を飲む黒髪の若い娘。同じ東洋系だが慣れた人がよく見れば、こちらは中国系なのが分かっただろう。
 父と娘にしてはいささか不釣合いなこの二人組は、元ブラックハウンドの敏腕探偵、築嶋晃一朗(つきしま・こういちろう)と、彼の弟子に近い形で探偵の技を学んでいたミア・ウェイだった。
「築島さん、少し休んだら?」
「いや、もう少しなんだ‥‥。SSSから借りてきた全失踪事件の調査ファイルだ。藁にもすがるようなものだが、全部調べれば何か分かるかもな‥‥」
 ミアが声を掛けると、築嶋晃一朗はファイルをめくり続けながら答えた。分厚いファイルにはNOVAで起こった過去の行方不明事件の情報全てが収められている。6年前に失踪事件で愛娘を失っている彼は、膨大な情報の中に隠された事実を捜し求めていた。
「それで、その行方不明事件の中に、中華街の人間はいるのかい?」
 ホンコンHEAVENからN◎VA中華街に渡り、LU$Tの中華街で一時期バウンティ・ハンターを務めた後に戻ってきたミアにとっては、中華街はそれ自体が家のようなものだった。
「いや‥‥チャイナタウンの人間はほとんどいないな。だいたい、SSSもそこまで深くは調べないよ」
「そうだよね」 ミアは嘆息するように軽く肩を竦めた。「企業警察なんて、そんなもんだよね」
 調べものが終わったのか、調査ファイルをぱたんと閉じた築嶋晃一朗は、突然身を乗り出すと娘を見つめた。
「ところでミア。お前、“真実”って何だと思う」
 急に言われてぎょっとしたミアは目を白黒させた。世話になった叔父たちに頼らない自立した女になるべく努力はしているものの、ミアは銃の腕はともかく探偵としてはまだ半人前だった。
「えっ‥‥。それは‥‥。あたしたちフェイトがみんな、捜し求めるものじゃ、ないんですか」
「ふふ、お前もまだまだだな」
 築嶋晃一朗は苦笑した。
「だいたい、あたしたちが相手にしたのはそんなの話にならない悪いヤツばっかりだったじゃないですか」
 ミアは口を尖らせた。「この前も結局はあたしの銃で撃ち合うことになったし、あの時は築嶋さんにも怒られたし、うちの叔父さんにもまた怒られたし‥‥」
 渋い顔をしていた叔父の顔を思い出し、ミアは顔をしかめた。ホテルとその一階の料理店が有名な“赤鶴飯店”(チョフォファンティエン)を営む叔父のトニー・ウェイは近隣でも名の高い名士であり、ミアも銃の扱い方を始め様々なことを学んだ。だが、女の身でありながら危険なことによく首を突っ込むミアに、叔父はあまりよい顔をしていない。
 そんなことを話し、また苦笑され、しばしあって二人は別れた。勘定を済ませた築嶋晃一朗探偵はミアと馴染みのマスターに手を振ると、“エトワール”のドアの鐘を響かせて去っていく。
「その事件ファイルはしばらくお前に預けておくよ。じゃあ、またな」
 それが、築嶋晃一朗を見た最期の姿だった。

 “エトワール”のドアにつけられた鐘がからんと鳴り、客がまた一人入ってきた。女の中では比較的上背のあるすらりとした長身、体に合ったデニムジャケットに白のストレートパンツ。きつめの目鼻立ちに黒髪の典型的な東洋系の容貌。異能力を発揮する時は金龍(ジンロン)の瞳の色を帯びる目と、同じ色の耳飾り。
 あれから3年、23になったミアも中華街で探偵事務所を開くようになった。だがあの夜を最後に築嶋晃一朗は多量のアルコールを帯びた溺死体で発見され、行方不明事件の謎を追う者はもういなくなっていた。

ミア・ウェイ - 金龍の瞳  

「これはミアさん。やっと来てくださいましたね」
「やあ、マスター。あんまり、ここには来る気に‥‥ならなくてね」
 マスターのアルバート・谷村に浮かない顔で答え、ミアは席に着こうとした。
「実は、ずっと築嶋さんから預かっているものがありましてね」
「えっ? あたしに??」
 驚くミアの元へ、マスターは2冊の本を大事そうに持ってきた。一冊は旧世界の三大宗教のひとつであったキリスト教の新約聖書。もう一冊は、ニューロエイジの世界宗教となった真教の聖書。
 本にはあちこちに付箋や書き込み、下線がつけられていた。ふと見た付箋のひとつにメモが書いてある。
『求めよ、さらば与えられん。たずねよ、さらば見出だせん。門を叩け、さらば開かれん。すべてを求むるものは得、たずぬる者は見出だし、門を叩く者は開かるるなり』

「あたしに、信者になれって言うわけじゃなさそうだしね‥‥」
 何やらいわくありげな2冊の本に目を落とすと、ミアはそっとその表紙をなぞった。

Jin-Ron's Eye - 金龍の瞳



+序章3+ 黒竜の娘


 電脳空間を駆ける一匹の漆黒の竜がいる。首輪で繋がれたドラゴンは反逆のしるし、正体不明の超人気ロッカー“DragonVoice”のしるし。
 現実世界ではヒルコである自分の正体をひたすら隠し、人と触れずに生きていくしかなかった少女リュネも、電脳空間でだけは自由に飛び回ることができた。
 3年前、ミトラスE△ENでわずか1夜のうちに130人もの子供が行方不明になった事件はウェブ上でも話題になっていた。旧世界の遥か昔の伝説になぞらえ、それを“ハーメルンの笛吹き事件”と名付けたのもリュネであった。
 体内器官をマシンとして稼動し、彼女の視覚に送られる仮想的なスクリーンに、簡易チャットのウィンドウが会話許可を求めるシグナルと共に開いた。
『やあ。ちょっといいかい?』
 写ったのは眼鏡の青年だった。日系人だが染めた髪も目もブラウン、肌も白く、いかにもメディア上で受けそうな日系人離れした繊細な容貌。細い顎に手をやるとリュネの返事を待っている。

『よかった。佐村さん、でしたか‥‥』
 対人恐怖症のリュネは相手が知っている人物であることに安心し、対話を許可した。“ソウル・フィクサー”こと佐村和哉。 ZEPHYR を始めとして手がけたアーチストはことごとくミリオン・ヒットを叩き出すという伝説を成し遂げたCMEの敏腕プロデューサー。まだ電脳技術が今ほど進んでいなかった頃は、当時の音楽界で最先端のエレクトリカルサウンドで一世を風靡した3人組ユニットのキーボード担当であった彼は、一代目のアマデウスなのだとも言われていた。ファーストアルバム『S◎UL EATER』が予想外の大ヒットを飛ばした正体不明のロッカーガール“DragonVoice”、リュネのもうひとつの姿をプロデュースしたのも彼である。
『やあ。今度の仕事だけど、実は君に新人発掘の手伝いをしてほしいんだ。年から言っても、君が一番似合うしね』
『歌とかじゃ、ないんですか‥‥』
 送られてきた画像データが自動で再生し、銀杏並木の舞う小道の奥にたたずむ清楚な学園を映し出した。斑鳩にある有名な聖ミシェル学園。ミッション系スクールの常として課外活動の中には聖歌隊もあった。かなりの代物と見えるパイプオルガンからは荘厳な音色が響き、管楽器からは低い伴奏が漏れる。ゆったりした揃いの礼服を着た聖歌隊の少女たちは澄んだ声で救世母の慈愛を讃え、それはすべての真教徒の魂を、いや真教徒でない者、人ではない者の魂をも揺さぶるものであった。リュネは聖歌隊の少女たちの中に、ふと何かの既視感(デジャ・ビュ)を感じた。
『きれい、ですね‥‥』
『さすがはリュネだね。そう、彼女たちの歌には(ソウル)が宿っているのが僕にも分かる。囁くんだよ、僕の中のゴーストが』
 敏腕プロデューサーの指示は、この学園の聖歌隊を取材し、育ちそうな人物がいたらスカウト候補として絞ってくることだった。
『人がたくさんいるところですか‥‥』
 呟くリュネの元へ、何重ものセキュリティを施したセーフハウスのDAKと通信した生体トロンがメッセージを表示してきた。敏腕プロデューサーは手配を既に終えていた。身長156のリュネに合わせた聖ミシェル学園高等部の制服、偽造された身分と学生証、制式のかばんに教科書、必要なものが全て、直通の宅配便でたった今届けられてきた。

  リュネ - DragonVoice

『その子たちが興味を持つようにすれば、よいのですか‥‥』
『ああ。ミッションスクールだけあってお堅くってね。CMEから直というわけにはいかないんだ。
 アマデウスのCDもおまけに持っていくといい。きっといい話題づくりになるよ』
『はい。学校は初めてなので、楽しみです』
 大海のような青い髪をしたヒルコの少女は控えめに微笑むと、準備を始めた。

Dragon Voice - 竜の声



+序章4+ MURDER CLUB


 教会のあちこちからは既に火の手が上がり、人の体が焼かれる鼻につく匂いが夜風に混じっていた。

 突如発生した真教浄化派による救世教会襲撃事件。知らせを受けた虎伏世良(こぶせ・せら)神父が礼拝堂に駆け込んだ時は、既に全てが終わっていた。

 黒一色の地味な神父服に白と水色を配した真教の礼服に、冷たい鏡のような瞳に温和の仮面(ペルソナ)を被せる眼鏡。聖母殿で製造された 完全義体 (フルボディ・リプレイスメント)にフルボーグ専用の格闘術を修めた戦闘司祭の神父。
 義体と影武者(カゲムシャ)の本性がまとう幾重もの仮面をかなぐり捨て、神父はただ一夜でこれだけの殺戮をもたらした邪教徒の姿を探し求めた。

虎伏世良 - 祝福された木偶  

 累々と横たわる死体の中で立っていたのは修道服姿の三人の娘だった。真教のシンボルでもある十字架を配した血塗られた十字剣を構えた、髪を短く切った長身の娘。巨大なハンドガンを両手に下げた赤い髪のちびの少女。3人目の娘は黒髪の日系人で――銀の短剣を手に呆然と立っていた。
 赤い髪のあどけない少女は、世良神父の姿を認めるとにっこりと微笑んだ。
「あら、お姉さまぁ。まだ生き残りがいたみたいですよ?」
「天に仇なす邪教徒めが‥‥ッ」
 “祝福された木偶(でく)”は神敵の姿を認め、光らない瞳の代わりに眼鏡を光らすと三人の下へ大股で歩んでゆく。
「ねぇお姉さまぁ、今度は、あたしが狩ってもいいですか? さっきは、お姉さまたちばかり殺してたじゃないですか♪」
 軍用の巨大な銃を持ったその少女は、まだ不満な様子で残りの二人に許可を求めている。
「駄目だ。もう時間がない。行くぞ!」
「えー?! そんなぁ‥‥」
 その身に奇跡の能力があることを秘蹟管理局にも認定された世良神父の手に、どこからともなく断罪の剣が現れた。
「容易にこの私を狩れるとは思うなよ‥‥邪教徒!」
 だが神父服が翻り、邪教徒を細切れにするべく剣が縦横に振るわれる前に、長身の娘が何事か唱えると一同の頭上で轟音が響いたではないか。
 天窓を突き破って降ってきたのは無数の十字架だった。礼拝堂をまるごと破壊する勢いで雨のように降ってくる。
 世良神父が一瞬たじろいだ隙に、修道服姿の三人の娘は身を翻した。赤い髪の少女が世良の横を行き過ぎつつ、去り際に撃ち込んだ弾丸が世良神父の頬の脇をかすめていく。対妖物用の弾丸が床に映る世良神父の影を撃ち抜き、神父はまったく動けなかった。
「仕方ないなー。じゃ、もしまた生きてたらまた会いましょ? Au Voir(オー・ヴォワー)
 このような場所ではなく、学校の制服でも着ていれば、それはきっと愛らしい少女の微笑みだったのだろう。だが異端思想に穢れた邪教徒の少女はそのあどけない笑みを最後に姿を消した。崩れた礼拝堂の天井が頭上から降ってくる。
「やってくれるな‥‥」
 そのまま、虎伏世良の視界は闇に閉ざされた。

Dominus tecum est. - 主は汝と共にまします


 世良神父が目を覚まして起き上がると、そこは見知らぬ場所のベッドの上だった。
「二度目はないぞ、邪教徒めが‥‥」
 脳さえ無事であれば、完全義体は生身よりも遥かに重度の衝撃に耐えられる。体が無事なのを確認し、部屋を見渡した時。そこには見舞い客の緋衣の麗人が神父の目覚めを待っていた。
 教皇(ポープ)の次に最高位にある枢機卿(カーディナル)であることを表わす、旧世界のカトリックに習った深い赤の豪奢な法衣。細かな刺繍の施された同色の帽子。硬質の美貌と冬の女王のような威厳をまとった女枢機卿は、弱冠25にして聖母殿の数々の秘密組織を束ねるソフィア・クリスティーその人だった。
 ソフィア枢機卿は毅然とした態度、厳しい人柄で知られ、真教のお膝元でさえも陰では“鋼鉄の女”と揶揄されている。だが、彼女なくしては、浄化派との決別が起こった惨劇の夜より致命的な打撃を被った聖母殿は、今日まで真教の見えざる剣としてその命脈を保つことはできなかったのだ。
「申し訳ありません」
 世良神父が頭を下げると、枢機卿はベッドにそのままいるように手で示した。
「あの事件についてはよく分かっていません‥‥。同胞たちが現場に駆けつけ、あなたを助けた時は既に祭りの後‥‥邪教徒が去った後だったのです」
「私が見たのは、少女の影でした」 苦々しげに世良が言う。
「まさか‥‥いえ」
 豪奢な金髪を揺らし、枢機卿はその横顔に憂いを湛えて顔を背けた。世良が尋ねると、ソフィア枢機卿は聖母殿内で最近密かに語られている噂を話した。真教内の宗派としては急進派の聖ミシェル派に属していたロカトール・エーレンフィスト司教、真教N◎VAモスクの司教も勤め、慈善事業や学校経営で知られる司教が、司教という高位にありながら浄化派と繋がりがあるのではないかとの疑いを掛けられているという。
「なんとも汚らわしい‥‥。私にも、なかなかに看破できぬ状況です」
 あの礼拝堂で出会った三人の邪教徒の姿を思い出し、世良神父も歯軋りする。
「体の方は大丈夫ですか」
「いえ、神の加護は私の元にあります」
 気遣う枢機卿を制し、祝福された木偶(でく)はベッドから降りた。生身を捨て去り、ブラウン・ジョブと同等の性能を持つ義体を我が身とした虎伏世良には、常人ならば死んでおかしくない大事故も邪教徒の刀傷程度に等しい。
 神父服を着ない略式ではあったが、世良神父は改めて緋衣の枢機卿の前にひざまずくと、頭を垂れた。
「神敵に対する私に、加護あらんことを」
「ええ‥‥氷と救世母の加護あらんことを」


こうさくいん「ミアねえさんは過去シーンが入ってごきげんよう。ヒロインのリュネたんもいよいよ学園に向かってごきげんよう。オープニングも進んでいくでしゅよ〜」
ボス「うむうむ。ここでミア・ウェイと築嶋晃一朗が話している喫茶店“エトワール”はリアルスペースだとN◎VA-DのP38に載っているので実際のアクトで使った方もいることだろう。マスターのアルバート谷村は45歳、ミストレス,フェイト,クグツのゲストということになっていたな。
 CMEの佐村和哉はオーガニゼーションにちらりと載っている。実際のシナリオではR時代のカブキSSSに出てくるので記憶のある方もおられるだろう。最近は推奨スタイルに滅多に載らないこともあり、こういう芸能界のキャストはそれほど見かけなくなったな」
こうさくいん「宿命の戦士アリゲーターが大ハッスルでしゅよ〜(笑) 佐村プロデューサーは元が100%小室哲哉でしゅね!(☆∀☆)」
ボス「んんんー(笑) そして4人目のオープニングは本日の特別ゲストが中の人になっている世良神父であるぞよ。ここで登場している三人の邪教徒の娘の正体はまあゴニョゴニョなわけだが、いずれ分かるだろう」
こうさくいん「なんと萌え度の高い邪教徒でしゅか!ヽ(@▽@)ノ セシルお姉さまがいきなり《天変地異》で教会を壊し。フランシスたんは去り際に《不可知》状態から抵抗不能の<射撃><※影縫い>に<※一目惚れ>でしゅよー。世良神父も14歳の女の子に一目惚れでしゅよーこれは犯罪に近いでしゅ〜(*/∇\*)キャッ」
ボス「Σ( ̄口 ̄;) だからまだ正体はゴニョゴニョだって言ってるではないかぁぁぁ。そして神父が目を覚ますと枢機卿猊下の前となるのであった」
こうさくいん「をを。ソフィア枢機卿様が自ら!(☆w☆)」
ボス「真教はD時代になって都合の悪い設定がいくらか黒歴史に葬られてますます擬似キリスト教ぽくなった。まあ神父やシスターもリアルスペースの日本のエンターテイメント作品にはよく登場するし、そうした風味のキャストを演じる際には開き直ってこれくらいの設定の方が遊びやすいのかもしれない」
こうさくいん「ヒミツだけどー。眼鏡神父の世良の外見モデルもゴニョゴニョが入っているでしゅからね〜ヽ(´▽`)ノ」
ボス「(ギク)そ、そそそそれは言わない約束ではないか。まあ昔からよく言われていたが退魔局13課は漫画『ヘルシング』のイスカリオテ機関がイメージソースなのだろう。鋼鉄の女ソフィア枢機卿については詳細はいまだ不明だが、今後出てくることもあろう」
こうさくいん「ぜんぜん不明じゃないでしゅよー。トリブラのカテリーナ様に脳内変換すれば全てオッケイでしゅよ〜(´∀`)b」
ボス「Σ( ̄□ ̄lll) な、な、なんて恐ろしいことを言うのだっ。そういうことを口走ると異端改宗局がきっと抹殺しに来るぞ(((((;゜д゜)))))」
こうさくいん「ちゃんとエステルたんもいるでしゅからね〜。それではれっつらゴーのごきげんようでしゅーヽ(´▽`)ノ」



+序章5+ 天使たちの宴


 時はしばし遡り、救世教会襲撃より一時間ほど前。
人の目から隠された場所で、神の意志による浄化の戦いに赴かんとする神の戦士たちが集っていた。
 修道服姿の河村円華の前にいたのは、“空色の笛”の名を持つロカトール・エーレンフィスト司教だった。その地位を表わす法衣、黒髪に空色の瞳の30代の女性。世界的に有名なフルート奏者でもある彼女はその名の通り、十字のしるしを身に携え、その名に色を頂く力ある能天使(パワーズ)であった。

  ロカトール・エーレンフィスト司教 - 能天使“空色の笛”

「貴方の果たすべき使命は分かりますか、河村円華」
「え‥‥?」
 司教は微笑んだ。
「今日のイニシエーションが過ぎれば、貴方にも名が与えられます。見事使命を果たした暁には“ブラッドベリー”の名、今度こそ与えましょう」
 穏やかに、司教はイニシエーションの内容を説明した。この大地と同程度に穢れてしまった元同胞。世界を癒す氷をおなじく崇めながら、その真実の声を聞くことのできぬ愚かな者たち。
 そんな者たちが集う偽りの教会をこれから征伐し、神の意志の代行者である我らの力を示すという。

 円華はうなずき、頭を垂れた。
「はい‥‥氷と聖母の加護あらんことを」
「ええ。貴方には救世母とこの私の加護があります」
「はい、“空色の笛”さま」


 真教スラム救世教会は炎に包まれていた。能天使“空色の笛”率いる神の戦士たちは愚かな元同胞たちを次々と血祭りに上げ、教会に火を放っていった。
「どうして‥‥どうしてこんなことを! 人の心を持つ者ならば、どうしてこんな所業ができるというのです」
 教会で預かっている孤児だろうか、小さな子供を庇ったシスター服の老女が地面に倒れ、近づいてくる神の戦士たちにおののく。炎を背に近付いてくる襲撃者たちが10代の少女ばかりであったのは、老シスターをさらに驚愕させた。
「その年で何故こんなことを‥‥あなたたちは人の子なの? 家族はいるのですか?」
「家族? もちろんおりますわ。大事な家族との誓いです」
 焔を照り返す銀の短剣を手に河村円華は無表情に告げると、共に誓い合った妹の方を見やった。
「あなたのような異端でも、聖母様は救ってくださいます‥‥ねえ、フランシス」
「はい、お姉さま。時間がないから、お姉さまが殺らないなら、あたしが殺っちゃいますね〜? この人たち、どんな色の血をしているんだろう‥‥」
 楊・フランシスは大好きな姉にあどけなく微笑むと、少女の手には不釣合いな巨大な銃を老婆に向けた。
「どうして、どうして‥‥あぁ!」
 プティ・スールの赤の小天使(プティ・アンジュ・ルージュ)は凄惨な笑みを浮かべ、何回も引き金を引いた。
 妹の顔から背後の焔に目を向けた円華は、またしても強烈な頭痛と吐き気に襲われた。崩れ落ちてゆく教会に重なるように、見たことのない、だが見覚えのあるような映像の断片が現れては消え、彼女の頭の中をかき乱してゆく。両親の声、友人の声、響く笛の音。視界が赤く染まり、意識が途切れる。円華はフランシスの声でようやく我に返った。

Blood Berry - ブラッドベリー


 極彩色のネオンに彩られた東京新星市の月の光は淡い。だが今宵この部屋の中を照らすのは、青白い月明かりと燭台の蝋燭の炎だけであった。
 葡萄酒で満たされた杯が置かれた机に集っているのは、4人の男女だった。
「スラムの救世教会の方に聖母殿の使徒が現れたそうですね」
 長身のブロンドの男性が問う。この場所が似合わない、大きな体に活力をみなぎらせた超巨大企業のエグゼクティヴといった風情の眼鏡の男性。誰あろう、躍進を続けるテラウェア・コーポレーション最高経営責任者にして、世界の浄化の果てに真の理想郷を求める“金の蜘蛛”(ゴールデンスパイダー)だった。
「情報が漏れたのはこちらの落ち度ね。途中で刺客を差し向けたのだけど、撃ち漏らしがあったみたい」
 ブラウンの髪をしたすらりとした細身の女性が答える。その白い右手の甲に刻まれているのは(スティンガー)の刺青、ストリートの闇深くで誰もが声を潜めてその名を呼ぶフィクサー本人であることを表わすしるしだった。
「イニシエーションを兼ねるのはよいが‥‥。そのせいで聖母殿に気取られてしまっては、元も子もないのではないかね」
 老練な獣のような雰囲気を内に秘めた銀髪の壮年男性が静かに答える。かつて多くの能天使たちにその技を教え、警察機構の追跡の手から未だに逃れ続けている銀の狼、浄化派重鎮のロクサールであった。

「ならばいっそ、聖母殿ごと潰せばよいだけのことです。わたくしたちの“カレイドスケープ”は、聖母殿の使徒どもになぞ遅れはとりません」
 司教服をまとった黒髪の女性が静かに答える。卓上には空色のフルートが置かれていた。
「確かに今回の作戦指揮は“空色の笛”、お前だったな。ならば任せるとしよう」

ロカトール・エーレンフィスト司教 - 能天使“空色の笛”  

 4人の能天使(パワーズ)たちは立ち上がった。電脳聖母事件によりゲオルグ・ハウスホーファー大司教は無念の最期を遂げ、同志たちの心の拠点であったヨコハマ大聖堂(カテドラル)は警察に接収された。その後しばらくの間、真教浄化派はなりを潜めたように見えていた‥‥だがそれは、表の世界での話だった。メディアに報道されない影の事件で特務警察は見えない戦いを続けていたし、能天使たちは水面下で活動していた。真の浄化の刻を目指し、信者たちは今しばらくは胎動の時と堪え、準備に勤しんでいたのである。
 四つの杯が掲げられ、四つの声が揃った。天使たちの掲げる杯は薄蒼い月の光に鈍く輝いた。
「我らに氷の加護のあらんことを‥‥かくあれかし(エイメン)


こうさくいん「をを! 浄化派の生き残りオールスタァ勢揃いでしゅね!(☆w☆)」
ボス「ゲオルグ大司教が無念の最期を遂げたが、彼らはまだ真の浄化の時を待っているのだ。順に解説せよ」
こうさくいん「ラジャーでしゅー。ビル・ゲイツちんの“魂の兄弟”(うそ)のウィリアム・多聞は知っての通り。刺青の女性は“白い針”スティンガー様で最近はカゲムシャ疑惑が持ち上がっているのでしゅ! “銀の狼”ロクサール教官は古株ながら未だに名前が出ているだけでどんな人なのか不明なのでしゅ。
 そして最後が現在作戦指揮をとっている“空色の笛”ロカトール・エーレンフィスト司教。このシナリオのゲストなのでしゅよー。聖母殿が潰せるとか怖いことを言ってるでしゅ〜(((( ;゚Д゚)))」
ボス「カゲムシャ疑惑というと最近はマイケル・グローリーにも掛かっていたな。双子の姉ラトーヤたちはどこへ行ったのか‥‥(笑) まあファンの方は好きに妄想するがよい。そろそろハンドルに使う色のネタが尽きてきたような感があるが、これからも何かの機会に浄化派の皆々様はまだ敵役で出てくるだろう」
こうさくいん「ロカトールさまは空色の人でしゅね! これはもしかしてスカイブルーの人の親戚でしゅか〜レイヴン二刀流で大ハッスルでしゅよ〜 (*´∀`)=3」
ボス「Σ( ̄◇ ̄;) な、なんてマイナーなキャラを上げるのだ。そもそも電脳聖母事件で死んでいるではないか。
 さてテラウェア・ナンバーズの“02”メドゥーサも真教教会と繋がりがあるので、Dシリーズの節目の時期にラスボスっぽく出てくるのはおそらく確実だろうな」
こうさくいん「最近の真教系キャラといえば。やはり機動捜査課に加わったメモリたんでしゅね! ファンサイドならやっぱりミュート様でしゅよ〜o(≧▽≦)9゛」
ボス「うむ。メモリ巡査は何でもかんでも『主はこう仰いました』とウソ格言を繋げればいいからゲストで出すのもきっと楽だな ( ´ー`)」
こうさくいん「何でもかんでも死神との約定のせいにするのと同じぐらい楽でしゅね〜ヽ(´▽`)ノ」
ボス「Σ( ̄□ ̄lll) な、なんじゃそりゃああ。さて本編が開始するぞよ」



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