海の向こうのE3において、コンシューマーの次世代機が発表され、ゲーム関連ニュースはにわかににぎわってきた。
マイクロソフトのXBOX360、SCEのPS3、そして任天堂のRevolution(仮)。まさしく三役揃い踏み。
まだ情報が不明の点も多々あるが、現行での情報からいくつかの分析をしてみる。
現在判明している情報からいくつかの共通するキーワードがある。
一つは互換性。それぞれ現行機種の後継機であり、現行機種、あるいはそれ以前の機種との互換性を持っている。これにはやはり、新機種発売時にはどうしてもソフトのラインナップが貧弱である事、またハードの金額からいって買換え需要の際の取込が可能になるなど、PSからPS2への移行、あるいはGBからGBA、NDSへの移行などの成功例をそれぞれ吟味した結果だと思われる。
この中で一番極端なのはRevolutionで、互換としてはGCのみになるが、FC、SFC、N64という今までの任天堂のソフトをダウンロードサービスによりプレイできるようにする、というものだ。
もう一つがネットワーク。XBOXやPSは現行機種からネットワークについては積極的に進めてきたが、次世代機では標準装備となり、またすでにダウンロードサービスと述べたように、ここへ来てネットワークには慎重であった任天堂も満を持してRevolutionに搭載してくる。
他には、当然ながらハードの性能の向上はどれも行なわれているが、正直この点については僕などにはついていけない。むしろ、その肥大化する性能には危惧を覚えるぐらいで、開発費の高騰が進み、最近続いた合併などソフト会社の淘汰がよりいっそう進む事になるのではないだろうか。
さて、これらを踏まえてそれぞれの機種を評価してみようと思う。
まずはXBOX360。
ハードの能力的な面において、性能向上以外の特にこれという印象はなく、日本から見ると単に仕切り直しという印象がする。
現行のXBOXは日本においては完全に突き放された感があり、一部マニアな層の特定ソフト専用機と化しているわけだが、今回は早くから日本の有名クリエーターなどに開発を依頼し、発売初期から日本向けのソフトをそろえてくるつもりのようである。
マイクロソフトが日本の市場を重要視している、とも取れるが、一方で海外市場でも日本的な作品が受け入れられている、という事ではないだろうか。同時に既存のXBOXとは別の層をXBOX360で世界的に掘り起こす戦略であるとも取れる。
これについてはスクウェアエニックスがFFXIをXBOX360にも投入するという事からも伺える。E3で発表されている事から、日本へ向けての展開が主ではないだろう。欧米でのPCやPS2のFFXIの人気がどの程度か知らないが、XBOXの層はそちらでは新たに掘り起こすにたる充分な数が見込めるのではないだろうか。
海外企業なのだから当然なのだが、全般的に海外展開に主眼が置かれていると思われる。これをどう評価するべきかなのだが、日本展開を意識したラインナップが用意されている点、そして重要なのは、今回発表されている次世代機の中では一番発売予定時期が早い点。初期のラインナップで魅力的なソフトが用意できれば、スタートダッシュで日本でも好位置をキープできる可能性は充分にある。開発のしやすさなどを強調してる点から、初期に安定すれば、サードパーティの増加も見込めるのではないだろうか。
なお、互換性については、実は完全ではなく、看板ソフトを中心になるべく対応する予定のようだが、使えないソフトは多そうである。
次にPS3。
各種メモリーカードなどに対応していたり、HDなどが標準装備されているなど細かい点はいくつかあるが、こちらも全体的にこれが変わったという印象がない。
しかし一番強力なのは、やはりサードパーティのソフトラインナップである。PS2などで人気を博している各タイトルの続編制作が発表されており、磐石の布陣といえる。
言い換えると、戦略的には今までとそう変わらないという事でもある。
別の展開があるとすればPSPや各種メモリーカードなどと絡めた電化製品としてのツールの要素だが、同様の要素は他の次世代機にも用意されている。
やはりPS、PS2で築いたブランド力が一番の武器だといえるが、先にも述べた開発費の高騰により、参入メーカーが次第に限られていく可能性もある。互換性の維持により、PS・PS2のソフトも販売できるとはいえ、新規にいつまでもソフトが出る分野にはあまり見えない。
しかし先の事を置いておけば、現状においてもっとも魅力的なタイトルをそろえている点から、安定感は高いと思われる。やはりソフトあってのハードである。
最後にRevolution。
名前のとおり、一番意欲的なハード。
満を持して搭載したネットワーク機能だが、NDSと同じWiFiによる無線LANで、ネットワークの接続作業などのストレスを可能な限り排する事を目的においている。
独自のWiFiサービスによる展開はNDSを使って、先に広めていく様子でもあり、任天堂ならではのコミュニケーションを展開するつもりのようだ。
注目したい点として、今回同時に発表されたゲームボーイミクロ(以下GBM)がある。これはGBAの最新機であり、名前のとおりもっともコンパクトなGBAだ。NDSを普及中である任天堂が今になってGBMを発表した意図は何か。これには以前から、NDSはGBAの後継機ではない、という発言がポイントだと思っている。NDSがGBAとの互換を持った事からGBA後継機というスタンスが当然となっていたが、NDS発表当初から「NDSはGBAの後継機ではない新しいハード」と言っており、つまりNDSはあくまでも新規開拓のハードであってGBAは今もGBAとして任天堂の中で位置しているのではないだろうか。それがGBMの発表の意図だと考える。同時に、旧機種のソフトダウンロードの箱としてGBMが用意されている可能性は高い。特にダウンロードについてはダウンロード販売専用のソフトが出る可能性もある。このダウンロードやGBA路線の維持は先の開発費高騰への回答の一つでもあるのではないだろうか。NDSのそもそもの目的もゲームはアイデアであるという原点回帰の点にある。こうしたGBMやNDSなどの携帯ゲーム機の有機的なプラットフォームとしてRevolutionが位置するのだろう。この予想図はとても魅力的だと思う。
だが、現行において、心配な点は、ハードの出遅れとソフトのラインナップである。強力な任天堂ブランドのソフトがあるとはいえ、サードパーティの表明は今のところスクウェアエニックスの「FFCC」だけである。この展開はGCの発売当時を想起させる。XBOX360が先行する状況を考えると、突き放される可能性は決して低くはない。任天堂ブランドは子どもの視点を決して失わない、非常に良質の販売展開なのだが、ハードの販売にとっては足かせとなっている。個人的にもっとも応援したいハードだけにがんばってもらいたい。
とりあえず駆け足で評価してみたが、E3も続いており、情報はまだまだ出てくると思われる。今後の発表如何で評価も大きく変わるだろう。
iPodでいうならPhoto=NDS、normal=GBA、mini=GBASP、shuffle=GBM、というような感じになるかも。それだとさしずめRevolutionはMac miniだろうか。
ちなみにGBMが携帯電話(のゲーム)を意識している可能性も高い。