Demon comes, plays the Flute - 悪魔来たりて笛を吹く

〜 悪魔来たりて笛を吹く 〜

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-ミシェル学園案内図-



+第8章+ BALANCE OF POWER


 滅多に部外者の入らない聖ミシェル学園の背の高い門の脇に、二人の客が訪れていた。黒が基調の神父服に青と白を配した、どこからどう見ても温和な神父に見える20代半ばの男性。その横に控えている、爽やかな白系統のジャケットを着たすらりとした若い娘‥‥といっても、学園の女生徒たちから見れば年上の女性。二人の姿を目撃した生徒から既に噂が伝わり始めていた。
 偽造IDの身元を書き換えて門をくぐった虎布世良神父とミア・ウェイである。二人は相談の末、転任してきた神学の先生とその助手という触れ込みで聖ミシェル学園に潜入することにしたのだ。
 二人の前では眼鏡を掛けた老シスターが、分厚い書類の他にも丁寧に口頭で注意事項を伝えていた。
「よろしいですか、聖ミシェル学園は厳しい規律を守ってきた伝統ある学園です。当校の生徒とくれぐれも何かの間違いなどあってはなりません。万が一、万が一ですが、生徒に手を出すなどもってのほかです。そのような罰当たりには聖ミシェル様から必ずや‥‥」

 影武者の本性が持つ擬似人格の仮面でどこからどう見ても温和な神父の雰囲気をまとっていた世良神父は、やんわりと遮った。
「ご安心を。私は、それを正す立場にあるのですから」
「‥‥そ、そうでしたわね。虎伏神父でしたら安心ですわね」
 老シスターは袖で口を覆うと慌てて取り繕った。
「もう、私ったら‥‥殿方がこの学園にいらっしゃるのは、久しぶりなんですの。オホホホ」

虎伏世良 - 祝福された木偶  
  ミア・ウェイ - 金龍の瞳

「ええ‥‥では行きましょうか、ウェイ君」
 完璧に温和な神父の笑みを浮かべると、邪教徒を追い求める聖母殿の刺客はにっこりと後ろの助手を振り返った。
「え、ええ、先生!」
 口を開くとぼろが出そうなので黙って笑いを堪えていたミアも、精一杯の愛想笑いを浮かべると後へ続く。

 シスターに学園内を案内された二人は、理事長室で書類を書いていたロカトール理事長のところへも通された。
 黒髪に空色の瞳をした30代の女性、救世母のような慈愛と包容力を湛えた穏やかなロカトール・エーレンフィスト司教。机の脇には彼女が愛用しているフルートが立て掛けられていた。
「これはこれは、ようこそいらっしゃいました」
 温和な神父の仮面の下で眼鏡が光り、世良神父の眼力が司教の正体を看破する。極めて強い結びつきを持った部下の誰か、あるいは何かがそばにいること。司教自身も電脳関係の製作技術に強いこと。ミア・ウェイもただ黙り、恩師の仇の姿を見つめる。

 だが仮面の下の真意は向こうも同じだった。二人が敵意があってこの学園に来たことをすでに見破っているかのように、ことさらに丁寧に話しかける。
「これも救世母の思し召しです‥‥どうぞよろしく」
 互いに仮面の下を看破し合っている神敵同士は、一礼して理事長室を辞した。

ロカトール・エーレンフィスト司教 - 能天使“空色の笛”  
Dominus tecum est. - 主は汝と共にまします

こうさくいん「遂に!オトナ二人組も聖ミシェル学園に潜入でしゅね!(☆w☆)」
ボス「第3章の中華街で偽造IDを作ってもらうシーンで、ミア・ウェイは<社会:中華街>でエースを出している。ということで好きにやることになったのだが、中の人たちはいろいろ相談の末、最後は神学の先生&助手という無難な線に落ち着いたのだ」
こうさくいん「他にも案はいろいろあったのでしゅよー。神父様が歴史の先生で助手も無理やりシスター服とか。ミアねえさんは体術に優れてるので体育の先生とか。むしろジャージとか。ミアねえさんが高等部女子の制服を着てちょっと大きなお姉さん、世良神父も高等部女子の制服を着て明らかにオカシイ変態お姉さんとか。むしろジャージではなく黄色いトラックスーツでユマ・サーマンするとか。(*´▽`).。oO」
ボス「Σ( ̄口 ̄;) どんどんダメになっていくではないかぁ。そして二人はロカトール理事長の前にも通される。またも世良神父の<※慧眼>パワーが光ってスタイルも完全看破するのだが‥‥」
こうさくいん「“空色の笛”さまもミストレスの<※共感>を使ってきたのでしゅ。意識下への質問は『この学園に敵意があって来たのか』。二人ともガゼン『Yes』なのでしゅよ〜(@△@)」



+第9章+ FLASH POINT


 どこの世界でも女の噂話は一番早く伝わるものであり、聖ミシェル学園の乙女たちの間でも同じだった。神学にも詳しい博識の神父は眼鏡を掛けた温和そうな若い殿方で、若い中国系の助手は拳法も嗜んでいるすらりとした凛々しい女性だという話は学校中に広まっていた。

 世良神父とミアが銀杏並木の中を歩いていると、生徒たちがやってきた。ワンレングスの長い黒髪を髪留めで止めた、いかにもお嬢様然とした生徒は高等部一年の河村円華だ。つい最近転校してきた青い髪の少女、佐村リュネもいる。
「ごきげんよう、先生がた」
 円華が一礼すると、温和そうな殿方の神父は笑顔を浮かべ、よどみなく答えた。
「ここは大変よい学校ですね。生徒の質も非常に高い」
「そうですわね、世良神父」 生徒会の一員である円華は優雅に答えた。
「厳しい規律の中で立派な人間を育てるのが、この学園の目的ですから」
 辺りに人影がないことを確認してから、神学の先生の助手は円華に近づいた。
「まどか‥‥河村円華くんだね」
「よくわたくしの名をご存知ですわね」
 背の高い黒髪の女性の姿に一瞬既視感(デジャ・ヴ)を感じながら、円華は答えた。ミアと目配せをした世良神父は、桜の木の下に身を退いている。
「ここに来る前に、調べておいたんだ。相手にする生徒のことをね」
 銀杏の葉が舞っていた。肩に掛かった黒髪を払いながら、ミアは続けた。
「ところで、昔は? ミシェル学園に入る前は何をしていたんだい?」
 河村円華は突然の頭痛に襲われた。たびたび起こる現象だった。試しに読んだものの本によると、こうした突発的な頭痛や吐き気は、洗脳を受けた人間に現れる症状だと書いてあった。
「5歳の時から、修道院にいました。父も母も死んでしまったので‥‥」
 広場でパンくずをついばんでいる鳩の群れが円華の目に入った。鳩の群れと、鳩の好きな白コートのおねえさんの記憶として覚えている何かが、円華の頭の中を走って消えた。
「じゃあ、寂しいことも多かったんだろうね」
「いえ、私には、いつも姉妹(スール)たちがいましたから‥‥」
 ミア・ウェイは少女の目を見ながら言った。
「お父さんやお母さんのことは覚えてないのかい?」
「ええ。覚えていません‥‥」
 またも円華は頭痛に襲われた。何かとても大切な情景が、頭の中を駆け巡って消えた。
「ウェイ先生は、ご両親はおいでなんですか?」
 話題を変えた円華に、ミアは意外そうな顔をすると答えた。
「あたしかい? あたしも、父親を早く亡くしたからね。大昔の中国では師父(シーフー)って言い方をするんだけど、世話になった人が二人いるんだ」
「二人‥‥?」
「一人はあたしの叔父さんで、銃‥‥いや、いろいろなことを教えてくれた」
 中華街の名士の姪っ娘は慌てて言い直した。「もう一人は探偵の先生だ。築島晃一郎という名だ」
 円華の反応を見つつ、ミア・ウェイはさらに歩み寄った。
「築島晃一郎という名に覚えはないかい、まどかくん。君は本当に河村円華なのかい。築島まどかという名に聞き覚えは?」

  河村円華 - 紅の中天使、ブラッドベリー

 女探偵は女物のトレンチコートの内からポケットロンを取り出すと、聖書の中に隠されていた父の肉声を再生させた。
「いえ、でも、この声は‥‥?!」
 まったく聞き覚えのない声だった。円華は混乱してあとずさった。割れたステンドグラスのように、頭の中に様々な情景が渦巻いていた。父のこと、母のこと、たまに遊びにきた白コートのお姉さんのこと、何故か飛んでいる鳩。

「まどかくん。君は覚えていなくても、このミア・ウェイの金龍(ジンロン)の瞳は覚えているよ」
 築島まどかは糸の切れた人形のように、ふらりと気を失った。ミアがその体を支え、自分の胸に抱き寄せると低く呟く。
「――思い出すんだ。まどか」

ミア・ウェイ - 金龍の瞳  


 腕を組み、反り気味のポーズで肩だけを桜の木に寄りかからせた世良神父は、黙って見守っていた。その眼鏡だけが光る中で、21羽の鳩が広場から飛び立っていった。

Jin-Ron's Eye - 金龍の瞳



+第10章+ DEAD ZONE


 砕けたステンドグラスはひとつになり、築島まどかの記憶は辻褄の合う連続したものになっていた。ずっと教会の施設で育ち、浄化派の聖なる戦士として聖ミシェル学園に入学した人生の中で、抜け落ちた部分が全て元通りに塞がった。

 記憶の中で、河村円華はロカトール・エーレンフィスト司教の前に控えていた。礼服姿の司教は手にフルートを携え、救世母のような微笑みを湛え、新たなる戦士を祝福していた。
「よくぞ試練に耐えました、河村円華」
「はい‥‥これも聖母さまのお導きです」
「力を伸ばし、年を経ればいずれは貴方も能天使(パワーズ)となれましょう。ですがまずは最後の儀式の後に、“万華鏡”(カレイドスケープ)の一員となってもらいます。浄化の意志を担う戦士となるには、手順が必要ですから」
「もちろんです、“空色の笛”さま」
 河村円華は司教に導かれるままに、最後の儀式の地へと赴いた。

 そこは木更津湖のほとりだった。ロカトール司教の手下の手で準備は整えられていた。一本のロープで縛られ、空中から逆さに吊られた男性が湖面の上で揺れていた。アルコールと薬物を注射され、生贄は既に意識が混濁した状態となっていた。生贄の名は築島晃一郎。河村円華が選ばれし神の戦士となるため、消去しなければならない穢れた記憶だった。
「まどか‥‥まどかなのか?」
 朦朧とした中はゆっくり近づいてくる娘の姿を認めた父は、必死に声を上げた。
「さあ、ロープをお切りなさい、河村円華。わたくしたちは病んだ世界を浄化するため、氷の意志に選ばれた神の戦士。過去の呪縛を断ち切ったその時こそ、貴方は生まれ変わり、わたくしたちの同胞となるのです」
 司教の静かな声が背後から響く。河村円華は訓練された暗殺者の本性を露にすると、桟橋の上で銀の短剣を抜いた。
「――残念ですが、私はあなたの知っているまどかではありません」
 一動作でロープを切り裂く。生贄は水しぶきを上げて湖の中へと落ちていった。
 肉体の自由を奪われ、さらにアルコールを体内に帯びた人間が冷たい水の中で生存できる時間は短い。だが父は精一杯運命に抵抗し、必死に水中から頭を出すと川岸に向かって呼びかけた。
「お前はまどか‥‥築島まどかだっ!」
 しばらく水面がざわめいた後、築島晃一郎の姿はごぼごぼという音と共に水中に沈んでいった。しばらくは水面に上がってきた泡が、やがて途絶える。

 真教浄化派能天使、“空色の笛”ことロカトール司教は恍惚に似た表情を浮かべ、無表情に水面を見つめる新たなる神の戦士に祝福の言葉を与えた。
「よくぞ過去の呪縛を断ち切りました。今から貴方は“万華鏡”(カレイドスケープ)の一員となります。たった今より浄化の色をその名に、“血の華”( ブラッドベリー )の名を名乗りなさい」
「ありがたき幸せです‥‥“空色の笛”さま」

ロカトール・エーレンフィスト司教 - 能天使“空色の笛”  
Blood Berry - ブラッドベリー

 愛娘のまどかが失踪してから長く勤めたブラックハウンドを辞職し、敏腕探偵として腕を振るっていた築島晃一郎の人生は幕を閉じた。司教の手配で酔っ払って湖に飛び込んだとの証言が浮浪者から出され、表の世界では溺死と記録された。
 処刑の記憶は砕かれたステンドグラスのように粉々にされ、河村円華の記憶の中では決して思い返されることのない闇に葬られていたのだった。



+第11章+ いとしき歳月

 同級生だという佐村リュネが介抱し、気を失った築島まどかはベンチに寝かされていた。
「だめーっ!!」
 悪夢のような記憶から目覚めたまどかは大声を上げて飛び起き、呆然と我に返る。
「思い出した?」
 立ったまま彼女の目覚めを待っていたミアが、控えめに声を掛ける。
「パパが‥‥パパが‥‥!!」

河村円華 - 紅の中天使、ブラッドベリー  

 築島まどかは自分の両手を見つめ、言葉を失った。
「きみは大事な忘れ物をしていたんだ。ずっと昔から‥‥。もう何年も、何年も探したよ」
 築島晃一朗の遺志を継いだ女探偵は、哀しげに首を振った。
 泣き出すまどかの前に世良神父はひざまずくと、胸から下げた十字架に触れた。
「忘れた方がいい過去もある。だが、思い出したからこそ価値を持つ過去もある」 神父は厳かに言った。
「悔い改めなさい。さすれば救われる」
「神父さま‥‥」
 まどかはその手を取った。聖母殿からやってきた黒衣の神父は温和な笑みを浮かべると、十字架をその手に握らせた。

Dominus tecum est. - 主は汝と共にまします

 だがそこで異変が起こった。校庭のベンチにいる彼らの周りで突如、全ての音が消失したのだ。あらゆる音から断絶され、自らの心拍や義体の作動音だけが世界の音となって数瞬。
 どこからか笛の音が響いてきた。美しいような哀しいような、魂の奥底に影響する不思議な音色。一堂は意識を失ってしまった。

  虎伏世良 - 祝福された木偶

 気がついた世良神父とミア・ウェイが辺りを見渡し、ベンチにいた佐村リュネが同級生の姿を探した時。築島まどかの姿だけが忽然と消えていた。彼女だけが消えてしまっていたのだ。
 笛の音の出所はおおよそ分かっていた。ロカトール司教が携えていたあの空色のフルートである。
「邪教徒共の巣窟に、子羊を戻すわけにはいかぬ」
 世良神父は眼鏡を直すと、姿の見えぬ神敵の姿を探し求めた。

「羊かどうかは分からないけど、それには賛成だ。あたしも行くよ」
 デニムジャケットの腰の裏に隠された拳銃に手を振れ、ミアも頷く。
「‥‥笛‥‥。‥‥歌を、歌わせる、つもり‥‥なの?」
 まどかを介抱していた、青い髪の大人しそうな少女が問う。
「話せば、長くなるんだけどね‥‥」
 ミアは少女に言った。
「ところできみ、同級生?」

ミア・ウェイ - 金龍の瞳  

「えと、クラスメートですけど‥‥」
 少女は佐村リュネと名乗った。聞けば世良神父と何やら顔見知りのようだが、二人ともあまり話そうとしない。
 それもそのはず、リュネが神父と出会ったのは正体不明のロッカーガールとしてデビューする以前であった。稀少なアンブロシア器官と同じく人にとって非常な美味であった自分の血を売り、ストリートでなんとか生計を立てていたリュネは神父に施しを与えられたのだった。災厄の街でヒルコである正体を隠し、過酷な生を生きていた辛い過去の記憶は、思い出したいものではない。
「わたしに分かるのは、この学園の歌は泣いているということです」
 リュネは近くのDAK端末に行くと、どこに小型トロンを携えていたのか端子を繋いでキーを叩くとイントロンした。見る間に聖ミシェル学園の見取り図が立体映像として現れ、まどかのいる場所が光点で示される。教会の礼拝堂だった。そして彼女のほかにも3つの光点が光っていた。
 頷きあった虎伏世良神父とミア・ウェイは行く手を礼拝堂に定めた。神敵の討伐、師父の仇に、今度こそ決着がつく。
 と、足を速めようとした二人の横に突如立体映像のイメージが現れた。現れたのはデフォルメされた黒い竜のアイコン、首には鉄の首輪がついている。
『では君たちと一緒に行かせてもらおう』
 二人がもっと音楽に詳しくロックが好きであれば、それが“DragonVoice”の1stアルバム『S◎UL EATER』のジャケットに登場するドラゴンだと分かっただろう。
「きみ‥‥さっきの‥‥あの子? ずいぶん印象違うね‥‥」

  リュネ - DragonVoice

 目を丸くしたミアがホログラフを指差して問いかけると、少女とドラゴンの両方が頷いた。印象が違うと言われて怯みながら、少女が控えめに口を開く。
「あのままじゃ、何も、出来ないから‥‥。‥‥否定するために、歌うのも」
 そして黒き竜が、主とは対照的な力強い声で言った。
『幸せな過去、捨ててはいけないモノ。DragonVoiceはそれを否定するモノを否定する』

Dragon Voice - 竜の声

ボス「さあいよいよ急転直下のクライマックス間近だ。ようやく河村円華とコンタクトできたミアの《真実》が炸裂、彼女はついに築島まどかとしての記憶を取り戻す。ちなみに世良神父は、その間ずっと桜の木に寄りかかってJoJo立ちして待っていたぞ(笑)」
こうさくいん「中の人にインタビュゥしたところJoJoの27巻でポルナレフに向かって拍手するDio様のようなポーズらしいでしゅよ。一体どんなポーズでしゅかっ ヽ(@▽@)ノ
 それよりまどかたんの記憶が戻ったのでしゅよ。ううーお父さんを殺したのは自分だったのでしゅね‥‥もうマリみてごっこをしてる場合じゃないでしゅ‥‥(。´Д⊂)」
ボス「だがしかしここでロカトール司教の笛の音が《タイムリー》を使いまどかだけが退場させられてしまう。リュネの<電脳>判定で場所を特定した一行はいざ礼拝堂に向かうのだ。アクト後にも反省点として上がったのだが、世良神父&ミア組と円華&リュネ組の合流がちょっと今回不自然だったな Σ(´D`lll)」
こうさくいん「DragonVoiceいきなり登場でしゅよっ。リュネたんは悲しい過去のあるおとなしくて痛々しいヒロインなのにっ。なんでしゅかこの煮えているドラゴンはっ!ヽ(@▽@)ノ 」



+第12章+ CALL TO POWER

 ロカトール司教の笛の魔力で礼拝堂に引き寄せられていたまどかは、司教と対峙していた。脇には制服姿の黄の大天使(グラン・アンジュ・ジューヌ)赤の小天使(プティ・アンジュ・ルージュ)も控えている。
「必要のないことを思い出したようね‥‥」
 空色の笛を携えた黒髪の司教の声は静かだったが、怒気をはらんでいた。
「僕は‥‥僕は何を信じたらよいのです?」
「改めて過去を捨てなさい。さすれば今度こそ儀式は完了します。改めて‥‥そう、今度こそは、能天使(パワーズ)の名を与えましょう」

ロカトール・エーレンフィスト司教 - 能天使“空色の笛”  


 司教が手を振ると、聖歌隊の少女たちが縛られた女性を連れてきた。猿ぐつわを噛まされ、恐れおののきながら礼拝堂に連れてこられたのは故築島晃一郎の妻、築島みどりだった。記憶の戻ったまどかにとっては他人ではなく母だった。
「さあ。銀の短剣でおやりなさい。あの時と同じように」
 浄化派能天使“空色の笛”は“ブラッドベリー”を促した。だが築島まどかは動かなかった。しばらく押し黙っていた彼女は、口を開いた。
「世界を氷の中に浄化する‥‥それがこの世界に与えられるべき幸せだと教わりました。でも、僕は思い出してしまったっ! それよりも大事な過去を!」

 中等部の制服を着た赤い髪の妹が、心配そうに姉の袖を引く。
「ねえお姉さまー。やってしまいましょうよー。そうしたらまた、幸せになれるんですよ? お姉さまと一緒に毎日学校に通って、みんなで楽しく暮らせるんですよ?」
 姉を見上げる妹に、築島まどかは俯いたまま尋ねた。
「ねえフランシス、もしもロカトールさまがいなくなってしまったら、あなたは悲しい?」
 唐突な問いに、紅の小天使(プティ・アンジュ・ルージュ)はこくりと頷いた。
「うん。とても悲しいです」
「それと同じことがこれから起こる。だから、僕はここにいるわけにはいきません」
 元紅の中天使(ジュネス・アンジュ・ルージュ)は意を決したように長い黒髪を翻し、妹から離れると、銀の短剣を司教たちに向けた。
 もはや彼女が“カレイドスコープ”の一員でないことを確信したロカトール司教が声に一層の冷たさを込め、残った二人の天使たちに命じる。
「二人とも、おやりなさい。その子はもはや“ブラッドベリー”ではない。我らの敵よ」
「ええっ? “空色の笛”さま、どうして? お姉さまを撃つなんて、あたしにはできないよ?!」
 楊・フランシスは戸惑い、大好きな姉とロカトール司教を交互に見やった。その横ではセシル・ルクレールが静かに、十字の形をした剣を構えようとしている。
「その子はもやは異教徒ですわ。浄化なさい。氷の意志に従って」
 ロカトール司教が冷然と告げると、だが大きなリボンをつけた少女の神の戦士は掌を返したようにこくりと頷いた。

  楊・フランシス - 紅の小天使

「はい! また、楽しめそうですね。お姉さまの血の色って、一体どんな色なんだろう‥‥?」
 まるで姉と喫茶店に行くような気軽さで言うと、小さな手に不釣合いな巨大なハンドガンをどこからか取り出し、暗殺者の本性を露にする。
「真っ赤な真っ赤な血の華(ブラッドベリー)の色よ‥‥。だけど、見せるわけにはいかないわ」
 まどかは銃を向けたフランシスに身構えた。

「ではその花、散らしてみようかっ」
 かつての姉、セシル・ルクレールが凛とした声で告げると、そのもうひとつの名、“琥珀の刃”が表すままに十字剣をかつての妹に向かって構える。
「やめてくださいお姉さま‥‥。この華の香りは、その身を滅ぼすような毒でしかない」

セシル・ルクレール - 黄の大天使  
Blood Berry - ブラッドベリー

 天使たちの対峙の続く礼拝堂に、大扉の開く音が響いた。既に日の暮れていた外の夜の光が礼拝堂に差し込み、戸口に立つ二人の来客の姿を映し出す。

  虎伏世良 - 祝福された木偶

 黒い服の男と白い服の女だった。神父服を喪服の如く黒く染め、闇の中に沈んだ虎伏世良の姿の中で、ただ眼鏡だけが光を帯びている。その後ろから入ってきたミア・ウェイの両手には拳銃が握られていた。
「貴様らに似合いの結末だな」
 救世母の懐に秘せられし聖母殿からの刺客は、天使たちに哄笑を浴びせた。
「醜悪なる邪教徒どもの兄弟ごっこはこれまでだ。神の名において成敗してくれよう」

 その後ろで油断なく室内の全員に狙いをつけていたミアは無事なまどかの姿を認めると、束の間問う。
「まどかくん。教えて。さっきこの神父さんに、悔い改めると言ったね。記憶が戻ったら、真教にでも入り直しでもするつもりなの?」
 築島まどかは寂しそうに、それでも笑顔を見せた。
「いえ――僕は、築島まどかに戻るだけです」

ミア・ウェイ - 金龍の瞳  

「ならいいんだ」
 異能力の発揮時に金龍の色を帯びる瞳が危険な輝きを宿し、ミアは銃を再び礼拝堂の奥に向けた。照星が向くその先にあるのは、恩師を殺めた笛持つ司教の姿だった。

 突然、礼拝堂の中に備えてあったスピーカーが独りでに鳴り出した。清らかな聖歌とパイプオルガンの響きが似合う礼拝堂に響き始めたのは強烈なロックだった。世良神父とミアが一瞬身構えるが、あのおとなしそうな少女の操る黒竜の仕業とすぐに分かった。
 色鮮やかなステンドグラスの表面に張られた薄型の電気式スクリーンの上に、羽ばたく黒い竜の姿が現れる。
『祈りの時間は終わり、竜の咆哮はすべてを否定する。否定してはいけないモノを否定した貴様らのすべてをな』
 ロカトール司教が怯まずに合図すると、参拝席から一斉に立ち上がる者たちがいる。三人のカレイドスコープと一人の能天使の他には無人と思われていた礼拝堂に隠れていたのは、揃いの礼服に身を包んだ聖歌隊の少女たちだった。

Dragon Voice - 竜の声

こうさくいん「どどんと! クライマックスにごきげんようでしゅ! ヽ(´▽`)ノ」
ボス「ロカトール司教はまどかに《ファイト!》を使い実の母を殺すように指示する。[0以下:ダメージなし]という選択もあっただろうがここは堪えた。そこへハッスル間近の世良神父とミアねえさんと意識体状態の竜アイコンがやってきたぞ。さて神父の<※慧眼>でも完全看破済みだがゲスト陣のスタイルを解説して補完せよ」
こうさくいん「ラジャーでしゅー。“黄の大天使”セシル・ルクレールはカタナ◎●, チャクラ, バサラ。ティルヴィング相当の守護十字剣を使う<※元力:器物(白兵)>で<■突き返し>も完備でしゅよー。“紅の小天使”楊・フランシスはマネキン◎, カブトワリ, カゲ●。<※片手射撃>からコンバットマキシマム2丁の<黒羽の矢>なのでしゅ。フランシスたんは実は華僑系の三世だったのでしゅねー。ブレザーにスカーフの二人の特待生制服は実は戦闘法衣相当なのでしゅ!
 “空色の笛”ロカトール司教は タタラ◎, ミストレス, クロマク●。<※入魂><※合成>でハーメルンの笛を作ったのでしゅ。<※子飼い:聖歌隊>も持っているので聖歌隊の少女たちはみんな部下だったのでしゅ! 2トループでスタイルはカブキでしゅよ〜」
ボス「Dのカブキトループというと厄介な技がある。この聖歌隊は<※カース>で達成値を下げてくるのだっ!Σ(゚△゚;)」
こうさくいん「世良神父以外みんな女性。特待生制服を着た聖ミシェル学園のオトメたちに司教さまの率いる聖歌隊。ぐっとエレガントーにはたこずむで華やいだカンジでしゅねー。まさにシーンタイトルは『戦う乙女たち』!(☆w☆)」
ボス「Σ( ̄□ ̄lll) そんなタイトル一体どこから持ってきたんじゃぁぁぁ。ロカトール司教はともかく世良神父&ミアが大人ではないか」
こうさくいん「んんーんんーミアねえさんも気分はオトメの中でしゅよー。(>ω<) それではれっつらGOでしゅ!」



+第13章+ CROSS FIRE
  楊・フランシス - 紅の小天使

 ロカトール司教が愛用の笛に唇をつけると、魔の音色が礼拝堂に響き渡った。加護を受けた赤の小天使(プティ・アンジュ・ルージュ)は二挺の大きなコンバットマキシマムを姉に向かって向けると、あどけない顔で笑った。
「お姉さま、もうどっかーんって逝っちゃってくださいね?」
 制服姿の中学生、腕をサイバーアームにしてもいないのに震えも皆無な、正確な射撃。

 まどかは深層意識下に用意されていた奥の手を解放すると、大口径弾の射撃を避けた。サイコアプリケーションを併用し、人の心の奥に作用するその声の力を浴びせる。だが滅びの声は遮られた。両側の参拝席の聖歌隊の歌声が、“ブラッドベリー”の声の魔力を弱めたのだ。

 制服のまま近づいてくる二人の“カレイドスコープ”か、奥に控えるロカトール司教か、目標を考えていたミア・ウェイは大きく意表をつく行動に出た。参拝席を踏み台にすると大きく飛び上がり、呪いの歌を歌い続ける聖歌隊の頭上へと浮かんだのである。
 元より身も軽く念動力を操るミアの体は、宝貝(パオペイ)顔負けの魔力を持った“風伯鞜(ふうはくとう)”を履いた今、ほとんど重さをゼロにしていた。聖歌隊の頭上を飛び越え、そのまま壁に着地し、壁を数歩走るとさらに飛翔、参拝席と祭壇を越えると後方に控えていたロカトール・エーレンフィスト司教の元に空中から迫ったのである。
「行くよっ!」
 至近距離から二挺拳銃の片割れが火を噴いた。必中と確信できるまでの確かな射撃。能天使が携えていた護符が砕け散り、致命的な弾丸を弾き飛ばす。

 世良神父は戦いの最中にも十字を切り、あえて神に祈った。
「主よ。人を殺める私をお赦しください‥‥」
 その右腕から血がほとばしり、聖母殿にも認定された奇跡の力が発動した。一体神父服のどこに隠されていたのか、無骨な大型サブマシンガンが神敵に向けられた。
「これぞ、主が私にくださった断罪の弓!」
 かつてミアと共闘の一夜を過ごした時と同じ技だった。続けざまに強力な弾丸が制服姿に十字剣を構えたセシル・ルクレールに襲い掛かる。

 だがまたしても聖歌隊の歌う呪いの歌が弾丸の勢いを削いだ。世良神父とさして背も変わらない金髪の美丈夫は、剣を手に即座に距離を詰めた。
「ではここでお手合わせ願おう。くらえ守護星剣!」
 剣の扱いに抜群の才能を示す美貌の生徒会長が迅速に切り掛かってくる。だが擬似人格の幾重もの仮面から腕利きの戦闘司祭の仮面を選んでいた“祝福された木偶”は間一髪、敏捷な動きで避けた。
「所詮は邪教徒の技よッ!」

虎伏世良 - 祝福された木偶  

ボス「さてイベントで神業を使っているとはいえ、今回は敵が少々強めになっていた。しかもキャスト陣はジツは防御系神業をあまり考えずにこのチームを組んでいたのでその警戒もあり、戦闘は1カットで勝負がつくことになったのだ」
こうさくいん「防御系神業にこだわらず好きなキャストで遊ぶのが一番でしゅよー。マリみてぱわーがあればいいのでしゅ!(っ´▽`)っ」
ぼす「ええい前半は正しいが後半は余計じゃああ。さて解説して補完せよ」
こうさくいん「ラジャーでしゅー。セットアップフェイズでロカトール司教は早くも<※鼓舞>でAR渡し。フランシスたんはびっくりのコンバットマキシマム二挺から<※影縫い><※フェイク>もいれて本気モードで射撃開始。ガルーダぱわーで辛くも<運動><※空蝉>したまどか姉さまは声の魔力+マインドブラストで精神戦反撃。でも‥‥聖歌隊の歌声が<※カース>したのでしゅ!(ρД`)ノ
 そしてミアねえさんはワイヤーアクションたいむ開始でしゅよー。演出の<※力学>もいれて<運動><※通過><射撃>、風伯鞜はあの“神行太保”相当なので一気に中距離から至近距離まで距離を詰めて<※ガンフー>爆28点が炸裂!(☆w☆) 時代はチャクーラでしゅ! 司教さまは仕方なく救命符を使ったのでしゅ」
ボス「チャクーラってチャクラ入ってないではないか。これで世良神父の義体が某ご子息と同じ“羅漢”だったりするとかなり (゚∀゚;)アヒャ!! なのだが“ブラウン・ジョブ”相当品であった。
 さて神父はあえて1アクション使って<※縮地><※守護天使>で自分に傷を与え、その後いよいよ断罪の弓がハッスルするぞよ。これは[射程:超遠]で弾数もない便利なドリームバスターなのだ。しかと読者の皆様に告白し懺悔せよ」
こうさくいん「ラジャーでしゅー。断罪の弓、断罪の剣、神業で現れた盾、これ全て<※守護天使>の演出なのでしゅ。なんという妄想! これがグラホパーズのぽてんしゃるでしゅね〜ヽ(@▽@)ノ」
ボス「だが‥‥クーデグラを白兵攻撃と言い張るどこかの緋い人と同種の匂いがするので将来に一抹の不安がと総帥たちも‥‥いやいやいや何でも御座らぬ(ゲフンゲフンゲフン)」
こうさくいん「聖歌隊の<※カース>の力を借りて避けたセシルお姉さまは<※元力:器物>で達成値を21にして一騎打ち。神父は<※影の守り手><自我><※擬似人格>で21を出して見事によけたのでしゅ!」

Dominus tecum est. - 主は汝と共にまします
  リュネ - DragonVoice

 ステンドグラスの中に現れていた黒いドラゴンが動いた。霊的な防御力を高める珍しいプログラムを起動させると、青い髪の内気な少女が決して口にしないような言葉で吼える。
『歌は否定するものじゃない。希望を与えるモノ、育むモノだ。それでもまだ歌を使って否定させようというなら‥‥DragonVoiceは否定するものすべてを否定する! 滅ぶがいい、クズどもッ!』
 黒竜の咆哮と共に、どこからか聞こえてくるロックの演奏が激しくなった。

 異変を感じたセシル・ルクレールが剣を退き、左手で天を指す。かつて世良神父を救世教会と共に沈めた技がまたしても発動した。無数の十字架が天から降ってきたのだ。そのまま天窓のガラスを破り、その轟音で演奏を途切れさせようとする。
 だがDragonVoiceのヒット曲はクライマックスへ向けさらに音量を増し、ガラスの音に少しもかき消されなかった。たとえ相手が能天使(パワーズ)であろうとも人の心に直接作用する、音楽の中に載せられた強力な精神攻撃が炸裂する。戦いの礼拝堂の一番奥、空色のフルートを口に当てたロカトール司教へ。
「‥‥‥‥!!」
 声にならない悲鳴を上げ、司教服姿の能天使はゆっくりと仰向けに倒れていった。黒髪がはらりと広がり、その手からフルートが離れていく。だが空色のフルートは床に転がらず、空中に浮かんだままだった。その名を“ハーメルンの笛”という年経た強力な魔器であった機械仕掛けのフルートは、神秘の力で竜の技を防ぐと、吹き手もいないのに独りでに曲を奏で始めた。こちらもその曲の中に破滅の旋律を混ぜた同様の力である。
『人ならざるモノの業か。だが忘れたか、竜も悪魔も人じゃない。反逆者に神の言葉が届くものかよ!』
 再び黒い竜は吼え猛り、笛の魔力を打ち破った。


ボス「意識体の竜アイコンはアストラルウォールを展開してキャスト陣の精神防壁を張ると<※熱狂>4Lvの精神戦攻撃でハッスルしたのだ。最新のエラッタだと<※乾坤一擲>+<※咆哮>はカード1枚消費でよいことを知ってガクガクした方もおられよう。リュネは<※咆哮>だけだがここでダメージ24点が見事出たのだ」
こうさくいん「さすがロッカーなのでしゅよー。ああーでも竜がいきなり煮えているでしゅ。クズどもとか言ってるでしゅよ〜リュネたんとあまりに違うでしゅ〜(((( ;゚Д゚)))
 危うしと見たフランシスたんの《プリーズ》からセシルお姉さまの《天変地異》がアクションをキャンセル、だがリュネたんの演奏の音が大きくなってそれを《チャイ》。結局精神攻撃が成立したのでしゅ!」
ボス「かくして真教浄化派能天使“空色の笛”ロカトール司教はここに倒れたのだ。予想がつくだろうが司教の《腹心》のこの“ハーメルンの笛”は<※血脈:魔器の一族>で、ニューロ◎, アヤカシ, カリスマ●だったのだな。
こうさくいん「司教さまが倒れちゃったでしゅー。もうちょっと頑張ってもいいのでしゅよー。スカイブルーの血を引く者として! フルート二刀流でハッスルでしゅよ!(;゚∀゚)=3」
ボス「Σ( ̄□ ̄lll) どんなハッスルじゃあ。ハーメルンの笛はダメージを《霧散》で打ち消して空中に逃れるとリュネに反撃の《神の御言葉》、だがリュネも《突然変異》から《霧散》でさらに防いでいるぞよ」



 辛くも斬撃を防がれたセシル・ルクレールは振り返り、後方で倒れたロカトール司教の近くに軽やかに着地した女を新たな敵と定めた。“琥珀の刃”は身を翻すと十字剣を構え、剣使い(ソードダンサー)に分類される器物使いの能力を更に高める霊斬符の力も借り、ミア・ウェイに全力で斬り掛かる。
 だが全ての仙人の守護者である西王母の秘薬を飲んでいた女探偵はそれを防いだ。念動力で自らの体を浮かし、空を蹴って背の高い高校生の暗殺者に迫ると予想外の方向から再び銃が火を噴く。
「あたしたちの民は、師父の仇は必ず取る!」
 だがミアも予想していなかった事態が起こった。素早く十字剣を退いたセシル・ルクレールは辛くも鮮やかに、弾丸を見事に跳ね返したのだ。
「なにっ?!」
 弾はミア自らの脚に当たり、バランスを崩した彼女は地に落下するとそのまま倒れた。

 コンバットマキシマムの乱射を避けていた築島まどかは、再びその声の力を用いた。数刻前まで妹だった紅の小天使(プティ・アンジュ・ルージュ)を一刻も早く眠らせるように。
「あれ、なんでだろ? お姉さまが二人に見える‥‥」
 だが混濁した意識の中でも、楊・フランシスは巨大な銃を向けた。二人に見えたお姉さまの両方に銃を向ける。対妖物銃から強力な弾丸が発射された。
「聖母さま‥‥っ!」
 束の間、まどかは十字架のブローチに手をやると呟いた。それを見た世良神父が彼女の体を抱え、火線から素早く逃れる。射撃を外したことも理解しないまま、楊・フランシスはそこで倒れてしまった。


こうさくいん「守護星剣を操る生徒会長のセシルさまは今度は<※元力:器物>にさらに“霊斬符”も使って全力で斬ってくるでしゅよー。さすが令さま相当だけあって剣道の試合でも優勝できる腕なのでしゅ!(☆w☆)」
ボス「シナリオにそんなことどこにも書いてないではないかぁ。Σ(゚△゚;)
 だが救命符相当の西王母救命丹で打ち消してARを温存したミアは再び<※力学>で浮き上がってワイヤーアクションたいむで今度は24まで行ったな」
こうさくいん「でもっ! やっぱりセシルたんも本気。今度は<白兵><元力:器物><■突き返し><※リフレクション>で24が成立してしまったのでしゅ! ううーミアねえさんが撃たれちゃったでしゅよ〜(;´Д`)ノ」
ボス「ジツは射撃による物理攻撃に<■突き返し><※リフレクション>が成立した場合跳ね返すのか反撃もしていいのか割と謎なのだが、今回は銃弾の素のダメージが跳ね返されることになったのだ」
こうさくいん「そしてまどかお姉さまが精神戦闘で[失神]ダメージを与え。でも、まだまだやる気のフランシスたんは《とどめの一撃》で撃つのでしゅ。イクナイでしゅよ〜お姉さまを撃っちゃダメでしゅ。(。´Д⊂)
 まどかお姉さまの《プリーズ》から世良神父の《天罰》でアクションを打ち消し。紅の小天使は倒れるのでしゅ〜」

Blood Berry - ブラッドベリー

 楊・フランシスまでもが倒れたのを見て取ると、セシル・ルクレールは特待生の制服の懐から妙なものを取り出した。先端に刃のついた十字架ではなく、何かを溶かして鋳造して作ったかに見える曰くありげな鉄釘。聖母殿の一部で、危険な妖物退治に使われている“焚書経典”と呼ばれる呪いの品と同じもの。
 器物(ピグマリオン)使いはあらゆる白兵武器の扱いに熟達している。白い手の中で、黄の大天使(グラン・アンジュ・ジューヌ)の魔力で釘は幾つもに分裂し‥‥

セシル・ルクレール - 黄の大天使  
  河村円華 - 紅の中天使、ブラッドベリー

 まどかが動いた。人の心に作用する“ブラッドベリー”の声の魔力が、かつての姉の心を捕らえようとする。
「もう止めて下さい、お姉さま‥‥これ以上続けても何にもなりません」
「世迷いごとをっ!」
 ヌーヴ系の美貌の生徒会長は首を振り、その力を撥ね退けた。

 短く刈った金髪を揺らし、いつまでも一緒にいるはずだった妹の姿を睨むと、自律攻撃機能を備えた電脳仕掛けの守護星剣を構え直して神速の速さで斬り掛かる。
 だが、見事な一撃は聖母殿からの刺客によって防がれた。喪服の如く染まった神父服を靡かせた世良神父が、これまたどこから現れたのか盾をもって十字剣を防いだのだ。
「これぞ主が私に下さった祝福の盾!」
 不敵な笑みを浮かべて神敵に吼えると、世良神父は再び大型のサブマシンガンを邪教徒に向けようとした。断罪の弓を認めたセシルがはっとして距離を取り、左手に集められた釘の束を投じようとした時、その背後でよろよろと立ち上がろうとする人影があった。
「このミア・ウェイの弾丸からは、誰も逃れられないよ」
 その叔父と同じ言葉、同じ口径の銃。痛む脚を堪えてミアは必死に銃を向けた。セシル・ルクレールは機敏に振り返り、守護星剣で銃弾を弾き飛ばさんと構えに入った。
 だが自在に速度と軌道を変える弾丸には間に合わなかった。十字剣の先端が砕け、その破片が自らの体に刺さり、ミシェル学園の生徒会長にして琥珀の刃を振るう浄化派の暗殺者は倒れていった。

 近づいてくる外敵を認め、床に転がったままの空色のフルートがまたしても独りでに鳴り出した。聞くものの心の奥を貫き、死へと追いやる滅びの旋律。まだ残っていた聖歌隊の面々も合唱の声を合わせ、黒いドラゴンが奏でるロックのメロディを完全に打ち消す。
 旋律が大きくなり、礼拝堂中に響きださんとした。危機を見て取ったミアは精神を集中し、その力を解放した。
「四海竜王様、私に力をお与えください」
 その目が金龍(ジンロン)の色に染まり、念動力が礼拝堂に満ちる。既に天窓は全て欠けていた礼拝堂の左右の壁には、救世母に聖ミシェルを始め様々な聖人の絵が描かれたステンドグラスが並んでいた。その全てが音を立てて砕け散り、色とりどりの硝子が舞ってゆく。小さなフルートの演奏がかき消され、そして止んだ。
 血を流す脚を引きずり、ミアは物言わぬフルートによろよろと近づいていった。古き女侠の物語から名を頂いた二挺の銃から空のマガジンが吐き出され、ミアは替えのマガジンをセットした。叔父の店から拝借してきた徹甲弾、ただ一文字の漢字が刻まれた弾丸がチャンバーに装填される。

「‥‥これで終わりだよ、築島さん」
 女探偵は片方の銃を向けた。ただ一発の弾丸が空色のフルートを撃った。フルートは金属でなく、硝子が割れるような奇妙な甲高い音を立てて粉々に砕けていった。
“ハーメルンの笛”と呼ばれる真教聖遺物、能天使“空色の笛”の忠実な部下となっていた年経た強力な魔器はこうして滅んだのである。

ミア・ウェイ - 金龍の瞳  

ボス「そろそろ神業たいむが近づいてきたな。セシルが取り出す“焚書経典”はR時代から存在する『月姫』時空から来たアイテムとして使っている退魔師の方々もいるだろう」
こうさくいん「最近は『Fate』時空から来たアイテムもあるでしゅねー。セシルたんはこれで!<白兵><※元力:器物><※拡大>の構えに入るのでしゅよ!(((((;゜д゜))))) 成立する前にまどかたんが《不可知》状態から精神戦で[11:自我危機]を与えるのでしゅ。《黄泉還り》でふっかちゅしたセシルたんは妹に向かって《死の舞踏》、今度は世良神父が自分ぶんの《天罰》で見事防ぐのでしゅ! 今日は守護天使で大ハッスルでしゅね〜ヽ(´▽`)ノ」
ボス「<※守護天使>はR時代は殴+0だったのが+5になり射程も超遠、意識体も攻撃できるのでニューロにも効くし実はかなり強いからな。これからもハッスルできるだろう。
 ちなみに『俺には守護天使がついてるんでな』の類の台詞をウッカリ言うと最近は『イノセンス』な人と思われるので守護天使使いの人は注意するとよいぞ Σ(´D`lll)」
こうさくいん「残った神業は席の並び順に解決することになったのでしゅよー。ミアねえさんの<※力学>銃弾クーデグラが炸裂、セシル生徒会長は倒れるのでしゅ。“ハーメルンの笛”がまたしても強力な精神攻撃するのを<※力学>風の《天変地異》がハッスルしてキャンセル、《ファイト!》ぶんの二度目の《とどめの一撃》が魔器を壊して終わるのでしゅ。をを、トニーおじさんの弾でしゅよ!(☆∀☆)」
ボス「(コソーリ)常備化してないのであくまで拝借らしいがな(ゲフンゲフン)」
こうさくいん「トループはダメージを与えていないので聖歌隊の子たちは結局そのまま、礼拝堂は壊れたけど戦う乙女たちのシィンは落ち着くのでしゅ〜ヽ(´▽`)ノ」

Jin-Ron's Eye - 金龍の瞳

 礼拝堂は静まり返っていた。呪縛の解けた聖歌隊の少女たちは気絶し、ロカトール司教は祭壇脇で絶命し、縛られた築嶋みどりもあまりの騒ぎに失神していた。特待生の制服を着た楊・フランシスとセシル・ルクレールも倒れている。壁のステンドグラスは粉々に砕け、天窓も全てが砕け、参拝席にも穴が空き、神の家は惨憺たる有様になっていた。黒いドラゴンの姿も何処かに消え、青い髪のリュネが恐る恐る中を覗き込んでいる。
「見よ。聖母の加護を見るがいい」
 世良神父は両手を広げ、天窓から見える天に向かって祈った。
 またしても奇跡が起こった。天窓から青白い月光が差し込む中、砕け散った硝子の破片の全てが独りでに浮かび上がったのである。それらはゆっくりとあるべき場所へと向かい、世を襲った大災厄と聖人たちの数々の奇跡を再現した絵を元通りに再現してゆく。奇跡が終わった時には天窓もステンドグラスも全てが元通りとなり、神の家への来客がある前までの静謐な礼拝堂の姿がそこにあった。
 築島まどかは倒れているセシル・ルクレールの手から、十字剣を取った。偽りの記憶の中、浄化派の使命として恐ろしい罪に手を染めた仲ではあったが、薄い金髪をしたヌーヴ系の美丈夫は自分の大切な(スール)だった。
「‥‥神父さん。その奇跡を、もう一度見せてください」
 顔を伏せたまま、まどかはろくに狙わずに剣を投げた。邪教徒の得物の守護星剣は聖母殿からの刺客を貫くでもなく、その頭の脇の壁に突き刺さっただけだった。
「何のつもりかね」
 頬から一筋の血を流しながら、神父は眼鏡を直した。薄く月光の差し込む室内でもその神父服は影に溶け込み、鏡のような瞳を隠す眼鏡だけがただ光っていた。

Dominus tecum est. - 主は汝と共にまします

 セシル・ルクレールはまだかすかに息があった。金髪の美丈夫の傍らにしゃがむと、まどかは自分の(グラン・スール)だった生徒会長を助け起こした。
「円華‥‥自分自身を見つけたのなら、私の分まで生きるんだ‥‥」
 そう呟くと、氷の意志の代行者だった黄の大天使(グラン・アンジュ・ジューヌ)は目を閉じた。


こうさくいん「ううー特に気絶ダメージと宣言してないのでセシル生徒会長は神の御許に召されてしまうのでしゅね‥‥(。´Д⊂)」
ボス「かくして戦いは終わった。余った神業の消費たいむになってしまうぞ。なんと世良神父は《黄泉還り》で礼拝堂を癒すのだ。これぞ神の奇跡!(;゚∀゚)=3」
こうさくいん「そしてまどかたんはお姉さまの十字剣を投げて[0以下:ダメージなし]の《死の舞踏》。こっこれは。『人馬協奏曲』のエンディングでアーベルぽんが使った技と同じでしゅね!(☆∀☆)」
ボス「D時代だとクライマックス後やエンディングで割とありそうな光景になるのかもしれないな‥‥Σ(´D`lll)」



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-ミシェル学園案内図-

ミシェル様がみてる

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