
〜冬だけど真夏の祭典〜
【グッドラック、ブルーローズ】
【幸せの代価】
夏の祭典。と言いつつ既に秋冬なのがニャンとも季節外れなのですが。
えーコミケという夏の戦場が終わった頃、西方より関西勢の来客があったのを機会に約3日間に渡ってゲェムをする集いが開かれました。幾つか心に残るセッションがあったので、ずいぶん間が空きましたがいつもの如くプレイ記録として永遠に思い出を残そうかと思いまする。
場所は例によって東京某所。ノバラーの関東勢と関西勢が集まりました。例によってBBSで卓分けなどを行い、情報集積ページを作り、アクト開始の運びとなりました。この日の卓分けは以下の通りです。
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Scenario: 『Wisper of the Devil』 |
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Scenario: 『グッドラック、ブルーローズ』 |
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Scenario: 『レムリア異邦録』 |
こういう集まりでいつもPLに回るのも悪いので、夏までにシナリオでも作ろうかとその頃漠然と思っていたのですが。今年度の仕事が忙しくて ま っ た く 無 理 でした。_| ̄|○
まあ仕方ないですね。誰それが新作シナリオを作ったとか楽しいとかいう話を聞くたびに「ムキィ!ヽ(`Д´)ノ」とか「ウッキー!」とかいう気分になることもあります。(猿ですか) 時には「なんだ、こんな程度で吹聴してるのか!」と思うことさえあります。そんなこんなで祭典が終わった後、ヒトツ作ることになったのですが。
さてそんなこんなで。初日はかなりの豪華かつ濃くてレアな面子で、青き薔薇の物語に挑むことになりました。「なんだこのエレガント濃度は!」

And
so, they appeared on the story of Blue Rose .....
Handle: “アサシン”アジェイ・カーン 【Profile】
Style: カブトワリ◎, アラシ, アヤカシ● Age: 17,8(外見) Gender: ♂
Style Branch: カゲ:アサシン
十代後半の外見をした浅黒い肌の少年。その出自はかつてインドの破壊と殺戮の女神カーリーに仕え、殺戮を繰り返し猛威を振るった教団の一員。教壇撲滅時に女神の祝福と呪いから輪廻の輪の外へと外れ、“破壊”と“時間”の力を授かると永遠の時を生きてきた。人に優しく、対立を嫌い、一方の速やかなる死によって対立を集結させる。女神カーリーの加護のこもった麻薬ハッシシを吸い、鍛え上げた肉体で常人の数倍の能力を発揮するとナイフや短針銃を自在に操り、死の技を振るう。
かつて人の子の少年に熱心に乞われ、暗殺者の精緻なる技を教えてから2年。マイケル・グローリーが持ち込んできた殺しの仕事は、ある人物の抹殺だった。その目標こそ、かつて死の技を教えて少年コウ・エルロンの姿だった‥‥
Player: NAT 【マイナス魔王の日記】
▼マイナスキター! (;゚∀゚)=3 A級戦犯の修羅なのでぽっくんと同卓が少ない負魔王なっとろん殿が珍しく一緒となりました。今回はマイナス濃度とエレガント濃度が高いのです。
以前『闇の帳』で会ったときはカゲの代わりにカブトワリ、<※片手射撃><■禅銃>などで二挺の銃を撃っていましたが、迷光環境では暗殺者に最も相応しいカゲに戻ってチェンジ。<カゲ:アサシン>4Lvで各能力値+5、ロゴスもダメージ+5、サイファで5倍幸せになったりすごいことになりながら殺しの技を操ります。伝説の時代からの生き残りですがウェットではなくサイバー、装備はみな遺産オプションつき。そんな異色のマイナス生命体がPC1なのです。
Handle: “スコーピオン”リチャード・フェニックス 【Profile】
Style: クグツ◎, カブトワリ, タタラ● Age: 51 Gender: ♂
Style Branch: タタラ:テッキー
北米連合出身、濃い茶色の髪に黒い瞳をした壮年男性。北米SSSとN◎VAのSSSに長く勤務し、時に上層部と対立しながらも、数々の事件を解決してきたベテランのイヌ。
だが、突然のSSS退職と千早重工への再就職により、その名声は地に堕ちた。かつての後輩からの信用も消え、家族からも冷たくあしらわれているものの、20歳も下の早川課長の下で黙々と後方処理課の任務に就いている。そんな父親の秘めた思いは、汚名を被り誇りを捨ててでも、社会を少しづつ変えていきたいという若き日の目標を達成することだ。
銃器類の調整にも長け、SSS制式採用の鎮圧銃 XS-29“ファランクス”にタクティカルスコープを装着した愛銃による精密射撃を好む。世界を駆け巡っている義理の息子の名はケイス、ケルビム捜査官となった娘の名はアリスで、それぞれの道を歩んでいる。
早川課長からの密命は、軌道が生んだ洗脳実験施設“フラット”壊滅後の調査だった。危険な洗脳プログラム“ブルーローズ”。そして、2年前の施設壊滅時の子供たちに、生存者がいると‥‥
Player: からい 【North Pole】
▼「なんだこのエレガント濃度は!」と卓構成に驚愕したかーらいル・シンジケート首領の登場でありまする。なんかよく会ったりネタにする割に同卓が少ない気がするのですが久々の共演となりました。
さァ全国ウン千万(推定)のNoiseたんファンの皆さん! 若者キャラクターが多いかに見えるシンジケートからこんな渋大人が出てきましたよ!(笑)
最初はバサラで<※元力:器物>使いから微調整がなされたリチャードはこのバージョンでは普通のスタイル。セットアップの<※実験体>の能力値上げから<※花吹雪><※必殺の矢>、シンクロファイアつきのフルオート制圧射撃を得意とします。激渋な<※発信器>がレアですね。
前のバージョンでは“ジャベリン”という名のはずだったSSS鎮圧銃はXM42相当。スマートスコープ&ガンサイト相当品がタクティカル・サイトスコープというリアル志向寄りの射手なのです。
さて注意深く調べると、リチャードパパの姓はフェニックス。子供はそれぞれシンジケートのキャストのアノ若者とアノ娘ですね。主要キャストを家族ネタでリンクさせるつもりのようです。( お 前 が 言 う な )
というわけで、いやー、やっぱシンジケートは違うなぁ〜 (´ー`)y-~~~
Handle: “ギルティサイト”鏡 早遊馬(かがみ・はゆま)
【Profile】
Style: イヌ◎, フェイト, マヤカシ● Age: 14 Gender: ♂
Style Branch: -
ブラックハウンド機動捜査課の若手隊員。一般市民であれば中学生並みの少年だが、小さい頃から警官となるための訓練を受けている。
黒髪の日系人の少年だが、常に右目を眼帯で覆い隠している。その右目に封じられているのは秘幽体“罪詠(つみよみ)”。人の犯す罪の全てを見通し、右目を開き、罪人の血を捧げれば目に映る罪の詳細までもその場で見ることができる。大いなる力を持つ瞳をその身に封じて生きる重圧に若い身では耐えることができず、前線でハウンド隊員として活動することでそのフラストレーションを発散させている。
‥‥悲しき定めのマヤカシに見えるが、“罪詠”が見通すのは文字通りあらゆる罪。N◎VA市民が日常的に犯している道路交通法違反までも全てが見えてしまうため、それを避けるためにも常に眼帯着用なのだ。
稲垣司政官に仕えるイワヤトのスタッフたちが次々に殺された。稲垣機関員たちさえもが正体不明の完全義体に殺されたのだ。事態が深刻を極めた頃、御堂茜隊長の命の下にハウンドが出ることになった。黒の猟犬は、安直な正義感を満たす場所ではないのだ‥‥
Player: シリル 【天使的銀色】【戯言 Ver.3】
▼こちらも最近久々、ナレ龍様と一緒のシリルたんです。シリルWorldではかつて“14歳ショック”なる事件が起こったそうで、14歳三人衆のキャストが生まれています。代表格の感のあるクグツの“灰の子”水瀬 戒理、暗殺者で闇医者の“アンプルシューター”ユーキ、そしてこの鏡 早遊馬がいずれも14歳の少年だそうなんですねー。
エニグマの罪の詳細を見通す力は《真実》の演出用。眼帯の理由付けがしょんぼり系なのもシリルWorldらしいですね。出身世界はラノベ世界で、『エンジェル・ハウリング』(web KADOKAWAへ)のキャラクターがモデルのようです。中の人は戦場(ルビ:コミケ)帰りで本日疲労がやや見られたのですが、、そんな14歳がPC4に現る!
Handle: “デス・ロード”アレックス・タウンゼント |
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そして、治安維持軍情報部の櫛田少佐が秘密裏に接触してくる。ミハマが命を狙われているというのだ‥‥
▼同卓のほとんどのメンバー&皇子RLにも希望枠を完全に予想されてしまっていましたが、うちのアレクぽんがPC2となりました。くわっ! 付きっ切りで誰かを護衛するのではなく影ながら護る役ですよ。しかも相手は若い女性でも萌えっ娘ヒロインでもなく同業者の渋男性。ちなみにミハマ・ユキヒロ氏のモデルは俳優のリチャード・ギアを日本人にしたカンジらしいです。ますますたまりません。オトナかぶとの出番だ! (;゚∀゚)=3
というわけで個人的に祝わせてください。重い病はここに完治しました! ヽ(´ω`)ノ
↑ こ れ い つ も 言 っ て な い か ? ↑
Ruler: 堀野 【ロケット屋ダンデライオン】
▼もはや困ったときのN◎VA-Dシナリオ掲載サイトの定番、ほりのコズムなイラストもあちこちで使われているほりの皇子が西方からいらっしゃいました。
このシナリオはガンツム軍曹様&悪童師匠あたりが
「メカ禁止!魔法禁止!宇宙禁止!アーバンアクションらしく!」
と、皇子の琴線に触れる成分をすべからく注入禁止にしてから作られたというシナリオ。確かに割合と普通っぽい企業陰謀とアーバンアクションになっています。しかしどこか物悲しいほりのこずむは変わっていません。
というわけで、濃密なエレガント濃度をまとった4人が青き薔薇の秘密に挑む!

〜 グッドラック、ブルーローズ 〜
トーキョーN◎VA the Detonation
『グッドラック、ブルーローズ』 闇の中で思う。 青い薔薇の、花言葉は…「不可能」。そして。 |
災厄の街の空はスモークの色に霞み、目の前の惨事など関係ないかのように無表情に広がっている。
爆発でビルの1フロア分が瓦礫の中に埋もれていた。中にいた人間は恐らく、助からないだろう。
地味な色のスーツ、右手には小型拳銃を携えた日系人の男がミラーシェードの中にその表情を隠し、眼前を見下ろしていた。
倒れているのは日系人の少女だった。煤と埃と自らの血で汚れ、爆風で酷い傷を負っている。爆発事故の数少ない生存者――いや、しばらくすれば死者になるかもしれない。
男は銃を手にしばらく逡巡していたが、やがて決心したように屈むと少女の体を抱え、事故現場を後にした。
ビルの名はアサクサNPO児童設備ビルと言った。

数多くの秘密の取引きが交わされ、実行者たちが仕事に掛かっていくレッドエリアの危険なバー“ヤロール”。取引の中には、人の命の灯火を消し去る仕事も多い。
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現れたのは黒い肌の少年だった。髪も目も肌も濃い黒。ゆったりした衣装に隠された数々の毒に麻薬、ナイフに短針銃。世界が傾く前の旧世界であれば、東アジアのインド地方の人間かと思われるだろう。
だが、過去の世界から切り離されて現れたが如き黒の暗殺者の姿を見ても、ホロと紫煙の中の殺し屋たちは何も言わなかった。ここはヤロールなのだ。
アサシン「久しぶりじゃな」
マイケル・グローリー「さて、今回の仕事ですが‥‥」
アサシン「儂にできることなど、たかが知れている」
アジェイ・カーンにできる仕事は確かに限られていた。今回も殺人の依頼。カーライル筋からの依頼の目標は東洋人。死か、あるいは生きたまま連れて来ても構わないということだった。
アサシン「このものの命は、風前の灯か‥‥」
マイケル「事情があり、結果を早く出したいのです」
アサシン「ならば、このものの命を断ち切らねばなるまい」
ホログラフィに映る若者の姿には見覚えがあった。輪廻の輪から外れ、悠久の時を生きてきたアジェイ・カーンの人生には時に奇妙な出来事も起こる。2年前――そのコウ・エルロンという若者は、殺しの業の教えを請いに、殺人教団の生き残りの妖の元を訪れたのだ。
だが、カーリーの僕の答えは変わらなかった。
アサシン「引き受けよう。約束の時だ」
そして、舞台裏では震える人がいた。
シンジケート首領の人「やばい、オープニングが『R.I.P.』と同じだ‥‥(((( ;゚Д゚)))」

まだ時間が比較的早く、客もまばらなバーでは二人の男がテーブルを囲んでいた。
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漆黒のコートを後ろに掛け、濃い茶色の髪に青く鋭い瞳のブリテン人のアレックス・タウンゼント。向かいに座っているミハマ・ユキヒロは完全な日系人で、30代後半のアレックスより何歳か上だ。黒い髪には白髪が混じり、遠目には銀髪にも見える。
二人は共に元軍人で長い付き合いだった。アレックスは元ブリテン連合王国陸軍のとある連隊出身、ミハマは関東方面軍第12師団203連隊のN◎VA治安維持軍。だが除隊後も一緒に仕事をしたことは一度もなく、互いの仕事を追及はしない。
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本物のプロフェッショナルは必要以上の詮索をしない。二人は互いの深い部分には触れず、一定の節度を保った上で親交が続いていた。
最近は稲垣司政官のセキュリティ・アドバイザーの職に就いているというミハマは、日本酒を傾けながら言った。
ミハマ「最近はどうだい」
アレックス「背に腹は変えられんよ。家族を養うには金もいる。最近は頼まれて、あのワーデンの講師に招かれることも多くてね」
かつては孤高を尊び、どの組織にも属さないことを旨としていたデス・ロードが苦笑交じりに黒ビールのグラスを置くと、ミハマは軽く笑った。
ミハマ「ほう、君がBG講座の先生をね。大変だろう」
アレックス「ああ‥‥若い連中の相手は骨が折れるよ」
ミハマ・ユキヒロの方はセキュリティ・アドバイザーとして大忙しとのことだった。政治力、人望、その他諸々に於いて世界の指導者より数段劣るものの、こと保身に関しては地球上のあらゆる生物にも劣らない稲垣司政官氏の命をつけ狙う輩は今も多い。
イワヤトビルの司政官の身辺や稲垣機関、その周辺を巡っては抗争が激化、騒ぎもよく起こっていた。豪胆な稲垣司政官氏でさえも暗殺者の影に怯え、セキュリティ担当のミハマはたびたび呼び出され、イワヤトは上へ下への大騒ぎだった。専任の護衛チームもいるものの、さらに護衛のカブトも募集しているという。
ミハマ「という話なんだが、君もどうだ、アレックス」
アレックス「よせよ‥‥。俺は、宮仕えには向いていない」
黒衣の職業BGが自嘲気味に言うと、司政官のアドバイザーは茶化すように笑った。
ミハマ「そうだな。危険すぎるか。君には奥さんもいるしな」
アレックスは答えなかった。やがて旧友との祝宴は終わり、ミハマ・ユキヒロは先に帰っていった。
近くのテーブルから立ち上がり、近づく人影があった。身長170に届く女性にしては長身、姿勢の良い律動的な動作。短髪の凛とした魅力的な女性の姿に見えるが、その体は脳以外は完全な義体。
業界の人間の間では有名な人物であった。N◎VA軍情報部の櫛田千里少佐である。
アレックス「‥‥いつからそこにいた」
アレックスは厳しい目で女を見た。最初から気付かれる程度の余裕を持って、少佐は待っていたのだ。治安維持軍が本気を出せば、例え相手が元軍人の二人の男でも、光学迷彩で完全に気配を消して隠密偵察することは造作もない。
櫛田少佐「治安維持に関わる重要な事項よ。あなたなら、この件に興味があるはずだ」
アレックス「取引のつもりか」
造られた微笑を浮かべると、少佐は封筒を差し出した。アレックスはいつもの癖で素早く周囲に目線を巡らし、人に見られていないことを確認した。幸い、店にまだ客は少なかった。
封筒の中には、ミハマ・ユキヒロが命を狙われている証拠となる写真と資料が入っていた。受領を確認すると、櫛田少佐は踵を返し、静かに去っていった。旧友の危機を知らされた男は、厳しい表情で見送るしかなかった。
アレックス「N◎VA軍が何のつもりだ‥‥」

千早重工アーコロジーに隠された後方処理課オフィス。早川美沙課長の机の前では、3班の班員が任務の説明を受けていた。
かつては死の右腕に仄かな思いを寄せていた健気な後輩だった彼女もあの頃から数年、貫禄もぼやきもすっかり板についた課長となった。
早川課長の前で年齢の話をするのは班員たちの間では禁句だったが、リチャードから見れば、そんな彼女もふた回りも年下のほんの若い娘でしかなかった。
“スコーピオン”ことリチャード・フェニックス。51歳男性、北米系だが暗色の瞳に髪、平均的な体躯。SSSから千早に引き抜かれてきた元ベテラン警官。一芸にのみ秀でた後方処理課員たちが持つ超人めいた派手な能力はリチャードにはなかったが、その代わりに、彼には豊富な経験と、"Scorpin' On" の名が示す狙撃手としての確かな技量がある。
美沙「リチャード、あなたの任務よ」
早川美沙課長も、彼に対してはファーストネームで呼び合う仲だった。
2年前の爆発事故で潰れたビルの中にあった施設、“フラット”。ここは軌道の天津家から金が流れ造られた、子供たちの洗脳実験施設だったというのだ。
リチャード「きなくさい話だな‥‥」
地上側勢力の連携により、当時の地上千早は稲垣機関と取引を行った。稲垣機関が施設を爆破する代わりに、その爆発事故を隠蔽すると。
“フラット”では危険な洗脳プログラムの開発が進んでいた。軌道人でスキルを持ったプロフェッショナルが創った、“ブルーローズ”プログラム。
だが、このプログラムを実行された子供の中に、生存者がいる可能性があるというのだ。任務はその生死を問わず、現在の生存者を確保することだった。
リチャード「子供に洗脳か‥‥。どう転んでも、愉快な話にはなりそうにないな」
人命など何とも思わない後方処理課員もいたが、リチャードは違った。人は家族を持った時に変わるものだ。父親の脳裏を、二人の子供の姿が束の間掠めていった。大型バイクで世界を放浪している義理の息子。肉体をテロ事件で失った電子妖精となっても、ケルビムとハウンドの間を駆け回っている娘。
リチャード「それで、保護した後の処理は? 洗脳を解いて普通の人間に戻してやれることを、保証してくれるのか」
早川美沙課長は悲しげに首を振った。軌道のプロがかつて造った洗脳プログラムである以上、確実に効果が保障される脱洗脳プログラムは今の千早で用意できる保証はないという。早川課長には人の心があり、その手段を探ることに誠意を見せた。だが、確実な保証は今はないのだ。
リチャード「すまないな」
早川美沙「仕事ですからね‥‥」
説明は終わった。後方処理課の出番だ。
再就職2年目のリチャード・フェニックスは経験も能力も申し分なかったが、ひとつだけ悪い癖があった。
リチャード「早川君。ストレスの溜めすぎは体に良くないぞ」
早川美沙「うっ‥‥ >_<)」
時々いつもの癖で、つい敬語を忘れてしまうのだ。だが、20歳も年下の若い女性が上司では、“スコーピオン”の一方的な非を責めるべきでもあるまい。
肩でも軽く叩かれたようにやり込まれると、早川美沙課長は20歳も年上の部下が去っていくのを見送るのだった。

東京新星市行政府、イワヤトビル。稲垣司政官の広大なオフィスの一室で、二人の若い特務警察隊員が凄惨な殺人現場を目の前にしていた。
片や、金髪を肩口まで伸ばした20歳そこそこの若い娘。瞳と肌の色から日系人で髪を染めていると分かる。生唾を飲み込み、微妙に眼下の死体から目をそらせているのは、機動捜査課の鹿島アスカ巡査だった。
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片や、アスカ巡査よりさらに若いと言うより、犯罪現場に迷い込んだ中学生か何かに見える少年。だが少年のサイズに合わせたブラックハウンドの制服は本物であり、彼が本物の警官であることを示していた。
“ギルティサイト”こと鏡 早遊馬。罪の視覚の名の意味は、そのまま少年の右目を覆っている眼帯の奥に秘せられている。外見通り14歳なのだが、小さい頃から訓練を受けてきたのだ。
豪華な赤い絨毯の上で死んでいるのは、司政官スタッフのシークレット・サーヴィス要員2名だった。二人は稲垣氏の愛人の部屋に危険物がないか入念にチェックしている最中に侵入者と遭遇し、短い銃撃戦の末に命を落としたのだ。司政官の愛人の部屋で無念の殉職となるとは、SSたちの魂もさぞやり切れないだろう。
大口径の13mm弾を発射する大型拳銃を抜いた所で、2名のSSは頭を撃ち抜かれて絶命していた。血、頭蓋骨の破片、脳漿、その他様々なものが高価な絨毯の上に散らばっている。
早遊馬巡査は罪を見ないほうの左目で、そっと相方を見た。鹿島アスカ巡査は口を押さえ、今にも吐きそうだった。
早遊馬巡査「ぼ、僕が見るんですか (゚o゚)」
アスカ巡査「は、はい‥‥ (-∧-;)」
早遊馬巡査「ほ、ほんとに、僕が見るんですね」
アスカ巡査「鏡君、課長は、君に任せるつもりのようですから (-∧-;;)」
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早遊馬巡査「アスカさん‥‥。そう言いながら、後ろ見ないでくださいよ」
ぎくりとする機捜課の愉快な仲間を後に、早遊馬巡査は勇気を出して死体を調べた。全ての罪を見通す右目と、常人の目の左目で。
よく見ると、シークレット・サーヴィスの2名は絶命の直前に応戦した跡があった。13mm弾2発が応射され、弾痕が残っている。
そして、部屋に飛び散った残骸の中には、人間の血と非常に似ていながら成分が異なる液体が混じっていた――義体用の人工血液だ。
エキストラ警官「やれやれ、便利屋みたいに使われてもね‥‥」
ぼやきながら、現場検証が始まった。だが、現場に来た人員の中で早遊馬だけが、その事実に気付いた。
早遊馬「でも、犯罪には違いありませんから」
答え、早遊馬は詳細な調査に入った。部屋に落ちる少年の影がゆらりと揺れ、その中に実体を移した秘幽体“罪詠”が、悪意のある笑みを漏らした。
凄惨な死体からすぐ目をそらし、既に部屋の後方に撤退していた鹿島アスカ巡査は、相方の影の中の超常現象には気付かなかった。

今より2年ほど前。災厄の街のレッドエリアはその混沌さは現在と変わらず、様々な秘密を街の表の顔から覆い隠す。正確な人数を誰も把握していない無登録市民の中に、大黒天女カーリーに仕える僕として古代から生き続けるアヤカシが紛れていたとしても、昼の世界の住人たちは知るまい。
廃ビルやその残骸が並び、時の塵に埋もれた古代インドの寺院の如く続く一角。自分のねぐらでナイフを鋭く研いでいたアジェイ・カーンは、定命の少年が自分の元を訪ねてきたのを知った。
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少年の表情は、たとえ相手が夜の世界の住人であろうとも、自分の願いを果たしたいという強い決意に満ちていた。
コウ・エルロン「あなたが、“アサシン”ですか」
アサシン「そう、呼ばれている」
コウ・エルロン「この辺りで、銃とナイフの腕ならあなたが一番と聞いた」
ゆっくりと振り向くアジェイ・カーンの前で、東洋人の少年は日本式に、土の上に土下座して頭を下げた。
コウ・エルロン「このプラチナムを払う。頼む、オレを弟子にしてくれ!」
輪廻の輪を外れたカーリーの僕は立ち上がり、思いもよらぬ依頼を持ちかけてきた少年に近づいた。
アサシン「儂は、人殺ししかできん」
コウ・エルロン「その、人殺しの技を教わりたいんだッ」
何度断っても、脅そうとも、少年は諦めなかった。
アサシン「敵討ちをするまで、先に進めないというのか」
少年は静かに頷いた。その瞳には、何を犠牲にしてでも自分の敵討ちを果たしたいという決意が漲っていた。アジェイ・カーンは不死者の瞳で、その殺し屋見習いを見つめた。
アサシン「ままあるものじゃな‥‥
儂がおぬしの背中を押してやろう。だが忘れぬな、道はお前が決めるのじゃ」
こうして、不死の暗殺者アジェイ・カーンのもとに、銃とナイフの技を修める奇妙な弟子が加わることになったのである。

他人名義のマンション、必要な時に備えた幾らかの食料や予備の弾薬、生活必需品を蓄えてあるセーフハウス。情報機関員や軍の特殊部隊員がよく使う手だ。
アレックス・タウンゼントは仕事用のセーフハウスで、櫛田少佐が渡した資料の中身を眺めていた。というのもルール的にはこちらの家がアレックスの無条件習得装備で、静元家は妻の無条件習得装備の扱いなのだ。なぜなら外界が(以下削除)なのだが、そんなものはシリアスな青き薔薇の物語には関係ないのでさくっとデトネイトしてポポイのポイである。
データチップの中身は簡単なスケジューラー・プログラムを装っていたが、N◎VA軍のよく使う偽装方法だったたためにすぐ分かった。その奥には、画像と文字データが隠されていた。
ミハマ・ユキヒロを狙っている人物は若いガンスリンガー、コウ・エルロン。写真には東洋系の若者が映っていた。かつてストリートで、アジェイ・カーンという人物を師匠として殺しの業を修めたという。
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もう1名、非常に不鮮明な写真に完全義体の男が映っていた。稲垣司政官のシークレット・サーヴィス2名を殺したのもこの人物。この人物もミハマ・ユキヒロを殺害目標として動いていた。
N◎VA軍は本件に対し、資産を割いて対応する必要なしと判断していた。軍に動く気はない。ミハマ・ユキヒロの旧友にこの情報を与えれば、自発的に行動を始める――そこまで計算した上での接触だったのだ。
<社会:軍事>を重ねて知覚したアレックスは写真を調べた。故郷で軍人として戦ってきた彼には、その人物の危険性が見て取れた。
アレックス「高性能の軍事用義体か‥‥」
一方ストリートの情報では、コウ・エルロンの仕事のバディである義体が、カーライル・シンジケートの賞金首となっていた。仕事中にへまをしたのだ。
コウ・エルロンは現在ストリートに潜伏中。殺しの仕事の中で、自分の妹の仇である“フラット”爆破犯を探しているらしい。
2年前に爆破された洗脳施設“フラット”に資金を出していたのは、軌道勢力の大御所、天津家だった。洗脳の責任者はナガツカ・マリという女性。
地上勢力の実行者として、ビルを爆破したのは稲垣機関の工作員、コードネーム“エコー”という男。この作戦は一般にはNPOビル爆破事件として報道され、スタッフ4人、子供1人が死んでいた。
鏡早遊馬巡査も、シークレット・サーヴィス殺害犯を追っていた。調査では、稲垣機関に恨みのある人物の仕業。2名を倒した戦闘は迅速を極めていたが、どちらかいうと洗練された実行ではなく力押しの殺害。セキュリティカメラに残っていた不鮮明な画像は、ストリートの一部で災厄の代名詞となっている“クサナギ”にどこか雰囲気が似た、ダークスーツの男の影だった‥‥。

イエローエリアの一角にある喫茶店。中の席では、特務警察の制服と輝くバッヂに身を包んだ、しかしどう見ても中学生ぐらいにしか見えない少年が飲み物を前に頭を抱えていた。右目の眼帯で“ギルティサイト”を隠した少年は鏡早遊馬巡査である。
罪詠『じっくりやれよ。この罪はまだ増えるぜ‥‥ ('∀`)b』
ソファに落ちる早遊馬の影の中から囁き声が漏れた。秘幽体“罪詠”が罪の匂いを嗅ぎつけたのである。
早遊馬巡査「協力してくれる人がいればいいんだけど‥‥ (-人-;)」
キャスト間の協力を請うメタ発言が混じった言葉を漏らすと、早遊馬巡査はSS殺害の容疑者の情報を思い出した。確かに完全義体、しかも軌道製。
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名は“常世”といい、天津家が最新技術を投入して造った新型。警護型/攻撃型の二種類があるという。災厄の街に時折下りてくる天津政司が常に従えている部下の義体も仰天の性能を備えているというが、今回も同じようなことが起こるだろう。
早遊馬巡査「軌道と天津機関が争ってる?? どうして??」
警官としての訓練を積んではいても中身は14歳の頭の中を、はてなマークの一個中隊が踊っていた時。
喫茶店の扉が開き、新たな客が入ってきた。しかもタタラの激渋特技<※発信器>で早遊馬の声を突き止めての登場である。
席に近づいてきたのは14歳の早遊馬の約4倍の人生経験を積んでいる、北米人の男性だった。
リチャード「この事件の担当官、鏡早遊馬‥‥くんだね」
早遊馬「こ、こんにちは」
現れたのは前にハウンドとSSSが事件で協力した時か何かに出会った、リチャード・フェニックスだった。
リチャード「前に会った時は、もっと小さかったのにな (´ー`)」
早遊馬「そんなに小さくないですよっ ヽ(`ー´)ノ」
いきなり子供扱いされ、実際に子供とはいえブラックハウンド隊員である早遊馬はむっとした。続くやりとりでさらに子供扱いが続く。
リチャード「シークレット・サーヴィスが狙われてるらしいな」
早遊馬「フェニックスさんは意地が悪いですよぉ‥‥。あれは、稲垣に憎悪を持っている人間の仕業です」
リチャード「俺もその事件を追っている。だが、企業秘密もあってな」
頼もしい協力者を見つけることのできた早遊馬巡査は、軌道製の高性能義体の話をした。
リチャード「なるほど、利害がかち合うわけでもなさそうだな」
自分の約1/4しか生きていない少年は、まだ不安そうにしている。リチャード・フェニックスはテーブルに備え付けのトロンをいじり、アドレス帳を開いた。災厄の街で契約可能なカブト業界のリストが偶然流れていた。
リチャード「そんなに心配なら、ボディガードでも雇ったらどうだ」
有名なCEOブロッカーを筆頭に、ナイト・ワーデン社の優秀なカブト。現在売り出し中の若手たち。そしてKW社以外で活動中の人物たちのリスト。
リチャードはその中に、知っている人間の顔を見つけた。死神の使いの名で知られる、黒衣のBGを。
早遊馬「この人、知ってるんですか (゚o゚)」
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リチャード「いや‥‥経験が長いだけさ」
感心して画面とリチャードの顔を交互に眺める早遊馬に、男は静かな笑みを漏らした。
調査が進む。コウ・エルロンは殺し屋になる前、かつて親の家庭内暴力が原因で妹と共にNPO施設に入った経歴があった。だが、後の爆破事件で妹は死亡。仕掛けたのが爆破のプロの仕業と知り、復讐のために殺しの業の使い手、アジェイ・カーンの元に弟子入りしたのだ。
セキュリティ・アドバイザーのミハマ・ユキヒロはゲーム的にはカブト, クグツ, タタラ。かつては南米でのイワサキ企業軍に従軍していた。現地でよい成績を上げられなかったため、N◎VAに帰国後は稲垣機関の実行者として

レッドエリアの闇は深く、ホワイトエリアを中心に光り輝くテクノロジーの光を覆い隠す。
ねぐらの近く、不死の暗殺者がたゆまぬ修練を続ける場にしている一帯は、訓練の跡がそこかしこに残っていた。壁に残る弾痕。柱に残る、刀剣やナイフの切り傷。古代の神像が、無言でカーンを見つめている。
静謐な空気と一体となり、瞑想していたアジェイ・カーンは昔を思い出していた。自分の前に土下座して頼み込んだコウ・エルロン。彼は本物の“アサシン”の元で修行を積み、銃器による暗殺を最も得意とした殺し屋として帰っていったのだ。
色黒の少年の姿をとった不死の妖は、ゆっくりと立ち上がると振り返った。吹き渡る風のように静かに、口を開く。
そこには、漆黒の夜と同じ色のコートをまとった、長身の男性が立っていた。男性が発した言葉は、10代の人間の少年に向けられた言葉ではなかった。
アサシン「夜の魔法使いか」
アレックス「死と、破壊の女神カーリーに仕えた暗殺者の最後の一人。あの夜以来か、アジェイ・カーン」
それは、吸血鬼の公子と人間の聖女の間に生まれ、光と闇の狭間を歩む一人のダンピールの娘を巡る闇の帳の物語。カーリーの僕と夜の魔法使いはしばし、行動を共にしたのだった。
アレックスは、コウ・エルロンという殺し屋が自分の行く手にいることを語った。不死の暗殺者は、その若者が自分の弟子であることを確認した。
アサシン「じゃが‥‥儂はあの少年に、幕の引き方を教えることができなかった」
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アレックス「では、コウという少年は自分の最期を知っているのだな。殺し屋がどんな結末を辿るのかということを」
厳しい目で少年の姿をした不死者を見やった死神の使いは、やがてコウが自分の知り合いを狙っていることを伝えた。
アレックス「もしもその少年が俺の前に現れたら、俺は容赦なくデス・ロードの務めを果たすだろう。それだけだ」
アサシン「儂も止めるつもりはない。じゃが、コウには会いにゆこう。儂も、コウの目的を果たさせたい」
アレックス「ほう‥‥ではそれが、死者の王国の門が開く前であることを祈ろうか。さらばだ、アジェイ・カーン」
デス・ロードは夜の色をしたコートを翻し、踵を返すと去っていった。アジェイ・カーンは静かに腰を下ろすと、再び瞑想に入った。奇妙な格好に手を広げたインドの仏像だけが、夜の中の二人を見ていた。
NPO施設にして洗脳施設“フラット”で爆破事件が起こった当時、生存者のコウ・エルロンは14歳だった。事件で死亡したという扱いになっている妹のユイ・エルロンは、最後まで遺体が発見されていなかった。そう、何者かの《完全偽装》で存在自体が消去されていたのだ。
施設ビルの責任者はタタラのナガツカ・マリという女性。軌道の助力を受けて強力な洗脳プログラム“ブルーローズ”を創り上げた本人だった。

NPOビル爆破事件の凄惨な事故現場から2年。ビル跡地は公園となり、今は子供たちが遊ぶ平和な光景が広がっている。
その公園を見やる男がいた。暗色の髪と目をした北米系男性、再就職2年目の後方処理課員である。
リチャード「2年ぶりか‥‥」
“フラット”では、施設に来た子供たちの中で適性の期待できる人材に、軌道製の洗脳プログラムを試行していた。高度な洗脳プログラム“ブルーローズ”の実験体にはコウ・エルロンが適性を示したのだった。このドラッグはルール的には脳内爆弾で、隠蔽度が極めて高い。
“ブルーローズ”を創り上げたナガツカ・マリは、まったく同じ名の女性ピアニストがこの世界に存在していた。技術を買われて軌道に招聘され、今の時代のサイバーウェアの重要な一分野であるサイコアプリケーションの専門家として活動しているという。
リチャード・フェニックスが物思いに耽っていると、フードで顔を隠した人物が気配を抑えて通り過ぎた。それはどこかコウ・エルロンに似た雰囲気を備えた、黒い肌の少年の姿をした存在だった。
リチャード「今の気配は‥‥できる!」
軌道製の新型完全義体“常世”は、攻撃型と防御型にそれぞれ呼び名があった。甲式と乙式。そして、実際に製造された甲式乙式の2体が、ナガツカ・マリと一緒にN◎VAに戻ってきたという‥‥

ビル跡地の公園にほど近い所にある喫茶店には、様々なN◎VA市民の客が集っていた。知り合いと連絡をつけたリチャード・フェニックスもその中にいた。喫茶店といえば、N◎VA-Dアクトのリサーチフェイズ後半のキャスト合流地点の約束である。
悠然と喫茶店に入ってきたのは、リチャードの近しい業界の知り合いだった。向こうも経験のある層の人物だが、リチャードよりは10歳以上も若い。
アレックス「ミスター・フェニックス。最近の千早重工は、SSSの捜査官も雇うようになったのかい」
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リチャード「なぁに、裏工作が多いだけさ」
自嘲気味に肩を竦めてうそぶくベテランの“スコーピオン”に、ブリテン人のBGは不敵に微笑んだ。
アレックス「俺やあなたの業界の人間ならなら分かっているだろう。警察機構、軍人や情報機関員には、勤め先を辞めても同業種へ転職する人間が多い。それに俺たちはハウンドの若者たちとは違うさ――経験が何よりの力であることを、知っている」
ポケットロンで話した続きを、リチャードは話した。求めるものが互いに近いこと。軌道が絡んだ敵が思いのほか強大であること。この事件を調査しているブラックハウンド隊員が知り合いで、ここに来ていること。
リチャードに導かれ、アレックスは噂の機動捜査課隊員が待っているテーブルのひとつへ案内された。
早遊馬「はじめましてっ。お話は聞いています‥‥」
世界の夜を巡り、様々な戦いを潜り抜けてきたデス・ロードも、14歳ショックには軽い驚きを受けた。
そこにいたのは、リアル志向寄りの世界に住んでいる大の男二人とは明らかに違う
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ライトノベル的雰囲気をまとい、一生懸命オーラを全身から放っている、10代前半の少年だったのである。
アレックス「これは‥‥最近の機動捜査課には若者が多いと聞いたが‥‥。その、君は、中学生か?」
早遊馬「いえ。これでも小さい頃から、警官になるための訓練を受けてきましたからっ」
アレックス「そうか。ああ、ならいいんだが。いや、つまらんことを聞いた」
アレックスもどうにも調子を崩される。
リチャードが詳しい話をした。機動性の超高性能義体が敵であること。“フラット”施設爆破犯“エコー”は相当のプロフェッショナルで、稲垣機関の人間であること。爆破の生き残りコウ・エルロンがその人物を妹の仇とつけ狙っていること。そして彼の妹ユイ・エルロンは爆死しておらず、実は生きていること。彼女の存在は抹消されているが‥‥何者かが介入しているとしたら、その爆破犯が関係している可能性が高いこと。
しばらく黙っていたアレックスが、やがて口を開いた。
アレックス「‥‥本当は誰にも話したくなかったのだがね。かつて“エコー”と呼ばれていた男は、俺の友人だ」
厳しい表情のデスロードは視線を落とした。
アレックス「だが、彼はプロだ。与えられた仕事を忠実にこなしただけだ。――だから、彼に罪はないと願いたい」
ギルティサイトを右目に秘めた早遊馬巡査は沈黙し、リチャード・フェニックスはかぶりを振ると窓から遠くを眺めた。傾いた世界、ニューロエイジ。人は善い人間から順に死んでゆき、世は災いに満ちている。
リチャード「この街のプロには、善人が多すぎるな‥‥」

災厄の街の中央部に、遥か高く聳え立つ高層ビル。そのひとつの屋上で東洋人の若者が射撃姿勢に入り、狙撃を実行しようとしていた。コウ・エルロンである。
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光学迷彩が作動し、揺らめくと灰色の空と同じ色に。下方に伸びた超高性能の軍用レーザーライフル。《不可知》で手元の電子装置が動き、ビルの幾つかに取り付けられた反射鏡が仰角を変更、精確な動きで誘導光を導いた。直線を飛ぶ火薬式弾丸では絶対に不可能な、レーザー光を屈折させての超精密射撃である。
だが、ミハマ・ユキヒロも高度な技術を備えた元軍人のセキュリティ・アドバイザーだ。室内にいても窓際で狙撃の的になるようなことはなく、隙がない。背景と同化したマントの中で、アジェイ・カーンの弟子は舌打ちした。
中の人たち「反射鏡でレーザー射撃! (*´∀`)=3」
キャストの中の人たちで軍事燃えな向きが盛り上がる中。狙撃地点に異変が生じた。最初はRLシーンであるという制限を乗り越え、少年の姿をしたカーリーの僕が陽炎の如く現れたのである。
ビル屋上で長い衣を靡かせるアジェイ・カーンの姿に驚き、コウ・エルロンは射撃待機を解いた。びっくりして殺しの技の師匠を見やる。
アサシン「お前の仕事で一番難しいことが何か、分かるか」
コウ・エルロン「もちろんだ。オレと相方に掛かっている賞金も知ってる。“アサシン”のやり方だって知ってる。でも、オレは目的を果たしたいんだッ」
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アサシン「それが終われば、悔いなく死ぬというのか」
コウ・エルロン「仇さえとったら、後はどうなっても構わない!」
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アサシン「儂はいつも迷っている。儂は殺すことしかできない。儂の行く先、お前に示した行き先が、間違っているのではないかとな」
ビル屋上の風の中に、二人は同時に気付いた。風に紛れどこからか響いてくる、ピアノ・ソロの調べ。ありえない花を歌ったどこか儚げなそのメロディはコウ・エルロンが子供の頃に頭の中に埋め込まれた、極めて高度で秘匿性の高い洗脳プログラムを活動させた。
コウ・エルロン「時間が来た。行くよ」
遺伝子操作技術に限界のあった旧世界では長らく、世界のどこにもない花でしかなかった、青い薔薇。何もかもが変わってしまった傾いた新世界では当たり前になってしまった、青い薔薇。
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ブルーローズの花が若者の記憶を埋め尽くし、滅びの闇へと導き始める。
やはり、コウの妹ユイ・エルロンは生きていた。NPO施設爆破作戦を実行したミハマ・ユキヒロが目標以外の子供を殺してしまったことを悔やみ、重傷の少女から脳を摘出し、義体を与えて生き延びさせていたのだ。

一方、遠距離からの超精密狙撃などまだ知らぬ、ミハマ・ユキヒロのセーフハウス。ブラックハウンドの鏡早遊馬隊員はリチャード・フェニックスとアレックス・タウンゼントを従え、厳重なセキュリティの前に立っていた。
髪に白いものが混じったミハマ氏は私服でくつろいだ様子で、一同をリビングへ案内した。椅子を勧められて落ち着いたところで、ハウンド制服に身を包んだ鏡早遊馬巡査が職務質問を始める。
早遊馬巡査「僕は今、イワヤトオフィスの殺人事件を調査しています。2年前に起こったNPO施設爆破事件のことも。どちらの事件にも、捜査線上にあなたの名が浮かび上がったんです」
ミハマ・ユキヒロ「何のことか分かりませんな」
穏やかに、完璧に受け答えて自らの無関係を伝えるミハマ。少年が更に追及し、だが司政官のセキュリティアドバイザーはさらに受け流す。その時、ミハマの古い友人が静かに口を開いた。
アレックス「‥‥ミスター・ミハマ。俺もあなたもプロフェッショナルだ。互いの過去に、必要以上に分け入ったりはしない。俺もあなたの過去に詮索はしたくない。
だが――ここにいる鏡君の“ギルティサイト”は、あなたの過去に罪を見たようだ」
全員の視線が、14歳の機動捜査課員に注がれた。鏡早遊馬は、ゆっくりと右目の眼帯を外した。全ての罪を見通す“ギルティサイト”がその力を発し、封じられた罪詠が活動を開始した。
シーンプレイヤーキャストにスポットライトが当たったところで《真実》炸裂、ミハマが2年前に行った《完全偽装》が打ち消される。
従軍時代に思うように実績を上げられなかったミハマは稲垣司政官の元で濡れ仕事を一手に引き受け、非合法活動を専門に行っていた。
2年前のこと。監視地点からの入念な“フラット”監視、活動する人間全員の深い観察と完全なスケジュール把握、よく検討された計画の上で、爆破作戦が実行された。死ぬのは罪深い大人だけのはずだった。
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だが、ミハマが行った爆破作戦はひとつだけ失敗した。その日たまたま、風邪をひいて施設内に残っていた少女がいたのだ。爆破が実行され、洗脳施設の罪深き大人たちは死んだ。少女は直撃は免れたものの致命傷を負い、瓦礫の中からミハマの手で助け出された。
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関係ない人間‥‥しかも未来ある幼い少女の死。「多少の犠牲はつきもの」などという安直な理屈は立ち尽くすミハマ・ユキヒロの頭には浮かばなかった。プロフェッショナルである彼は少女を見捨てられなかった。ミハマは完全義体を用意して脳だけを移植し、少女の命を救ったのだった。
少女の名はユイ・エルロンといった。
リチャードらが見守る前で、経験豊富なセキュリティ・アドバイザーは、ぽつぽつと過去を語り、一同は黙って聞いた。
早遊馬「あなたの罪は、それほど重くはない」
ミハマ・ユキヒロ「私を断罪しないのかね」
驚きを見せるミハマ。だが14歳の機動捜査課隊員はゆっくりと右目を眼帯で隠すと、頭を振って自分に言い聞かせるように呟いた。
早遊馬「僕は、僕でありたいから‥‥」

運命の天輪はひとつの道に収束し、クライマックスフェイズ。時間は進み、コウ・エルロンとアジェイ・カーンがビル屋上で思いがけない再会を果たした時となった。そう、軍用レーザーライフルと反射鏡の組み合わせによる驚異の超精密射撃が行われた瞬間である。
コウ・エルロンはガルーダ発動にロゴス注入、<射撃><※死点撃ち>で遠距離からの一撃を撃ち込んだ。
ミハマ・ユキヒロのセーフハウスでは、広いフロアの防弾ガラスが弾け飛んだ。
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第二射で高密度高精度のレーザー照射が、室内を貫通する。
アレックス「光学兵器か! 全員伏せろッ!」
訓練を受けたボディガードの即時反応能力でいち早く動いたアレックスが、ソファに座っていたミハマを床に引き倒す。
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その頭上を高出力のレーザー照射が貫こうとした瞬間、室内に闇と同じ色の光が満ちた。夜の力に遮られ、位相と収束を乱されたレーザー光は拡散して破壊力を失った。
《不可知》による狙撃が《難攻不落》で防がれた時。セーフハウスに侵入者が現れた。まったく同じ外見をした二人のフルボーグ。軌道の高性能義体“常世”だ。
そして、狙撃地点とは逆側の強化ガラスが盛大に割れた。全てのセキュリティが突破され、人影の侵入を許した。ゆったりした衣装をまとった影は音もなく床に降り立ち、ゆらりと立った。
《突破》で侵入してきたのは、肌の黒い少年の姿をした、輪廻の輪を超越した不死の暗殺者であった。
アサシン「また会ったな、アレックス」
アレックス「アジェイ・カーンの弟子が、光学兵器を使うとはな‥‥」

かくして戦闘開始。敵はAR3から急襲してくる新型義体“常世”が二体。攻撃型の甲式、防御型の乙式。ライフルを携えてセーフハウスに近づくスナイパーのコウ・エルロンは遠距離に。そして、後方で義体の指揮を執っているのは‥‥高度な洗脳プログラム“ブルーローズ”の生みの親であるナガツカ・マリ本人だった。
セットアップフェイズ。遮蔽を取れとアレックスが叫び、<※戦術>が夜の魔法から広がる。アジェイ・カーンの両手には数々の命を奪ってきた殺しの道具が現れた。鏡早遊馬巡査は護身用の武器を取り、既に防刃ケブラーウェアを着込んでいたリチャード・フェニックスは素早く愛銃で射撃姿勢に入った。現場での厳しい使用を耐え抜いたSSS正式採用の鎮圧銃、XS-29“ファランクス”である。
アクションランク3。防御型の乙式はリアクションを宣言、攻撃型の甲式が1距離を移動して斬り掛かる。<※擬似人格>で達成値を上げた<白兵><※修羅>。“モルフェウス”の流体金属の腕が刃と化し、素早く目標群の殲滅に掛かった。
アレックス「さすがに軌道製は速いかッ!」
攻撃拳銃で素早く打撃を浴びせようとしていたアレックスはやむなく、黒銀の鞘の中の剣を抜いた。魔剣“アズュラーンの威令”に夜色の炎が灯り、受けから斬り返して<■ク・フレ>から25。
だが斬撃を浴びたのは控えていたはずのもう1体だった。ブランチ<カゲムシャ:ジェミニ>で乙式が入れ替わり、装甲で減らして20点。さらに<■パントマイム>から<※血脈:獣の一族>で達成値20を出して傷を全て修復する。
カーリー神の僕アジェイ・カーンは短針銃を迷いなく向けた。その先にはコウ・エルロンの姿があった。
アサシン「汝にも家族がいるだろうに」
リチャード「生きたいと分かっていれば、幸せに生きたいだろう。ユイ・エルロンは死んでないッ」
床に押し倒されて狙撃を逃れたミハマ・ユキヒロも、若い暗殺者に頷く。そしてリチャード・フェニックスは、構えた愛銃を危険な完全義体に向けて射撃姿勢に入った。
リチャード「馬鹿め、後方ががら空きだ。制圧射撃を実行する。下がれ!」
以前の“ジャベリン”を改良したSSS制式鎮圧銃XS-29“ファランクス”はXM42に似た銃だ。ライアットガンという名称で括られてはいるが、その実体はほぼアサルトライフルに近い。十分な照準補正装置が射角を調整し、タクティカル・サイトスコープの視覚情報がサイバーリンクでリチャードの視界に流れ込む。南米の戦場でも絶大な威力を発揮した“シンクロファイア”がフルオートの制圧射撃の打撃を増大させ、銃口が火を噴いた。
達成値が16から21に上がった<※花吹雪><※必殺の矢>が、敵ゲストのみに降り注ぐ! 十分な殺傷能力のあるフルオート! そして慌てたのは敵だけでなくリチャードの中の人もだった! 装備に見落としがあったのだ!
リチャードの中の人「(はっ!) スリーアクションが入ってない! (゚Д゚;≡;゚Д゚)」
一同「落ち着け、首領!」
アレックスの中の人「射撃系のキャストはたいていスリーアクションは入ってるし、
ここは見せ場だし今回は入っていたことにするのはどうだね」
ほりの皇子の人「そうしましょうそうしましょう (っ´▽`)っ」
しばらく混乱があった後に、必殺の制圧射撃は成立することになった。
ナガツカ・マリ「‥‥地上の技術とは違うのよ」
当たれば複数ゲストにとって致命的な射撃は、軌道の最新技術の力でアクション自体が《チャイ》され、戦闘は続く。
早遊馬巡査「僕には、全ての罪が見えます‥‥」
エニグマ召喚成功。少年の右目の“ギルティサイト”に封じられていた秘幽体“罪詠”がその力を完全に蘇らせた。
一方、最新義体“常世”はさらに《神出鬼没》。魔剣の斬撃を厚い装甲で防いだ乙式はいつの間にか元の甲式に入れ替わっていた。再び、流体金属の腕が襲いかかる。
アレックス「たとえ軌道製の技術でも、夜の力は防げまい!」
再び魔剣“アズュラーンの威令”が<■ク・フレ>から全力で斬り返し、一瞬だけ入れ替わった乙式が《難攻不落》で防ぐ。
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そして、激しい戦いの中でも不死者の冷静さを保ち続けるアジェイ・カーンは、なんと《不可知》から人間の少年に<交渉>をもちかけた。
アサシン「“ギルティサイト”、汝の目には罪が見えていないのか。
‥‥コウよ、愚かな師匠の弟子に相応しく、最期を迎えるのだ」
マイナーアクションの“色即是空”から<※オーヴァレヴ>でエース。この状態からアクションランクが+2され、早業符が閃いてそこからマイナーアクション8回。能力値+5のダメージ+5の毒+6Lvの5倍幸せの、ブランチ<カゲ:アサシン>で古より伝わる麻薬ハッシシを大量に吸い込む。
リチャード「これが、悲しい現実さ」
制式ライフルを油断なく構えたまま、リチャードが殺し屋コウ・エルロンに誤解の件を話す。NPOビル爆破作戦実行者“エコー”は仕事をしただけだったこと。罪の意識に苛まれてコウの妹を救っていたことを。
ナガツカ・マリ「残念ね。これは、デモンストレーションなのよ。
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――メンターの役目は終わったわ」
超細密洗脳プログラム“ブルーローズ”の生みの親であるナガツカ・マリが口を開いた。《神の御言葉》による即死攻撃。だが、黒の暗殺者は即座に《霧散》で復活。死と破壊の女神に仕える少年の姿をしたアヤカシの、黒曜石の如く輝く目がぎろりと定命の女を睨んだ。
アサシン「‥‥デス・ロード、加勢させてもらう」
ゆったりした衣装がゆらりと揺れ、アジェイ・カーンが一気に動いた。短針銃とナイフが煌き、ナガツカ・マリへの行く手を塞ぐ完全義体“常世”を狙う。朽ちた不死の体を麻薬ハッシシで極限まで高め、毒を塗ったナイフが埋め込まれた。
甲式への本気の攻撃を《神出鬼没》、だが代わりに受けた乙式も最終的な刺25点を装甲で耐え切れなかった。同時に《完全偽装》で出所を隠しつつ、軌道の最新義体は地上世界で息絶えた。乙式、乙!
リチャード「これで終わりにしてやる!」
サイバーリンクで射手と完全に接続されたXS-29“ファランクス”が再び火を吹いた。リチャード・フェニックスが後方エンゲージを巻き込み、再び<※花吹雪>のフルオート射撃。サイバーウェアと銃の性能、射手の確かな技量が組み合った制圧射撃は極めて危険だ。ナガツカ・マリは<※ハードラック>を試みたが、刺24点を防ぐことはできなかった。
ナガツカ・マリ「だめ‥‥このデモを持って、私は軌道に帰るのよ!」
星の世界への執念と共に、死亡と同時に《タイムリー》。コウ・エルロンの中に隠されている脳内爆弾相当の“ブルーローズ”プログラムで、被洗脳者の死亡を命ずる。打ち消す手段は非常に限られていた。
宇宙の彼方のほりの星の皇子の許可により、これは神業の余っている鏡早遊馬巡査が対応することになった。エニグマ“罪詠”が嬉しそうにその力を解放、《守護神》の力を使う。
アジェイ・カーンの刃に乙式義体が倒れ、フルオート射撃で激しい打撃を浴びたナガツカ・マリが倒れ、そして甲式義体は多数の弾丸を浴びて沈黙しかけていたものの、まだ最後に動いた。《不可知》から最後の<運動><白兵><※修羅>。流体金属が変形し、最後の刃となって当初の目標に伸びる。
アレックス「ミハマ! 伏せろッ!」
魔剣から手を離したデス・ロードが警告の声を上げた。懐の大口径攻撃拳銃を抜き撃ち、ダブル・タップで2発を叩き込む。
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脳を破壊された人間は速やかに行動を止め、脳以外は機械の義体も多くの場合は同じだ。頭蓋部分の頑丈な外殻とその中身を撃ち抜かれ、軌道の最新義体はようやく動きを止めた。『闇の帳』の物語に登場せし黒シルヴィオ・プルデーレがいれば「ずいぶんとアグレッシブなインヴァルですなァ (´ー`)y-~~~」とツッコムところである。
いや、だがシリアスな青き薔薇の物語にそんなことは関係なく、セーフハウスの強襲作戦はなんとか阻止された。リチャード・フェニックスが《タイムリー》で洗脳プログラム“ブルーローズ”の起動自体を押さえ込み、コウ・エルロンの頭脳に刻み込まれた薔薇の記憶が止まった。闇に咲く青い薔薇はもう開くことなく、枯れ果てて消えていくだけだった。

レーザー照射は防がれたとはいえ、窓ガラスの破片が散らばるセーフハウスの居間は惨憺たる有様になっていた。多数の弾丸を浴びたナガツカ・マリの死体が転がり、乙式義体はナイフで貫かれ、こちらもフルオート射撃を浴びた甲式義体は頭部を撃ち抜かれて動作を停止している。ミハマ・ユキヒロは戦闘のもたらす緊張からいち早く回復すると立ち上がろうとしていた。
敵要員を制圧射撃で一掃したXS-29“ファランクス”を下ろすことなく、リチャード・フェニックスは銃を撃てる姿勢にあった。ダブル・タップで義体を仕留めたアレックスも、油断なく高性能攻撃拳銃をコウ・エルロンとその主に向けている。
アサシン「汝の銃を撃つ前に、後悔することになる」
コウ・エルロン「ずっと考えてきたんだ。でも、オレは沢山殺してきた」
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アサシン「ある殺し屋の話をしよう。おぬしの話じゃ‥‥」

特務警察ブラックハウンド基地。過去幾たびも隊長が交代した隊長室は、今は前例のない女性隊長の所有物となっていた。結い上げた髪に理知的な眼鏡、若い隊員たちを圧倒する威厳の持ち主。
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“首切り判事”と名高い御堂茜隊長である。その前には、眼帯で右目を隠した少年が直立していた。
御堂茜隊長「‥‥他に報告することは?」
早遊馬巡査「2年前の爆破事件の被害者の少女の生存が確認されました。表に出せませんが、彼女を保護すべきだと思います」
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御堂茜隊長「大勢に影響がないのなら良いわ。日常生活に戻るのに、支障はないでしょう」
早遊馬巡査「ありがとうございます」
14歳の機動捜査課隊員の頭の中を、この任務に入る前に御堂茜隊長が言った言葉、職務中に何度も聞いた言葉が蘇った。「ブラックハウンドは、個人の正義をふりかざす場所ではないわ」、と。
鏡早遊馬は《制裁》を社会戦の治療に用いた。市民IDを復権させ、ユイ・エルロンを正常な登録市民として手続きを進める。
こうして、NPOビル爆破作戦の不幸な被害者として義体の中で生きてきた少女は、“ギルティサイト”の尽力によって救われたのだった。

時はやや遡り、強襲作戦が失敗した直後のセーフハウス。かつて“エコー”と呼ばれたミハマ・ユキヒロが一同を見守り、リチャード・フェニックスとアレックスが油断なく銃を向ける前で、殺しの業の師匠と弟子のやりとりが続いていた。
コウ・エルロン「未熟と言われても、もうオレはユイの元には戻れない。
カーライルから掛かった賞金もある。オレはもう殺し屋なんだっ!」
アジェイ・カーンは不死者特有の落ち着きを保ったまま、ゆっくりと短針銃を抜いた。装填された微細な針の集合には、致命的なキルベアー毒が塗られている。
アサシン「“スコーピオン”と言ったか」
銃が向けられた先はリチャード・フェニックスだった。そう、相手は人間世界に紛れて数え切れない程の命を奪ってきた本物のアサシンなのだ。
リチャードはXS-29を構えたまま、もう一方の手で予備のバックアップ用拳銃を抜いた。肌の黒い少年の姿をしたアヤカシに、再就職2年目の後方処理課員は狙いをつけた。
リチャード「その子をどうするつもりだ、“アサシン”」
アサシン「殺す」
リチャード「復讐をやめる気はないのか、コウ・エルロンッ」
コウ・エルロン「オレは――オレは“エコー”を殺すっ!」
リチャード「なぜ、殺し合うことでしか解決できないんだ。幸せを模索する方法をどうして探せない!」
人の命の重さを知る51歳の父親は、言葉を荒げると表情を険しくした。
その時だった。広いリビングの中で激しい銃撃戦を耐えたホロTVにニュースが流れた。“フラット”の名を持ったNPOビル爆破事件の生存者が一人増えたこと。義体に脳を移植して生き延びたユイ・エルロンが回復したこと。リハビリが済み、新しい体で歩けるようになったこと。
コウ・エルロン「ユイ‥‥あれは本当にユイなのか?!」
いにしえの死と破壊の女神に仕える不死のアサシンは、ゆっくりと短針銃を下ろした。広い災いの世界でただの一人の妹の無事を知り、若い殺し屋は隙を見せた。
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"Scorpin' On"の超精密射撃が閃いた。コウ・エルロンに対し《とどめの一撃》、15番。衝撃で気を失ったコウ・エルロンはその場に倒れ、力を失ったその手から銃が離れた。
リチャード・フェニックスは若者の武器を蹴飛ばし、まだ脈があるのを確認すると、かぶりを振った。
リチャード「よかった。‥‥これでバカなことをせずに済む。あの兄妹のように」
SSSを捨てて千早に自らを売ったと知り合いに蔑まれた時、同じように自分を冷たい目で見つめた子供たちの姿が目に浮かんだ。
片目を失い無骨なサイバーアイを入れると、大きな軍用バイクで世界中の荒事に首を突っ込んでいる息子のケイス。飛び級の大学入学式で起こったテロで若い体を失い、特注の義体で電子妖精となって名を変えると、ハウンドとケルビムの間を飛び回っている娘のアリス。
洗脳プログラム“ブルーローズ”は千早が回収し、若者ひとりの命が無駄になることもなくなった。これで、世界は僅かなりとも良い方向に進むのだ。
アサシン「おぬし、死神のつもりか」
リチャード「何を言ってるんだ。俺は
柄にもなく若い台詞を言うと、51歳の元SSS捜査官は自分の熱い言葉に苦笑するのだった。

二人が久しぶりに再会し、青い薔薇の物語の発端となった同じバー。
セーフハウス強襲の件から落ち着いた後、ミハマ・ユキヒロとアレックス・タウンゼントは再びテーブルを囲んでいた。
遠目には銀髪に見えるミハマ・ユキヒロは今度こそ、隠さずに経緯を果たした。イワサキ企業軍で南米を回った頃の話。大した戦果を上げられず、その後苦労した話。濡れ仕事を一手に引き受けて活動した“エコー”の話。NPOビル爆破作戦が実行に移されたあの日の話‥‥
アレックス「いいんだ。あなたはあなたの仕事を果たしただけだ」
ミハマ・ユキヒロ「今までは話さなかったが、隠すばかりがビジネスばかりではないからね」
自らの信条に従い、少女の命を助けた“エコー”と呼ばれた男は、身の上を話した。そして話題は、現在彼が勤めているイワヤトの警備担当の話になった。
ミハマ・ユキヒロ「例のセキュリティ・アドバイザーの方だが‥‥ついにクビになったよ」
アレックス「おや。司政官はご立腹かい」
ミハマ・ユキヒロ「他人よりまず自分の身を護れないような人間は、信用できないとさ」
アレックス「そうか‥‥。おめでとうと言うべきかな」
ミハマは苦笑いしながら、職を失ったことを話した。フリーランスの職業BGは軽い驚きを見せながら、肩をすくめた。社交界でも企業界でも裏の世界でも、どの世界でも司政官殿の勇名とその何倍かの悪名は鳴り響いている。
アレックス「逆に幸運かもしれない。あなたほどの技術と経験があれば、どこでも役に立つだろう。
就職先には困らないんじゃないかい」
かーらい首領「なんだかガンスリみたいになってきたな (・о・」
アレックスの中の人「その業界の人なら一般的な光景だ! ヽ(`ー´)ノ」
ミハマ・ユキヒロ「落ち着いたら探してみることにするよ。
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――ということは、これからはお前さんが先輩ということになるな。よろしくな、アレックス」
アレックス「おいおい、よしてくれよ」
今度はアレックスが苦笑いする番だった。ミハマが冗談めかして言い、二人が談笑していると、やがて注文の品が運ばれてきた。日系人のミハマの前には日本酒、ブリテン人のアレックスの前には黒ビール。王立陸軍のある連隊にいた頃から、ひと仕事の後にはそれを飲むのが彼の慣わしだった。
アレックス「そういえば、ある人間がこんなことを言っていたよ」
ミハマ・ユキヒロ「ほう、なんだい」
世界の夜と多くの戦いを巡ってきたデス・ロードは、そっと微笑んだ。
アレックス「――この街のプロには、善人が多すぎると」

災いの都の全ての秘密を覆い隠すレッドエリアの夜。
コウ・エルロンは、かつて殺しの技を習い覚えた師匠の前にいた。
アサシン「仕事の時間、儂の仕事の時間だ」
世界が傾く前から、多くの時代で人の命を奪ってきた古めかしいナイフが閃いた。別の神業で増えた分の《不可知》でダメージ14番、眼部損傷。コウ・エルロンの片目が瞬時に切り裂かれ、その視力が奪われた。
コウ・エルロン「なぜだっ! ・゚・(ノД`)・゚ ・。」
アサシン「名もなき少年は、今日からかつての殺し屋ではなく何かになった。
死ぬならいつでもできる。儂もいつでも現れる。それまで、生きていたらどうだ」
コウ・エルロン「アサシン! また会えるのか?!」
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アサシン「お前が死を望むときに。ゆえに、儂がお前に会うことはない」
妹の復讐のために殺人者の道を選んだ若者は、視力を失った片目から流れる血を押さえながら、はっとして師匠の姿を見つめた。
大黒天女カーリーの僕、輪廻の輪を外れた殺人者、少年の姿をとった不死のアサシンはゆったりした衣を翻し、去っていくところだった。
コウが何か言うよりも早く、その姿は闇に紛れて消えていた。
かくして、闇の中に咲く青い薔薇の小道は途絶えた。若者は薔薇に殺される前に闇より逃れ、時間を超越したその師匠は闇の中に消えていったのである。
And so, the curtain dropped,
after the flower of Blue Rose .....
-XYZ-
かくして、“不可能”の象徴である青い薔薇の物語は終了。(TRPG『ブルーローズ』でも同様の意味でタイトルに使われていますね。)
早遊馬クン以外年齢の高い登場人物がほとんどだったこともあり、しっとりとエレガントに、シリアスにメランコリックに大人な物語になりました。ほりの皇子によると予想より時間が掛かり過ぎたそうですが、重厚なこの物語ではこれくらいなのではと思います。
特に記憶に残っているのは、ゲスト陣にも漂うもの悲しいほりのコズムは常のこととして。反射鏡のレーザー狙撃も相当燃えますね。そしてキャスト/ゲスト合わせて唯一早遊馬巡査が一人だけライトノベル時空に住んでいて対比が面白かったこと。PC1の師匠役に不死のアヤカシという異色のキャラクターが入ったことで異彩を放っていたこと。
さらに外せないのは、リチャードパパ漢一匹51歳の熱い台詞でしょう。「何を言ってるんだ。俺は不死鳥(フェニックス)だよ」「この街のプロには、善人が多すぎる」。
たまりません。もうゴンドラの上でオールを漕ぎながら
「恥ずかしいセリフ禁止!」
と言いたくなるカンジです。ぷいにゅ〜。
このアツくハズかしいセリフ、世の読者の皆々様にいつか必ずエクスポーzいやいやプレイレポで伝えねば!(;゚∀゚)=3 と、アクトの後も、その後別のシナリオを作っていた時も、オンラインアクトをやっていた時も、ずっと思っていました。(ぉぃ)
なお、本作でリチャードパパが使っているSSS制式採用鎮圧銃XS-29“ファランクス”はXM42の相当品となっています。現実世界の鎮圧銃(ライアットガン)は対暴徒用のゴム弾も撃ったりできるショットガンで、突入作戦でドアの蝶番を撃ったりフルオートのものなら室内の面制圧にも有効ですが、本作中の使用中の描写ではあまりそうも見えません。首領殿にヒアリングしたところ予想通りあまり考えていなかったそうなので、本プレイレポの中では「ライアットガンという名称で括られてはいるが、その実体はほぼアサルトライフルに近い〜」などとウソ描写で誤魔化しております。

さて、時間がいくらか空いたので2本目。普段から遊ぶ割合の多いメンバーも混じっておりいろいろ考えたのですが。皇子のリクエストもあり決定しました。
あちこちでプレイされ、当サイトでもジャン少年やミア姐さんが影の地へ旅したオンラインリプレイになった『シャドウ・ランドの死婦人』を軽くやることになったのです。
しかも状況がありえません。RL/PLを含め全員が周知。それどころかシナリオ原作者がPLに回り、サブRLがゲストの1名を演じるというさらにありえない陣容。その上シナリオ原作者のほりの皇子とシンジケート首領の強いリクエストのあったキャストがPC1をやるという、マーヴェラスな陣容になりました。
And so, they appeared on the journey to the Shadowland .....
Handle: “リボンの機士”レナータ・パヴロヴナ・チェルスカヤ 【Profile】【66q】 |
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Player: 堀野 【ロケット屋ダンデライオン】 シナリオ『シャドウ・ランドの死婦人』
▼ほりのこずむな女性キャラ代表格の一人のレナータお嬢がPC2のアラシ枠となりました。PLサイドに立って自分で作ったトレーラーをRLが読み上げるのを聞くというのは、どんな気分なんでしょうね。(笑)
イラストがよくマイナーチェンジしているレナータたんは中の人の軍事メカニクス萌えとほりのこずむが詰まっています。標準的なクグツ導入の後方処理課員としても、ウォーカーを駆るアラシとしても、光学迷彩を纏った多脚装甲車で近代都市を掛ける攻殻っぽいニューロとしても活動していますね。
最近はブランチが<クグツ:アウトフィット>となり、アクトの任務に合わせて火力支援や主戦力ウォーカーなど取得装備を変えて外部の傭兵部隊であることを表現しているようです。
Handle: 煌 (こう) 【Profile】
Style: バサラ◎, アヤカシ, カリスマ● Age: 51(外見13) Gender: ♂
Style Branch: ?
龍王の一族のひとつ、四海龍王の子である6人兄弟の末っ子。わずかに51歳の白髪の少年。
50の歳を数えた記念に、百と五十の邪悪を封じる旅に出よと父親に命じられ、人間世界に放浪の旅に出た。龍の中では若輩ながら真の力を現した時、その身からは激しい嵐と雷鳴が轟き渡る。旅の供に連れているのは心配した兄たちがお供につけた風霊の一団である。(フェイトのトループ) 正義感の強い真剣な少年だが、世間知らずの為にマジボケすることも多い。
人界の邪悪を封じる旅は続く。ある時、N◎VAに奇妙な噂が流れていた。ある条件が揃った時のみ道が開くという、謎のテーマパーク“シャドウ・ランド”。そこでは死んだ人間に会うことができるというのだ。国際展示場で開かれていたお祭りに、龍王の息子は手がかりを求めて立ち寄るのだが‥‥?
Player: シリル 【天使的銀色】【戯言 Ver.3】
▼14歳ショックの三人衆ではないですが、やっぱり少年系キャラクターの龍少年の煌クンです。『レジェンド級紳士&巫女同盟』やうろん迎撃作戦で拙作某しなりおをやった時にも出てくるのですが、久々に見ました。
なんとなく某『創竜伝』の余君が連想されるのですがそうではなくて、ちゃんとモデルがいるんですねー。風霊は<※ホークアイ>や<※事情通>を備えたリサーチ用のフェイトトループ。比較的低経験点の本人は龍の血脈は<※元力:疾風(正)>、<※元力:電磁(正)>を重ねたハイブリッド攻撃をしてきます。龍風味ジュヴナイル生命体が、影の地の遊園地へ向かう!
Handle: “鈍色の電光”タリア 【Profile】 |
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Player: NATRON 【マイナス魔王の日記】
▼マイナス魔王なっとろんです。おおー、マイナススタイルが入っていませんが、見慣れない新キャストですねー。こちらもほりのこずむなイラスト付きです。というボケはおいといて。
おい! この人シナリオのゲストキャラクターじゃんかYO!
というわけでありえない陣容のアクトで一番ありえない枠ですが、なんとサブRL的ポジションとして負魔王様がゲストを演じることになりました。こんなありえないアクトは一生に一度の気がします。
ちなみにシナリオのほうでは昔の版だとスタイルが一部うろんでオンラインアクト中に驚愕したのですが、イラストのマイナーチェンジと共に変わっているようです。
Handle: “スカイ・シーカーズ”マクシミリアン・ダグラス 【Profile】 |
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夏休みの間、時々遊びに行っていたテーマパーク“シャドウ・ランド”。調子の悪いドロイドたちをいつも修理してくれる少年を、おかしな口調で賞賛してくれる少女がいた。透明な笑顔が似合う道化師の少女の名はジル。
だが夏の終わりと共に、テーマパークの記憶は一切が薄れてしまった。そんなある日、現実世界で、少年はふたたび少女の姿を見かける‥‥
▼ご好評いただきましたオンラインリプレイ最新作『ネヴァーランド動乱』にも出てくるマックスぽんでございまする。“59”相当のサイバーデッキ“ウロボロスMDS”+網膜に投射された映像情報で常時<フリップ・フロップ>状態から行動する現実/電脳同時行動型のニューロ。他者を傷つけるのを避ける縛りを入れる代わり、<ドミネート>などの絡め手を用意しています。『ネヴァーランド動乱』でも相当喋っていましたが、相棒の竜のスカイアは蝶☆AIに見えるエキストラです。
PC1です。いけませんよ! ほりの皇子が「マックス少年が見たい!」と目をきらきらさせてくる上にシンジケート首領までこれ幸いと同調してきます。こっ、これはっ、いつもビッグナンバー担当の拙者をPC1村へと誘いこむ罠に違いありません! 真のPC1の人たちに知れたらなんと言い訳すればよいのですかっ! ・゚・(ノД`)・゚ ・。
シナリオはアクト毎に、RL毎にチューンされて変わるものとはいえ、大筋を知っている既知のシナリオ。ゲストの反応も背景も知っている上で何のためらいもなくいい気になったりラブラブしたりするのは、好きな人もいますが拙者のバヤイは沽券に関わりまする。全員が周知でリクエストもあった上での短いミニアクトであったゆえ、今回はやむなくPC1ロードを走ることになったのですが‥‥
おおそうだ、いつものように必死に主張してみませう。「我が財団にPC1などいない! ヽ(`ー´)ノ」
↑ 今 や っ て る じ ゃ ん ↑
Ruler: からい 【NorthPole】 & NATRON 【マイナス魔王の日記】
▼というわけでダブルRLです。かーらい首領は実は、印刷したこのシナリオをいつも鞄に入れていつでもRLできるようにしつつお守りにしているぐらいなんですねー。なんというほりのこずむリスペクト。
というわけで、細かい部分はかなり端折ったりしながら、からい汁とマイナス汁のかかった短いシャドウランドの物語が走ることになったのでした。リアル龍王嫡男の煌クンにAI竜のスカイアどんもいるので、まさに竜づくしの竜のすむ星!

〜 シャドウ・ランドの死婦人 〜
“シャドウ・ランド”のこと 話すキミ トーキョーN◎VA The Detonation
『シャドウ・ランドの死婦人』 |
かくして始まる影の地の物語。全ての登場人物たちが
マックス「ジル、きみなの? ‥‥うわっ」 |
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かーらい首領「そしてジルの姿は、陽炎のように消えていくのですよ」
ほりの皇子「シナリオに陽炎なんて書いてませんよね」
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マックスの中の人「じゃあからい汁ということで ('ー`)b」
手がかりを求め、煌はお供の風霊と共にN◎VA国際見本市会場に赴いていた。折しも展示場はイベントの最中。様々な仮装行列や着飾ったコンパニオンのお姉さんがチラシを配っている。
道行く子供たち「あ、面白い仮装だ! (*゚▽゚)」
煌「??」
煌は四海龍王の息子に相応しい格好で人界に降りたつもりだったが、古代中国とも見紛う衣装はN◎VA市民にはそうは映らなかったようだ。
レナータ「煌じゃないか。ここには何をしにきたのだい」
煌「わしは‥‥手がかりを求めて来たのじゃ。決して‥‥決して、遊びに来たわけではないぞっ!」
顔を真っ赤にして抗議する少年の手には、既にポップコーンとちらしと多数のおみやげが抱えられていた。
ジル「マックスの修理は凄いのでしょう!それで、たくさんのドロイドが幸せになったのでしょう!(くるくる)」
マックス「ジル‥‥本当にきみなのかい?」
マックスの中の人「(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
喫茶店で合流する面々。ミルクは背が伸びると考えたマックス少年は、ジルが飲んでいる甘い甘いミルクセーキと一緒のものを注文すると、仲良く2人で飲んだ。
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リアリストな傭兵隊長とはいえ、まだうら若い女性であるレナータお嬢にも、さすがにこの台詞が出る。
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レナータ「二人とも‥‥若いわね‥‥ (´ー`;)y-~~~」 |
そして、トーキョー・タワーでの語らいのシィンやメガステージに現れる仮装したヴァローナの踊りなどなどを経て、舞台は遂に影の地に隠された遊園地の中へ。
道化師や人形師に会い、黒い馬の引くエレベーターで漆黒の森の底へ。
嵐の聖堂を目指す一行を導いてくれたのは、かつて修理されたドロイドたちだった。
ドロイド「奴らはあっちだ!」
ドロイド「ジルを助けてあげて。マックスは一番仲がよかったでしょう?」
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がつドロイド「へっへっへ、マックスはジルにだいぶご執心だったからなァ〜 (ニヤニヤ)」
マックス「ガ━(´□`;)━ン!」
かーらい首領「何を言ってるんですか総帥。
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総帥はいつもRLの時、PC1に対してこういうことをしてるんですよっ! ヽ(`ー´)ノ」
マックスの中の人「ガ━━━(´□`;)━━━ン!」
そして、広大な聖堂にしつらえられた玉座。死せる貴婦人、そばに佇む女性の十字の左手より煌く不可視の雷光。壁を破り現れる漆黒の機体。
ロシアの戦場を、大都市の戦場を戦い抜いてきた多脚戦車が兵装を解放し、正当なる龍王の嫡子の周りに嵐が集い、軌道衛星の力を借りた電子介入が始まる。
死者の国に捕らわれることを許さぬ女性は倒れ、死婦人が塵と化した時、影の地の崩壊が始まった。
ジル「でも、ジルは一緒にはいけないのでしょう。あの世界では、ジルを覚えている人、もういないのでしょう‥‥」
マックス「ねえ、ジル。
ぼくとスカイアは、ウェブから世界中を見て回ったんだ。
キャンベラの軌道エレベータの周りの光のストリームがどれくらい綺麗かも、北米リージョンのフォートレスがどれくらい堅いのかも、軌道リージョンに超兵器があと幾つ眠っているかも見てきた。
だから、きみにも見てほしいな」
星の世界から地上世界を見下ろす竜の女神ティアマトーの呼び掛けに応え、壊れてしまったシャドウ・ランドの再建を手伝いにやってきた援軍は‥‥さる別の遊園地からやって来た謎の黄色いひよこ軍団だった。(おい)
そして一同の尽力があり、伝説の遊園地シャドウ・ランドはウェブ上に復活すると、イントロンして訪れる人々の憩いの場となっていた。
それぞれの物語がそれぞれの終幕を迎えた後、平和なある日。青い竜を従えた少年が、道化師の少女のもとを訪れた。
ジル「マックス、久しぶりなのでしょう! この前よりまた少し、背が伸びたのでしょう!(くるくる)」
マックス「あんまり変わってないよ。ミルクセーキ、あの後も試したけど、ぜんぜん効かなかったんだ」
マックス少年は気にしている背の話を出されて複雑な顔をした。それはともかく、年も同じぐらいの少女に手を引かれて遊園地の案内である。二人っきりの嬉し恥ずかし初デェト。のようにも見えたが‥‥
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マックス「ねえ、ジル。実は‥‥どうしてもここが見たいって言うから、知り合いを連れてきたんだ。その‥‥一緒に見て回っても、いいかな」 |
そこで、少年の後ろから現れたのは‥‥ピンクの髪に赤い瞳をした小さな可愛い女の子だった。
青竜スカイアがアルファの姫と尊ぶトーキョーN◎VAのみんなのあいどる、α=ωである。
α=ω「こんにちは! 今日は遊びに来たの。ねえねえ、あなたを助けに来たとき、マックスはどんなだったの? (^▽^)」
ジル「マックスは、ほんとうの うぃざーど だったのでしょう! (*´▽`)」
二人に手を引かれて複雑な表情で歩き出した少年は、何やらすまなさそうな顔をしてそばを飛んでいる青銀色のAI竜に声を掛けた。
マックス「ねえスカイアー。 |
![]() |
And so, the curtain dropped,
after the Resurrection of Shadow Land .....
-XYZ-
というわけで2本目のミニアクトも終了。詳しく書くとこちら側にイロイロと都合が悪いのでこのくらいにしておきます。(エー)
その後はさる沖縄料理店で食事に。沖縄料理と古酒は味わい深いのかもしれませんが‥‥量も種類も少なくて私的にはどうもイマイチでした。特にゴーヤというのがどうも合わないカンジです。また、かなりの人数が集まった2Fが貸切りでなく他の女の人たちのグループも横のテーブルにいたので、酒が入って騒いで一般ピープルには意味不明な話を大声で話す人々を見て変な顔をすることしきり。TRPGの集まりの後の飲み会では何度も経験がありますが、自分も一緒に思われていると思うと嫌になる瞬間です。やっぱり仕切りや個室などのある場の方がよいですね。
この日は外は豪雨。わざわざ暑い夏に寝ないでゲェムする修羅な方々もいましたが、アクトは量より質を重んじたいぽっくんは辞して次の日に備えるのでした。
(以下、つづく)
〜次回予告〜
迎撃やるなら一度はうろん。(意味不明)
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災いの完全合体・ピンク父子集結。
タトゥーヤ星希少種のまともな情報官が、某ロリッ子全身義体娘と凹凸コンビを組む!
そして全国ウン千万(推定)のファンの期待に応え
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み こ な ぎ 復 活 !
(か?)
2日目プレイレポ『幸せの代価』
巫女衣装を待て!(嘘)
〜おまけ〜
夏の祭典のリンク集
★chihayaさんの【chihaya's blog】の
|

〜おまけのおまけ〜
ニューロを探せ!
近未来SFやサイバーパンク物RPG独自のキャラクターの代表格でもあるニューロ。N◎VA-D発売当初はニューロのあまりのニューロな強さにユーザーが驚愕したりもしましたね。敵データの装備に電制が必須になった割に、キャストはニューロ全盛になったのかというとそうでもない気がします。
“カボチャ頭の”クレア=シンクソン Player: ジニアさん
“流れ燕”ヴィンセント=ブラストエッジ Player: ジニアさん
神薙 シン Player: 紅河さん
“支配する調律(コード・ドミニオン)”フェルナン・アーヴィング Player: 天色在人さん
“NON-SENCE”神凪 零一 Player: 天色在人さん
“猫頭の電脳神(バステト)”小川 幸乃 Player: m&mさん
“殺戮警官(マーダードッグ)”尾江清二 Player: m&mさん
“Light Wizard”天堂 優 Player: アルさん
“ミステリータップ”黒須 純 Player: 巣さん
“煌く影(Gleamie Toon)”ティム Player: 竜リンさん
“電脳図書館(ウェブ・ライブラリ)”ミコト Player: あっきぃさん
“真の夜に目覚めし者(トゥルー・ナイト・スクリーマー)”Maya Player: あっきぃさん
“片目のジャック”グリフィス=雲母(Griffis Kira) Player: 帽子屋さん
“傍若無人な電脳魔術師(アウトレイジャス・ニューロマンサー)”ガッツォー 灰原 Player: くろさん
“蜘蛛糸(スパイダーウェブ)”アンディ・ユーカス Player: ペロきちさん
“電子妖精”Noise Player: からいさん
“デュアル” Player: NATさん
“カオス・フラクタル”メシア・イスカリーテ Player: はたはたさん
“鬼眼嬢”ナツメ Player: B2さん
“鼠賊”マッドマウス Player: B2さん
“死の秒読み”メイフェア Player: 転々さん
“Struggle” Player: 闇司さん
“境界を歩むもの(Edge Walker)”セオドア=ガーフィールド Player: 闇司さん
“レディインヴィジブル”シーカー Player: tatuyaさん
“2Pアルファ”オメガ Player: tatuyaさん
“真夏の夜の夢”汐槻リリス Player: tatuyaさん
“蒼の軌跡”ヘルミーネ・アイスナー Player: Meyさん
“ugly duckling”スワン Player: Meyさん
RYO-JI Player: 修行さん
“夢の旅人(Voyager)”笠置静馬 Player: 九龍さん
“バイナリ・ウォーロック”ニョルド Player: 九龍さん
“DragonVoice”リュネ Player: なまさん
“Voyager”三津橋 槐 Player: chihayaさん
“ムーンストーン”石月麻希 Player: フクモリさん
“ツインテイル・キャット”セレネ Player: tovetaさん
“トゥリーグラース”リューシャ Player: tovetaさん
“鴉(コルボー)”エミル・ルクレール Player: Seriさん
“DE”ディック・エヴァーツ Player: Seriさん
“インパルス”リカルド・ファレル Player: 加納さん
“腹部暴慢官”ダニエル仁久崎 Player: 加納さん
セリア・アシュタリア Player: 悪童同盟さん
“コンタクティ”矢萩信一郎 Player: GGさん
The Killing Road Player: GGさん
“experiments”アレフ/アナンタ Player: GGさん
“リボンの機士”レナータ・パヴロヴナ・チェルスカヤ Player: 堀野さん |
【グッドラック、ブルーローズ】 【幸せの代価】
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