
〜 Your Wish 〜
さてさて。プレイは2005年最後のアクトだったのですが、新年最初のPL参加のプレイレポートで御座います。
大晦日が間近のある日、なかなかの異色面子が集まってさるシンジケート製のシナリオのプレイとなりました。決まりそうなキャストを考えていた所‥‥YAMAGEさんがやはりイヌ枠に。カブトとヒルコは超えてはいけない壁の下だったK01さんはイヌ枠がなくなってタタラを新造していました。同志アッキーノフは全枠にヒルコとアヤカシのキャストを出してくるというヒルコ愛の溢れるパッショォォンを表現。結局代表格のキャストが埋まり、プレアクトはすんなりとPC2〜PC4が埋まりました。
‥‥はっ! いかん! そうすると残るのは(以下略)
And so, they appeared on the story of a Wish .....
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Style: カブト=カブト◎,バサラ● Age:
37 Gender: ♂ |
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▼同志アッキーノフの「ヒルコ」バトンの回答から、「カブト」バトンという胡乱なものを最近送られてしまいました。残ってしまったPC1のカブト枠をやることになったアレクぽんでありまする。
いけませんよ! オトナかぶとなのにPC1ですよ! 『グッドラック,ブルーローズ』から半年間、重い病は完全に治っていたはずなのに‥‥はっ! そそそそんなことより先へ行きましょう! (っ´▽`;)っ
Style: カブキ◎●, カゲ, イヌ Age: 24 Gender: ♂
Style Branch: カブキ:ロックンローラー取得予定
服装と勤務態度に著しく問題のある機動捜査課の不良警官。逆立てた真紅の髪に悪魔をモチーフにした刺青が刻まれた筋肉隆々たる体、辛うじて上着に引っ掛けたハウンド制服で現れる。
北米で孤児だった頃に悪役レスラーに拾われ、ヒールレスラーとして世界を回り空中殺法や下品な言動で人気を博すものの、問題を起こして10年目に追放、最後のリングだったマキシマムアリーナのあるN◎VAの警察の門を何ゆえか叩くこととなった。身長180弱の大男だが、レスラーの中では比較的小柄。警官となってもプロレスの技を使用した敵の無力化を得意とする。
ハウンド2年目のマッドにとって、ヘンドリック・北条はよき先輩だった。だが半年前、ヒルコによる襲撃事件で妻と妹を失ってから、優しかった彼は変わってしまった。『特殊生物処理課』なる新設部署による、レッドエリアを火の海に変える苛烈なヒルコ絶滅作戦。その計画の実行隊員の一人に選ばれるのだが‥‥
Player: YAMAGE
▼フクモリさんと一緒で帝都での集まりにいつもいるやまげの旦那です。K01さんのイラストもついているマッド・クレイズは、元プロレスラーといういかにもYAMAGE臭のするキャスト。
機動捜査課がキャストのイヌの所属先デフォルトとなった今、その中でどう個性を表現するかイヌ使いの方々はあれこれ思案するわけですが。マッドは一体どうやって厳しい(はずの)入隊試験を潜り抜けたのでしょうか。<芸術:プロレス>で<※インスタントアーム>の長椅子を振り回したりする完全肉弾戦系と見せかけて、意外にカゲが入っていて<※死点撃ち>をしたり<社会:ブラックハウンド>を持っていたりします。
そんなPC2とPC3のダブル警官コンビが、主人公として最後の願いの物語に颯爽と登場する!
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Style: イヌ◎, カブトワリ, ヒルコ● Age: 24 Gender: ♀ |
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Player: あっきぃ [Akiller=Akkey]
▼開催の近付いた『らららOFF』の元締めの『ぐら』『すら』『ろら』のわかもの集団のひとつ、『ぐら』ことグラホパーズの同志ヒルコスキー・アッキーノフです。どれくらいヒルコスキーかというと、PC1〜PC3にどれでもヒルコのキャストで入れるように(しかも複数)希望キャストを出してきたぐらいです。きっとこの人もTNDルールブックでなくGX-Dを教科書にしているに違いありません。PC3のヒルコ枠から突然変異して隠れたPC1の担当となりました。
“ぐっさん”こと冴草彩はあっきぃWorldではイヌ代表として長く使われてきた顔キャストの1人。ハンドルの変遷や細かい設定の変遷から、サークル内のプレイではいろいろ設定が付加されたり紆余曲折があったのが見て取れます。御堂茜隊長にかつて世話になって上の役職まで行ったりいろいろあったそうですね。(このへん、有名ゲストと深く関わるキャストを作ってしまうと設定変動の影響を受けて辛いところですね。) 現在は身内メンバーにしか分からない色々な過去設定がクリアされ、標準的なイヌ枠で動けるキャストとして活動しています。
戦いではひるこぱわーの<■領域>で圧倒的に達成値を上げ、<※必殺の矢>や<※ガンフー>で近〜至近距離での射撃戦を得意とし、ミュータントではなく完全な人間として活動できるタイプのヒルコです。私的には西方の懐かしのペネロープ様とスタイルがまったく同じところも要注目です。(笑)
今回は時間があったので、人物情報の細かい所をこうさくいんクンが内偵して把握を進めました。実は美人属性らしいです。とう! ぐっさんヒロイン化計画超☆発動!
Style: タタラ=タタラ◎, ミストレス● Age: 28 Gender: ♀
Style Branch: ミストレス:トーチ
レッドエリアで無登録市民たちの診療所を構えている白衣の女性医師。医術の腕はそれほどは高くないが治療の速度が早く、患者たちの相談事に的確なアドバイスを返し、その運命を導いている。一見面倒くさがり屋だが実はかなりのお人よしで、診療所内でも常に年代物の煙管を手放さない。この時代に完全なフルウェット。
母が日系、父が外人のハーフで、白衣に黒髪の女医だが緑の瞳。かなりの頑固者だったブリテン人の祖父をアーサーとけなしているものの、その形見であった銀細工の異国の煙管を今も大事にしている。
知り合いのカブトが担ぎ込んできたヒルコの少女、イシリア。既にヒルコ化が原因の病が進行し、やがてやってくる死を待つしかない日々。ある日、窓を眺めていた少女はドクターに頼んできた。「空が見たい」と‥‥
Player: K01 (こういちと読みます) [億千万の日々]
▼こちらも東京でふだんはいつものメンバーと活動しているというK01さんです。よく遭遇してはいたんですが久々に本格的に同卓となりました。なんと僕と同じ卓だったのがN◎VAを始めたころ、そして2005年最後のアクトがまた同卓という宿命の再戦となったんですねー。おおー。
今回のPC4の医者タタラ枠のために新造したドクター・クロエは<医療>は実は2Lvですが<※スーパードクター>が4Lv、<※アドバイス><※盾の乙女><ジャンヌダルク>にとどめのブランチ<ミストレス:トーチ>という、低経験点でも活躍できる完全支援系のドクターです。個性付けにつけた銀細工の煙管は電制なしのくまちょん相当となりました。いやー、白衣の女医のドクター・クロエは萌えだな〜 (´▽`)y-~~~
黒くない女性キャストを目指したそうですが、ゲストの女の子にいろいろ吹き込むのでPC1の人が警戒していました。ビッグナンバーにミストレスがいるとこんなに危険なんですね。よくわかりました。あれ‥‥どうしてこんなにしょっぱい涙が出るんだろう‥‥(懺悔しながら先へ)
Ruler: からい [North Pole]
▼Mixiでも人気者(キャッキャッ)のかーらいル・シンジケート首領のかーらい首領です。もうすぐ『らららOFF』も近付いて参りました。
今日はメンバーのペロきちさんが作ったシナリオを首領がRLするという、ペロきちセンスとからいずむが完全融合を果たしたスペサルなコンビネーション。というわけでアクト中に起こったシナリオ記述や内容の疑問点は全てペロペロきちきちどんにクレームが行くことに。 (,,゚Д゚)!
しかしこれはアクトの準備段階で解決できることですね。シナリオを事前に通して読んでおけば実アクト中は困りませんし、おかしいと思ったところはチューンして幾らでも変えられるのですから。
Scenario Maker: ペロきち [トーキョーPER◎] [『Your Wish』プレアクトページ]
▼かーらいル・シンジケート最後の隠し玉、ペロペロきちきちさんです。『ツンデレガントに突然変異作戦』や去年の初めにやった『シンジケートとGX-D計画』の主人公っぽいカツヤクが記憶に残っていますが、PC1村専門というわけでもなく独特のペロきちセンスをあちこちで放っています。
さァそんなペロきちセンスの詰まったシナリオが登場です。からいヒロインとペロきちヒロインの違いをこうさくいんクンが内偵していたところ、首領殿の答えはペロきちヒロインの方がラノベ臭が強いそーです。しかし財団の偵察結果からするとどちらもラノベ臭がするので差が分かりません。(笑) シンジケートの深遠を探るにはまだまだ調査が必要なようです。 (*゚▽゚)
さてそんな、最後の願いの物語が幕を開けます‥‥

〜 Your Wish 〜
トーキョーN◎VA the Detonation
『Your Wish』 私は自分の全てを賭けて、その願いを叶えたい。 |
特務警察ブラックハウンド基地、照明を落とした大会議室。上層部のエグゼク陣や御堂茜隊長の前では新計画のプレゼンテーションが続いていた。
大きなモニターの前に立っているのは二人の人物。熱心に説明を続ける北米系と日系のハーフの青年の名はヘンドリック・北条。その横に控え、トロンを操作していたスキンヘッドの黒人は部下のヒュードと言った。
ヘンドリック「以上が、本プロジェクトの全貌です」
ハウンドに『特殊生物処理課』という新部署を創設。予算を集中させて高度に武装させ、トーキョーN◎VAのレッドエリアからヒルコを徹底的かつ根本的に排除する。だがあまりに夢想的なその計画に対する感想は、失笑混じりのものが多かった。
エグゼク「その部隊の武装に金が掛かりすぎだ ヽ(`Д´)ノ」
エグゼク「仮に成果が出るとしても、レッドエリアのみではないか」
エグゼク「君個人の欲求に、ハウンド全体を巻き込むな」
だが、文句を言うだけのエグゼクたちを小馬鹿にしたように眺めていた黒人のヒュードが、落ち着き払って端末を操作した。《電脳神》で用意された献金が集まり、いつでも新部署が走り出せることが、スクリーンに大きく映し出される。
ヒュード「この通り。既に、話は付いていますよ」
御堂茜隊長「――その通りだ」
黙って話を聞いていた隊長が頷く。そして、驚愕するエグゼクたちを前に、無茶極まりない計画は実行に移された。災厄の街に潜む全てのヒルコにとっての凶兆である『特殊生物処理課』が、ここに誕生したのである。

ドクター・クロエの診療所に助けを求めてくるのはレッドエリアの訳ありの病人ばかりだったが、入院までしている患者は少なかった。ただ1人の入院患者であるイシリアは、今朝は起きていた。寝起き特有のとろんとした目でぼーっと部屋を見渡していた少女は、隅で煙管を手にしている主治医に気が付いた。ごしごしと目をこすり、さっきよりはっきりした青い瞳で主治医を見る。
イシリア「あ、クロエ先生‥‥お久しぶりです (*´▽`)」
クロエ「確かに、起きてる時に会うのは、久しぶりね」
イシリア「あ‥‥そうでした。おはようございます (;´▽`)」
間違いに気付いた少女は申し訳なさそうに訂正した。自称16歳、北米系と日系のハーフ。髪はきれいなブロンドだったが、その肌は全身のところどころが硬質化の兆候を見せていた。硬質の殻で体を覆ったある種の戦闘的なヒルコと同様の現象だ。特定の部位なら切開もできるが、転移していてはその方法では対処できない。
覚醒と昏睡を繰り返し、徐々に悪化していくクロエの病はどうしても止められなかった。もう長くは持たないことは、ドクター・クロエ以外でも医者であれば誰でも同じ答えを出しただろう。
家族もなく、身寄りもなさそうな少女。はっきりとは聞いていなかったが、治療費はおそらく彼女を担ぎこんできたカブトの男が代わりに払っているのであろうことは、ドクター・クロエは薄々感づいていた。
流石に少女の呼吸する範囲では煙は出さなかったが、クロエは今日も煙管を手放さなかった。見事な銀細工の刻まれた骨董品のその品は、ブリテン人だった祖父が異国の土産だった品を孫娘に与えたものだ。女医クロエがN◎VAで一番多い純粋な日系人ではなくハーフであることは、日系人にも見える顔立ちの中で瞳の色が緑色であることが物語っていた。
ドクター・クロエが患者を眺めていると、自分の運命を既に悟っているのか、少女は核心をつく質問を発してきた。
イシリア「先生、私は、いつまで生きられるんでしょうか」
クロエ「‥‥正直、難しいねー (´-`)y-~~~」
特に遠慮する性質でもなかったドクター・クロエは正直に答えると、煙管から息を吐いた。
イシリア「――最後にひとつ、頼みがあるんです」
クロエ「おや、なんだい」
クロエが首を傾げると、控えめな少女は意外な願いを口にした。
イシリア「空が‥‥見たいんです」
クロエ「ここからじゃ、駄目なのかい?」
イシリア「そこから見える小さな空は嫌です。窓枠に切り取られたような、窓枠に嵌めこまれたような小さな空は。
一杯に広がる、大きな空が見たいんです。思い出に、たどり着けるように‥‥」
少女は小さな窓から見える外に目をやると、束の間遠い目をした。
クロエ「ま、1人じゃ外出は無理だけど、同伴者がいれば許可するよ。最近は少し調子もいいみたいだしね」
ドクター・クロエと中の人は何事かにやにやすると、煙草の煙を吐き出し、少女を担ぎ込んできた男を思い出した。
クロエ「もうすぐアレックスも来るしな。アレクに頼もう (´ー`)y-~~~」
PC1の中の人「Σ( ̄口 ̄;)」
イシリア「いいんですか! よかった‥‥。アレックスさんも来てくれるんですか。でも‥‥あの人忙しそうだし‥‥」
クロエ「なぁに、お嬢ちゃんが頼めば大丈夫だよ (*^ー゚)」
視線を落とす少女を、アーサーの孫の女医はやけににやにやしながら励まし、立ち上がると部屋から出て行った。いかにも面倒くさくてたまらなさそうな口調とは裏腹に、その顔には笑顔が浮かんでいた。
クロエ「さあて、そうと決まれば準備だ。さっさと主治医からの許可証を作っちまおうかね。あ〜めんどくさ‥‥」

災厄の街のレッドエリアは空気が違う。今日も饐えた独特の匂いがし、どこか遠くからは銃声が聞こえてきた。
その中を『特殊生物処理課』の看板の掛かった仮設営本部の建物へ入っていく男がいた。
申し訳程度にブラックハウンド外勤用の上着を羽織ってはいたが、中はタンクトップのシャツにアクセ類。下はだぶだぶのカーゴパンツ。人工筋肉と皮膚装甲を埋め込んだ隆々たる体には悪魔の刺青。
そして染めた髪の毛は真っ赤、完全に逆立っている。どう見ても特務警察隊員ではなく、逮捕されるストリートの人間の方が似合う風体である。
マッド・クレイズ、a.k.a.“EXTREME PAIN”。プロレスラーという非常に特殊な種類の人間の世界では、身長180弱、サイバーウェアを除いた体重88kgのマッドは比較的小柄で、体も細い部類に入る。だがそれは、あくまでレスラーの世界での話だった。
時は数日前に遡る。
マキシマムアリーナを最後に業界を追放された悪役レスラーが、どうやって審査をパスしたのかハウンドに入隊した頃から、ヘンドリックはよき先輩だった。
だが、ある時期を境にヘンドリックは変わってしまった。ハウンド内でも噂は流れ、マッド自身も疎遠になり最近は会っていなかった。隊内の風の噂では、今やハンドルは“復讐の猟犬”へと変わり、何か大きいことを企んでいるという。
マッド・クレイズはいつもの問題のある服装と髪型と態度を保ったまま、特務警察隊長室をノックしていた。
マッド「マッド、入りやーす」
御堂茜「クレイズ。本日付けでお前に出向を命じる。行く先は特殊生物処理課だ」
マッド「特生か。ヘンドリックがいるとこスか?」
御堂隊長が眼鏡を直して無情に命令を告げている所に、別のドアが開き、その特殊生物処理課の責任者が出てきた。
マッド「ツラはしょっちゅう見てるけど、話すのは久しぶり」
ヘンドリック「――そうだな (-_-)」
ハウンド隊員、ヘンドリック・北条は北米と日系のハーフだ。マッドが入隊した頃の切れてなおかつ優しい雰囲気は消え、冷徹に計画を実行する計画責任者がそこにいた。
マッド「あんた、変わっちまったな。ほんとにやんのか?」
ヘンドリック「お前には作戦の総仕上げを手伝ってもらう。N◎VAのストリートから、ヒルコを一掃する」
マッド「あんた、本気で言ってンのか? ヽ(`ー´)ノ」
マッド・クレイズは大きく手を広げると、リングの上で観客に向けるように肩を竦めた。
マッド「つーか、あんた本物なのか? 本物のヘンドリックなのかよ? “犯罪者じゃなく犯罪を憎む”って、あの頃は言ってたじゃないか」
ヘンドリック「ヒルコとは話し合うことができない――彼らには理性がない」
“EXTREME PAIN”はかつての先輩の頭を指差すとジェスチャーをした。
マッド「イッちまったな。マジで狂っちまったら、オレが止めてやる」
ヘンドリック「期待しているよ」
自嘲気味に笑うと、新設された特殊生物処理課の考案者にして最高責任者は隊長室を出て行った。
御堂隊長「修羅から羅刹に落ちた彼を、必要なら止めてやりなさい」
静かに告げる隊長を後に部屋を出ると音高くドアを閉め、マッド・クレイズは壁に寄りかかると大声で悪態を突いた。
マッド「Shit!!」
‥‥特殊生物処理課の建物に歩いてゆく間も、背後のレッドエリアではまた銃声が聞こえてきた。
マッド「Shit!!」
元悪役レスラーの猟犬は悪態をつきながら、仮設本部に入っていった。
中では特殊生物処理課の面々が待っていた。軍用短機関銃や火炎放射器で重度の完全武装を整えた男たち、防毒マスクと耐汚染スーツで体を覆った下水道の捜索チーム、なにやらぴかぴかの新装備を試している黒人の男、そして地図を広げているヘンドリック・北条。
ヘンドリック「では、作戦を展開する」

広大なる地下下水道のどこか、災いの街の地上の人間のほとんどが知らない場所。伝説の中でだけひそやかに囁かれてきたヒルコたちの秘密の王国で、二人だけの会合が行われていた。
ねじくれた奇怪な外見の中に、王の威厳をたたえた不思議なヒルコ。その向かいに立っているのは人間の、それもまだ若い女だった。暗い地下では光らない翡翠の瞳、肩までの銀髪。服の胸ポケットにバッヂを隠していたが、本来彼女はヒルコたちを狩る側にいるべき猟犬だった。
だが同時にヒルコの王国も、異質な猟犬にとってはいるべき場所だった。10代の頃に汚染を受けてミュータント化した冴草
彩は極めて数少ない、自分の正体を隠して法執行機関で働くヒルコでもあったのである。
世界は広い。ニューロエイジ世界全体を俯瞰すれば、法執行機関で活動している人工生命や実験体、軌道の存在やアヤカシの類もいない訳ではない。だが、N◎VAの、しかも機動捜査課に潜んでいるヒルコはそう何人もいなかった。
冴草彩「‥‥というわけなの」
下水王「そうか、そのような作戦が行われるのか (-_-)」
冴草彩「私は立場上、止められる位置にいないけど、このまま野放しにはできないから」
下水王「汝にはふたつ、借りができたな。胸を張るがよい。
余が策を考えることができたのも、汝が情報をもたらしてくれたお陰だ」
下水王は襤褸同然の服を引きずるように進むと、下水王国で謁見の間に使われている大きな空間に異質な猟犬を導いた。
下水王「今から民たちに伝える策には、汝の協力が不可欠となろう (-_-)」
そこは地下に秘せられた広大な空間だった。化学消毒液の匂いのする下水が小川となってちょろちょろと流れ込み、中からは下水ワニやその他の水中の生き物が顔を出す。土に埋もれつつある太いパイプが絡まった壁には多種多様な壁伝いが動き回り、空中では羽根のある生き物たちが飛び、眼下の広間には比較的に人間に近い姿をしたヒルコたちが待っていた。
王の務めにその身を捧げる下水王の姿を認めた途端、頭があるものはそれを下げ、羽根があるものはそれを畳み、多種多様なヒルコたちは思い思いの方法で恭順の意を示した。
下水王「我が民たちよ。聞くがよい。人間たちはかような作戦を企んでいる。我らの民たちが総出で戦えば、我らは勝てるだろう。だが、犠牲も多く出る。
そこで余は、一計を案じた。この四つの瓶に、同胞たちの運命が掛かっている。四名がこの任務に必要だ。我こそはと思うものは申し出るがよい」
下水王国の民たちは一斉に拍手した。下水王は四つの小瓶を取り出すと自らの前に置いた。屈強なヒルコ、勇敢なヒルコたちが我先にと手を上げた。
ヒルコ「オレに任せてください! (>ω<)ノ」
ヒルコ「オデもやるだ (´Д`)ノ」
ヒルコ「オデもオデも」
だが結局、重大な任務に王が選んだのは屈強なヒルコ3名と人間の姿をした異質な猟犬だった。任務は夜明けとともに、4つの小瓶を指定された場所で割り、中身を出すこと。それで秘密の王国は隠され、人間たちの魔の手から逃れることができるというのだ。
王国の未来を決する重大な任務を拝命した四名の名は‥‥
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イルジー |
このヒルコなネーミングこそペロきちセンス! (;゚∀゚)=3 なにやら1人だけ日本人名の冴草が仲間外れな感がするが、そこはそれアクトの都合というやつである。
下水王「‥‥汝はレッドエリアの北東の隅に。汝は北西へ。
そして冴草彩よ、汝はレッドエリアでもっとも高い場所にて、この瓶を割るのだ (-_-)」
冴草彩「確かに、私にしかできないことね」
瓶の中身は、様々な能力を持つヒルコたちの中でも極めて変わった能力の持ち主の器官から取り出されたサムシングである。これが空気中に露わになることにより、人間たちがヒルコを追う際に用いる探知装置の類を完全に無効にできるのだ。ストリートで密かに流通している強力かつ希少な遺法ドラッグ、ヒルコの子から造られるという“愚嵐”と同種のものである。
下水王「民たちもそれぞれ、しばらく姿を隠すがよい」
王は《不可触》を用いて下水王国の在り処を人間たちから隠した。果たして人間たちから隠し通せるのだろうか。破られた際に《突然変異》でもう一度使うのが、このペロきちしなりおで想定された使いどころである。
異質な猟犬は小瓶を大事にしまうと、地下の世界から日の当たる世界へと戻っていった‥‥

アレックス・タウンゼントが少女イシリアを偶然助けたのは数ヶ月前だった。何かの事件で家族を喪ったとかでストリートで倒れていたところを拾い、患者の素性に関係なく面倒を見てくれるレッドエリアのドクター・クロエのところに担ぎこんだのだ。
ダークブラウンの髪の長身に鋭い青い瞳、夜の色をしたコート。アレックスが静かに病室に入ってくると、今日は珍しくイシリアは起きていた。小さな窓から夕日が差し込む様を、少女はベッドの上から眺めていた。デス・ロードが見舞いに来たのを知ると、イシリアは驚いたように振り返った。
イシリア「あ、アレックスさん‥‥ (*´▽`)」
アレックス「気分はどうだ」
イシリア「はい、今日は調子が良くて――」
良いはずはなかった。アレックスは重ねなくてよい技能も重ねて知覚し、死が迫っている少女の嘘をすぐに分かった。世界の戦場で死を見てきた彼にはすぐ理解できたのだ。
アレックス「――そうか。それはよかった」
黒衣のBGが言葉ではそう答えると、イシリアは気まずくなったのか黙り込んだ。
アレックス「ところで、ずっと外を見ていたが、何かあったのかい」
イシリア「いえ、なんでも、なんでもないです」
控えめな少女は言い澱んでいたが、やがて言葉を続けた。
イシリア「‥‥実は、もうひとつだけ、頼みがあるんです。もう、頼める人がいないんです。
あの‥‥私‥‥行きたい場所が‥‥」
少女は毛布を握り締めて続けた。
イシリア「1人じゃ行けないのは分かってます。でも、アレクさんに頼めばいいって、クロエ先生が‥‥ (-人-;)」
アレックス「(`ー´).。oO(‥‥あのドクターめ‥‥)」
しばらくして、ブリテン人のBGは言った。
アレックス「BGの仕事には、クライアントの希望に沿って外に出かけることも含まれている。俺も、厄介な依頼人のわがままに付き合ったことも多いよ」
イシリア「そう、そうですよね。じゃあ――」
アレックス「だが、これは仕事だ。君に金は払えるのか」
青い瞳を険しくするアレックスの言葉に、少女イシリアの表情はさっと曇った。
イシリア「そうですよね。私‥‥入院費も払ってもらってるのに‥‥」
アレックスの脳裏に、まだ幼い娘の姿が浮かんだ。クリスマスプレゼントを貰って無邪気に喜んでいた、一人娘のエミリの顔が。
アレックス「――準備をするんだ。行くつもりなら、その正確な場所を。経路も調べておく」
イシリア「いいんですか? あのでも私、お金が‥‥」
アレックス「金は後でいい」
黒衣のデス・ロードは遮るように言った。
少女が望んだ場所、それは、レッドエリアで一番高い場所だった。

クロエ「はいはい、診療時間はもうおしまいだよー」
診療所の事務室で書き物をしていたドクター・クロエは、DAKのセキュリティ・ホンの呼び出し音に立ち上がった。面倒くさそうに医院の入り口へ向かうと、診療時間外の客は自分からドアを開けて勝手に入ってきた。
それは物々しい猟犬の一団だった。黒一色、警察機構支給の装備にぴかぴかの銃、赤外線ゴーグルに様々な機器を揃え、どやどやと入ってくる。
特生課「我々はブラックハウンド特殊生物処理課だ! 協力されたし」
クロエ「そんなこと言われたって、ヒルコの患者なんかウチにはいないよ」
特生課「それは、我々が決める (`△´)」
そうこうしているうちに、裏口から別部隊まで入ってきた。完璧に汚染対策した耐NBC装備のスーツに防毒ガスマスク、複合ゴーグルを身に着けて病院の中に押し入っていく。
ドクター・クロエはイシリアが寝ている部屋に急ごうとしたが、別働隊に先を越されてしまった。
クロエ「(イシリア‥‥逃げたの‥‥?)」
少女が窓を眺めていた部屋はもぬけの空だった。夜なのに窓が開き、カーテンが揺れている。
謎の耐ヒルコ重装備で入ってきた隊員たちは毛布を乱暴に引っぺがすと、ベッドに手をやった。だが、人ならぬモノを完全に遮断する分厚く重いスーツの手袋は厚く、ぬくもりも何も分からない。中の1人が赤外線ゴーグルを作動してようやく、サーモグラフでそのベッドに何かがいたことが分かった。
特生課「まだ近いぞ!」「探せ! (`△´)」
内心の安堵を隠し、ドクター・クロエが迷惑そうに煙管を吹かしていると、1人の女がやってきた。格好も持っている銃も違い、どうやらブラックハウンドの人間ではないようだ。
カラミティ「まあ待て。あなたが院長か」
クロエ「ああ (´-`)y-~~~」
白衣のドクターは面倒くさそうに答えると、煙を吐いた。
クロエ「そのベッドにいたのは、ろくに治療費も払えないじいさんさ。ヒルコじゃないよ (´-`)y-~~~」
よくよく調べれば身の回りの品やベッドに落ちているブロンドの髪の毛で分かりそうなものだが、戦闘を想定した重装備でどやどやと歩き回る場違いな猟犬たちには分からなかったようだ。
そうこうしていると、その女が胸につけている無線機が鳴った。
無線『(ザザ) カラミティ、状況を報告しろ』
カラミティ「『こちら、治療院を探索中。目標なし。次に移る』 ‥‥全員、引き上げるぞ!」
病院を荒し回った一団は現れた時と同じように、どやどやと帰っていった。院長には一言の挨拶もない。
クロエ「この街にブラックハウンドに恐怖を持たない奴なんて、いないと思うけどね‥‥」
見送りの代わりに煙を吹かしていた白衣の院長は、深夜に荒された自分の診療所を改めて見回した。だいぶ散らかっている。
クロエ「やれやれ、後片付けの前に許可証の発行を片付けちまおうかね‥‥ (´ー`)y-~~~」
一方、アレックスはイシリアが望んだ場所の経路の確認を行っていた。レッドエリアで最も高い場所、廃棄されたアーシェント・ビル。別名“夕日の摩天楼”。今は中で活動するコーポもなく、誰も住んでいないビルだ。歩いて行ける距離だが、付近でブラックハウンドのある特別部隊が活動しているという。
N◎VAの日の当たる世界に戻ってきた冴草彩は、大事に預かった小瓶の中をあらためた。中の薬はやはりヒルコの仲間の血肉、特別な器官から採取したものだった。特殊生物処理課はヒルコの捜索にある種の特殊なレーダーを使っていたが、この薬があればECMと同じ原理でジャミング効果を発し、広大な範囲で追跡の手を妨害できるのだ。
マッドは、ヘンドリックが変貌した原因となった半年前の事件をハウンドの記録から調べた。
ヒルコが凶暴化して居住地域で暴れ、さらにその血から感染して拡大する暴動が起きていた。一般市民50人ほどが死亡する痛ましいものとなり、本格的に活動したブラックハウンドが鎮圧、騒ぎは収集している。
死亡者のリストには美雪・北条、イシリア・北条の名があった。ヘンドリック・北条の亡き妻と妹の名である‥‥

リサーチフェイズは進行してゆく。シンジケートの人が次なる運命を指し示したシーンカードはマネキン、
若い少年がPC1だったりすると、ハンドアウトに出てくる女の子となんというかこうムーディになったりならなかったりしそうな予感である。
PC1の中の人「(((( ;゚Д゚)))」
PC4と中の人「(´▽`)y-~~~」
PC1の中の人「私は負けん!ヽ(`ー´)ノ」
アレックス・タウンゼントは現場の下見に来ていた。まだ午前中、アーシェント・ビルはガラス吹き抜けの本体に朝の日差しを浴び、高層建築の少ないレッドエリアで輝いていた。
夜色のコートを翻し、それを見上げていたアレックスは、イシリアを入院させた時のことを思い出していた。
少女は自称15歳、金髪碧眼の日系とのハーフ。自分の家族や出生のことはほとんど喋らなかった。訳ありの患者に慣れているドクター・クロエの見立てでも、治療はもう手遅れとのことだった。
そして、警察の記録を見る機会のあった時に、偶然の一致があったのだ。半年前のヒルコ暴動事件でも同じ名前――イシリア・北条という名の人物が死んでいる‥‥
裕福な顧客相手の時のために用意しているユーロ・モデルの高級なセクレタリを取り出すと、アレックスは旧知の町医者に連絡した。
アレックス「俺だ。レッドエリアで騒ぎがあったそうだが」
クロエ『あぁ、ずいぶんとごっつい装備で固めたおまわりさんたちだったよ』
アレックス「イシリアはどうした」
クロエ『機転を利かせて逃げ出したようだよ (´ー`)y-~~~』
アレックス「そうか‥‥」
ドクター・クロエは語った。おまわりさんたちの中で浮いていた、カタナ◎の“カラミティ”という女のこと。『特殊生物処理課』という物々しい部署名。
アレックス「特生課か。聞き慣れない名だな」
クロエ「ああ、最近出来たんだとさ。おかげでこっちは、後片付けが大変だよ」
アレックス「俺もあの子を探してみる。何か分かったらまた連絡してくれ」
デス・ロードは厳しい顔で巨大ビルを振り返ると、その場を後にした。
一方、マッドはDルールでは達成値上昇のみにも可能な<社会:ブラックハウンド>+<※指名手配>でかつてのよき先輩のことを調べた。ヘンドリック・北条、かつては誠実で優しく、ハウンドでも評判のよかった男。だが妻と妹を亡くしてからは一変してしまった。半年前の、ヒルコ凶暴化による暴動事件である‥‥。
そして冴草彩もレッドエリアのもっとも高い場所を調べていた。シナリオ的には情報項目として用意されているので、達成値を出さねば取得できないのだ。
だが、参加者一同が考えていたのは‥‥
(*´▽`).。oO(それだけの高層ビルなら、外で回りを見渡せばすぐ見えるんじゃないか?)
前にやった時もPINK父の人がそんなことを言っていたそうである。だがそんな些細な事項はシナリオの都合というもの。物語はさらに進む‥‥!

何食わぬ顔でブラックハウンド基地へ戻ってきた冴草彩は、新設されたばかりの『特殊生物処理課』のフロアを覗いてみた。
プラチナブロンドに翡翠の瞳をした彩の外見は、ぎりぎりファッションだと言い訳できる範囲だ。それほど純粋日系の顔立ちでもない彼女はクールビューティ然としたなかなかの美人だったのだが、扱っている事件がいつも特別なせいで隊内では距離を置かれていた。
特生課エキストラ「持ち場へ戻れ! こちらは隊長から許可が出ている!ヽ(`Д´)ノ」
冴草彩「(´-`).。oO(隊長に文句言いに行こうかな)」
まだ御堂茜が“首切り判事”と化す前――今や黒歴史の『ブレインハンター』からR時代中期までのいいお姉さんだった頃、世話になった冴草はふと思いついた。
冴草彩「あなたたち、レッドエリアを火の海にするつもりなの!」
特生課エキストラ「1人2人死のうが関係ない。あそこには登録市民はいない。人は住んでないことになってるんだからな!」
冴草彩「あなたたちは間違ってるわ!」
登録市民以外は気にしない標準的な悪側ハウンドのテンプレート的な態度に業を煮やしていた冴草彩は、ふと廊下を歩いてくる人物に気付いた。連行されて行く犯罪者と間違えそうな髪の毛ツンツンの大男は、よくよく注意して見れば同僚ではないか。
マッド「まったくテメェら、火炎放射器なんてどうするつもりだ‥‥ (`ー´)」
冴草彩「あら、あなたもいたの?」
マッド「こっちはこっちで、ダチに付き合ってるワケよ」
実は同い年で同期生の冴草彩とマッド・クレイズは、別に一緒に仲良くハウンドに入隊したわけでもなかった。
そもそも、世界中を騒がせてきた悪役レスラーで頭の中身も筋肉が補っている“EXTREME PAIN”がどうやって選抜試験を合格したのかは、ハウンドに数ある謎のひとつである。もっとも、彩自身もまた、自分の体の秘密を隠し通したまま、特務警察隊員のバッヂを晴れて掴み取ったのだが。
同じ課の隊員の登場に安心した冴草は愚痴をこぼした。
冴草彩「彼らは間違ってるわ。それとも私が、間違ってるのかしら‥‥ (ーー;)」
マッド「間違ってねェワケないだろ、まったく」
冴草彩「罪もない人もいるのに‥‥」
制服をラフに着崩したプラチナブロンドの女性と身長180弱の髪を逆立てた元レスラー、異質なバディ組の二人は特殊生物処理課の中へと入っていった。
出てきたのは責任者のヘンドリック・北条その人である。うろんな二人組に向けた視線はいきなり<知覚>+<ハンター:ヒルコ>で16。
なんと、30回以上のアクトで自分の正体を隠し通して来たにも関わらず、冴草彩の<隠密>はわずか1Levelであった。幸いなことに<■領域>がカバーし、なんとかその場を逃れる。
ヘンドリック「‥‥気のせいか」
冴草彩「何をジロジロ見てるのよっ ヽ(`ー´)ノ」
ヘンドリック「なんでもない」
冴草彩「よほど鼻が効く犬のようね。あら、ほんとにイヌだった (゚ー゚)」
これが“異質な猟犬”の素ギャグだろうか、それとも中のヒルコ細胞に宿っているヒルコスキー・アッキーノフが滲み出たのだろうか?
冴草彩「人間だって罪を犯します。全てのヒルコが罪を犯すわけじゃありません」
ヘンドリック「ヒルコに理性はない。――半年前も同じだった」
マッド「じゃぁよお、レッドエリアでぼうぼう燃えてるあの火はどうするんだ ヽ(`ー´)ノ」
ヘンドリック「君らと話しても平行線だろう。特生課の邪魔をしないでくれたまえ」
ヒルコ絶滅作戦指揮官の決意は変わらず、会話は平行線を辿るだけだった。
冴草彩「いつからイヌは、ここまで腐ってしまったの。不愉快だわ。‥‥失礼する (-_-)」
プラチナの銀髪を揺らすと冴草隊員は踵を返し、すたすたと立ち去ってしまった。
ヘンドリック「それは、機捜課が好きにやっているだけだ」
マッド「あの一角を覚えているか。花屋で花もらって、お前も喜んでただろ」
二人の過去を勝手にデッチアップしたマッド・クレイズは、かつて二人でパトロール中に寄った店のことをかつての先輩に思い出させた。
ヘンドリック「これも任務のためだ。クレイズ、お前には失望したよ。
――もう、特生課にいる必要はない。正義の味方さんよ」
ここでヘンドリック・北条の《制裁》が炸裂。マッド・クレイズが持っていた<コネ:ヘンドリック>が凍結された。元ヒールレスラーは特殊生物処理課をお払い箱になり、やれやれとフロアを出た。
マッドが機動捜査課へ帰ろうと出てくると、背を壁にもたれて腕を組んでいた冴草が待っていた。
冴草彩「あそこの中で、あなたが一番まともに見えたわ (-_-;)」
マッド「何を言ってンだ。オレはMAD、一番マトモじゃないのさ (゜∀。)b 」
一方、PC1とPC4のコンビはその頃。
逃走したイシリアの行方を突き止めるには<社会:ストリート>の判定が必要だ。プレアクト報酬点が(以下略)なアレックスが判定、さらにドクターが舞台裏でも使える<※アドバイス>! イシリアのルール的なアドレスを取得し、行く先を確保する。
そして、ドクター・クロエの詳細な調査と医療用トロンの計算が遂に結果を出した。<※スーパードクター>に<社会:テクノロジー>で20。
イシリアの病の原因は半年前のヒルコ事件で発生した血液感染性のウィルス。これは予想通りだ。
だが症状が違い、彼女はその後世を騒がすことになるヒルコ化ウィルスに感染したわけではなかった。ヒルコの血から派生した別種のウィルスが、彼女の命を蝕んでいたのだ。

ストリートの表では様々な種類の争いが絶えず、銃弾の飛び交う音が響いていた。
路地裏に隠れて震える肩を押さえていたイシリアは、息を吐きながら足早に近づいてくる漆黒のコートの男性に気付いた。手には通話を終えたばかりのセクレタリを持っている。
イシリア「あ、アレックスさん‥‥! (*´▽`)」
アレックス「ここにいたのか。ずいぶん探したよ。さすがにドクターは、君の行きそうな場所をよく知っているな」
イシリア「ずっと‥‥怖かったです‥‥」
心細かったのか、少女はアレックスのコートにすがりつくとぎゅっと抱きついてきた。これが若かぶとだったりするとあわやフラグせいりt‥‥な所だが、イシリアはしばらくして、はっとすると手を離した。
イシリア「あっ、すいません」
アレックス「まあ、俺も厄介なクライアントの相手をすることは多くてね。我侭に付き合って出かけたり、今の君のように飛び出されてから後を追ったりしたことはあるよ」
今まで警護任務を行った相手の中で、富裕階層のわがままな御嬢様や危険に近付きたがるトーキーなど数々の厄介な依頼人を思い出し、アレックスは答えた。
イシリア「じゃあアレックスさんは、エスコートに慣れてるんですね (*´▽`)」
アレックス「‥‥いや、そうでもないさ」
英国人のBGは束の間、微妙な顔をした。
クロエ「へー、そうかい (´ー`)y-~~~」
イシリア「あ、ドクター! (*´▽`)」
二人の会話を全部聞いていたかのようなタイミングで現れたのは、白衣の上にコートを羽織った女医である。何やらにこにこしながら、煙管の煙草を吹かしている。
イシリアは顔を輝かせ、アレックスは内心ぎくりとしながらも表には出さずに振り向いた。
クロエ「発作もないようだし、今日は出掛けて大丈夫そうだね。んじゃ、さっさと許可証を発行しちまおうかね。ここにサインしてくれるかい、アレックス?」
手際よく準備済みだった主治医からの外出許可証書類。ドクター・クロエはさらさらとそれに付け足すと、アレックスがサインした。
クロエ「よしと。これで成立だ (´ー`)y-~~~」
アレックス「さすがに慣れているな、ドクター・クロエ」
その時、アーサーの孫娘と死神の使いとヒルコの少女は、路地裏のもう一方の端、逆光の中から現れた人物に気付いた。
頭には跳ね上げたセンサー付き複合ゴーグル、比較的軽装備だったが武装し手には拳銃。背後には部下が控えている。特殊生物処理課のヘンドリックであった。
ドクター・クロエは咄嗟にイシリアを背後に庇い、アレックスは動じることなくゆっくりと右手を懐に伸ばした。
ヘンドリック「そこまでだっ (`△´)」
レッドエリアの医院から逃げ出したとおぼしきミュータント。だがその少女の外見をした姿に、ヘンドリック・北条はやや動揺を見せていた。
アレックス「特殊生物対策課、だったか」
ヘンドリック「いや、『特殊生物処理課』だ。確かに創設したばかりで知名度は低いからな」
クロエ「ずいぶんと穏便じゃないね。穏やかに行くなら、まずその銃を降ろすことだね (´-`)y-~~~」
ヘンドリック「こちらはヒルコ一掃作戦の重要な任務中だ。我々は強固な信念に基づいて行動している!
それで、そっちの男は何だ」
ヘンドリック・北条は、一目で医者と分かる格好をしたドクター・クロエのもう一方――二人の一歩前で立っている黒衣の男に銃を向けた。
アレックス「ただのボディガードだよ」
ヘンドリック「ただのボディガードが何をしているっ!」
アレックス「生憎だが、ここにいるのは入院中の重症患者だ。そして主治医のドクターから、許可証が出ている。それに従って外出しているというところだ」
いつの間にかアレックスの手には銃が握られ、少しも動じることなくヘンドリックに向けられていた。重度のサイボーグ義体にも効果のある大口径の、北米メーカーによる軍用の高性能攻撃拳銃である。
周囲の状況を確認したドクター・クロエは、少女を押さえたまま連れに小声で囁いた。
クロエ「アレク、後ろががら空きよ」
デス・ロードは銃を向けたまま視線を変えず、声だけで応えた。
アレックス「ドクター。その子を連れて逃げろ」
イシリアがはっとする中、ドクターは頷いた。身を翻し、彼女を連れて一目散に走り出す。
ヘンドリック「待て! (`△´)」
特殊生物処理課のリーダーは発砲した。いきなりの《とどめの一撃》は二人が逃げる間残ったアレックスの右腕を貫き、[7:片腕損傷]。コートの下、スキンコートで生身に偽装した義手が機能不全を起こす。
右腕を押さえたアレックスは動かず、ヘンドリックの姿を見返した。
アレックス「ヘンドリック・北条。半年前のヒルコの事件で家族を失った人間に、その名があったな」
ヘンドリック「通りすがりのボディガードがなぜそれを知っている!」
アレックス「いや、人から聞いただけだよ」
ヘンドリック「‥‥‥‥」
アレックス「身近な人間を失った時、人の信念はたやすく変わってしまうものだ。それで、お前はここにいるのだな」
自らの中の闇と世界の夜で戦ってきたデス・ロードは言い、拳銃を素早く左手に持ち替えた。ヘンドリックに向けて構え直すと、その瞳に危険な色を浮かべる。
アレックス「どうする。まだ続けるか? ――俺は左手でも銃が撃てるぞ」
ヘンドリック「くっ‥‥」
ルール的にはこれははったりだったのだが、一触即発の睨み合いは数瞬続いた。その後の一瞬、夜の魔法が炸裂した。閃光手榴弾が世界を白く変えるように、突然の暗闇が辺りを覆ったのだ。裸眼、サイバーアイ、複合ゴーグルの光学センサー、全てが影響を受けた。
特殊生物処理課の面々が誤動作を起こしたゴーグルをはねあげて周囲を見渡した時、路地裏の光量は元に戻り、夜の魔法使いの姿も消えていた。
ヘンドリック「逃がしはしないぞ‥‥」
一方、特生課をお払い箱になった異質の二人組は作戦を実行中の面々のことを調べた。
ヒルコ一掃作戦は実行時の隊長もヘンドリック・北条。レッドエリアの市街地で派手な銃撃戦が勃発し、市民からも警察側からも、各方面から反感を買っているという。
装備面をサポートしているのはヒュードという黒人の研究員。イヌ, ニューロ, タタラの彼はあちこちの巨大企業と繋がりがあり、今回の作戦でも新兵器のテストをしているという。
そしてカタナ◎のカラミティは予想通り、ハウンドの隊員ではなく雇われた女傭兵であった‥‥

髪を逆立てた筋骨隆々の大男と、すらりとしたプラチナブロンドの若い女。ブラックハウンドの制服だけが共通点の奇妙な二人連れが、レッドエリアに赴いていた。
冴草彩「巻き込んでごめんなさいね (-_-;)」
マッド「いや、オレが勝手にここにいるだけサ ('∀`)b」
特殊生物処理課の強引な作戦実行がもたらした影響は大きく、あちこちで騒ぎが起こるスラムは銃声やうめき声が絶えることがなかった。
ストリートの一角で、スキンヘッドの黒人の男が倒れている何かに銃を向けていた。ポンプアクション式のぴかぴかの大きな新品ショットガン。倒れているのは人間ではない、異形の何かだった。
冴草彩にはすぐ分かった。ヒルコの民たちを救うための重要かつ危険な任務を拝命した4人の勇士たちの1人‥‥アグルーだ。
黒人の男は自分ががつ系であることを示しつつ、瀕死のヒルコを蹴っ飛ばすと銃をひらひらさせていた。
ヒュード「ヒャッホウ! たまんねェなァ〜。アンチミュータント弾はさすがにヒルコにはよく効くぜェ! (´∀`)」
アグルー「うっ‥‥ぐっ‥‥」
冴草彩「ちょっとあなた。それぐらいにしておいたらどうなの」
ヒュード「おィおィあんた、連中は人間様の世界に土足で足を踏み込んでるんだゼ?」
冴草彩「私には、ヒルコの世界に人間が土足で踏み込んでるように見えるけどね (-_-)」
ヒュード「なんだァ‥‥?」
冷たい素ツッコミを返す銀髪の女に、ヒュードはうろんな顔をした。今度は<知覚>+<ハンター:ヒルコ>で17。今度こそ異質な猟犬の正体が分かれば面白かったのだが‥‥なんと彩は、山札から引いて<隠密>に成功! 翡翠の瞳が、一瞬妖しく輝くだけに留まる。
ヒュード「なんだ、気のせいか」
冴草彩「どう見ても、誇り高く気高い猟犬のやることには見えませんね」
冴草彩は愛銃を素早く抜くと、スキンヘッドの男に向けた。“DEAR FATHER”。日本軍でも使われているストッピングパワーのある制式P10をベースに改良を加え、近接戦闘用にスパイクを装備、対妖物用に魔剣化し、強力な徹甲弾やAM弾用にバレル内部も工夫されている強力な拳銃である。
ヒュード「おィおィ、笑えねェ冗談だなあ。誇り高く気高い猟犬が、互いに銃を向け合うってのかい? (゜∀。)」
ヒュードもアンチ・ミュータント弾を装填した新式のショットガンを向けると、二人は危険な状態に突入した。
マッド「は? 何言ってるンだ?」
大げさな身振りで耳の穴を小指でほじると、マッド・クレイズは耳に手を当ててヒュードの方に向けた。ヒュードもそれを見ると肩をすくめ、銃を降ろした。
ヒュード「このヒルコどもは、オレたちと張り合うらしい。まったく健気だよなァ」
瀕死のミュータントの手の中にあった小瓶を蹴飛ばすと、ヒュードは分厚いブーツで思い切り踏んだ。瓶が割れ、中のサムシングが効果を発揮することなく空気中に揮発してしまった。《制裁》による《不可触》打ち消し。あわや、下水王国の場所が知られてしまう!
冴草彩「‥‥あっ (・о・」
マッド「てめェ、後で吠え面かくなよ」
ヒュード「ヒューウ、怖ェ怖ェ。ま、オレもそこの姉ちゃんには撃たれたくないしな ( ´∀`)σ)Д`)」
冴草彩はうっかり声を漏らしてしまった。スキンヘッドの男は手をひらひらさせると、二人の前から姿を消した。確かに、彼女が抜き撃ちからの速射、至近距離からの銃撃で高い打撃力を持っていることは、ハウンドの中でも有名だったのである。
ヒュードの姿が消えた途端、冴草彩は同志の元に駆け寄った。戦士アグルーの命は尽き果てようとしていた。
冴草彩「アグルー! しっかりして!」
戦士アグルー「俺の死体を流してくれ‥‥川でもいい。最後に、海にさえ届けば大丈夫だ‥‥ (´¬`;)ノ」
冴草彩「馬鹿なこと言わないで!」
勇敢なミュータントの命の灯火は今、完全に消えようとしていた。
アグルーは、戦士の目で、人間の姿をした同胞を見た。
戦士アグルー「頼む‥‥お前が、最後の‥‥希望だ‥‥(ガクリ)」
一同の中の人「戦士の目! (;´Д`)ノ」
一同の中の人「さらばアグルー! (;´Д`)ノ」
冴草彩「下水王国に殉じた‥‥気高い魂に幸いあれ」
呟くと、冴草彩は遺体を運んでいった。入り組んだスラムには分流や地上に出た下水、小さな川も多い。コンクリートの階段を下ると、小さな流れの中にアグルーの亡骸を放つ。様々な浮遊物と一緒に亡骸は流れに乗り、ゆっくりと下り、暗がりの中に消えていった。
流れはやがてひとつになり、隅田川に繋がる。その先はネヴァーランドから見える木更津湖に流れ込み‥‥運がよければ、母なる海へとたどり着くことができるだろう。
マッド「‥‥知り合いか、てめぇの」
涙をぬぐい、決然とした表情で同志を見送っていた冴草彩は、振り向くと悲しそうな目で同僚を見た。
冴草彩「ごめんクレイズ。私はもう、あなたといられないかも」
マッド「答えになってねェなぁ。知り合いかって聞いてるんだ」
冴草彩「だってあなたも、ヒルコと一緒になんていられないでしょう――?」
マッド「言ったろ、オレは狂ってるバカだって (゜∀。)b 」
冴草彩「え? 何を言ってるの? (・_・)」
異質な猟犬は目をぱちくりすると、元ヒールレスラーの
マッド「きっと頭ぶつけてトチ狂ったんだな。うんよし。この手だ。これで行こう (*゚∀゚*)」
冴草彩「クレイズ? あ‥‥ありがとう‥‥」
頭を逆立てた不良隊員は先に立ってのしのしと歩き出すと、親指を立てて冴草を促した。
マッド「さあ、その例の“夕日のマウンテン”とやらに行こうぜ ('∀`)b」
冴草彩「それを言うなら、“夕日の摩天楼”よ (´ー`)ノノ☆」
プラチナブロンドの髪の女性隊員は微笑んで答え、彼女は共に歩き出した。
ジツは“夕日のマウンテン”は半分中の人の素間違いなのだがそれはさておき。ブラックハウンドの世にも異質な二人連れは、陽光を照り返す巨大ビルへと歩き出したのである。
そんな燃えるシィンの舞台裏。データのある敵ゲストと思しき重要ゲストの確認が続いていた。
アレックスの中の人「“カラミティ”は傭兵なら<社会:軍事>も使えるのではないか? (;゚∀゚)=3」
シンジケート首領の人「使えますねー (っ´▽`)っ」
中の人が勝手に燃えだす中。人物の照合が完了した。
女傭兵カラミティ、別名“サイコロジカル・アサッシン”。白兵武器を得意とするサングラスの女傭兵。依頼は果たすものの依頼以外は完全に何も気に止めず、目標と一緒に周囲を皆殺しにするような傍若無人な仕事もたびたびだという。
サイコロジカル・アサッシン。なんともラノベ時空っぽいネーミングのハンドルである。このネーミングこそシンジケートの誇るペロきちセンス!ヽ(´▽`)ノ
一方、ドクター・クロエは少女イシリアの命を奪おうとしているウィルスの調査を進めた。
ヒルコの血から生まれたその変異ウィルスはその後沈静化し、他に感染者は出ていない。ヒルコ暴動事件の際の当局の詳細な記録、そして半年に渡るイシリアの検査結果を統合して研究を続ければ‥‥医療技術のある者なら、抗体ワクチンを作れるかもしれないのだ。
成功に至る演出は次シーン以降に表現することにし、《タイムリー》が遂に発動する‥‥

ドクター・クロエは知り合いに声を掛け、渋々同意を得るとしばらくラボを兼隠れ家として借りていた。
イシリアを落ち着かせ、自分は医療品の準備をしていた頃。扉が開き、夜の色をしたコートを纏った男が傷ついた右腕を押さえて入ってきた。
クロエ「さすがに、デス・ロードは頑丈だねぇ (´ー`)y-~~~」
アレックス「ドクター。君はサイバー技術は専門外かな。サイバーアームは直せるか」
アレックスは座ると服の裾をまくり、銃で撃たれた右腕を台の上で見せた。ドクターはその腕を診た。
クロエ「うーん、あいにくここじゃあ、備品が足りないねえ」
アレックス「そうか。仕方ないな。今のままでは銃が撃てない」
《タイムリー》が必要?という問いにいらないことを中の人同士はジェスチャーで示しながら、アレックスは言った。ダメージは7番でも神業ダメージなので、<医療>の判定では治せないのだ。
入ってきたイシリアは、自分を逃がすために残ったボディガードが怪我をしているのを目にすると、蒼白になって息を呑んだ。
イシリア「アレックスさん、その怪我は‥‥!」
アレックス「大丈夫だ。俺の右腕はサイバーアームだ。昔、軍にいた頃に負傷してね」
無事な方の手で少女を制し、アレックスは落ち着いて答えた。災いの街にたどり着くより昔、王立陸軍のある連隊にいた頃の傷である。
イシリア「そうなんですか‥‥」
アレックス「それに、銃は他にも用意している」
ブリテン人のBGはちらりと上着の前を広げると、下のショルダーホルスターを見せた。そこにあるのは銃身を短くし、銃床が折り畳み式になったコンパクトな短銃身のサブマシンガンだった。特殊部隊員や情報機関員が好むモデルである。
そしてイシリアが部屋から出たところで、前シーンで発動した《タイムリー》演出が発動!
ドクターの調査によれば、イシリアは元から生化学的にヒルコ化し易い特性を備えていたようだった。そこにウィルスから派生した別種のウィルスが潜り込み、別の形で発症したのだ。ドクター・クロエが継続的にDNA治療を続ければ、スタイルチェンジで完全に戻るのは不可能までも進行は食い止め、元通り元気にさせられることが判明した!
アレックス「流石だな、ドクター」
クロエ「まあ、大したことじゃないけどね (´ー`)y-~~~」
アレックス「では‥‥治療を続ければ、あの子は退院できるのか」
クロエ「ああ、大丈夫さ」
アレックス「そうか。よかった‥‥」
女は煙管に火を点け、男はやや安心した顔を見せた。
そして舞台裏では重要ゲストの調査が続く。黒人の研究員ヒュードのハンドルは“人外の悪夢”、32歳。フルネームはヒュード・アンカッサス。
シンジケート首領の人「この苗字は何だ? 何系のどこの人だ? ヽ(`Д´)ノ」
ラノベ時空へ跳・躍! シナリオ作者とRL担当者が違うゆえに発生するアレコレはさておき。ヒュードは普段は兵器開発に携わり、有名な巨大企業にも数社に繋がりがあった。各社で新兵器のテストをしているという。
ヘンドリック・北条の亡き妻、美雪・北条は命を落としたときに26歳。ヒルコに多少の知識があり、警官である夫の支えとなったよき妻だったという。

冴草彩とマッド・クレイズは、レッドエリアに赴くとドクター・クロエの病院を訪ねていた。ドクター本人はおらず、助手が対応してくれた。診療所にはレッドエリアの騒ぎで負傷したヒルコの子やストリートの住人などが担ぎ込まれ、賑わっていた。
冴草彩「クロエさんはどうしたんですか?」
助手の人「それが、イシリアという子を探しに。護衛の方も一緒でした」
助手の人が一連の事情を話す。その少女の名は、二人の猟犬には特別な意味を持つ名であった。
冴草彩「これは‥‥ヘンドリックの死んだ妹と同じ名前?」
マッド「なるほどねェ。ま、あのおっさんが一緒なら大丈夫だろう ('∀`)b」
冴草彩「おっさん? あなた、知り合いなの? (・_・)」
マッド・クレイズはキャスト間コネが接続していた黒衣の死神の使いのことを思い出した。アレックスは自分の能力を誇示することは決してないのでスートは何でもよいと中の人は言ってあったのだが、マッドとのスートは理性で敬意となってしまっていたのである。
シンジケートの人「アレックスに向かっておっさん!」
アレックスの中の人「どうぞ自由にどうぞ (っ´ー`)っ」
一同「おっさんだ〜 ☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノ」
まったくの余談だが、ジツはアレックス・タウンゼントは今まで体験してきた数多くのアクトの中で、味方ゲスト、他のキャストから“おっさん”や“オヤジ”系の呼び方をされたことがほとんどないのだ。
数少ない例外は『月下の騎士』に登場するあんじーわーるどのグランパ渋スミス刑事ぐらいである。マーヴェラス!
ヽ(@▽@)ノ
冴草彩「その人がいれば‥‥そのイシリアも安全なの?」
マッド「心配はいらねェな。しかしよォ。何を考えてるんだあのおっさんは。そんな護衛料も払えないガキに‥‥ (´∀`)y-~~~」
PC1が舞台裏にいるのをいいことに、元悪役レスラーの不良隊員は好きに台詞を続ける。さらに、RLの中の人まで調子を合わせてきた!
助手の人「ええ。見舞いに来る時も優しい方でしたよ (*´▽`)」
PC1の中の人「Σ( ̄□ ̄lll)」
マッド「ま、あのおっさんらしくもないと言うか、おっさんらしいと言うか‥‥ (´∀`)y-~~~」
冴草彩「それは、今の私たちも同じじゃないの」
マッド「おいおい、オレはMADなだけだ (゜∀。)b」
冴草彩「分かったら行くわよ」
マッド「おいおい、無視すんなよ! (´∀`;)」
異質な猟犬がクールに素ツッコミをかますと、先に立ってきびきびと歩き出す。髪を逆立てた不良隊員は、慌てて後を追うのだった。

ドクター・クロエが知り合いに借りているラボの名は、マッドの中の人の発案で『霧崎研究所』となった。
その霧崎研究所へ、二人の猟犬がやってきた。白衣で作業をしていたクロエがぱたぱたと出入り口に向かい、アレックスは素早くSMGを左手に下げて柱の影で構え、イシリアに合図した。
アレックス「イシリア。君は下がっていろ」
イシリア「は、はいっ」
ドクターがロックを解除して扉を開くと、そこにいたのは敵対者ではなく知り合いだった。もっとも、冴草彩はレッドエリアの騒ぎで返り血を浴び、外見の方はかなり危険なままである。
クロエ「おや、やっと来たかい (´ー`)y-~~~」
冴草彩「探したわよ、もう」
その後ろから、にょっこりと敵対者と間違えそうな大男も姿を現す。
マッド「よう、おっさん ('∀`)b」
アレックス「――ペイン。お前か?」
短銃身サブマシンガンを肩で構え、負傷した右手も添えて狙いをつけていたアレックスは銃身をわずかに降ろした。
マッド「まーた、金にならねェ仕事をしてるそうじゃないか (´∀`)y-~~~」
アレックス「いや、料金ならもう貰っている」
非PC1の特権を活かしてやけにニヤニヤと笑う元悪役レスラーに、死神の使いは冷たく言い返した。そして銃を降ろすと安全装置を戻し、後ろにいたイシリアに手で示す。
アレックス「イシリア。この二人は安全だ。もっとも、外見は安全じゃないが」
マッド「ハッハッハ、違いねェ (ノ∀`)」
マッド・“EXTREME PAIN”・クレイズは体をゆすってげらげらと笑った。それもそのはず、クールビューティの冴草彩も制服はヒルコの血で血塗れ、マッドは赤く逆立った髪に悪魔の刺青と、どう見てもワルのレスラーだったのである。
まだヘンドリック・北条がよき先輩だった頃、家族に会ったことがあるということに妄想設定をでっちあげたマッドは、怖い外見に怯え気味の少女に声を掛けた。
マッド「よう、おひさ ('ー`)b」
イシリア「あなたは‥‥?」
最初は覚えていなかったイシリアは、やがてデッチアップ設定を思い出した。非番の日にヘンドリックと連れ立って家にお世話になったマッドに、家族からごちそうを振舞ったことがあったことになったのだ。
イシリア「はっ! あの肉じゃがの人? (・о・」
この妄想過去設定、なぜ肉じゃがなのかかなり意味不明である。いやー、やまげの人は違うなぁ〜
(▼ー▼)y-~~~
マッド「あの人はなー。なんツーか人がいいと言うか。オレから見ても一直線な人だったンだよ」
冴草彩「これで、あなたが無事と確認できたわ。私は、あのビルに行く。これがこの悪夢を終わらせるためだと信じてる」
アーシェント・ビルの夕日の摩天楼。その名を聞いて、少女はぽつりと言った。
イシリア「あそこは、兄と行った思い出の場所なんです」
冴草彩「ヒルコだからとか、そんなんじゃないわ。あのビルへ行って、そして全てに決着をつけましょう」

時は戻り、約1年前。マッド・クレイズの回想シーンである。
仕事の後に飲み屋に繰り出したマッド・クレイズとヘンドリック・北条は、先輩から特務警察ブラックハウンド隊員としての心構えを教わっているところだった。二人はカウンターに並んで座り、目の前にはかなりの空の杯が空いていた。
マッド「だからよー。オレは殺しちゃいねエって言ってんだろ? (´∀`;)」
ヘンドリック「まあそうだが、お前はやり過ぎな事も多いからな」
マッド「ブラックハウンドは、そういうトコロだと思ったんだがなァ‥‥」
ヘンドリック「お前、テレビでハウンドが何をするところだと思って来たんだ」
マッド「決まってるゼ。悪いヤツをスマックダウンするトコロだろ ('ー`)b」
悪役レスラーだった頃と同じように、“EXTREME PAIN”は大袈裟な身振りで相手のスマックダウンを示した。
ヘンドリック「じゃあ、悪人とはなんだ」
マッド「悪人は‥‥悪いヤツのコトだろ ('ー`;)b」
元から頭が足りず、さらに酔いも回っていたマッド・クレイズは単純な答えを返した。
ヘンドリック「この世には、捕まらない悪人だっている。俺はそういう奴も相手に戦い、大切な人たちを守りたいんだ」
ヘンドリックは自らの本質がカブトであることを示し、グラスを傾けた。
マッド「おいおい、ノロケる気かよー。この新婚サンが‥‥ (ノ∀`)」
ヘンドリック「俺はこの街が好きなんだ。ところで、お前はどうなんだ」
マッド「オレは、ふらっと来たのさ。だけどいつかリングに再び上がるんだったら――この街のリングに上がりてェなぁ〜」
飲み屋に備え付けのホロTVでは、折りしも今夜の目玉のプロレス王者決定戦が流れていた。場所はマキシマム・アリーナ。満場の歓声の元、リングの上で、ガッツポーズで喝采を浴びているのは‥‥
一同「いーなーみ、いーなーみ !!!(*´∀`)=3」
そう、M○●Nの日本軍に苗字が同じ親戚がいるのではとの未確認情報も出回っている、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンのアキレス井波である!
ヘンドリック「――舌触りのいい真実に身を任せるな。自分の言葉で正義を語るんだ」
マッド「ヒック、オレのジャスティスね‥‥」
マッド・クレイズはお気に入りの泡盛を飲んでいたが、やがて酔い潰れ、カウンターに突っ伏すとそのまま寝てしまった。その様子に微笑むと、ヘンドリックはグラスを揺らし、独り呟いた。
ヘンドリック「‥‥1人で戦うのも、悪くないかもな‥‥」

一番最後が、もうひとつ用意されているイベントシーンでPC1用。シーンタイトルは『諦め』。絶望した少女イシリアは、一人出て行こうとしてしまうそうな。
マッドの中の人「じゃあ覗きに登場します ( ´∀`)」
アレックスの中の人「 (((( ;゚Д゚)))」
シンジケートの人「ヒロインバリアーが張ってあるので登場できません (っ´▽`)っ」
マッドの中の人「じゃあ登場できないなァ〜 (ノ∀`)」
神業をもしのぐヒロインバリアー。爺や、これがヒロインぢからというものか。初めて見たよ‥‥
ラボでドクター・クロエはワクチン培養の準備に忙しく、冴草彩とマッドはハウンド本部と連絡を取っていた。
そっと姿を消し、静かにドアを開けて外に出て行こうとしていたイシリアの背後に、静かに声が掛けられた。
アレックス「どこへ行くつもりだ」
包帯を巻いて義手の循環液を止めて応急処置も済み、いつものように夜の色のコートを纏って立っていたデス・ロードだった。
イシリア「あの、私、帰ろうと思うんです。兄のところへ。
これ以上皆さんに迷惑を掛けられません。アレックスさんにもこれ以上、あつかましいお願いはできません。私だけがいなくなれば、みんな私のことを気にしなくなるし、誰にも、迷惑が掛からなくなるから‥‥ (-人-;)」
アレックス「帰ったところで、君の兄さんがどうすると思う。何の保証もないぞ」
死すべきさだめの少女は振り返ると、死神の使いに訴えた。
イシリア「だって、これ以上あつかましいお願いはできませんっ。私のために、あんな怪我をして――」
アレックス「大丈夫だ。左手でも銃は撃てる」
アレックスは不敵に微笑むと、体を揺らし、コートの下をちらりと見せた。ショルダーホルスターには完全にメンテナンスの終わった短銃身SMGが吊られていた。“スキャッター”と同系のそれには、それまで拳銃に装着されていたスマートガン・リンク、スマートスコープ、全てのオプションが移され、完全に整備されて使われる時を待っていた。特殊部隊員らの好むスタイルである。
アレックスの中の人「イメージは H&K の MP7 あたりにしてくれたまーえ(*´▽`)」
シンジケートの人「おおー」
アレックスの中の人「ガンスリの6巻にも1コマだけ出てくるな!(*´▽`)」
アレックス「それに、君が依頼した警護任務はどうなる。俺が君をアーシェント・ビル屋上へ案内する。それが、君の願いだったはずだ」
イシリア「だって私、お金が――」
アレックス「金は後でいい」
黒衣のボディガードは遮るように言った。
イシリア「いいん、ですか‥‥。それが、アレックスさんのお仕事なのですか」
アレックス「デス・ロードは死神の使い、夜の領域に属する魔法使いさ。死者の王国に迎えられるべき者を迎え、そうでない者の前には門を閉ざす。それが仕事では、いけないかい」
少女ははっとして男の顔を見上げ、その言葉の一部だけを理解したように繰り返した。
イシリア「すごい、アレックスさんは魔法使いだったんですね」
アレックス「ああ、そうさ」
夜の魔法使いは懐から1枚のタロットカードを取り出し、死のさだめを乗り越えようとしている少女に見せた。
アレックス「――ひとつだけ、確認しておこう。イシリア。君は、運命と戦う意志はあるのか」
しばらく躊躇っていた少女は、やがて答えた。
イシリア「‥‥はい。私は、戦います」
死神の使いは、静かに言った。
アレックス「――自ら前に進む者の前に、死者の王国はその門を開かない。
俺が約束しよう。デス・ロードの名において」

一同はレッドエリアで一番高い場所、アーシェント・ビルへと赴いていた。隠密行動をアレックスが導いたのか、幸いなことにブラックハウンドの特生課部隊には遭遇せずに済んだ。四方がガラス張りのエレベーターに乗り、夕日の摩天楼の頂上‥‥最上階へと上がってゆく。
それは壮麗な眺めだった。太陽は西に沈み、災いの街の全土を染め上げていた。砕け散ったストリートにスラム、明らかに街並みの違う墨田川の向こう側、アーコロジーを囲うドームに、中央区で威容を誇る超高層建築物の数々。夕日の摩天楼からは全てが見えた。そして頭上には、本物の空が広がっていた。
イシリア「これが、空‥‥」
最後の願いが叶い、空を見上げていた少女は感無量で呟いた。
服の背が破れ、小さな翼がゆっくりと広がる。肩甲骨が一部変化してできたその変異器官は、だが空を駆ける翼というにはずいぶん小さすぎた。サカモト社が提供している八参式/鷹翼に比べるとずいぶん小さなものである。
イシリア「ここ、兄さんと来たんです」
アレックス「そうか。また、来れるといいな」
背後に控えていたアレックスは、厳しい顔で答えた。
その時、下から昇ってきたエレベーターが到着したことを示すチャイムが鳴った。このシーン全体に殺気が瞬時に満ち溢れ、そして‥‥

最初の行動は女傭兵カラミティによる《死の舞踏》であった。
シンジケート首領の人「武器は如意棒相当の銃と書いてあります」
全員「おおー」
シンジケート首領の人「‥‥如意棒? ( ゚д゚)」
キャスト一同の中の人「如意棒? ( ゚д゚)」
シンジケート首領の人「如意棒は宇宙の彼方に放逐します (ノ`Д´)ノ彡」
フィルムを燃やしてこそーりと脚本書き換え。“サイコロジカル・アサッシン”の最初の得物は流星相当のナイフと変わった。これがシンジケート首領の強権発動である。
だが次に起こった出来事は予想を超えていた。イシリアが《プリーズ》を使い一同の前に飛び出したのである。自分で戦うことを選んだから‥‥いまいち理解し切れないのだが、これはシナリオに記述されている通りの行動なのだそうな。
アレックス「何っ?」
マッド「おっさん! 仕事だろ!」
完全に予想外の行動に流石のアレックスも反応が遅れ、これはマッド・クレイズが《チャイ》で止める。
アレックス「イシリア! 伏せろッ」
心臓が左側にある護衛相手の常として左後ろに控えていたデス・ロードは左手でイシリアを地面に押し倒すと、機能不全中の右腕を伸ばして代わりに《難攻不落》で受けた。
3本のナイフが義手の腕に次々に突き刺さる。痛覚を遮断したサイバーアームだからできた芸当である。
カラミティ「お〜やおやおや、せっかくのチャンスだったのに。今の一撃で殺せると思ったんだけどねエ。アンタ、プロだね」
アレックス「“カラミティ”。それがお前の名だな」
カラミティ「あァ、そうだよ」
アレックス「――では覚えておけ。今日がお前の
ゆっくりと刺さったナイフを抜くと、死神の使いは答えた。
一方、ヘンドリック・北条も銃を手にその後ろから歩いてきた。
マッド「ヘッ、マッドホリックに罹ったヤツは誰でもOKだ。オレが相手になるぜ!('∀`)b」
ヘンドリック「だが俺たちは、互いの正義を貫く! (`Д´)」
マッド「けどよう、生きてるじゃないか。そこの子が」
ヘンドリック「くっ‥‥」
ヘンドリックはかつての後輩に銃を向けるも、マッドの言葉に表情を険しくする。そこへヘラヘラと笑いながら近付いてきたのは、ぴかぴかの新型銃を持ったスキンヘッドの黒人だった。ヒュード・アンカッサスである。
ヒュード「へへっ、ま、オレにはどっちでも関係ねェな〜 (゜∀。)」
マッド「うるせェハゲ。ハゲは引っ込んでろ (´∀`)b」
ヒュード「ぐっ‥‥身体的特徴を突いてきやがる。これはハゲじゃねえ。スキンヘッドっていうファッションだ」
マッド「うるせェ。ハゲに違いねェだろう」
ヒュード「何度も言わせるな! これはスキンヘッドだッ Σ( ̄Д ̄;」
マッド「お前の頭を磨いて磨いて、そこのネェちゃんの(ピーー)にツッこんでやるぜ! ('∀`)b」
始まってしまったマッド・クレイズの下品トーク。エレガント時空から追放決定である!
ヒュード「くっ‥‥ったく、こんなゲテモノ相手にてこずらせやがって! (゜∀。;)」
黒人は悪態をつくと、新型銃のポンプをスライドさせて構えた。
冴草彩「あら。私もゲテモノは嫌いよ。あなたみたいな (-_-)」
異質な猟犬は冷たく素ツッコミで返すと、父の形見の銃“DEAR FATHER”を抜いた。そしてここで《制裁》発動! 後からエレベーターでどやどやと続いてくるはずだった部下のトループが下の階で確保されてしまう!
冴草彩「あなたたちに嫌疑が掛けられたわ。いつまで、泥舟のような権力に溺れているのかしら。査問がすぐに開かれるわよ!」
ヒュードは観念して肩をすくめると、ショットガン下部のチューブマガジンを開いた。強力なアンチ・ミュータント弾が入ったショットシェルを装填すると、フォアエンドをもう一度スライドさせる。ヒルコ退治に使われるこの強力なAM弾は、冴草に対してもダメージが3点上がってしまうのだ!
ヒュード「へっへっへっ、アンチ・ミュータント弾は人間にはどう効くのかなァ〜〜〜 ('∀`)」
冴草彩「ちっ!」
対峙する一同を後ろから眺めていたドクター・クロエは、白衣を風に靡かせ、煙管から煙を吐き出すだけだった。
クロエ「まったく、アーサーの相手は面倒くさいねぇ (´ー`)y-~~~」
立ち上る煙が、戦闘開始の合図であった。カット進行超☆突入!

セットアップフェイズからヘンドリックが自動防御を宣言、いつでも<■ク・フレ>で迎え撃つ態勢に。一方、アレックスの夜色のコートが翻り、夜の焔が広がって<※戦術>が炸裂。クリスタルシールドは背負い、短銃身SMGを肩に構えると無事な左手と負傷した右腕で支える。
冴草彩は強力な愛銃を構え、<※インスタントアーム>使いでプロレス技を使うマッド・クレイズはファイティングポーズを取るだけだった。
最初の攻撃はまたしても女傭兵カラミティであった。“月光”レーザーソードを準備、体術を活かして飛び上がると、大きく跳躍して<※影化><※死点撃ち><※修羅>。《不可知》で狙ったのは後ろの支援系が最も危険と見たか、目標はドクター・クロエだった。完全ウェットの医者に避けられるはずもなく、斬24点成立では確実に死んでしまう。
アレックス「そこだ、ドクター!」
アレックスがSMGを向けると、懐に飛び込む女傭兵の行く手に素早く速射を浴びせて《難攻不落》。そして射線を返すと射撃姿勢に戻り、敵を狙う。だがフルオートの制圧射撃ではヘンドリック・北条も入ってしまった。スマートガン・リンクに命じてシングルへ移行、完全に整備されたスマートスコープの中に浮かび上がったのはスキンヘッドの男だった。
アレックス「イシリア。君は下がっていろ」
狙い澄ましたシングルショットの弾丸は夜の力を纏いさらに<※力学>で加速されて24。撃ち抜かれたヒュードは刺29点を浴びてしまう。新兵器のボディーアーマー類で防御が硬い彼は9点減らし、さらに5点減らすと運悪く15点!
仕方なく技術者は秘密兵器で《タイムリー》防御した。重化素子を発生させるグラヴィティ・デバイスが銃弾を止めたのである。これがカライ・テクノロジー!ヽ(@▽@)ノ
クロエの中の人「その秘密兵器はきらきらした目で見てしまいます (*´▽`)」
一方、冴草彩は姿勢を低くすると、ゲテモノのスキンヘッドに向けて一気に飛び出して距離を詰めた。ミュータント化した彼女の変化は表に出る変異器官ではなく、主に体内に現れている。分泌された生化学物質が筋力を爆発的に高め、<■領域>による驚異的な身体能力で一気に至近距離へ、近接用に先端にスパイクがつけられた愛銃を向けて<※ガンフー>で24!
クロエ「一歩前よ! (*゚▽゚)」
だが、<※アドバイス>4Lvを誇るドクター・クロエの助言が飛び、異質な猟犬はさらに距離を一歩詰めた。ヒュードの体にバレルが密着した状態で愛銃“DEAR
FATHER”が火を噴き、+4されて28!
新装備や周囲の電子機器を操って<※ポルターガイスト>もできたヒュードは、この達成値に完全に手を失ってしまった。刺の26点、アーマーと実は持っていた<※パーソナル・バリア>で減少、しかし減少後が運悪く[転倒]である!
ヒュード「うぉっとっ?! ( ゚Д*)」
冴草彩「――不様ね」
盛大にずっこけたがつ生命体に、機捜課のクールビューティにして下水王国の戦士は、冷たく素ツッコミを浴びせた。
そしてマッド・クレイズが動き出した。ソウルトレイン起動、これはマッドの中にプロレスのリズムが流れ出すそうである。そこから<※運動><※猿飛><※白兵><※死点撃ち><※インスタントアーム>相当のプロレス、さらに<芸術:プロレス>。JJFの人工筋肉が波打ち、さらに<※コミックヒーロー>で3点挙がって殴25点!
ヘンドリック・北条が《難攻不落》して部下との間に入った。マッドはそこでさらに《不可知》から攻撃、<※鎮圧>を入れた同じプロレス攻撃をヘンドリックに浴びせる。
一同の中の人たち「空中殺法来るかーー!!! (*´∀`)=3」
というのはマッド・クレイズの設定を調べると、リングで空中殺法する時はホログラフの悪魔の翼が背中に広がるそうなのである。
だが、今回は堅実に背後を取るとスリーパーホールドだった。どのようなボディーアーマーやサイバーウェアで戦闘能力を向上させても、呼吸器へのダメージは止められない。太い腕で首を取られたヘンドリックは活動に必要な酸素を失い、たまらず気絶すると倒れてしまった。
ヒュードの中の首領「<※アドバイス>が‥‥転倒してるとサポート系特技が使えない! ・゚・(ノД`)・゚ ・。」
不様に倒れてしまいもがいているスキンヘッドのゲテモノに、異質な猟犬は頭上から冷たく銃口を向けた。近接戦仕様になっている“DEAR
FATHER”が火を噴き、ヒュードの体を粉砕‥‥と見せかけて、銃弾は髪の毛が一本もない頭のすぐ横のコンクリートの床に撃ち込まれた。《とどめの一撃》による銃弾は三半規管を揺さぶる衝撃を与え、あえなくヒュードは[気絶]ダメージで動かなくなる。
クロエ「もう一発よ! (っ゚▽゚)っ」
ドクター・クロエの声援が飛び、《ファイト!》でもう一撃。冴草彩はプラチナブロンドを翻して振り向き様に愛銃を構えた。女傭兵カラミティが白兵武器を抜き、間合いに飛び込もうとしていたのだ。至近距離から放たれた銃弾はまたも[気絶]ダメージ、危険なサイコロジカル・アサッシンも床に倒れた。

折りしもシーン変更後のシーンカードはミストレス。特殊生物処理課の面々は全員が気絶し、倒れていた。夕日は西に傾き、アーシェント・ビルの最上階を朱色に染め上げていた。
夕日の摩天楼からは下の世界が一望できた。冴草の連絡を受けてブラックハウンド基地から駆けつけてきた車両、黒い制服を着た隊員たちの姿があちこちに小さく見えた。いずれ、ここにも登ってくるだろう。
冴草彩「この小瓶は全部は揃っていないけど、戦士たちは、それぞれの役目を果たしたはず‥‥」
怪物の世界に属する異質な猟犬は夕日の中に、戦士アグルーの顔を思い出した。大事に取ってあった小瓶を割り、中身が風に乗って空に散っていくに任せる。
下水王の一計によって取り計らわれたサムシングが空中に散布された。《突然変異》から《不可触》が復活。謎のひるこ探知れーだーは効力を失い、災厄の街に隠れ住む全てのヒルコと、謎の下水王国の場所は都市伝説の向こうに消えた!
眼下の世界では、レッドエリアで活動していた特殊生物処理課の残りのメンバーが大混乱に陥っていた。
特生課隊員「ヒルコ反応が消えました。レーダーが動きません! Σ(´□`;)」
特生課隊員「くっ、生体反応が真っ赤だ! 近いぞ! (゚Д゚;≡;゚Д゚)」
特生課隊員「どこだ? ( ゚Д・)」
特生課隊員「どこだ! ( ゚Д*)」
特生課隊員「隊長、隊長に反応が! (((Д;;)))」
特生課隊員「なんだとぉ? Σ(゚△゚;)」
右往左往するヒルコ狩り部隊を、マッド・クレイズはニヤニヤしながら見下ろしていた。
マッド「これで作戦終了だ」
ハウンド本部に連絡し、《制裁》発動。きちがいじみた作戦は終わり、新設された特殊生物処理課も永遠に廃止されるだろう。下品トークとパフォーマンスで人気を博した元ヒール・レスラーの隊員は、右手の太い中指を立てると遥かな眼下に示した。
マッド「Fuck!! ('∀`)ノ」
一方、アレックス・タウンゼントは短銃身SMGを肩に構えた射撃姿勢のまま、戦闘能力を失ったかに見える女傭兵の元に油断なく詰め寄っていた。その頭に銃口を向けたまま、卓越した近接射撃能力を示したハウンドの女性隊員をちらりと振り返る。
アレックス「――冴草君と言ったな。連中を生かしておいていいのか」
冴草彩「上層部は、愚かな判断はしないと思います。すぐに本隊が来て、彼らは拘束されますよ」
アレックス「そうか」
その答えがなかった場合、頭に数発撃ち込んで容赦なく止めを刺すつもりだったデス・ロードは、そう言われて初めて銃を降ろすとセイフティを安全に戻した。
朱色に染まる最上階で、イシリアは沈んでいく夕日を一心に眺めていた。
やがて、少女は振り返り――

ブラックハウンドの車両と救急車が並ぶ中に作られた仮設の医療本部。何かと慌しい外から離れたテントの中には、かつての先輩と後輩がいた。担架に寝かせられたヘンドリック・北条とマッド・クレイズである。やがて意識を取り戻したヘンドリックに、無線を開いていた男は外を示した。
マッド「よっ。外を見なよ ('ー`)b」
警察専用回線の中で、特生課の撤退命令が正式に流れていた。ヒルコ掃討作戦は終了したのだ。
マッド「ドクターの話じゃ、ワクチンもそのうち出来上がるそうだ。そのイシリアって子もいずれ治るってさ」
ヘンドリック「本当か‥‥‥‥ (−−;)」
マッド「ヒルコが悪いワケじゃない。半年前もそうだったのサ」
復讐の猟犬と化していた男は両手をゆっくりと伸ばすと、親指と人差し指で四角を作った。その向こうには医療本部で慌しく動く人々と、N◎VAの光景があった。
ヘンドリック「俺は‥‥正義を、自分で考えた小さな枠に閉じ込めて考えていたのかもしれないな (-_-;)」
マッド「自分のヤッてることが正義じゃないと思ったら、そん時はさっさとやめちまえばいいさ (´ー`)」
ヘンドリック「いや‥‥俺はこの街が好きだった。だが、優しいだけの未来があるわけもない。裁かれるのを待つよ」

次なる舞台は都市伝説の向こうに消えた秘密の王国。カードの示した予兆はハイランダー。すなわち星々の指し示す希望である。
下水王国の王の住処は質素だった。醜い異形の姿に王の威厳を備えた王は、ふたつの世界に属する猟犬の言葉に頷いた。
下水王「そうか、やり遂げたか (-_-)」
冴草彩「これを、お返しします。彼らは勇敢に戦いました」
冴草彩は、奇妙な形のタリスマンを手渡した。それは、戦士アグルーが無念の最期を迎えたとき、形見にその遺体から貰ったものだった。
下水王「汝にも厳しい戦いだったであろう。こたびは済まぬことをした。同胞と戦うようなことになるとは」
冴草彩「私はこれからも、偏見や差別でヒルコたちが蹂躙されないように、戦います (*^ー゚)」
二人は共に謁見の広間に歩いていった。地底の川の中、壁や天井、床の上に、様々な種類のヒルコたちが集まり、王と王命を果たした戦士たちを讃えた。
下水王「世はいつも変わる。これは新たな可能性なのかも知れぬな。
――これで、そなたには借りが3つになった。助けを借りたい時は、いつでも来るがよい」
王のこの言葉は、しばらくして世を騒がすことになる、かのひるこSSSの予言であろうか? (;゚∀゚)=3
それはともかく、愛銃を携えたクールビューティの女性ハウンド隊員にして秘密の怪物の王国の民でもある異質な猟犬は、同胞たちに手を振り、滅亡を免れた下水王国の物語はまた続くのである。

ドクター・クロエの尽力の果てに、遂にイシリアの病を治せるワクチンが完成した。即時に全快とは行かないが、注射と投薬、そして根気強いDNA治療を続ければ、命だけではなく彼女の体を蝕んだ変化も止めることができるだろう。
もう闖入者も来ることのないイシリアの病室で、ドクター・クロエは注射の後片付けをしていた。袖を下ろして服を着た少女は、ぺこりと頭を下げた。
イシリア「先生には本当に、お世話になりました」
クロエ「そんな大したことはしてないさ。入院患者なんて、あんまり来ないしね (´ー`)y-~~~」
イシリアはふと病室から首を出すと、廊下の向こうにある外来患者の待合室を覗いた。待合室はドクターの治療を待つ訳ありの患者で一杯だった。
そう、<※スーパードクター>を持っているクロエの治療スピードはいつも2秒。待合室で治療を待つ患者は多くとも、ひとりひとりの処置の時間は僅かだった。意外な事実判明。実は、この病院に入院していたのはイシリアひとりだけだったのである!
そして少女は、兄のことを語った。負傷が癒え、警察でも罰を受けたヘンドリックは偏見を捨て去り、妹をもう一度妹として迎えることを申し出てきたのだと。
イシリア「これからのことなんですが。兄が、迎えに来てくれることになりました。また、分かり合えると思ったんです」
クロエ「まったくあの堅物も、丸くなるといいねえ。 (´ー`)y-~~~」
ドクターはポケットから祖父の形見の銀細工の煙管を取り出すと火を入れ、壁に背を預けると吸い始めた。ブリテン人だった祖父が存命の頃は反発しっぱなしだったのだが、アーサーの孫はその形見を今も肌身離さず持っていたのだ。
クロエ「まったく、どいつもこいつも、アーサーの相手はめんどくさいよ
(´ー`)y-~~~」
ドクターは自分の身の回りにいる様々な
イシリア「先生、そんなこと言って、本当はアーサーみたいな人が好きなんでしょう?
(*´▽`)」
クロエ「ご‥‥ごほごほ (;´Д`)」
おとなキャラクターの年長者勝ちロールプレイで終わると見せかけて、少女ゲストと中の人からの強烈な反撃! 予想外の強烈なボディブローを受け、ドクターと中の人は轟沈してむせ返ってしまった。
そしてこのとき、シンジケート首領がジツにすがすがしい顔をしていたのを記録に残しておかねばなるまい。
イシリア「先生、だいじょうぶですか? (・_・) 」
クロエ「ごふっ‥‥。ま、まあ‥‥アレクの奴にも、ちゃんと来るように連絡しておくよ。 (´▽`;)y-~~~」
イシリア「はい! (*´▽`)」

そして、その連絡相手がクロエの病院を訪れた。
最後の《タイムリー》の治療で腕の負傷を治してもらったアレックス・タウンゼントは、何度かの通院と設備の整った病院での調整で、サイバーアームの機能を元通りに治してもらっていた。
アレックス「ありがたい。動きは異常ない。これで銃も剣も扱えるよ」
クロエ「ほんとは、おまけでもつけようかと思ったんだけどねぇ (*´▽`).。oO」
アレックス「おいおい、余計なことはしないでくれ」
義手を動かして調子を確かめていたアレックスは苦笑いすると、袖を下ろし、ボタンを止めて銃のホルスターの位置を直していた。
彼はふと振り返った。診療室のドアに、1人の少女が立っていた。入院中は生気を失っていた顔色も、ブロンドの髪も、青い瞳に宿る光も、幾分回復したように見える。
アレックス「――来ていたのか」
イシリア「あの、お礼が言いたくて。今までずっと、ありがとうございました。やっと、退院できるまで来たんです」
アレックス「そうか。よかったな」
アレックスが着替えを続けていると、少女は続けた。
イシリア「アレックスさんには本当にお世話になりました。入院費を払ってもらって、その上、ただで護衛もしてもらって‥‥」
アレックス「‥‥‥‥」
ドクターにはあえて黙っていた事実を2件とも口に出されてしまい、デス・ロードは一瞬渋い顔をした。それでも黙って上着を着ると、部屋の中を見渡す。
ドクター・クロエは煙管を吹かしながら、何も言わずにただにこにこと笑っていた。
アレックス「‥‥何か言いたそうだな、ドクター・クロエ」
クロエ「いや、何も (´▽`)y-~~~」
やはりドクターはにこにこと笑っているだけだった。
イシリア「それで、兄さんが迎えに来てくれることになったんです」
アレックス「そうか。君の行く道は平坦ではないだろう。だが進むことだ。君が選んだのだからな」
妹を迎えに来たヘンドリック・北条は顔を出し辛いのだろうか、別室で待っていた。実はシナリオでは彼が謝罪に来るのだが、この物語ではPC1の中の人の提案もありその展開にならなかったのだ。
イシリア「それで、これ‥‥よかったら、もらってください (*´▽`)」
アレックス「これは‥‥」
クロエ「おや、どこから摘んできたんだい」
少女が差し出したのは、ただ一輪の花だった。
レッドエリアの未開発地域で野生植物が残っている一帯に咲いていたのを、摘んできたのだろうか。
アレックス「そうか。では受け取ろう」
受け取ってしばらく手元を眺めていた夜の魔法使いは、やがて口を開いた。
アレックス「――昔のことだ。まだ、過去と未来の王の子孫の民がいた頃。
かつてまことの騎士たちは、時に貴婦人の捧げる花束のために戦ったともいう」
ブリテンから来たBGは、だがそこで冗談めかして肩を竦めると、親指でアーサーの孫娘を示した。
アレックス「――だが、それは大昔の話だ。今はニューロエイジで、まことの騎士はもういない。
そんなアーサーたちの昔話が聞きたいなら、そこのドクター・クロエにでも聞くんだな」
その示す先には、ドクターがいつも咥えている、祖父の形見の見事な銀細工の煙管が光っていた。
やがて兄に連れられ、死すべき運命を乗り越えた少女は病院を去っていった。
永遠の王の遠い子孫の民の二人は、それを見送るのだった。

And so, the curtain dropped,
after a single flower from a girl .....
-XYZ-
というわけで一輪の花に託された願いにまつわる物語はここに終了。例によって舞台裏ではイロイロあったのですが、表舞台は1年の最後に相応しい美しい物語になりました。
あとで聞いて分かったのですが、ドクター・クロエもブリテン人の孫でぴったり嵌っていたのですが。これはmixiでアクトに向けて妄想していた折に設定がきまったそうなんですねー。僕がうっかり記事にコメントをつけてしまった頃に考え付いたそうです。こんな偶然から生まれるアンサンブルもあるんですねー。おおー。 (*´▽`)
アクト中に起こったことを上げると、実は他にもまだいろいろあります。
しかし物語自体がシリアスなトーンだったので、本編では記述せずにいます。(だったらギャグ全部やめろって?w)
帝都近辺では『らららOFF』も開催が迫りました。このペロきちセンス溢れる『Your Wish』も堂々B卓で再び幕を開ける運びとなりました。他には僕もテストプレイ(?)に参加させてもらったエム分溢れる『ふゆのおくりもの』などそうそうたる計8卓、ついでにアレやソレが溢れている拙作『星月夜作戦』などもあります。『ぐら』ぢからと『すら』ぢからと『ろら』ぢからに期待しましょう! (*^▽゚)
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