わたしはきみの肌を舐める
表面を這う水滴にかすかにうつった
きみの味が好きなの
固い皮や種なんかは余計だわ
自分でしっかりと持っていて そしていつか大事なひとにあげて
所詮 わたしはきみの味だけを
知りたい 浅はかな フルーツ・マニア
わたしはきみの肌を匂う
今の時代に野生って珍しいものよ
きみはどこから来たの
栄養バランスに興味などない
ひとは快楽のみで生きるにあらず 必要になったら頭を使うわ
所詮 わたしはきみの香りだけで
満たされる おろかな フルーツ・マニア
たまに 想像くらいはしてしまう 許してね
どんな形の根っこから
どんな形の幹が生えて
どんな形の枝のもとに
きみが育ったのかということを
その樹の太さや大きさを
きみが今までその身に受けた 降りそそぐ光と水を
永遠にこの目で見ることなどありえないから
何度か胸に描いては消しているのよ
フルーツ・マニアは悩まないわ
きみにどんな歯形が残っていようとも
きみの奥底に隠された苦みについても
そのジュースが飲めたら幸せ
全てを求めることはしない 貪欲さは大罪だって定められてる
所詮 わたしはきみの甘さだけで
麻痺してしまう そんな フルーツ・マニア
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恋をすれば、分別のためにもまず抒情詩を書くべきだと芥川は言いました。
何となくわかる気がします。