
〜 エレがつトN◎VAプレイレポ 落日悲歌 〜
さて、やってきましたらららオフ翌日の迎撃続行作戦。またも遠方よりの賓客の徴税吏さんを迎え、我々の卓は豪華かつ濃ゆいメンバァでうろんの力に挑むことになりました。実は折角なので翌日も何か催そうかと僕が最初考えていたのですが、マイナス魔王のなっとろんどのが指揮して計画が始まったのでそちらに合流しています。
トーキョーのN◎VA者の聖地と呼ばれる某所を徴税吏さんに紹介しつつ。蒼森のカラオケボックスにはエレベーター付きは皆無というハナシが受けを取ったりしながら戦いは始まります。
今回は特にレポにという要望が悪童屋方面と氷血屋方面と徴税吏方面から強いプッシュがあったため、徴税吏さんの帰りを待つ蒼森の方々のためにも、またとない機会を記念して、アクト内部まで記述したエレがつトなプレイレポにての登場です。
And so, they appeared on the stage of elegy .....
Style: カブト=カブト◎●, アヤカシ Age: 17 Gender: ♂
Style Branch: -
清和学園2年男子生徒にして、ナイト・ワーデン社の見習いの若者。ごく普通のN◎VA市民だったが、ST☆Rに行った折に奈落落ちに遭遇、家族を失い、狼の魔性の力を得る。小さい頃に自らを守ってくれた父の言葉を思い出し、怪物となる誘惑に耐え、弱い誰かを守るために奮闘を続けている。
既に身長185cmの大柄、無骨で硬派な日系人の若者。狼の血を発動させると獣の爪、狼の顔を持つ銀色の毛並みの直立歩行の人狼形態となる。強靭な腕力と生命力で、素手で近接武器と互角に渡り合う。
いつも思い出せない夢。それは子供の頃の遊び場で戯れていた平和な夢、だが、一人だけ名前が思い出せない友達がいたのだった。起きるといつもの授業中、席が隣の睦島千歳にたしなめられるのだが‥‥?
Player: 闘う徴税吏 (たたかうちょうぜいり) 【いと小さき、青の星】
▼さあ、昨日のらららオフにてPC1村と財団認定した徴税吏さんと再戦つかまつることになりました。本日は真のPC1でなく正真正銘のPC1枠です! 新造ということで、こんなまごうことなき主人公、正統派のダブルクロス生命体が出て参りました。
最初の構想ではチャクラが入っていたところがカブト2枚になった明朗クンは、<ディフレクション><反射防御><八面六臂>で範囲防御が可能な受けカブト。さらに<血脈:獣の一族>で傷を治したりダメージを増やしたりします。達成値上げのサイバーウェア類は全て相当の人狼の力となっています。奈落落ちの際にサイバーとも融合したのでしょう! 鉤爪も準備がいらない“グリフォン”相当品となっています。コネで睦島千歳と仲がいいあたりもジツに若カブトですね!☆
ダロ的には恐らくキュマイラ/キュマイラのピュアブリードで、カバー:学生/ワークス:ボディガード見習いなのでせうか。うむ、富士見あたりの文庫版リプレイだと、表紙イラストの真ん中で鉤爪で女の子を守って立っている主人公っぽい立ち位置の予感がします。(笑)
ミクシィ日記の記事を精査すると、新造PC1とはいえいろいろ考えて作ってあるのが見て取れます。ハンドアウトがダロ的なところからダロ生命体、犬神の伝承は四国に多いため、土佐の大名長宗我部氏から姓を借り、ウルフガイから名前を借りてアキラに。ダンピールであるPC2の夕維との絡みからアヤカシをいれ、PC3のルカが不良なのでこちらは硬派に。ついでにうろんなPC4が人斬りなので人を守ることを誓った若カブトと、よく対比を考えて作り込んであります。
回りをよく見た作り方、これぞ練達のベテランの技といえませう。そしてその上で、ロートルはスモールナンバーが苦手という世の流れに逆らってこんな直球の主人公を送り込むこのちから。さすが、オトナかぶとしかできない小生には到底できないことをやってのける、そこにシビれるあこがれるゥ〜!
アクト中もジツに見事な無骨な主人公としてシュッシュッシュッと活躍しました。今回は学生年代のキャストがうまく3人揃ったので微笑ましい学園ものチックとなりましたね。ヒロインと結局フラグが立ったのかどうかなどという無粋な問いは、しないでおくのが粋といふものでしょう。これが、蒼森のちからなのです!
Style: フェイト◎, カリスマ, アヤカシ● Age: 17(外見) Gender: ♀
Style Branch: アヤカシ:ペナンス
高名なる夜の一族の公子、真教の姫の間に生まれた半人半魔のダンピールの娘。父が退魔の剣の前に倒れ、母が魔狩人に殺められ、吸血鬼の本性によって
変革の風の吹く時代にはローゼリットが行方不明となり、自分の力だけで生きてゆかねばならなくなった。光に忌避され、闇に嘲られ、それでも光と闇の狭間を歩んでいる。登録IDは23歳だが中身はまだ10代、銀髪に紫の瞳をした時を凍りつかせた少女である。
NIKの正式認可を受けていない探偵事務所にやってきた女性の依頼人は、白瀧 美由紀といった。依頼は、10年前に失踪した妹を探してほしいというものだった‥‥
Player: Mey (めい) 【夜想都市】
▼一心不乱方面のマイナス王国弟子のメイさんがやってきました。R時代から何度か見ているユイがフェイト枠を担当することに。真教の姫君と夜の公子との禁断の愛の元に生まれ、相反するふたつの世界の間で悩む‥‥というなんか少女漫画に出てきそうなオンナノコのドリー夢が詰まった設定の夕維お嬢様は、キャストではなかなか珍しい半吸血鬼のダンピールという設定です。カリスマの<サブリミナル><集団催眠>に、相当品の闇の血と漆黒の薔薇を使った吸血鬼の精神攻撃に特化した作りになっています。
データをよく見るとアクト記念取得物にtwiLite入場券や黒ビール無料券、太陽と月のペンダントがありますね。はっはっは、いずれも我がしなりお『Only Time』『星月夜作戦』にてプレゼントしたものですね。いえーい ヽ(´▽`)ノ
中の人がセッションが久々だったこともあり、調査に<事情通>の+4を途中まで入れ忘れるというハプニングもあったりしたのですが、そこはそれ。キャスト面々の表を張るアキラとルカからはまた異なる、一歩退いた位置でしっとりとマイナスにエレガントなダァクネスのちからをシュッシュッシュッと発揮するのでした。
うむ、リプレイの表紙イラストだと真ん中の主人公とヒロインから一歩奥のところで隠しヒロインとしてしっとりと一人佇むあたりなのでしょう。(笑) かくて夜の娘の前に、落日の物語が幕を開ける!
Style: ニューロ◎●, マネキン, レッガー Age: 16→17 Gender: ♀
Style Branch: ニューロ:ウィザード2
元気で口の悪いニューロキッズの不良少女。クラブのマークが描かれた電子戦装備を施した特別製のウェーバーに乗り、ストリートを疾走する。日系人だが緑色の瞳、オレンジに染めた髪、高校生で150cmに満たない小柄、へそ出しルックに短いスカートという外見とは裏腹にハッカーとしての腕前は高く、仕事に事欠いていない。
本アクトでは清和学園2年生、明朗や睦島千歳と同じクラス。自信過剰で爆走を始めると回りが見えなくなることもあるが、思いやりのある少女。
同じくクラスメートで親友の加賀見鏡子が打ち明けてきた悩みは、最近いつも悪夢を見るというものだった。ルカは気楽に答えていたが、その時突然‥‥
Player: アイス・ブラッド(IB) [/N◎VA]
▼さぁ、ヴァルハラかヴェルンフラムか、勇者の国“すらのば”のさる勇者どのに続くエインヘリャル、氷血屋のIBどのがやって参りました。この間のグロス交流会 くろわーるど『信念』でも会ったし、なんか遭遇回数が多いですね。
ボクっ娘のルカたんはヤクザや娼婦が職業ではなく、金銭を得られる職業としてはニューロがメインとしてあるニューロキッズ。ウィザード御用達の“59”タップを入れExp233、所有特技の半分が奥義というこの修羅のばぶりです。キャスト陣の表に立って真っ直ぐな感情をぶつけるこのニューロキッズぶり。さらに萌えっ娘。そして中の人がルールを読み込んでいることを武器に数々の正確なルール的予想を立ててくるこの修羅のばぶり。「IB! 恐ろしい子! (/o\)」 そこにシビれるあこがれるゥ〜!
というわけでシュッシュッシュッと準主人公格として活躍しました。うむ、リプレイの表紙イラストだとたぶん下の方で、ALG上級ルールブックの時を翔ける少女の如くちょびっと短いスカートでウェーバーに乗ってる躍動ポーズあたりで描かれているのでしょう。(笑)
やはりこういうキャラクターは印象に残りやすいですね。Rのつく組織が偵察してきた氷血世界にはいろいろいます。IBクンのキャラとは思えないオトナかぶとや、IBクンのキャラとは思えないストリートミュージシャンの青年や、IBクンのキャラとは思えない固ゆで卵のカブトワリも。
しかし、総合するとやはり印象に残るのは、爆走警官の市丸クンやこのルカのような‥‥はっ!
(ヴィークル体当たり攻撃で 沈 黙 )
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Style: クグツ◎●, カゲ, カタナ Age: 20代後半? Gender: ♂ |
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▼安住の地PC4に帰って参りました。フェイトとクグツが一番大丈夫と希望を出しておいたところ、クグツ枠を担当することになりました。フェイト枠には工藤夕維を考えたこと、また財団キャストを全員見るという悪童屋本店のヒソカな目的を果たせることが理由だったよーです。いけませんよ! はるばる蒼森からやってくる賓客をもてなす大事なアクトで、キャスト陣で一番ダメなエレがつト代表を見せることになるなんて! (/o\) フェイト枠でミア姐さんじゃだめなのかぁ〜!
キャスト3人が10代の学生なので唯一の大人、違う世界に生きるがつ分担当をシュッシュッシュッと拝命することになりました。うむ、奴のようなうろんなビッグナンバー担当はリプレイの表紙イラストでは、敵と一緒に背景に引っ込んでいるぐらいでよろしいでしょう。 ヽ(´ー`)ノ
最近のマイナーチェンジとしては、うろん師匠の出す強い敵は武器破壊技をよく使うので、GF別冊『鈴吹未来』の“ナノマシンユニット”相当の力を妖刀につけることにしました。幸いにして使う機会がなく終わりました。www
Ruler: 悪童同盟改め悪童屋 [ちんたらやってる暇はねぇ!!](ほぼミクシィへ移行)
[『落日悲歌』プレアクトテキスト]
▼さァ、うろんの師匠でもある西方の雄、悪童屋本店の支配人様が東方に攻めて参りました。迎撃やるなら一度はうろん、豪華メンバァで蒼森の来客をもてなすといたしませう。
前からシナリオタイトルは見聞きしていたのですが、今回は和風に、シナリオギミックも組み込まれ、そしてボリューム的にもシンプルさがプレイレポに書きやすい分量の老舗悪童屋純正の一品です。狼の少年と鏡の名を持つ少女。不良少女、時を凍りつかせた少女、うろんなその他を含め、落日悲歌の物語が始まります‥‥
挨拶は例によって「お噂はかねがね」の枕詞で始まったりしましたが、徴税吏さんは事前にかなりリサーチをしていました。ダンピールの工藤夕維のことも、氷血世界のミウミウお姉さんや市丸怜二のことも調査していた模様。うむ、やはりもはやお馴染みになったblogやミクシィの各所のプレイ日記や、ついでにどこかの財団のプレイレポの力はあるようです。
IBどの曰く「白眉がいてよかった!」 うむ、IB世界とは思えないオトナかぶとの白眉司は当サイトのエレガントなプレイレポ『悠久の風に乗って』にても活躍しています。これでエレガントもできることが証明できてひと安心。さあ、だんだん必死になってきました!www
しかし本日の氷血屋さんと悪童屋さんは、財団のエレがつト代表が見られるということでハッスルして何か妙な手振りをしてきます。
右手(左でも可)を曲げた上体で肩を基点に振り子運動。「細胞レベル! 時間管理!」とやる時とほぼ同じで、はやし声は「シュッシュッシュッ」です。何でしょうこの謎のマニューバーは。あえて文章で表すならば
悪童屋と氷血屋:
∩
( ゚∀゚)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
⊂彡
のような感じになるでしょうか。これはいい所が見たい、あるいはいい気になれという意味のサインと見ておおかた間違いないでしょうか。
いけませんよ! 大体こっちはPC4、今日は遠方からの賓客にシュッシュッしなくていいのでしょうか。
そんなこんなで開始前から「ウキーヽ(`ー´)ノ」としながら、物語の幕が上がるのでした。

〜 落日悲歌 〜
トーキョーN◎VA the Detonation
『落日悲歌』 |
曾我部明朗は夢を見ていた。曖昧としてよく分からない、恐ろしいような、それでいて内容が思い出せない夢。
それはおぼろげな小さい頃の夢だった。仲間たちといつも遊んだ夕暮れの公園、ブランコに砂場。友達の中に、どうしても名前の思い出せない子がいた。その子はいつも明朗と一緒にいて――
睦島千歳「ちょっと、曾我部君、曾我部君? (・_・)」
現実に戻ると、隣の席のクラスメートの少女が顔をしかめ、少年の顔を覗き込んでいた。
黒髪の典型的な日系N◎VA人、縁のついた眼鏡もピンで脇を留めた髪型も、机に広げられたノート類も、きわめて真面目な印象を与える少女。
清和学園の生徒たちの間でも、未来の騎士の大望に燃えてナイト・ワーデン社と契約した若者たちの間でも有名な、“委員長”こと睦島千歳である。
睦島千歳「ねえ、起きてる?」
明朗「うるせーなー、わーってるよ‥‥ (`ー´)ノ」
と答えてはみたが、曾我部明朗の机の上ではノートすら開いていなかった。
見渡せばいつもの、退屈な授業中の教室の光景が広がっている。
清和学園2年、同時にナイト・ワーデン見習い、曾我部明朗。仇名は“はぐれ狼”。
茶色がかった瞳以外はごく普通の日系人の容貌、無造作な髪型も特にお洒落なわけではなく、硬派の体育会系の風貌である。
死んだ両親はリニア・コープの社員、家はアサクサ、明朗自身もごく平均的な日系N◎VA人だった。カムイST☆Rの奈落堕ちの大災害で両親は死に、明朗は人外の狼の力を得た。
元から体格には恵まれ、狼の魔性の血はサイバーウェアで強化する肉体能力と同等以上のものを彼に与えていた。高校2年で既に身長185cmの明朗は、外見に限って言えばもうそれなりの男の風貌で、クラスの中でも背はずば抜けて高い。
睦島千歳「そんなんじゃ、人を守れないよ?」
明朗「わーったよ。わーった! (`▽´)ノ」
そんなこんなで居眠りを誘う午後の退屈な授業も終わった。真面目な委員長はてきぱきと机の上のものを片付けると、放課後、屋上まで来るように不真面目な少年に伝えた。
嗚呼青春、嬉し恥ずかしのドッキリな告白がある‥‥わけではなく、ワーデンの仕事の話があるとのことであった。
何やら『ダブルクロス』もかくやの幕開けだが、ここはニューロエイジ、ここはトーキョーN◎VAである。
一同「ダロだなぁ〜 (´▽`)y-~~~」
ルカの中の人「3日連続でシナリオが学園物だ‥‥ (=▽=)ノ」
来客「ここが、工藤探偵事務所ですか。実は、NIKの紹介で‥‥」
夕維「NIKですか、珍しい‥‥」
控えめに表札が掛かる探偵事務所に、企業人らしい女性の依頼人がやってきた。白瀧美由紀(しらたき・みゆき)を出迎えたのは、依頼人の予想とやや異なる探偵だった。
工藤夕維、闇に潜むアヤカシたちが蔑むように呼ぶところの名は“狭の娘”。背の高さはそれなりにあったが市民IDどおりの20代の女性には見えず、10代の少女にしか見えない。
日系人には珍しい白銀の髪、ファッションなのか本物なのか、宝石のような紫の瞳。そして白い肌は日系N◎VA人の平均に照らし合わせても、陽の元で生きる人間全体の平均に照らし合わせても――白すぎるほど白かった。
夜の一族の公子と真教教会の姫君の禁断の愛の元に生まれ、吸血鬼の大公の血の契りに縛られた半人半魔の娘は、人間の世界で独り生きていたのである。
探偵としてそれなりに経験は積み、場数は踏んでいたものの、工藤夕維は平均的な探偵とはやや異なっていた。NIKの正式な認可を受けていない、いわゆるもぐりと同じだったのである。
白瀧美由紀「NIKはどこでも相手にしてくれませんでした。事情を話したところ、ここに依頼するとよいと言われたのです」
依頼人の頼みは、10年前に突如消息を経ち、行方不明となった妹、白瀧智子(しらたき・ともこ)の行方を確かめてほしいというものだった。災厄前の日本の法律同様、行方不明者は5年で死亡と同じ扱いになっている。それで、10年後に探索を始めた彼女は、夕維の事務所にやってきたのだ。
白瀧美由紀「それにしてもずいぶんお若い、探偵さんですね (・о・」
夕維「ええ。一応、経験は積んでいますから‥‥」
依頼人はどこか不思議な探偵の少女を見やった。偽造した市民IDでは25歳となっていたが、もちろんそこまでは至っていなかった。夕維は10代後半の外見と精神のまま、その周囲では永遠に時が凍りついているのである。
白瀧美由紀「前金ですが、これでお願いします」
夕維「いえ、そんなにはいただけません。1シルバーだけお願いできますか」
依頼人は3シルバーを差し出してきたが、ダンピールの探偵はそれを辞退した。
ちなみにルール的に渡されたのは1シルバー相当の3シルバーである。今までこのシナリオでフェイト役が3シルバーを受け取れなかった場合は、悪童屋アルケミーから必ず相当品が渡されたそうな。
ウェットシティにある富裕層御用達の純和風の料亭。高価な木の廊下、和服で客をもてなす女中も全員ドロイドでなく本物の人間。広がる小さな庭にある池にはししおどしまで用意され、澄んだ流れを竹の中に貯めると、傾いて池に注ぐたびに心地よい静かな音を響かせていた。
冬治郎「ほう、なかなかに風流だ (-_-)」
課長に呼び出され、約束の部屋へ歩いていくクグツがいた。黒一色のスーツにシャツも黒、タイだけが萌黄色。髪を後ろで縛った奇妙に侍めいた外見。左手に何かの筒を持ち、丸い伊達眼鏡がその人斬りの本質を瞳の奥底に覆い隠している。
査察部後方処理課の暗殺要員、牙下冬治郎である。
約束の小部屋では、早川美沙課長が既に待っていた。せっかくの高級料亭の機会は堪能すべきというのか、既に日本酒を嗜み、ご馳走にも手をつけている。
というのは広大な千早アーコロジーでは盗聴の可能性が捨てきれず、安全な第三の場所としてこの店が選ばれていたのだ。
冬治郎「失礼します」
早川美沙課長「来たわね。今回の任務は、貴方の判断が活かせる仕事よ」
何かの筒を左に置き、高級な座布団に正座すると、冬治郎は話を聞いた。
千早アーコロジー内では口に出せないほど重要な任務は、表には出せない内部調査と内部告発であった。
千早重工本社の役員でもある名家、加賀見(かがみ)家一族。その加賀見家の人間がなんと軌道千早の工作を助けている疑いがあるというのだ。確かに表立って知られてはまずい話題である。発覚した場合は、迅速に処理する必要があった。
冬治郎「ひとつ、質問させてください。私に頼むということは――例えば彼らの疑惑が確かになれば、その存在を永久に抹消してもよいと?」
遠くでししおどしが軽やかな音を立て、剣客の本性を押し留める眼鏡が光った。
早川美沙課長「ええ。あなたの判断に任せるわ」
冬治郎「‥‥課長。その答えを待っていました」
それだけ言うと、朧夜の冬治郎は一礼して筒を取り、さっさと退出してしまった。後に残された早川美沙もいつまでもここにいるわけにはいかないと、料亭を後にした。
というのはシナリオではここでクグツのキャストに食事と酒が必ず振舞われるので、何も手をつけずに帰っていったのは冬治郎が初めてだったそうな。
かくして企業世界の影は散り、風雅なししおどしの音がまた響くのであった。
ちなみに、和風にエレガントなこのししおどしの音は、実際のアクトでも響いていた。
ルカの中の人「( ・∀・)っ〃< かこーーーーん」
一同「どうやったのそれ?」
ルカの中の人「この携帯、プリインストールで入ってるんですよ (*゚▽゚)b」
恐るべしIBの子、恐るべし最近の携帯!
学生たちの活気に満ちた清和学園の放課後では、二人の少女が話し合っていた。
清和学園2年生、加賀見鏡子(かがみ・きょうこ)は比較的真面目な装いの、典型的な日系N◎VA人。
その悩みを聞いていたのは、鏡子とはいささか対照的な親友だった。同じクラスだが、高2になっても身長がまだ142cmしかない小柄な少女。いかにもニューロキッズらしく、髪の毛はオレンジ、瞳の色も緑色に染めている。
界隈では有名な不良少女である“クラブ”ことルカはホバー式のスケートボードを愛用する活動的な美少女で、スカートもかなり短くしていた。
鏡子は最近、悪夢に悩まされているという。目が覚めれば全てが消える類の夢ではなく、実際に痛みを伴った性質の悪い夢だというのだ。
ルカ「かがみー。だったら、医者に行って睡眠薬もらえば? けっこう、いい薬あるよ」
鏡子「でも私、薬は体質上よくないの (-_-;)」
ルカ「んじゃーさー。ボクが子守唄を歌おうか?」
気楽な調子で悩みを聞いていたルカが答えると、悪夢に悩む少女はまじまじと親友の顔を眺めた。
鏡子「‥‥ルカが? (・_・)」
ルカ「な、なんだよー。音痴を見るような顔で見るなよー ヽ(`▽´)ノ」
そんなことをしていると、突然《電脳神》ぱわーが清和学園を襲う! 効果は回りのエキストラの人間がいきなり襲い掛かってくるというもの。二人の周囲の学生、職員に通りがかりの人、全てがいきなり思い思いの武器を手に襲い掛かってきた! いきなりのホットスタートである。
鏡子「こ、これは? Σ(´□`;)」
ルカ「なんだよこれ! リアル悪夢?? Σ(゚△゚;)」
ちなみにこれまでの舞台裏で、氷血屋の人はルカが呼ぶ際の登場人物の仇名を決めていた。
| オフィシャルゲスト | 睦島千歳 | むっちー |
| シナリオゲスト | 加賀見鏡子 | かがみー |
| クラスメートのPC1 | 曾我部明朗 | そかべー |
| 友人のPC2 | 工藤夕維 | ゆいちー |
| そのた | 牙下冬治郎 | きばげー |
ルカと加賀見鏡子の周りは大変なことになっていた。お盆やフォークで武装した人々が、二人の命を奪わんと本気で襲ってきていたのだ。慌てて教室を出ると、連絡板になっていた教室側の壁の張り紙を突き破り、ナイフの刃やなんやらがぶすぶすと出現する。
ルカ「逃げるよ、かがみー!!」
ルカは急いで愛用の“ウェーバー”のスイッチを入れた。板にも "Crub"の飾り文字とクローバーのデザインの入ったお洒落なウェーバーは途端に空中に浮かび上がり、あるじを乗せると海の上のごとく絶好調で滑り出す。通常の定員は一名だったが、抱きかかえた鏡子と二人で無理やり殺戮の学校から脱出を図る。
音も静かで排気ガスも出ず、ストリートファッションによく似合うホバー式スケートボードはN◎VAの若者たちの間でも人気だった。ルカの愛用の板は姿勢を制御する電脳部分も強化しており、電子戦用ウォーカーも顔負けの防壁と性能を誇っているのだ。
ルカ「ねえかがみー、なんかやった?」
鏡子「私はないけど‥‥ルカなら、あるかも (´-`).。oO」
ルカ「ちょwwwおまwww」
ブスブスと壁を突き破り、二人の美少女を付けねらう凶刃を必死でかわし、定員オーバーのウェーバーは速度を上げて窓から飛び出した。
ルカ「確かにボク不良だけど、こんな風に追われる理由なんて思いつかないよっ! ヽ(`▽´)ノ」
追撃の手は止まない。だがどうやら、加賀見鏡子ではなくルカを狙っているようではあった。
ルカ「こうなったらもう、ボクとかがみーは一蓮托生だよっ! (*^▽゚)b」
鏡子「う、うん! (@@;;」
急カーブでスピンすると、風がスカートをはためかすのも構わず、全速力で突進する。恐怖の学校から逃げ出す二人の少女の後に、エキストラな殺し屋たちが続いていた。
そんなホットスタートの舞台裏では。牙下冬治郎は軌道にいる胡乱な情報源、ジョン・ドゥに連絡。
加賀見家一族の人物、加賀見鏡子は確かに一族の子、跡継ぎの子だった。この家は代々、千早一族を守るカゲムシャの家系で、世襲ではなく実力で跡継ぎが選ばれるという。10年ほど前に、跡継ぎを巡ってある事件が起きていた。
一方、工藤夕維を訪ねてきた白瀧美由紀は、ごく普通の千早のOL。かつて、妹の智子を両親がある勢力に身売りしたという悲しい過去を持っていた。最近、匿名電話で妹が生きていると伝えられ、探偵を雇うことにしたのだという‥‥
清和学園校舎の午後の屋上は、よい眺めだった。太陽が西に傾き、眼下のグラウンドで小さく見える部活中の生徒たち、アサクサの繁華街、遠くの中央区に乱立する摩天楼やアーコロジーがよく見える。
眼鏡を直しながら曾我部明朗を待っていたのは、クラスの委員長だった。
成績優秀、品行方正、真面目で模範的な委員長が心の内に秘めていた、密かな想いの告白‥‥となると青春だが、なかなかそううまくもいかない。睦島千歳はワーデン社の大人の秘書顔負けのしっかり者なのだ。
明朗「で、新しく護衛をするんだったな」
睦島千歳「そう、今日からの予定なんだけど‥‥」
ワーデンの護衛任務の話である。彼女が広げた端末の電子データには、大人しそうな少女が写っていた。明朗の注意を引いたのは護衛相手よりもむしろ、一緒になって写っている賑やかそうなオレンジの髪の不良少女だった。ルカの顔を見ただけで、明朗の頭には今後の面倒が浮かんできた。
明朗「彼奴か! 面倒だな‥‥ (`ー´).。oO」
カブトにとって厄介なのは、護衛相手の場合も、護衛相手の周囲の状況である場合も、両方あるのである。
明朗がしかめっ面をしていると、突然下の方から声がした。何事かと二人が眼下を眺めると、グラウンドが大騒ぎになっている。
ルカ「うわ〜、どいてどいて〜〜〜!!! ヽ(@▽@)ノ」
<社会:学生>でルカが登場したのだった。屋上からも目立つ鮮やかなオレンジ色の髪をなびかせ、定員オーバーのウェーバーがグラウンドを横切っていく。
途端に大変なことになっていた。野球部員にゆるいストレートを提供していた自動ピッチングマシンが突如フルオート砲台と化し、二人の少女に本気で時速100km超の球を打ち出す。テニスコートからはボールの雨が降り注ぎ、体育館からは殺気だった剣道着の面々が竹刀を手にわらわらと現れた。
睦島千歳「な、何よあれ? (゚口゚;」
明朗「まずいな。よし、行くぞ!」
相手は不良少女とはいえ、仲間だ。義侠心に篤い曾我部明朗は急ぐことにした。柵を乗り越えていきなり飛び降り‥‥ると、さすがに超人でない高校生は骨折してしまうので方向転換、急いで階段を駆け下りる。
大騒ぎの中心、二人の美少女を乗せたスケートボードは学校の中に突入していた。背後には部活動中の殺し屋たちが大挙して押し寄せ、ユニフォームも色とりどりである。
ウェーバーを操っていたルカは、前方から懸命に走ってくる障害物を認めた。ルカとは実に身長差40cm以上、だいぶ高低差のある体格のよい若者の姿は、爆走中でも見間違えようがない。
ルカ「げー、そかべー? (゚△゚;)」
鏡子「あれ、曾我部君よね? (´□`;)」
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ルカ「曾我部が襲ってきたら‥‥困る! 待って! 話し合おう!」
成長期の若者は高校生ともなれば男女差も出てくる。サイバーウェアや電脳装備や様々な補助手段はあったが、狼の血を宿し腕力も有り余った若者が本気で襲ってきたら、身長142cmの不良少女には荷が重い。
ルカが顔を引きつらせ、ウェーバーが空中で急制動を掛けようとした時‥‥曾我部明朗は大きく跳躍すると‥‥二人を飛び越え‥‥背後から迫ってきた殺人ドッジボールを空中で発止と受け止めた。そのまま着地すると、飛んできた方向に力いっぱい投げ返す。
ルカ「そかべー? 正気?」
明朗「オレはまともだ! (`ー´)」
ルカ&鏡子「よ、よかった‥‥ (;´Д`)」
振り返る少年に、二人の少女は安堵のため息をついた。仕事を終えた“ウェーバー”を停止し、ルカが後ろ手に持つ。
さて、全シーンでエキストラが襲ってくるというこの効果を解くためには何らかの神業が必要となっていた。このタイミングでルカが自分の《不可触》を使用、とたんにあたりはいつもどおりの部活の声が響く放課後となった。
明朗「一体、何がどうしたんだ」
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ルカ「ボクたちが可愛かったのかなあ、いきなり襲ってきたんだ」
明朗「‥‥‥‥」
的を得ているのかどうなのか微妙な説明に、曾我部明朗が黙っていると、加賀見鏡子が代わって説明した。本当に襲撃は突然だったのである。
明朗「なるほど、そうなのか」
ルカ「なんだよー。なんでかがみーが言うと信じるんだよ〜 ヽ(`▽´)ノ」
ようやく放課後の清和学園には平和が訪れ、舞台裏となった。
工藤夕維は<事情通>で常にリサーチ+4、表に出ずっぱりのルカは電子戦装備のウェーバー、“59”タップにプログラムと<電脳>達成値はコンスタントに高く、こちらも情報収集にはうってつけである。
悪童屋の人「リサーチ項目はあんまり多くないので、札交換して他のキャストに頼ることもできますよ〜 (っ´▽`)っ」
冬治郎と中の人「だが 頼らん」
‥‥カゲムシャ一族の加賀見家で起こった10年前の事件とは。加賀見鏡子が当主となる前の、前の当主の不慮の死亡だった。加賀見家の役割である、企業社会の表の舞台で千早一族の重役の身代わりとなり、凶刃に代わりに倒れるのではなく。運悪く単なる事故で死亡してしまったのだ。速やかに次の当主を選定する必要がある。
また、前任の時代から当主の護衛役を勤めるカブトがいた。その名は走狗(そうく)、この物語でとある効果を発している《完全偽装》、《制裁》を使っているのがこの走狗である。
また、前任者の兄、加賀見亮(かがみ・りょう)という男が、次の当主に自分でなく若い娘の鏡子が選ばれたことを不満に思っていた。亮もまた加賀見一族の者だが、その周囲に別の軌道千早の影が見え隠れしているというのだ‥‥
一方、学園からは離れたN◎VAのストリートを、手がかりを求めて歩くフェイトの姿があった。清和学園組と外見の年は同じぐらいの、凍りついた時を生きる少女。黒の衣装に白銀の髪がよく映える、白すぎる肌の半妖の少女。
情報屋「‥‥だが噂じゃあ、恐ろしい人斬りがこの件に関わってるんだとよ。くわばらくわばら、もう店じまいだ〜」
夕維「えっ‥‥?? (・о・」
工藤夕維の前で、なじみの情報屋はさっさとシャッターを閉めると店じまいを始めてしまった。このシーンは残りキャスト二人の合流シーンであると、情報屋の元締め悪童屋からお達しが回っていたのである。
仕方なくその場を離れた夕維は、手元のポケットロンを操作しながら歩いていた。
偶然、彼女の行く先と交差するように歩く人影があった。ブラックスーツ、左肩に吊った何かの筒、眼鏡をかけたどこかの仏頂面のカンパニー・マン。
手元の画面に集中していた夕維はそのまま歩き続け、二人はそのまますれ違った。
しばらくして。人影は立ち止まり、ゆっくりと振り返ると微かに笑った。
冬治郎「――面白い。血の匂い、そして死の匂いがする」
生ける死人であるヴァンパイアは生者より死の領域に近く、夕維は男から不吉な何かを感じ取った。だが振り返るも視線を外し、そそくさとその場を足早に去る。
その場を去った夕維がしばらくストリートを歩いていると、黒服の男たちの一団が行く手を遮った。災厄の街に悪名高い、エージェント・クサナギを始めとする何処かの勢力の黒服軍団である。
MIB軍団「我々のことを嗅ぎ回っているのはあなたか (▼ー▼)」
クローンで作られたかのように、何の特徴もない男の一人がいった。懐から無記名クレッドクリスのカードを出すと、夕維の前に無造作に放る。
だが、工藤夕維は金を取らず、一歩後ろに下がった。乞食のように這いつくばって金を拾うのは、公子の血を引き誉れ高き闇の大公にも認められた吸血鬼としても、人の心を持つ人間としての夕維としても、為すところではない。
黒服の男たちは、一斉に懐に手をやった。
MIB軍団「どうしても分からないというのであれば、退場していただこうか」
一方、舞台裏では
悪童屋と氷血屋:
∩
( ゚∀゚)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
⊂彡
冬治郎の中の人「ウキー!ヽ(`Д´)ノ」
夕維は逡巡していた。力の暴走を恐れずにヴァンパイアとしての闇の力を解放すれば、永生者の血を引く彼女は強烈な精神攻撃の能力を有している。だが昼の人間世界で、無闇にその力を振るうわけにもいかなかった。
その時、彼女の真後ろで声がした。
冬治郎「お嬢さん。取引しませんか。あなたが求めているものは、どうやら私が求めているものに近しいようだ」
先ほどすれ違った、死の影をまとった男の声だった。前後を見やった夕維はしばらく迷い、そして頷くと脇へ下がった。
男はゆっくりと進み出ると、慣れた手つきで肩の筒を下ろした。中には刀袋、そしてほどいた中からは、見事な漆塗りの鞘に蒔絵が描かれた、風雅な日本刀が現れた。
左手で鞘ごと持つと、鯉口に親指を掛けてゆっくりと目の前に掲げる。銃を抜く男たちにまったく動ずることもなく、
冬治郎「ひとつだけ、お断りしておきましょう」
背後の少女に向かい、剣客は言った。
冬治郎「――私の夢天一刀流に、峰打ちはない」
氷血屋の人と悪童屋の人「キターーーーーーーーーーー!(*゚▽゚)」
∩
( ;゚∀゚)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ ←速度が上がっている
⊂彡
勝負は一瞬だった。懐に飛び込み、神速で抜かれた居合抜刀術はただ一閃。低いカードで達成値は20を超え、妖刀“影蛍”は基本ダメージだけで既にMIB軍団のほとんどを斬り伏せていたのである。
氷血屋ら一同「満足した〜 (´ω`*)」
夕維の中の人「真のPC1のサポートができた〜 o(^o^*)o」
冬治郎の中の人「ガーン! (´□`;)」
一方、舞台裏。電脳に強いルカのリサーチが伸びていた。
加賀見家の当主となった鏡子には、走狗という名のカブトが当主護衛としてふだんはそばに付いているはずだった。だが訳あって今はおらず、それでルカや曾我部明朗に出番が回ってきたのだった。
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鏡子は洗脳を受けており、封じられた記憶がある。だが《完全偽装》によるこの封印にも徐々にほころびが生じ始めており、秘せられた記憶の一部が深層意識下からさ迷いだし、夢となって彼女を苦しめていたのだ。
そして次なる学生シーン。清和学園組の曾我部明朗、ルカ、加賀見鏡子は学校を離れ、集まっていた。近くには近所の子供たちが集まり、和やかな風情である。
制服から着替えたルカはウェーバーで遊ぶ時のいつもの格好になっていた。転倒に備えて袖は長袖なものの、おへそも出した露出度の高い格好に短いスカート。
こども「ねえねえ、あのでっかい人、ルカの彼氏? (*/∇\*)」
ルカ「んなわけないでしょ? (´ε`)」
明朗「うっせえ! ヽ(`Д´)ノ」
硬派な少年は吠え、加賀見鏡子は背景に引っ込んで子供たちと戯れ始めた。
明朗「あれだけの人数に襲われて、怪我がなくてよかったな」
ルカ「だいたいさー、ボクたちが本気出したら、パンピーなんてイチコロじゃん (´ω`*)」
確かに襲ってくるのは全員エキストラなのでパンピーではあるのだが、それはさておき。二人は話をした。鏡鏡子がカゲムシャ一族の跡取りであること、そして護衛についているはずの“走狗”というカブトが不在であること。
ルカがリサーチを進めた。中の人の氷血屋の読みどおり、走狗はクグツ、イヌで理性の制御値は18。
走狗はお家騒動の様々な事件に関わっており、今は手が離せない。別口の護衛を警察機構で用意しようにも、千早系列であるSSSは具合が悪い。そこで完全に別会社で中立のナイト・ワーデン社に話が回り、ブロッカー氏の計らいで睦島千歳が同級生に手配、曾我部明朗に依頼が回ってきたのだった。
ルカ「かがみーが、その一族の当主なの?」
明朗「ああ。だが、オレもよく分からん」
明朗はかぶりを振り、クラスメートの方を振り返った。加賀見鏡子は子供たちと楽しそうに遊んでいた。
ルカ「なんか、ほっとけないんだよなー、あいつ」
明朗「そうだよな‥‥」
ルカ「最近、夢見も悪いんだってさ。‥‥あ、ゆいっちーからメール来た」
それは工藤夕維からの、うろんな連れと一緒に合流するという知らせだった。
そのうろんな連れの舞台裏。牙下冬治郎は加賀見亮の背後に見え隠れする、軌道の別勢力を探っていた。
正負両面で名高い美門一族に連なる男、美門巌(みかど・いわお)。この老人が加賀見亮を抱きこみ、ルール的には《腹心》として活動させているという。
加賀見亮が地上千早を攻撃することで、軌道千早側の勢力を増そうとしているらしかった。加賀見家当主になれなかった男は、二人のエージェントを部下として活動させているという。
即ち‥‥“ソードダンサー”、“スリーハンド”の2名。
時間は少し遡る。居合抜刀術のただ一閃で黒服軍団は全員が斬り伏せられ、後には死の影をまとうクグツとダンピールの少女が残されていた。
牙下冬治郎は第11営業推進部という妙な部署名の記された名刺を差し出し、工藤夕維は自分がフェイトとして仕事を請け負った経緯を話した。
冬治郎「なるほど。あなたも身代わり人形を追っていたのですか。
それは面白い。しばらく御一緒させてもらいましょう」
勝手に同行を決めると、侍めいたカンパニーマンは共に歩く訳でもなく夕維に任せた。狭の娘が独り歩きながらふと振り返ると、距離を取って後をついてくる不気味さである。
一方、舞台裏。ルカの中の人は加賀見家の前当主の関係人物、加賀見亮(かがみ・りょう)を調べていた。ここでもIBクォリティの予想で弾き出された制御値は正解を射止めた。
悪童屋の人「IB、死ね〜〜〜! (`Д´)」
加賀見亮はエグゼク◎、不慮の事故で死んだ前当主の兄。妹の権力で好き放題に振舞っていたが、当主が交代した後は、加賀見一族からも、カゲムシャの秘せられた世界からも見放され、落ちぶれていた。
一同の中の人「斬っちゃうにはちょうどいい人ですね〜 ('∀`)b」
冬治郎の中の人「ウキー ヽ(`ー´)ノ」
そして、落日悲歌の調べを乗せた運命は巡り、実に11シーン目。ようやく、キャスト全員の合流が叶ったのだった。
中の人一同:
∩
( ゚∀゚)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
⊂彡
鏡子「ルカ、お客さんよ〜」
親友の声に、ルカはそちらの方へ走った。メールで連絡があった通りだった。白銀の髪に紫の瞳の白い肌の娘、もう年を取ることのない外見はルカたちと同年代の闇の少女は、友人でもあったのだ。
だが、客は工藤夕維だけではなかった。しばらくしてその後ろからやってきた二人目、眼鏡のカンパニーマンを見た途端、学生組が一斉にガクブルしだす。
ルカ「げ、き、きばげー! ボクたち、何もしてないよ! (((Д;;)))」
冬治郎「――おや、皆さんお揃いで」
殺気を隠そうともしない剣客の剣呑さに狼の嗅覚と戦士の勘で気付いた明朗は、我知らず加賀見鏡子を守るように立ちはだかっていた。
冬治郎「ほう‥‥。あの子が、新しい身代わり人形の当主ですか」
ルカ「人形なんて言うなよ! そんな風な言い方をしたら、あの子が本当に人形みたいになっちゃうじゃないかっ! ヽ(`Д´)ノ」
鏡子「ルカ‥‥‥‥」
ルカ「だいじょぶだよ。かがみーはかがみーだよ!」
朧夜の冬治郎はただ薄く笑うだけだった。
工藤夕維が、事の顛末を話した。明朗は鏡子を守っていたが、どうも人斬りは鏡子を殺しにやってきた訳でもなさそうであった。ルカも安心し、一同は鏡子と明朗をあとに残し、ルカが悪事を企むときに使うセーフハウスへと向かった。
少女たちは互いの経緯を話し合った。二人の美少女が学校でいきなり襲われたことをルカが臨場感たっぷりに話すと、ダンピールの少女は驚きを示した。
夕維「よく、無事でしたね‥‥? (・о・」
ルカ「だいじょぶ! 相手はパンピーだもん! ( ´∀`)σ)Д`)」
自信たっぷりに不良少女は答えた。しばらくしてルカは、3人の中で唯一まったく経緯を話してくれないクグツに尋ねた。
ルカ「ねえきばげー。千早のことはほかの人に話さないから、何を追ってるのか教えてよ〜 (っ´ω`)っ」
冬治郎「そうですね‥‥」
正座して勝手に日本茶を飲んでいた暗殺剣の使い手は、湯飲みを置くと言った。
冬治郎「私のことをきばげーと呼ぶのをやめたら、許してあげましょう」
一同の中の人「ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ」
しばらくして、剣客はようやく語った。
冬治郎「あなた方と手合わせできないのはとても残念ですが、私は加賀見家に雇われた訳ではないのです」
ルカ「なんだー、それなら味方じゃん!☆」
そう分かった途端、ニューロキッズの美少女は馴れ馴れしく大人の肩を叩いた。
ルカ「よろしく頼むよ、きばげ‥‥げ‥‥ゲフンゲフン、き、牙下さん! (;;゚▽゚)b」
さて、鏡子を狙う加賀見家内部の敵は加賀見亮、そして背後のトップは美門巌。彼らの下で動いている人物も確認している。今度は、ルカが“ディクショナリ”を使った<社会:社交界>で調べることにした。
ルカ「ボクだって、レディの端くれだもん♪」
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冬治郎「ほう‥‥冗談にしてはまあまあ面白い」
今回もスタイル予想から合計した理性の制御値は当たり、氷血屋の予想は的中した。
悪童屋の人「IB! もう帰っていい! ( ´∀`)σ)Д`)」
一方、エージェントの“スリーハンド”の方は工藤夕維が調べることにする。
“ソードダンサー”。剣の舞い手はいかなる人物であろうか。はたコズムの根源であるホームページ【Sword Dancer】でも、国務聖省の派遣執行官のコードネームでもなかった。
ペルソナはカタナ、見えない剣の二刀流で全てを切り裂く剣の使い手。得物は業物剣の“ティルヴィング”+“インヴィジブルエッジ”をふた振りも操るという豪の者である。
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“スリーハンド”はキャスト陣の中の人の予想が当たり、“ソードダンサー”と対照的にカブト◎であった。重装備の戦闘用義体“マイティドール”に脳を移植し、右側に第三の義手を増やして射撃武器の取り回しをよくしたフルボーグ。一挺目を拳銃、二挺目をアサルトライフルなど、様々な銃器を使ってくる局地戦型戦術兵器であった。
夕維の探索相手であった白瀧智子は、失踪当時から計算すると、育っていれば今頃は17歳のはずだった。当時、売られた先はやはり加賀見家であった。加賀見鏡子を対象とすれば、ますます辻褄が合う。
ルカ「かがみーは、かがみーじゃなくなるのかな‥‥」
一方、セーフハウスに行かなかった曾我部明朗と、加賀見鏡子は。
少年と少女は、近くの小さな公園で話していた。
鏡子「ねえ、明朗くんは、行かなくていいの?」
明朗「いやぁ、いいんだ」
賑やかな不良少女、自らの血に悩みながらも明朗同様前へ進もうとしているダンピールの娘、そして戦慄すべき剣客を思い出し、明朗は笑った。
明朗「それよりお前、さっきの騒ぎ、酷い目に遭ったんだろ? 学校で襲われたんだからな‥‥」
鏡子「ううん。でも、ルカもいてくれたし (´ω`*)」
制服姿の鏡子は、公園にあったブランコの方に走っていった。砂を払うと、スカートの襞に気をつけながらちょこんと座る。大柄な明朗にはブランコは少々小さすぎ、少年は近くの柵に寄りかかった。
鏡子「ねえ明朗くん。明朗くんて、小さい頃に、こういう場所で、遊んだ記憶ってある?」
明朗「ああ、あるよ」
鏡子「‥‥‥‥わたし、そういう記憶が曖昧なの。いい思い出が、思いつかないの (-_-;)」
明朗「そうか‥‥」
鏡子「ねえ。大事な思い出はある?」
明朗「そりゃあ、あるよ。オレは‥‥ふつうに‥‥」
たくさんの思い出が胸の中を駆け巡り、明朗はズキリと傷の痛みを感じた。大事な思い出のひとつ‥‥そして悪夢のような思い出のひとつ。両親と共に出かけたST☆R。運悪くそこで起こった奈落落ち。両親と祖父母はそこであっけなく死に、九死に一生を得た少年は、狼の魔性の血を得て死を免れた。
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かつて自分を守ってくれた父の言葉を思い出し、理性をなくした怪物と化す誘惑から必死に耐えた明朗は、悲しみを乗り越えていつもの日常へと戻ってきたのだ。
より悲しい境遇を生きてきた鏡子にそれを見せまいと、明朗は努めて普通に答えた。
鏡子「わたし、今までずっとそんなだったの。だから、そんなに友達も多くはなかったな」
明朗「そうか‥‥。もしオレがお前の立場だったら、何にも覚えてないのは嫌だな」
交流シーンは続いた。人の心との触れ合いが、はぐれ狼に力を与えてゆくのだ。
明朗と中の人「オレに、ロイスをくれ〜! (´ω`)ノ」
一同「いえーい (っ´▽`)っ」
少年と少女がブランコのそばで語り合っていると、いつの間にか背後に来客があった。
ルカ「なんだよ、ラブコメかよ〜 (=▽=)ノ」
ボードを小脇に抱えたオレンジの髪の不良少女が笑っている。いつしか二人の距離が縮まっていたことに気付き、我に返った二人は互いに視線をそらした。
黒衣の夕維もやってきていた。小さな公園を見渡したルカは、小さな砂場を見つけると走っていった。
ルカ「お、砂場あるじゃん! 懐かしいな〜」
明朗「鏡子、お前はああいうのもやったことないのか?」
鏡子「うん。思い出せないの‥‥ (ーー;)」
小さな砂山を作り始めるルカを眺めながら、鏡子は悲しげに首を振った。
明朗「なあ、鏡子。オレも、悩んだ時期があったんだ。でも結局オレは、前に向かうことにしたよ。
お前も前に進んだらいい。それで倒れたら、オレが支えてやる」
鏡子「明朗くん‥‥」
二人の距離がまたも縮まったところに、吸血鬼の少女が静かに言った。
夕維「曾我部さんには、忘れた思い出はあるのですか?」
明朗「オレは‥‥」
そして、鏡子に《真実》! 少女の失われた過去、夢となって漏れ出すカゲムシャ一族の当主となった経緯が、遂に明らかに。
同時に悪童世界の何者かが《天罰》から《暴露》。その秘密が明かされるシーンが共有される‥‥
夢の中。そこは、明朗たちがいたのとまったく同じ公園だった。空は暗い鉛色、今にも雨が降ってきそうな空の元、明朗が倒れていた。
現実より幾分小さい明朗は大怪我を負い、倒れていた。その体から血がじわじわと広がっていく。そのすぐ横には当時からの幼馴染の少女が泣いていた。現実より幾分小さい加賀見鏡子、当時の白瀧智子である。
彼女は何もできずに泣いていた。別の人生を歩むようになり、高校2年の現在もウェットな彼女は当時も同じで、電話で助けを呼ぶこともできなかったのだ。
少年の体から生命の炎が急速に消えていこうとしていた時。
いつの間にか、少女の傍には男が立っていた。何の特徴もない外見、そして顔には、歌舞伎役者のような白い能面が、その本当の顔を隠していた。いや、本当の顔など最初から存在しないのかもしれない。
白面の男「白瀧智子ですか」
少女は涙をぬぐうと頷いた。
白面の男「彼を助けたいですか」
少女は頷いた。
白面の男「何があっても?」
少女は逡巡し、そして強く頷いた。
顔のない男は《神出鬼没》を使った。全ての傷が、少女に移り‥‥
そして、舞台は別の夢の中となった。深い傷を負った白瀧智子、その前に、何も変わっていない能面の男が立っていた。少女は、少年の身代わりとなって致命傷を負ったのだ。
白面の男「これが貴方の力です。これから別の人生を歩むことになる。それでもいいですね」
影武者となった少女は頷いた。その返事と共に力が振るわれた。《黄泉返り》によって少女は死をもたらす傷から蘇った。
白面の男「では、貴方を新しい当主としましょう。――我らが加賀美家の、新たな当主に」
光の世界で栄光と、死の危険と共に生きる千早一族を影から支える、加賀美家一族。カゲムシャ一族の新たな当主が、いま誕生した。
顔のない男は《制裁》の力を使った。少女と幼馴染みだった少年は、少女の記憶を永遠に消失した。
少年がカムイST☆Rで狼の血を得る、ずっと昔の話だった。
曾我部明朗は独りうなだれ、落ち込んでいた。
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いつも詳細が思い出せない夢、いつも遊んだ公園の仲間の中で、一人だけ名前の思い出せない友達。その子の名こそ白瀧智子、少年の日々の幼馴染みだったのだ。彼女は明朗を救うため、自らの人生を犠牲とした。そして明朗は、その事実を今まで忘れていたのだ。
悩み苦しみ、落ち込みながら道を前に進んでゆくのは若者の特権、そしてPC1の特権である。若者が落ち込んでいると、クラスメートがやってきた。
ルカ「落ち込むなよ、そかべ〜」
明朗「全部、オレのせいだったんだ‥‥ _l ̄○ノシ」
ルカ「気にすんなよ〜」
明朗「オレがこういう生き方を選べたのは、彼女がいたからなんだ。鏡子がいなかったら、オレはあの日に死んでたんだ‥‥」
ルカ「だったら、お前がかがみーを幸せにするんだよ〜 ヽ(´ω`*)」
明朗「‥‥て、ちょ、おま」
はたと気付き、顔を上げる。硬派一筋の体育会少年が慌てていると、身長差40cmの不良少女の顔がそこにあった。
ルカ「別にケッコンとかそんなこと言ってないよ。お前はカブトなんだろ。だったら、影から守るのも仕事じゃないか」
明朗「確かに、オレの選んだ道だが‥‥」
ルカ「前は、ボクも同じだったんだ。支える人がいれば、かがみーも生きていけるよ」
かつてはルカも同じだった。現実空間と電脳空間の認識が混濁し、本来の力を発揮できずにいたルカは引っ込み思案の大人しい少女だった。サイバーアイと連動した高性能タップを手術で埋め込んでからは本来の実力を発揮できるようになり、ようやく自分が役に立つことを知った。
そして少女は賑やかで勝気な美少女のルカとなり、同時に必要以上の自信まで手に入れるようになったのだ。
ルカ「あの子も可愛い子になれると思う。ま、ボクには敵わないかもね〜♪」
自信過剰の不良少女のいつものニューロキッズぶりに、ようやく少年は普段の様子を取り戻した。
明朗「‥‥‥‥そうだな。
オレも親父に守られたから、あの時生き延びて、この生き方を選ぶことができたんだ」
それは小さい頃、明朗が見た今は亡き父の姿だった。息子を守るためにチンピラたちに殴られ、無様に地を這いながらも父は言った。
『愛する者一人を守るくらいなら、ちっぽけな自分の身ひとつでも何とかなるもんさ。‥‥痛いけど、その痛みが守った証なんだ』
その言葉は明朗に大きな意味を持った。その言葉と姿があったから、明朗は奈落落ちでも自我を失わずに耐えることができた。ナイト・ワーデン社の見習いとなり、不器用ながらも前に進み、常に弱い他人を守る生き方を選ぶことができたのだ。
明朗「ありがとな、ルカ。オレは全力で恩を返す。敵は大きいけどなっ (*^ー゚)b」
ルカ「うん。敵は軌道だけどね‥‥ (゚ー゚)」
電子戦スケボー乗りの不良少女は、夕暮れ前の空を見上げた。遥かな高みの美門一族から遣わされたエージェントたちは、どんな技を使ってくるのだろうか。
ルカ「まあこっちには、化け物もいるしね〜 ('∀`)」
不安げな表情はすぐに消え、いつもの自信に満ちたニューロキッズの顔がそこにあった。
ルカが振り返った先には、少年少女のシーンに登場せず何も貢献していない、うろんな剣客の姿があった。
かくして狼の血を引く少年は失われた過去を知り、衝撃から立ち直った。若者たちは決意を固め、影武者一族の当主を守り戦わんとする。
悪童屋本店のお達し通り、いよいよクライマックスへ移行。舞台には夕暮れが迫り、落日悲歌の物語はいよいよ佳境へと入る――!
まず、加賀見家のエグゼク、加賀見亮が《買収》、シーン舞台の公園を武器持ち込みOKとする。敵は空からやってきた。ローター音と共に飛来してきたチョッパーに、彼らは乗り込んでいたのだ。
ウォーカーのような機動兵器が動く時特有の関節の機動音と共に、何かがチョッパーから飛び降りてきた。パラシュートのような降下具も何もつけず、そのまま地面に盛大な地響きと共に着地する。公園の地面には凹みが生じていた。重度に機械化されたフルボーグの戦士、“スリーハンド”の登場である。
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いま一人は同じようにチョッパーから飛び降りてきたが、遥かに優雅だった。ひらりと宙に身を躍らせ、姿勢も崩さずに僅かな音と共に地に降り立つ。二振りの剣を携えたその男がまとう空気は、曾我部明朗たちの後ろにいる不吉な剣客のものと同種であった。
ソードダンサー「お前たちには何の恨みもないが、邪魔立てするならば、斬る」
軌道製の2本の電脳剣を構え、剣の舞い手は言った。その目が、少女を守るように立ちはだかる大柄な若者の前で止まった。
ソードダンサー「ほう‥‥奴め、カブトを雇ったか」
彼らは、加賀見家当主を常に守る“走狗”というカブトを実際に見たことはなかったのだ。狼の血を引く若者は、殺気をほとばしらせるカタナに叫んだ。
明朗「勝手なことを抜かすな! 鏡子はオレが守るッ!」
ソードダンサー「貴様‥‥ (`ー´)」
二刀流使いは学生服の若者、そしてその後ろで手を若者の肩に置き、身を硬くする少女をぎろりと睨んだ。なんと、殺気のみで加賀見鏡子に対し《死の舞踏》発動! ソードダンサーは剣で斬らずとも人を殺めることができるのだ。
自らの生き方への決意を込め、同じく明朗は睨み返して《難攻不落》! 二刀使いは若者を敵と認める!
地響きを上げて歩く重量級サイボーグの前に軽やかに現れたのは、宙を舞うウェーバーだった。その上にはオレンジの髪の少女が乗っている。
ルカ「よーし、じゃあこっちのバカ2号はボクがお相手するよ! ('∀`)b」
スリーハンド「なんだ、ちっちゃいの (`Д´)」
ルカ「これでもボクはウィザードだ。あんたみたいなサイバー野郎には負けないさ!☆」
不良少女の言葉は局地戦兵器を怒らせた。
スリーハンド「ほう‥‥だったら、お前をミンチにしてやる」
強化された腕と第三の補助腕で持っていた大きな銃は、イワサキ社の“轟炎”。本来は人が持つのではなく車載兵器である強力な火炎放射器である。その噴出孔の先に炎が生まれた。義体の男は小さな少女を見下ろすように言った。
スリーハンド「レアがいいか、ミディアムがいいか? (*`д´*)」
なんということだろうか! このがつは背の低いボクっ娘の不良少女を、ホバーボードに乗ったミニスカートの美少女を、丸焼きにするつもりなのだ。既にエレガント時空からエレがつトへ突入である! ε=(ノ゚∀゚)ノ
工藤夕維はあえて無言だった。だが無風の、夕暮れの遊園地には何故か風が巻き起こり、彼女の周りに夜の霊気が集まり始める。日系人には珍しい紫の瞳は、もはや血の色へと‥‥夜の種族の特徴でもある赤い色へと完全に変じていた。
そして、二剣使いの元へゆらりと近付く人影があった。
冬治郎「ソードダンサー。それがあなたの名前ですか」
ソードダンサー「――お前は?」
ゆっくりと左手の筒の中身の袋を解きながら、剣客は言った。
冬治郎「牙下冬治郎。朧夜の冬治郎とも、呼ばれています」
ソードダンサー「朧夜の‥‥お前が?」
剣客同士には通ずるものがあるのだろうか。何やら軌道の剣客、その名を認めたように二剣を構え直した。
冬治郎「あなたのような使い手を待っていましたよ‥‥。ひとつだけ、お断りしておきましょう」
ソードダンサー「ほう――」
既にその左手には、見事な漆塗りの鞘の風雅な日本刀が握られていた。鯉口に指をかけ、人斬りは眼鏡を直した。
冬治郎「私の影蛍は、宵闇の中でしか輝かない。この夕暮れでは、どうなるか分かりませんね」
少女を守る狼の血の若者、その横の剣客。対するは二刀使いの軌道の剣客。
火炎放射器と大型拳銃を構えた重戦闘用義体の前ではホバーボードが舞い、夜の娘の周囲に霊気が集まり、夕闇の公園を夜へと誘う。
人斬りはぞっとするような笑みを浮かべると、横で少女を庇い立ちはだかる若者に言った。
冬治郎「明朗君。手を出すな。奴は、私が仕留める」
かくしてカット進行に超突入! アクションランク3+1+1の“ソードダンサー”の剣の速さは尋常でなかった。セットアップフェイズから<ハヤブサ>攻撃を仕掛けてきたのだ。二刀流ティルヴィングを<強力>で片手で持ち、<※タイムマジック><修羅><鬼の爪>の強力な範囲攻撃が少年たちを襲う。さらにJJF起動、<電脳>で達成値を上げ、剣の舞いは達成値24!
冬治郎「ほう。そう、来ますか」
自分だけならリアクションできる暗殺剣の使い手は妖刀を目の前で構え、必要とあらば<※突き返し>の構えに入る。だが、双剣の前にそれよりも早く立ちはだかったのは、狼の血を引く主人公だった。
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曾我部明朗の姿に変化が生じた。元より体育会系だった顔立ちが完全に狼めいたものに変わり、銀色のようにも見える灰色の剛毛が全身を覆う。学生服の袖の先の手はいつの間にか、鋭い爪を備えた獣のものに変わっている。
忌まわしき魔性の狼の血の完全発動。人狼形態へと変身した若者はJJF、ガルーダ、ドラッグ類起動からリアクション。“グリフォン”相当の爪は生身なので準備の必要もなし、カブトの<八面六臂>受けで同じく24。
なんと、“はぐれ狼”は見事、必殺の双剣の舞いを素手で止めた!
余計な伏兵がもう一人いた。ルカが一緒に電脳リアクションし、<※ブービートラップ>で24で成功。
ウェーバーの電子装備に網絡蟲毒起動、手札リアクションで<交渉><電脳><ブラフ>、さらに<※捨て身>。持っている特技の半分以上が奥義という不良少女が悪戯をしでかす。
悪童屋本店の人「網絡蟲毒イクナイ! 捨て身イクナイ! ヽ(`Д´)ノ」
そして、手札リアクションの対象は遠くでヘリの上から戦場を見下ろす、加賀見亮であった。
悪童屋本店の人「チョッパーを返せ〜〜! (ρД`)ノ」
ボスの加賀見亮はエグゼク、マネキン、レッガー。ルカのニューロがエグゼクに変わっただけで、実はボクっ娘不良少女と似た作りだったのだ。主な行動予定は<アドレナライズ>要員であった。
差分を少しでも詰めるために<運命の輪>でリアクション、18を出して差分6。基本値11スタートの精神戦ダメージは諸々で上昇、結局25点。思いきり[精神崩壊]であった。
当主になれなかった加賀見家の極潰し、斬られずにどんな最後を迎えるのかと思いきや、ヘリごと墜落であった。
加賀見亮「うわ、やめろ〜〜〜(どかーん)」
ルカ「人を呪わば穴ふたつだよっ! (´ω`)b」
神速のハヤブサ攻撃は止んだが、まだまだ重武装義体マイティドールでアクションランク3の“スリーハンド”が残っている。充実の義体オプションからハードリンク、オーバーロード、諸々が起動。火炎放射器を持たない残り1本の腕に掲げられたのは強力なハンドキャノン“スクリーマー”だった。
<跳弾><ファニング><花吹雪><必殺の矢>、またも範囲攻撃が20!
![]()
だが人狼形態へとチェンジしたはぐれ狼がまたも疾った。<反射防御><八面六臂><ディフレクション>で21。狼の強靭な手は、すべての銃弾を受け止める!
明朗「鏡子たちは、オレが守るんだ!」
スリーハンド「ほほう、その意気やよし (`ー´)」
魔人たちの攻撃は終わり、ようやくアクションランク2の番に降りてきた。既に明朗は防御行動にプロットを使い果たし、ルカも行動している。そして、行動順は、いよいよ‥‥
誰かの中の人「次は‥‥」
冬治郎の中の人「こっちの番か。ヒャッホウ! ヽ(*゚∀゚)ノ」
誰かの中の人「ヒャッホウ! ヽ(*゚∀゚)ノ」
誰かの中の人「いま総帥がヒャッホウって言った! (;゚∀゚)=3」
誰かの中の人「ヒャッホウだ! ヽ(゚∀。)ノ」
誰かの中の人「エレがつトだ! ヽ(゚∀。)ノ」
こんなところで爆笑がしばらく続き、シリアスなカット進行が一時中断してしまった。
人の言葉じりをいちいち拾うのイクナイ! ヽ(`ー´)ノ
さて、シリアスな表舞台に話を戻し。背景で夕暮れ時だった公園は悪童屋本店への問い合わせの結果、黄昏時を経てどんどんと闇が濃くなっていくこととなった。
人斬りの本性を伊達眼鏡の奥に隠した剣客は、ふと半魔の少女の方を振り返ると、中指で眼鏡を直した。
冬治郎「夜の娘がいるならば、宵闇が濃いのもまた道理ということですか‥‥」
悪童屋と氷血屋:
∩
( ゚∀゚)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
⊂彡
鞘を持った左手に右手を添え、夢天一刀流居合抜刀術の使い手は抜刀の構えに入った。
冬治郎「往きますよ、ソードダンサー」
二つの影が交錯する瞬間、煌く一瞬の光は白刃のものか、蛍の光か。妖刀“影蛍”の一撃必滅の居合い抜きは、エースで28!
だが見よ! 触れれば即死亡の神速の居合斬りを、軌道の剣客は電脳剣の力で受けきった。<電脳><白兵><運動><防壁構築><※ブービートラップ>、電脳の達成値を上げてこちらもエース、最終達成値はなんと30!
ルカ「言っただろう、ボクはウィザードだって。今だよ、牙下!☆」
ソードダンサー「ええい黙れ! 軌道製を舐めるなよッ! ヽ(`ー´)ノ」
ルカがリアクション打ち消しを試み、敵の防壁を《電脳神》で破壊! だがソードダンサーも《電脳神》で打ち消し。リアクション成立、<ブービートラップ>による手札からのフリーアクションが発生してしまう。ふたたび電脳剣ティルヴィングを<※タイムマジック>で範囲攻撃、今度は20!
冬治郎「チッ」
ふたたび自分だけは跳ね返そうと、剣客は既に鞘の中に納まっている妖刀に手を掛けて振り返る。
だが、それよりも早く双剣の前に飛び出したのは、やはり魔性の狼と化した若者であった。
明朗が《難航不落》、身を挺して飛び出すと鉤爪の手で軌道の電脳剣を止める。
![]()
幾つもの刀傷は、強靭な人狼の生命力でみるみううちに消えていった。
明朗「あいにく、そう簡単には死ねないんでねっ!」
夕維「夜の、力‥‥」
赤い目をしたダンピールの娘は自嘲気味に笑った。周囲に集まった夜の霊気は狭の娘の力となった。今度はスリーハンドに精神戦攻撃である。大方の予想通り、局地戦術兵器の重サイボーグは精神戦には弱かったのだ。
悪童屋の人「待て、話し合おう (っ´▽`;)っ」
夕維「人の想いを、踏みにじらないでください」
<交渉><畏怖><永生者>に<サブリミナル>、差分つき精神攻撃が達成値25! <心理>のないスリーハンドは《チャイ》で打ち消すしかなかった。右手の大口径拳銃“スクリーマー”で<インターセプト>、左手と補助腕の“轟炎”で反撃するという攻撃パターンだったスリーハンドは、その前に思わぬ攻撃を受ける形となった。
スリーハンド「ええい、邪魔するな、小娘ッ! (ズキューン!)」
明朗「しまった! (゚△゚;)」
手に持っていた大口径ハンドガン“スクリーマー”で《とどめの一撃》炸裂。人狼形態の明朗が跳ぶよりも一瞬速かった。弾丸は時を凍りつかせた娘を襲い‥‥そして、月に照らされた娘の姿は幻であったかのように、弾丸はその体を通り抜け、後ろの壁にめり込んだ。
スリーハンド「なんだッ? ホログラフか? (゚Д゚..)」
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夕維「夜は、私の片方の力です‥‥」
スリーハンド「認めない! アストラルなど認めないぞ! ヽ(`▽´)ノ」
アストラル存在を知らないフルボーグは《霧散》を理解できず、吠えた。そして目標を変えると今度は加賀見鏡子を狙う。<ファニング>を抜き、今度は差分つきで23!
‥‥敵の能力、神業はほぼ明かされ、そろそろ予測が可能となった。誰が倒すのかを別とすれば、このアクションが成立、ダメージが適用されて加賀見鏡子が射殺されてしまう前に、神業で押し切ることが可能かつよりよい選択肢となる。
朧夜の冬治郎は準備をしていた。リサーチフェイズ中に流星相当の短刀を購入済みだったのである。懐からの不意打ちで《不可知》で投剣、ダメージにさらに霊斬符相当の金剛夜叉明王符が力を与えればきっかり16点。これでスリーハンドを仕留めることができる。
だがここで、氷血屋がよくない提案をしてきた。
氷血屋の人「敵も殺気でマカブルしてたし、殺気相当にしませんか? ('∀`)b」
一同「ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ」
冬治郎の中の人「よーし、そこまで言うならそうしちゃうぞ〜 (っ´▽`)っ」
‥‥暗殺剣の使い手はペルソナをカタナにチェンジ。横で半人半魔の娘と戦いを繰り広げるフルボーグをぎらりと睨んだ。殺気相当の《不可知》攻撃成立、ダメージはきっかり16点。やむなくスリーハンドは《難攻不落》で自らを守る!
スリーハンド「なんだ、今の殺気は? おいソードダンサー! ちゃんと相手しとけよ!!」
これが連鎖の引き金となった。ここで夕維の《神の御言葉》が効力を発する。
夕維「今まで殺してきた、死者の幻影を見なさい‥‥」
スリーハンド「ガーン! (゚Д゚;≡;゚Д゚)」
覚めない夢を見せられ、ルカ言うところのバカ2号、重装備のフルボーグはここに轟沈する!
AR1の回り、続いて夜の娘は、目標を軌道の剣客に定めた。<交渉><畏怖><永生者>に<サブリミナル>に今度は<夜の一族>も加えて差分つき精神戦、Jokerで23。
押さつけている夜の力が暴走する一歩手前であった。工藤夕維の瞳は吸血鬼一族の力を発揮するとき、紅に染まるが、過去何度かあった暴走の際には朱金に近い色になってしまうのだ。
悪童屋本店の人「差分? 待て、話し合おう (っ´▽`;;)っ」
ソードダンサーは<心理>で21を出して差分を詰め、結果精神ダメージは11点。理性の制御判定に失敗、<血脈:夜の一族>の効果により、エキストラとしてあるじの命令に従わなくてはならなくなってしまった!
あるじからの命令が下される前に、軌道の剣客は《タイムリー》を《死の舞踏》で即座使用。軌道製の電脳剣にはまだまだ仕掛けがあったのである。災厄前のロシアにあった国の特殊部隊が用いたともいう仕込みナイフ同様、ティルヴィングの刃が飛び道具としてハッシャ!
その切っ先は偶然、加賀見鏡子の前に立ちはだかっていた明朗の体にぐさりと突き刺さる!
明朗「‥‥っ、オレは、これぐらいじゃ死なないんだ!」
魔性の狼の血は、強靭な回復力を若者に与えていた。自分に刺さった刃を爪の両手でつかみ、自ら抜いて《霧散》!
同時にルカが《プリーズ!》から加賀見鏡子の《天罰》を使用。遂に、カゲムシャ一族当主となっていた少女は以前の記憶を取り戻した。お礼ぱわーの《ファイト!》発動、これはキャスト陣の任意ということでパーティの上の方に貯まる。
状況を整理しよう。傷を負いながらも人狼形態の少年は少女を守りきり、吸血鬼の力を暴走させかけた夜の娘は、その瞳の魅了の力で敵を捉えた。不良少女はホバーボードから降りると仲間たちの元へ駆け寄る。
一方敵は。電脳攻撃を浴びたエグゼクの加賀見亮は姿も見せないまま、墜落したチョッパーと共に死亡。エージェント“スリーハンド”は吸血鬼の強力な精神攻撃を受けて精神崩壊。エージェント“ソードダンサー”は支配の力で「動くな」という命令を受け、エキストラと化して金縛り状態であった。
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そして――妖刀を携え、ゆらりと歩む剣客がもう一人いた。
みんな「あとはマカブルだけ!」
悪童屋と氷血屋:
∩
( ゚∀゚)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
⊂彡
夕維の中の人「場を混乱させただけだったかしら‥‥ (-∧-;)」
冬治郎の中の人「まぁだいじょうぶだいじょうぶ (っ´▽`)っ」
そして、うろんな人斬りの中の人は悪童屋本店に問い合わせた。
冬治郎の中の人「先生! ヤる気をなくしてもいいでつか! (*´∀`)ノ」
氷血屋:
∩
( ゚∀゚)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
⊂彡
ソードダンサー「む‥‥くっ‥‥」
超常の生き物の持つ強力な支配の力に捉えられ、ソードダンサーは膝を屈すると自らの死を待っていた。
朧夜の冬治郎はその前で立ち止まった。鞘のうちの神速必中の剣に手を掛けるも、不機嫌そうにその手を下ろす。
冬治郎「無抵抗の人間を斬るのは、私の趣味ではない」
夕闇が濃くなった公園に一陣の風が吹き、軌道の剣客と侍めいた人斬りの間を吹き渡った。
冬治郎「今宵はもう、人を斬る空気ではないようだ」
背を翻し、眼鏡を直すと、男はそのま朧夜の中に去っていってしまった。その背後に、ソードダンサーの声が掛かる。
ソードダンサー「この再戦は果たすぞ!」
冬治郎「ええ。また、別の夜に」
氷血屋:
∩
( ゚∀゚;)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ ←速度が上がっている
⊂彡
まずは戦いの後の夜の公園、共通エンディングのシーンとなった。
見渡してみれば、遠くには炎を上げて燃えるヘリの残骸、重装サイボーグの死体。夜の霊気の嵐が周囲の地面と木々にその痕を残していた。
夕維「やっちゃったの‥‥ (・о・」
力を暴走させたことに気付き、夜の娘が愕然としている横では、人狼形態を解いた曾我部明朗が加賀見鏡子に語っていた。銀色めいた灰色の体毛は抜け落ち、腕から先も人間のものに戻り、いつもの大柄で無骨な若者の姿がそこにあった。
鏡子「明朗君、もう傷は大丈夫なの」
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明朗「ああ。オレが背負ってる業はこれなんだ」
明朗は明らかになった、幼い頃のブランコの話をした。死にいたる怪我をした自分のこと、その身代わりとなった鏡子――白瀧智子のこと。
明朗「オレがこの道をたどることになったのは、元はといえば親父に言われた言葉からなんだ」
狼ではなくはぐれ狼として、人を守るカブトとして、道を歩むことになったきっかけ。今はもういない父が、幼い日の自分に語った言葉。
鏡子「そうだったの‥‥。でも私は、後悔してない。あの時の叫びは、明朗君を助けたいと思ったあの時の叫びは、私の叫びだもの」
カゲムシャ一族の当主となった鏡子は、そのときの選択に満足していた。明朗を救うという選択は、彼女の中では間違っていなかったのだ。
ルカ「そうだよ、かがみー。何があっても、かがみーはかがみーだよ (´ω`*)b」
鏡子「そうよね、ルカ。今の暮らしも、あるものね (´▽`)」
夕維「それで――白瀧美由紀さんが、あなたを探しているんです」
工藤夕維は依頼人のことを話した。加賀見鏡子が白瀧智子であった時の、姉が彼女のことを探していることを。
鏡子「そうですか‥‥」
夕維「いらっしゃることは、伝えていいの?」
鏡子「ええ。――でも、戻る気はありません」
夕維「分かりました。それが、あなたの選択なら‥‥」
光と闇の狭間を歩む娘は、依頼人に嘘を伝えることを決めた。
明朗「なあ鏡子、頼まれてくれないか」
鏡子「えっ? どういうこと?」
明朗「誰かの身代わりになる時、お前がいつもケガをするんだろう。だったらその時、オレが守ってやるよ ( ´ー`)」
鏡子「明朗君‥‥」
明朗「人を守る。それが、オレの誓いなんだ」
父と同じ道を歩み、弱い誰かを守るべく奮闘を続ける明朗もまた、ナイト・ワーデンに集える若き狼の騎士の一人なのだ。
鏡子「明朗君‥‥。ゴメン、みんな、巻き込んじゃって。ルカも、それからあなたも」
ルカ「ううん、いいよ。ボクも、いろんなことが分かったよ!」
悩み、迷いながらも道を前に進む。その先が光であろうとも、闇であろうとも。回り道をしようとも。それが若者の特権なのだ。
一同が道を決め、和気藹々と楽しくしていると、余計な来客があった。
殺気を纏った影が宵闇の中からぬっと現れたのである。
ルカ「げ、きばげー! まだいたの!? Σ(゚△゚;)」
鋭い殺気を隠そうともせず、ダークスーツの剣客は一同を見渡した。
冬治郎「なるほど、美しい友情ですな」
本能的に危険を感じ、曾我部明朗は鏡子を背後にかばった。剣客の左手には、まだ鞘に収められた日本刀があったのだ。
冬治郎「私は、加賀見家周辺のお家騒動を調査するのが任務でしてね。
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そう‥‥そこのお嬢さんを斬れば、この仕事は非常に綺麗に片付く」
明朗「牙下さん。まさか‥‥? (゚Д゚;)」
暗殺剣の使い手は狼の血を得た少年の前へゆっくりと近づくと、面白がるように言った。
冬治郎「明朗君。私がもし、そのお嬢さんを斬ると言ったら、君はどうします?」
明朗「オレは彼女を守る! どうしてもだ!」
冬治郎「面白い。明朗君、君は狼の本質が何であるか、分かっているのですか」
明朗「本質――??」
伊達眼鏡の奥に人斬りの光を宿し、剣客は嘲笑うように言った。
冬治郎「狼の本質は狩人ですよ。すなわち牙と爪で、敵を喰い破る。血にまみれた牙が、その本性だ。
つまり君は、私のような人斬りと何ら変わりないということですよ」
その左手の漆塗りの鞘が徐々に構えられるのにも関わらず、明朗は前に出ると言った。
明朗「オレは狼じゃない。“はぐれ狼”だ! 他の狼たちと同じようには、振舞わないっ!」
断じて違っていた。アヤカシの中で人間を狩る悪鬼のような化け物たち、目の前の男のように簡単に人を殺す人間たちとは。断じて違っていた。今も、これからも。それが、曾我部明朗がはぐれ狼たる所以なのだ。
一同の中の人:
∩
( ゚∀゚;)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
⊂彡
冬治郎の中の人「ここで《死の舞踏》、6番相当で、はっと息を飲むのでお願いします! (*´∀`)ノ」
剣呑な光が走った二人の間を、一陣の風が吹いた。曾我部明朗が息を飲んだ時、柄の鯉口に掛けられた手は下ろされていた。朧夜の冬治郎は背を翻していた。
冬治郎「――やめておきましょう。今宵はもう、人を斬る空気ではない」
眼鏡を直すと、カンパニーマンは懐から何かのカードを曾我部明朗の方に放ってよこした。
明朗「これは――」
冬治郎「君にはいくらか世話になりましたからね。
まっさらな偽造IDがそこに入っています。うまくやれば、人間の身元を一人分作ることができる。加賀見だろうが白瀧だろうが、好きにするがいい」
それだけ言うと、男は闇夜の中に去っていってしまった。
曾我部明朗は手元のIDカードを見た。それは、《完全偽装》のちからが込められたカードだったのである。
死の匂いをまとったうろんな剣客は去った。加賀見鏡子が少年の腕をひしと握り、一同がふうと一安心した頃。ルカはウェーバーと連動したタップをいじりはじめた。
ルカ「さーて、じゃあ最後の魔法を使うか〜♪」
加賀見鏡子が使ってくれた《ファイト!》分の一発が、学生組の上には残っていたのである。
ルカ「なーんだ、きばげーって意外といいヤツじゃーん (@´ー`@)」
自分の《不可触》に使用、やや拡大した効果は、お家騒動が通じていた軌道千早の相手、美門巌のアドレスを入手して道が開けてしまうこと。そして悪童屋本店の支配人様は、OKを出してしまった!
悪童屋の人「これでエンディングが1シーン増えますな〜 (´▽`)y-~~~」
一同「増えますな〜 (´▽`)y-~~~」
一同:
∩
( ゚∀゚)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
⊂彡
冬治郎の中の人「萌えっ子に助けられるのイクナイ! ヽ(`Д´)ノ」
そして、増えてしまったエンディング。舞台は広大なる災厄の街の何処か、あるいはアーコロジーの中か、星の世界の住人が好む何処かか。
いずれにせよ美門巌の滞在場所は、軌道千早のエリートに相応しく、純和風なたたずまいであった。
悪童屋と氷血屋:
∩
( ゚∀゚)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
⊂彡
冬治郎「あの小娘に助けられるとは‥‥」
木々と砂と小池の庭の間の廊下を進み、冬治郎は目標のいる部屋へと向かった。障子、畳張りの雅やかな一室へは裏口から忍び込むわけでもなく、正面からゆっくりと近づくと戸の前で膝を折って控える。
一同「仕事人ぽくなってきたぞ! (*´ω`)=3」
冬治郎「なかなかに風雅なところですな。ほう、書道も嗜んでおられるとは」
美門巌「当たり前だ。人の上に立つ高貴なもの、これぐらいのことは嗜んでおかねばな」
下賎な下々の者の姿など目にも入らないといった様子で、老人は机の上から目を離さず、書き物を続けていた。高価な和紙に、古来日本独特の墨というインク。電子文書が当然となったニューロエイジでは珍しい、書道である。
各所に控えている護衛が今日は誰もいないことにも、老人は気付かなかった。障子の影の男がゆっくりと刀袋から見事な漆塗りの鞘を取り出したことにも、老人は気付かなかった。
冬治郎「ところで、この世界で一番美しい芸術品が何か、ご存知ですか」
美門巌「何を言っている?」
冬治郎「日本刀ですよ、美門巌さん」
美門巌「‥‥貴様、何者だ?」
冬治郎「加賀見家のことで参りました」
加賀見家。その言葉を聞いて初めて、老人は筆を止めた。天然動物の毛から作った高価な筆を置き、腰を上げる。
だが、障子の向こうに控える影の方が速かった。障子を脇へ、素早く部屋の中に踏み込む。
冬治郎「――美門巌。お命、頂戴」
夢天一刀流の居合抜きは一撃必中、常にただ一閃のみ。
蛍の描かれた漆塗りの鞘から、一瞬の光が走り‥‥
清和学園の放課後を告げるチャイムが、普段と何も変わらぬ放課後に響いていた。軌道からの刺客と戦った後でも、日常に戻った高校生たちは学生の仕事を果たさねばならない。ルカたち一同は教室の掃除にいそしんでいた。
作業には問題がひとつあった。眼鏡を掛けた一人の女子生徒は真面目に任務に当たっていたが、それ以外の生徒の士気が著しく低かったのである。
ルカ「ねえむっちー、掃除当番なんか何とかしろよー (´ε`)」
睦島千歳「規則は規則よ」
ルカ「汚れてんのは、男子の机だけじゃーん」
睦島千歳「そういう問題じゃありませんっ」
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ルカ「むっちー、頭が固すぎるといい大人になれないよ〜 (´ε`)」
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睦島千歳「あなたが、ゆるすぎなんですっ!!! ヽ(`▽´)ノ」
頭のゆるすぎるオレンジの髪の不良少女に、頭の固すぎる真面目な委員長は爆発寸前だった。ルカは加賀見鏡子の手を取ると廊下に脱出し、親友に囁いた。
ルカ「よしかがみー、逃げよう! (*^▽゚)b」
鏡子「う‥‥うん! (*゚ー゚;)」
ウォーカー顔負けの電子武装を誇るウェーバーが、主の号令を待ちながら浮揚を始めていた。既に“バディシート”を組み込んで二人乗り仕様にしてある。
鏡子を掴んで飛び乗ったルカは、全速力でボーディングを開始した。廊下で掃除中の生徒、談笑中の生徒、下校中の生徒、全員を驚かせながら、ひらりひらりと舞い進む。
二人の背後には、唖然として廊下に飛び出してきた委員長の姿があった。
睦島千歳「待ちなさい、ルカっ! もう、ウェーバー禁止! ウェーバー禁止ですっ! ヽ(`▽´)ノ」
軽やかに逃亡するホバーボードからは、背後に声が掛かった。
ルカ「そうそう、そかべー。お前がかがみーの護衛なんだから、ついて来いよ〜♪」
禁止を主張する委員長の横でほうきを持っていた曾我部明朗は、しばし逡巡した。校舎から飛び出そうとしているウェーバーと、顔を赤くして叫ぶ委員長の顔の両方を見比べる。
睦島千歳「曾我部君‥‥曾我部君?」
眼鏡の奥の清らかな瞳で、ワーデン社の財布を預かる少女は助けを求めるように少年を見た。
不良少女とつるんでいる一味とはいえ、授業態度もいまいちな彼とはいえ、共に銀の守護者の元に集った彼なら。弱きを守ることを誓った彼なら。超新星の街の未来を守る、若き狼の騎士である彼なら――
明朗「‥‥‥‥睦島、すまんっ! (-∧-;)」
睦島千歳「ガーー(´□`;)ーーン!」
大柄な少年は両手を合わせて委員長に頭を下げると、脱兎の如く逃げ出した。いや、兎ではなく狼の速さで逃げ出したのである。
睦島千歳「曾我部君っ! この‥‥この、裏切り者ぉぉぉ!」
背後に響く悲鳴を後に、はぐれ狼は走った。身長185の彼は歩幅も大きい。なんとか遅れを取り戻し、先を進む二人の美少女に追いすがる。
ルカ「ねえかがみー、今日は、ウェンディマーケットに行こうぜ!」
鏡子「うん、行く!」
ルカ「おーいそかべー、頑張ってついてこいよ〜! ('ー`)b」
明朗「く、くそっ!」
速度を上げ始めたホバーボードに、少年も合わせて必死に疾走速度を上げた。
ルカ「かがみー、楽しいか?」
鏡子「うん、楽しいよ」
ルカ「ボクもだ!☆」
二人の美少女を乗せたホバーボードは、平和な街並みを、風を切って颯爽と飛んだ。
明朗「く、くそー、魔性解放してえ〜!!! (>д<)クワッ!!」
はぐれ狼は決心した。血潮を流れる狼の血に助けてもらうことにする。狼の血が高まるに連れ、全身に野生の力が駆け巡り始めた。生身の人間では無理なスピードにさらに上げ、二人に追いすがる。
ルカ「おおー、そかべー、頑張るな!」
鏡子「明朗君、無理しないでね〜! (っ´▽`;)っ」
ルカ「ついたら、ステーキご馳走してやるよ!」
時を改め、工藤夕維の探偵事務所。来訪した依頼人の白瀧美由紀に向かい、ダンピールの探偵の娘は手紙の返事をプリントしたものを渡していた。
白瀧美由紀「あの子は、どうだったのでしょうか‥‥」
夕維「足取りは追いました。楽しい生活は、送られていたようです」
白瀧美由紀「いた、というと、やはり‥‥?」
夕維「――ええ。智子さんはもう、こちらにはいらっしゃいません」
かぶりを振ると、夕維は答えた。世話になった人々の元を離れ、自立して探偵を営むようになってから、彼女が依頼人に嘘をついたのはこれが初めてだった。今の世界を壊したくないという、加賀見鏡子の気持ちに夕維は共感して決めたのである。このシーンではフェイト◎でなくカリスマ◎だったのだ。
白瀧美由紀「あの子は、何歳まで‥‥生きていたのですか (-_-;)」
夕維「ほぼ、その直後ですね‥‥」
工藤夕維は取り決めどおり、正式な報告書を出した。白瀧美由紀は約束どおりの報酬を払った。
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席を立ち、家の奥へ引っ込んだ夜の娘は、一輪の花を手折って戻ってきた。
夕維「これを、智子さんに供えていただけますか」
妹を失くした姉は花を供え、悲しみと共に帰っていった。
夕維「これで、よかった‥‥のよね‥‥」
その後ろ姿を見送っていた夕維は、日の光を遮るカーテンを閉じた。
夕維「あ、鍵忘れた (・о・」
狭の娘が再び出てきたところに、主人公登場! やってきたのは清和学園組の無骨な若者であった。大柄な若者は、時を凍りつかせた少女に頭を下げた。
明朗「夕維さん。ごめん、今回は迷惑をかけた (-人-)」
夕維「迷惑‥‥ですか? (・_・)」
学校の同級生とはいかないまでも、二人は互いの正体を知っていた。
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明朗の体に流れる魔性の狼の血。夕維の血に宿る呪われた吸血鬼の血脈。明朗はいつも不神経気味に猪突猛進前のめりの生き方を勧め、永生者である夕維はそこで一歩下がるのが常であった。
明朗「オレもまだ、迷ってるんだ」
夕維「お姉様には、今報告をしました。
彼女は自分が光の中で笑っていられるよう、その道を選んだのでしょう」
明朗「ああ。オレはこのIDを使う。あいつに過去はない。あいつには加賀見鏡子が似合うよ。
‥‥今回のことで、オレは自分の血の意味が分かった。夕維さんも苦しんでるんだね」
夕維「そう‥‥ですね」
その言葉を聞くと、夕維は表情を硬くした。夜の公子と真教の姫の間に受けた特異な生。何度かあった力の暴走、夜の大公に掛けられた鎖。夜の眷属たちが嘲笑う狭の娘の名。
昼と夜の間の道は細く、彼女は何度も迷ってきた。まだ、振り切れていないものはあるのだ。
夕維「‥‥いえ、何でもありません」
二人はペルソナをアヤカシに変えると、別れを告げた。
明朗「じゃあ、これで。夕維さんも負けないで」
夕維「お気をつけて」
少年は頷き、去っていった。
一同「最後はダロからBBNTになったな〜 (´▽`)y-~~~」
時は先へ、掃除をサボった清和学園組が学校を脱出した後。こちらが明朗のエンディングの扱いである。
あの後、曾我部明朗はIDカードを使った。悲しい過去と白瀧智子という人物は共に消えた。カゲムシャ一族の当主という事情を抱えているとは言え、加賀見鏡子は、加賀見鏡子という人物として今日を生きていけるようになったのだ。
学園を脱出してウェンズデイ・マーケットに到着した面々は、さっそく服選びに熱中していた。
ルカ「かがみー、楽しいか?」
鏡子「うん!」
ルカ「これ、かがみーに似合うよね〜」
明朗「‥‥鏡子。その楽しさを守るために、オレはここにいるよ。
オレにも、守りたいものがあるから (*´-`)」
少年が呟いていると、少女たちが駆けてきた。
鏡子「私、大事なものをいっぱい手に入れたわ。明朗くんは?」
明朗「オレ、独りで背負いすぎたのかなー。そういうわけでもないし、よく分からん。まあこれから、世界を広げていけばいいさ」
鏡子「こんな話を聞いたの。狼は鎖を求めるときがあって、人の元へ戻ってくるときがあるんだって」
明朗「どうだろうなぁ。オレは、“はぐれ狼”だからさ〜」
なんとなく照れ臭くなり、明朗は頭を掻いて笑った。
そんなことをしていると、余計な声がした。
ルカ「だったらさー、かがみーの飼い犬になっちゃえば〜? (*´ω`)ノ」
明朗「おいルカ、犬って言うな! ヽ(`▽´)ノ」
守護すべき主を得たはぐれ狼は怒って走り出し、不良少女は笑って逃げ出した。その手のハンガーに掛かっていた可愛らしい服を、振り返りながら見守る狼の主に見せる。
ルカ「ねえかがみー、この服どう? こんな可愛い服着たら、あんな犬っころもイチコロだぜ〜!☆」
落日のウェンズデイ・マーケットに響くのは、どこか悲しげな歌。だが若者たちは、幸せだった。
そして物語は綺麗にまとまり、めでたくハッピーエンドのはずだったが‥‥悪童屋本店のお達しでもう1シーンがあった。
一同:
∩
( ;゚∀゚)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
⊂彡
冬治郎の中の人「(*‘A‘)イクナイ」
楽しげな夕焼けも終わり、時刻は夜。レーザーライトに浮かぶ摩天楼の夜景と遠くに霞む夜空。災厄の街の夜が始まろうとしていた。あらゆる陰謀と悪徳、闇の眷属と殺人者を覆い隠す夜が。
街路を一人歩いているのはカンパニーマンだった。伊達眼鏡に後ろで縛った髪、奇妙に侍めいた姿を、一陣の風が通り過ぎていった。
冬治郎「風が変わった‥‥。そうか、奴ですか」
加賀見家お家騒動は終わったが、勝負はまだ終わっていない。二振りの電脳剣を操る軌道から来た剣客は、まだこの街のどこかにいるはずだった。
再戦の予感に僅かに微笑みを浮かべながら、朧夜の冬治郎はゆっくりと歩を進めていた。その左手には既に愛刀があった。刀身は二尺二寸五分、作者不詳の妖刀・影蛍。
冬治郎「いい夜だ‥‥。
人を斬るには、とてもいい夜だ‥‥」
独り歩むは悪徳の都、彼方に掛かるは朧月夜。
剣客の携える妖刀の鞘では、漆塗りの鞘に刻まれた見事な蛍の絵姿が、朧夜に照らされてうっすらと輝くのであった。
And so, the curtain dropped,
in peaceful evening and dangerous night .....
-XYZ-
かくして悲しい夕暮れに少年少女の楽しげな声が響き、その後のおまけのシィンはポポイのポイしてハッピーエンドで物語は終わるのでした。
今回なかなか演出に気合が入り、合計23シーンまでいってタロットが一回り寸前まで行っています。
アクト中は分からず、アクト後のヒアリングで分かったのですが、フェイト役の夕維が依頼人に嘘をついたのは彼女の経験アクトの中で初めて。
そして悪童屋本店によると、このシナリオを今まで回した中で、白瀧美由紀に妹は死んだと伝えたのは今回が初めて。加賀見鏡子が元の生活に戻らず、ここまで幸せな描写のある結末になったのは今回が初めてだそうです。おおー。 (*゚▽゚)
しかしやれやれでした。アクト中の
悪童屋と氷血屋:
∩
( ゚∀゚)彡 シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ
⊂彡
の多いこと。合計500回はいってそうです。シュッシュッシュッの力で発電できそうです。むしろこのエネルギーを発電に回してもっと世の中のためになることをして欲しいぐらいです。
おかげでずいぶんと非エレガントながつ分たっぷりのよくないハッスルの仕方をしてしまった気がします。帰りの電車で悪童屋本店に「正直、すまんかった」と謝ってましたよ。財団総帥がアクトの後に謝るなんて! ・゚・(ノД`)・゚ ・。
とりあえず、ポストアクトでもシュッシュッシュッしていた氷血屋さんが言った
「いつものいわしさんはエレガントな大人の中に子供の心も持ったイイ人なのに、今日は最初から最後まで子供のようにはしゃいでましたよ! (*゚▽゚)」
のコトバが、全てのアーマー値とダメージ軽減技能を無視してボキュの心にグサリと、あたかも一瞬の居合斬りのように深いキズを残すのでした。正直、も う だ め ぽ _| ̄|○
さてそんなうろんなハナシはさておきまして。秋深まる季節となってきました。
世の中ではダブルクロスの『アウトランド』のウィアード・エイジがステキだったり。アルシャード・ガイアの上級ルールブックで時を翔ける少女と時間管理局が出てきたりしています。デモンパの上級ルールももうすぐですね。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
N◎VA関連では年末にサプリメント、ファンサイドでは11月の大宇宙オフ13thが80人の定員まであと僅かとなってきました。個人的には前々から懸案だった新作シナリオをそろそろ何とかしないとなぁと頭をひねっている今日この頃です。
それではシュッシュッシュッと良い冒険を! ヾ(´ー`)ノ
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