shoot_the_MOVIE

 あなたは、立ち止まる。
 こんなところに、バーがあったかな……?
 目の前の古びた看板には『shoot the MOVIE』。あなたは、小首を傾げながらも、重い扉を押して中に入る。
 たまには、こういう寂びれた店で飲むのも悪くないだろう。
 程よく薄暗い店内には、静けさを引き立てるようにピアノの音が流れていた。思っていたよりも中は広く、想像していたような物憂い雰囲気はない。
「いらっしゃいませ」
 初老のバーテンダーが、メニューを差し出した。彼の黒いベストの銀の刺繍と豊かな白髪が、動きに添って柔らかく光った。
「リッツォ、いいですよ。続けてください」
 バーテンダーの視線の先で、ピアノを弾いていた青年が、椅子に座りなおす。どうやら彼がボーイらしい。眉をぴょこんと持ち上げて、おどけた表情をして見せる。
 あなたは、黒い革で覆われたメニューを開く。『風と共に去りぬ』『ライムライト』『道』『ベン・ハー』『サイコ』『ゴットファーザー』『スター・ウォーズ』『ブレードランナー』『レオン』『タイタニック』……。
「これは? どうやら、ハザード前の映画のようですが?」
 あなたの問いに、バーテンダーは端正な顔を和ませた。
「おっしゃる通りです。ここでは、主に映画細工のカクテルを楽しんでいただいております」
「よーするに、映画のイメージのカクテル、てことですね。もちろん、それに載ってない映画でも大丈夫です。マスター、凝り性だから、なんでも作っちゃいますよ。何を差し上げましょう?」
 リッツォと呼ばれた南欧系の青年が口を挟んだ。バーテンダーに目顔でたしなめられるが、こたえた風もない。
 さて、あの映画はあるかな?
 そしてあなたは、メニューに指を滑らせ始める。

鳥人を偲び、鋼鉄の翼広げる

Handle : ”ノースロップ”   Date : 2001/02/05(Mon) 10:06
Style : カゼ◎アラシ●カブトワリ   Aj/Jender : 30代後半?/男
Post : フリーランス


「……。」しばしの夢想。いつの間にかグラスは空になっていた。
「もう、こんな時間か…。」ノースロップは懐中時計を見やる。
「もう一杯飲んで帰ろう。」懐中時計の蓋を閉じ、ノースロップは桜庭にこう告げた。

「『素晴らしきヒコーキ野郎たち』をいただこうか…。」

 [ No.201 ]


素晴らしきヒコーキ野郎たち (Re:鳥人を偲び、鋼鉄の翼広げる)

Handle : 櫻庭 誠一郎   Date : 2001/02/14(Wed) 23:18
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62歳/男性
Post : shoot the MOVIE マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 グレナデン・シロップ、メロン・リキュール、バイオレット、ホワイトペパーミント、ブルーキュラソー、ブランデー。グラスに静かに注いでいく。

「おまたせしました」
 
  下から虹のように積みあげられた、赤・緑・紫・白・青・琥珀色。子だくさんのメキシコ・チーム。格式を重んじたイギリス・チーム。マニュアル通りのドイ ツ・チーム。レースそっちのけで女を口説いているイタリア・チーム。そして日本・チーム。特色豊かな各国の飛行機野郎が、グラスの中を飛び回る。

 [ No.202 ]


対処療法

Handle : 望月 司   Date : 2001/02/15(Thu) 17:49
Style : カブトワリカ=ブトワリ●、カブト◎   Aj/Jender : 26歳/女性
Post : フリーランス


「ふぅ・・・。」
仕事の後は酒で業を落とす。それが習慣になったのは何時からか、今は思い出せない。
溜息を吐きながらドアを開ける。
ドレス姿の女性。しかし、どんな時でも警戒を怠らないのは職業病である。
そんな自分を苦笑しながらカウンターに進む。
「”フルメタル・ジャケット”をお願いできますか?」
付け加えるように「こんな感じの良いお店でこんな名前を出すのも可笑しいですね・・・」とくすくすと自嘲しながら呟いた。

 [ No.203 ]


飛び行くもの、飛び立つもの

Handle : ”ノースロップ”   Date : 2001/02/19(Mon) 00:35
Style : カゼ◎アラシ●カブトワリ   Aj/Jender : 30代後半?/男
Post : フリーランス


「あの時代のままならば…。」ノースロップはぽつりと呟く。
飛行機が飛ぶことで精一杯だった時代、”鳥人”たちの時代。
そのわずか10年後、ヨーロッパの空を騎士たちが舞い、さらにその20年後、その騎士の末裔が飛んだ。
さらに悠久の時が流れ、新たなヨーロッパが生まれた時代。機械が戦争をするようになって久しい、そんな時代。
「それが人の業か…?」鮮やかなカクテルを眺めながらノースロップは呟く。
「…そうではないと思いたいが…。」グラスを傾ける。

しばらくの後。空になったグラスを置き、ノースロップは席を立つ。
「長居してしまったね…。」バーテンダーにそう言い、ノースロップはドアを開け夜の街に向かって行った。

 [ No.204 ]


フルメタル・ジャケット (Re:対処療法)

Handle : 櫻庭 誠一郎   Date : 2001/03/05(Mon) 23:05
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62歳/男性
Post : shoot the MOVIE マスター&バーテンダー


「かしこまりました。……。お望みのものをおっしゃってください」

 ホワイト・ラム、イエーガーマイスター、ペルノ。フレッシュ・ライム・ジュースをティスプーン1杯。シェイクして、かつら向きにしたライムの皮を飾ったグラスに注ぐ。

「おまたせしました」

 ボーイが空々しく明るい『ミッキー・マウスの歌』を口笛で吹きながら、彼女の前にグラスを置いた。

 にごった、黒い色の中を、妙につやつやした緑色の螺旋が昇る。カクテルを口に含むと、苦味の奥に、心引かれる甘味が覗く。
 パイル二等兵を壊した狂気が、舌の奥を刺激する。

 [ No.205 ]


遠き面影

Handle : "オールド・トム"トーマス・コリンズ   Date : 2001/04/11(Wed) 16:38
Style : フェイト=フェイト◎、イヌ●   Aj/Jender : 26/男性
Post : トーマス&ジョナサン探偵社


長い、長い物思いからようやく我に返って周囲を見まわす。新たな客の姿を見つけ、ずいぶん時間が経っていたことに気付く。
青年の腕には、老マスターから受け取った父のフェイト・コートが抱かれていた。年代物のそれにはしかし、かつての持ち主がくぐりぬけて来た幾つもの修羅場を感じさせる傷跡はなく、むしろ控えめな光沢をもってその存在を示していた。

(こいつが最後のプレゼント、って訳か・・・俺はあなたの姿を追う。たとえ、いかに遠く見えていても)

そして、やや苦笑気味に自らの姿を振り返る。ただひたすら自分の理想を求めるあまり、どれだけのものを失ってきたのかと。だが、それゆえに後悔したことはない――すくなくとも、今までは。

「頑固さってのは、人の持つ業かもしれませんね・・・夢を追い求める気質というのかな、そんな話がありましたね・・・
そう、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』をお願いします」

少し酔っているのかもしれない、そう思いながら彼はマスターに語りかけた。

 [ No.206 ]


ナイトメア・ビフォア・クリスマス (Re:遠き面影)

Handle : 櫻庭 誠一郎   Date : 2001/04/25(Wed) 23:06
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62歳/男性
Post : shoot the MOVIE マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 卵の黄身と白身を別々に泡立てる。黄身に砂糖を加えさらに泡立て、白身も加える。ブランデーとホワイト・ラムを加えてステア。グラスに注ぐ。ホット・コーヒーを加え、軽くステア。

「おまたせしました」

 クリスマス用カクテル、トム・アンド・ジェリーの熱湯をホットコーヒーに代えて。黒いクリスマスがグラスの中に広がる。

「頑固に願い続けないと、見ることのできない夢もございますね。あなた様が、お父様のコートを手にされている光景のように」
 櫻庭は静かに微笑んだ。 

 [ No.207 ]


MIGHT&SWORD

Handle : “狂剣聖”アレサ・マスタフェンサー   Date : 2001/06/28(Thu) 13:05
Style : カタナ◎●、ハイランダー、バサラ   Aj/Jender : 20代?/女性
Post : フリーランス


剣、というものは洋の東西を問わず特別な意味があった。

王の剣、騎士の剣。
帝の証、武士の魂。

古来、英雄達は剣によって文字通り道を「切り」開いてきた。
・・・だが、今は違う。
戦場では銃が横行し、覇者達の武器は金とコネ。
だが、それでも自分は剣に生きる。卑しくも剣聖の二つ名まで貰った身。今更捨てる気など毛頭無い。
故に・・・剣一本で王冠を得た男に敬意を表し・・・
「・・・『コナン・ザ・グレート』を作っては貰えないか」

 [ No.208 ]


コナン・ザ・グレート (Re:MIGHT&SWORD)

Handle : 櫻庭 誠一郎   Date : 2001/07/11(Wed) 23:17
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62歳/男性
Post : shoot the MOVIE マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 ガリアーノ、レモンハート・ホワイト。ステアして、大ぶりのゴブレットに注ぐ。生クリームをフロート。

「おまたせしました」

 生クリームの重厚な味わい。勇将の名を持つ、薫り高い黄金色のガリアーノが、それを押し破って口に達する。ガリアーノに含まれる薬草が、力となって体を巡る。
 老魔術師の魔法で再現された昔は、文明に飼いならされる以前の荒々しい風景を湛えていた。

 [ No.209 ]


彼女の名はトレイシィ

Handle : ”スタン官”伊緒奈=トレイシィ   Date : 2001/10/22(Mon) 14:12
Style : イヌ◎カゼ●カブト   Aj/Jender : 23/F
Post : BHヨコハマ


「お邪魔さん。」ドアを開けて一人の女が入ってくる。

 「ふい〜。くたびれたわ〜…。」 
使い込まれたブラックハウンドのジャケットを羽織り、オーサカ訛りのような口調で喋るその女はカウンターに座ったとたん突っ伏す。

「マスタ〜。”ポリス・アカデミー”ちょうだいな〜。」
気の抜けるような声で伊緒奈は注文する。

 [ No.210 ]


若獅子、来店

Handle : “若獅子”天津 元一郎   Date : 2001/11/05(Mon) 01:01
Style : Inu◎,Kabuto●,Chakura   Aj/Jender : 27/M
Post : ブラックハウンド機動捜査課


 「ちぃーす・・・」さらにドアを開け、男が入ってきた。
 その体躯は2mを越え、ドアをくぐらなければ店に入ることができなかった。

 「よ、お疲れさん」
 男は、カウンターに突っ伏している同じ猟犬に、いたわりの挨拶をする。
 彼のコートにも、「ゴールデン・ビンチェル」が光っていた。
 「疲れてるのは分かるけどよ、もうちっとシャキッとしようぜ。
 俺たちはブラック・ハウンドなんだからさ」

 そういって、隣に座り、携えていた銀のトランクを床に下ろす。

 「マスターも、礼儀のなってない客だと思うだろうけど…
 人手不足で俺たちも辛いんですよ。大目に見てやってください」
 
 「さて…俺は何注文しようかな?」
 猟犬たちは、みな疲れていた。
 この街が危険な街なのはともかく、軍の圧力は理不尽ともいえる。彼らが白といえば白になり、黒といえば黒になる。
 ハウンドは彼らの命令で、裁くだけの存在になってしまった。
 大半の隊員たちは閑職でくすぶるか、上にへつらうかのどちらかだ。
 それでも、自分の「法」を貫くため、頑張っている奴はいる。
 俺や彼女のように。

 そんな時思い出すのだ。
 鋼の体に脳を移植され、思考まで管理されながら、自分の正義を貫いた「ロボット警官」のことを。

 
「『ロボコップ』を頼めますか?」
 

 [ No.211 ]


やってもぉた…。

Handle : ”スタン官”伊緒奈=トレイシィ   Date : 2001/11/06(Tue) 12:45
Style : イヌ◎カゼ●カブト   Aj/Jender : 23/F
Post : BHヨコハマ


>「よ、お疲れさん」一人の男が伊緒奈の脇に座る。
>「疲れてるのは分かるけどよ、もうちっとシャキッとしようぜ。
 俺たちはブラック・ハウンドなんだからさ」

 その声に伊緒奈はわずかに片手を上げるだけだった。

 しかし、男の次の一言で伊緒奈はあることを思い出した。
>「マスターも、礼儀のなってない客だと思うだろうけど…
 人手不足で俺たちも辛いんですよ。大目に見てやってください」

『伊緒奈、ここでそういうだらしない事するなら他所行ってくれない?
 ただでさえ市警のあなたがここにくるってことで波風立ってるんだから。』
故郷で姉に言われた言葉だ。
 伊緒奈は目を開き、すっくと上体を起こす。
「えらい、すんませんでした。」伊緒奈は桜庭に深深と頭を下げる。
 人の集まる場所にはルールがある。伊緒奈はその事実を忘却の彼方に流し去っていた。そのスールを守ること、守らせることが彼女の存在意義だというのに。

『情けないな…。』ほんのわずか、表情を曇らせる。

 [ No.212 ]


ロボ・コップ  ポリス・アカデミー

Handle : 櫻庭 誠一郎   Date : 2001/12/01(Sat) 23:21
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62歳/男性
Post : shoot the MOVIE マスター&バーテンダー


「恐れ入ります。お気遣いいただき、ありがとうございます」
 老マスターは、慇懃に一礼。言葉を継ぐ。
「お疲れでしたら、上着をとられたほうが、よろしゅうございましょう」
「リッツォ、お預かりしなさい」
「あちらのテーブル席が、開いてございます。ごゆっくり、おくつろぎください」
 ボーイに案内させる。二人の客が背を向けたのを確認し、カウンターを拭く。手を洗い清めた。

 バーボンをシェイカーにいれる。テキーラ、ペパーミントジェット31を別のシェイカーに。ライムジュースを両方のシェイカーにいれる。前者をシェイク。氷の詰まったコリンズ・グラスに注ぐ。後者をシェイク、同型のコリンズ・グラスに注ぐ。両者をバドワイザーで満たす。

 ボーイが銀の盆に2つのグラスを載せる。
「ご注文は”ロボ・コップ”と”ポリス・アカデミー”」
 ボーイは二人に、特に女性に笑いかけた。
「以上ですか。きっといい警官になるでしょう」

 [ No.213 ]


流せない涙色のカクテル

Handle : “Disaster Moon”千早桂那   Date : 2001/12/13(Thu) 20:47
Style : クロマク、エグゼク●、ハイランダー◎   Aj/Jender : 20/女性
Post : 軌道千早



 奥の椅子に座ろうとすると、老マスターが柔らかな微笑みをむけてきた。一瞬重なった視線は、クロークへと向けられる。
 確かに店内で、上着は脱ぐべきだろう。しかし……
「マナー違反だとはわかっているけれど、勘弁してくださる? 店の雰囲気を壊したくないの……それに一杯いただいたら、すぐ帰るわ。ごめんなさい」
 作った笑顔には、少しばかり困惑が混じっていたと思う。なにかを察してくれたのか、マスターは無言のまま、うなずいてくれた。
 コートの下には、ステージ衣装を着たままだった。ほんの一時間ほど前まで、歌姫としてステージに立っていた、この身体――。

 ひとつの身体にふたつの心を持つ私。ふだんは歌手の偽装人格に包まれ、眠っている。
 でも……時々、疑問を感じる。果たしてどちらが本物の「桂那」なのだろうかと。

 着替えている時間すら、私にはなかった。上司に「呼び出され」、密命を帯びた、その帰り。
 疲れきった身体を休めたかったし、喉がひどく渇いていた。
 あまり衆目に姿をさらせない私だから、すぐさま帰宅すべきだった……わかってはいる。
 でも今日は、なぜか無性に人恋しかった。
 ――人恋しい?
 そんなことを想ったのは、初めてかもしれない。寂しがり屋の“プラチナ・ドール”でもあるまいし。
 ――今日は、どうかしている。

 ピアノの調べに耳を傾けつつ、私はメニューを閉じた。
「『ベティ・ブルー』を」 

 [ No.214 ]


アイリッシュの兄弟

Handle : “法皇”和知 真比人   Date : 2001/12/16(Sun) 02:08
Style : 黒幕◎,狩魔●,拝乱駄   Aj/Jender : 49/♂
Post : 隠居


 長らく沈黙を保っていた男は,思索の海から現実へと帰った。思ったよりも時間が過ぎていたようで,店の顔ぶれもかなり変わってきている。ポケットロンで確認するが例の件もまだ解決していないようだ。
 男は嘆息すると,最後の注文をすることにした。長居し過ぎなのだから。
「父と子と聖霊の御名によりて“処刑人”を頼む。」

 [ No.215 ]


ベティ・ブルー (Re:流せない涙色のカクテル)

Handle : 櫻庭 誠一郎   Date : 2001/12/22(Sat) 00:17
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62歳/男性
Post : shoot the MOVIE マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 老マスターの声にあわせて、ピアノの曲が変わった。ゾーグが奏で、ベティが一つの鍵盤を叩いて合奏したメロディ。「love to sleep」。

 ブルー・キュラソーの入った、細い脚のゴブレットにクラッシュド・アイスを詰める。ミドリ(メロン・リキュール)、レモン・ジュース、ボルドーワイン赤を注ぐ。グラスの縁に黒オリーブを飾る。

「おまたせしました」
 
 黄、緑、深緑のグラデーションの上から、深紅のフランスワインが覆い被さっている。華奢なグラスは自らの中に湛えられた重さに蝕まれながら、冷え冷えと立っていた。

 [ No.216 ]


若獅子、退場

Handle : “若獅子”天津 元一郎   Date : 2001/12/25(Tue) 03:12
Style : Inu◎,Kabuto●,Chakura   Aj/Jender : 27/男
Post : ブラックハウンド機動捜査課


 「ありがとうございます」
 彼は、丁重な礼を述べ、グラスを傾ける。
 そのたくましい腕の動きはどこか、マシーンを連想させた。

 しばらくして、ボケットロンの呼び出し音が鳴り響く。
 「はい・・・OK、急行しよう」
 彼は、足元においてあった烏帽子ヘルメットを取り、かぶった。
 スリット式のバイザー、銀を基調にしたデザインは、まさに機械警官の姿でった。
 「また、来ると思います。それでは」
 彼は、ベイシックフレームの左腕で、シルバーを置くと、悠然とドアに向かっていった。

 {天津 元一郎 退場}

 [ No.217 ]


処刑人 (Re:アイリッシュの兄弟)

Handle : 櫻庭 誠一郎   Date : 2001/12/27(Thu) 23:10
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62歳/男性
Post : shoot the MOVIE マスター&バーテンダー


「かしこまりました。主の御力を得て主の命を実行せん」

 恭しく一礼し、棚に手を伸ばした。
 ブッシュミルズ(アイリッシュ・モルト・ウイスキー)、グレナデン・シロップ、フレッシュ・ライム・ジュース。氷入りのオールド・ファッションド・グラスに入れステア。トニックウォーターで満たす。

「おまたせしました」

 グラスの中のアイルランドの「生命の水」は鮮やかな紅に染まっている。口を近づけると、微かに海の香りがした。

 [ No.218 ]


法皇は帰らん

Handle : “法皇”和知 真比人   Date : 2001/12/28(Fri) 20:14
Style : 黒幕◎,狩魔●,拝乱駄   Aj/Jender : 49/♂
Post : 隠居


「Amen,主の御名を褒め称えん。」
男は,酒を飲む。聖夜は過ぎ,苦しみ多き世の中でのささやかな喜び。
(我々はいつまでこんなことを続けなければならぬのか・・・)
 嘆息とともに席を立ち,ゴールドを一枚後に残した。まどろみの時は終わりを告げ,再び現実へと帰るのだから。
【退出】

 [ No.219 ]


グラデーション

Handle : “Disaster Moon”千早桂那   Date : 2002/01/23(Wed) 12:24
Style : クロマク、エグゼク●、ハイランダー◎   Aj/Jender : 20/女性
Post : 軌道千早


マスターの絶妙なセンスに半ば感心し、半ば自分自身を見透かされたような怯えを感じながら、グラスを傾ける。
赤ワインの深い味。その底に隠れた、いくつものリキュールの香り。
すべてが混じり合って、はじめてひとつのカクテルができあがっている。
――私も「本物」に固執する必要など、ないのでしょうね……
ほんの少しのこだわり。それを圧倒する安堵。
まさしく自分が、自分自身の重みに潰されかけていたと、一杯のカクテルが教えてくれた。

“ベティ・ブルー”を飲み干し、会計を済ませると、私は店のドアを開け……一度だけ、振り返った。
「ごちそうさま――『私達』が安心して寄れる店を、初めて見つけた気がします」
そして、マスターに笑顔を見せた。
ほんとうに笑えたのは、いったい何年ぶりだろう……。
【退出】

http://www.memorize.ne.jp/diary/23/49674/ [ No.220 ]


理想の…

Handle : ”スタン官”伊緒奈=トレイシィ   Date : 2002/03/14(Thu) 03:53
Style : イヌ◎カゼ●カブト   Aj/Jender : 23/F
Post : BHヨコハマ


 伊緒奈は顔を上げる。ずいぶん長い時間が経っていたように思ったが、カクテルの冷え方からしてさほどの時間は経っていないようだった。

「あれ…?」天津がいなくなっていることに改めて気づく。
「…そないぼ〜っとしとったんやろか…。」呟いてグラスを手に取る。

「いい警官か…なれるんやろか…。や、ならなあかんな…。」グラスを傾け、ゆっくりと味わう。そして。

「いろいろ、すんませんでした。”ディック・トレイシー”堂々と頼めるようになったら、また来ます。」支払いを済ませ、上着をまとって伊緒奈は扉に向かう。

【退出】

 [ No.221 ]


A Knight's Tale

Handle : “カウンセラー”荒 一<Ara Hazime>   Date : 2002/03/17(Sun) 14:50
Style : カリスマ=カリスマ◎●,マヤカシ   Aj/Jender : 30/♂
Post : カウンセリグオフィス経営


「どうもお邪魔します。」
スーツ姿の男性はカウンターに座った。
「知人に聞いて来たんですよ。良い映画を見た時はここに来るといいって。」
 そこまで,言うと沈黙の空気が流れる。どこか抜けた印象の男であるが,間の取り方もあまりうまいとは言えなかった。
「A Knight's Taleという映画をみたのですが,それでなにかお願いできますか?“ロック・ユー!”という題名でもあるんですが,複数の時代の融和をはかるというか,なんていうか,メイキングがまた面白くて・・・」
 男はやや興奮気味にまくしたてていた。

 [ No.222 ]


ロック・ユー! (RE:A Knight's Tale )

Handle : 櫻庭 誠一郎   Date : 2002/03/30(Sat) 23:25
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62歳/男性
Post : shoot the MOVIE マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 手を流れるように動かしながら、老マスターは、男性の語りに頷き、相槌をうち、微笑みかけた。 

 シトロン・ジェネヴァ(レモン・リキュール)、ストーンズ・ジンジャー・ワイン。アンゴスチュラビターズを3ダッシュ。トニックウォーターで満たし、軽くステア。

「お待たせしました」

 英国伝統のジンジャー・ワインを、爽快感溢れたシトロン・ジェネヴァが巧みにアレンジしている。
 店の片隅のピアノから、“We Will Rock You”が聞こえ始めた。

 [ No.223 ]


We are the champion・・・

Handle : “カウンセラー”荒 一<Ara Hazime>   Date : 2002/04/03(Wed) 19:41
Style : カリスマ=カリスマ◎●,マヤカシ   Aj/Jender : 30/♂
Post : カウンセリグオフィス経営


 ピアノの洒落たサービスに荒は満足気にグラスを傾ける。
(最高の時間だ!)
荒は興奮気味にそう思った。ピアノの曲は<災厄>前ののナンバーをまさしく,映画で流れた順に演奏していく。
 We are the champion〜あの有名すぎる曲が流れ出した時に荒はふと思った。
(あの演奏している青年はこの映画を知っていたのだろうか?それともこのマスターはすべての映画に通じているとでもいうのだろうか?)
 そこまで考えると,無邪気な興奮がやや冷めた。
(一流の店というのはこういうものなのかもな)
「マスターはどれくらいの映画をみたことがあるんですか?おすすめのものとかもありますか?」
 期待を込めて荒は尋ねた。
(あまり難解なものでなければ良いな。)
と,少し言った後に後悔もしていた。

 [ No.224 ]


“Black is Beautiful”

Handle : “シャークバイト”ジョー・オコンネル   Date : 2002/04/03(Wed) 23:51
Style : 益世狗◎兜●投喜居   Aj/Jender : 33/M


彼は黒人だった。
見上げるような屈強な身体を馬革のスーツで覆い、毛皮のコートを羽織ったままカウンターについた。肌より黒い髪をドレッドにし、無造作に後ろでまとめている。
品のいいマスターに彫りの深い荒削りの相貌をわずかに崩し、白い歯を煌めかせながら彼は口を開いた。
「俺は辛いのが苦手でね。口当たりのいい、甘いので頼めるかい?」
切れ味のいいものを好みそうな風体だったが、彼はコートを脱ぎながらそう言った。
大きな掌で磨きぬかれたカウンターを愛撫する。
「『黒い太陽/731』を頼む」
 胡桃のオイルが馴染んだカウンターに映った自分の顔を熱心に見ている。
「……おっと、俺が黒いからじゃ、ないぜ」

http://www.ucatv.ne.jp/~fkd/index.htm [ No.225 ]



Handle : “カウンセラー”荒 一<Ara Hazime>   Date : 2002/04/08(Mon) 19:09
Style : カリスマ=カリスマ◎●,マヤカシ   Aj/Jender : 30/♂
Post : カウンセリグオフィス経営


時として他人の考えが読める時がある。それは誰にでも経験のあることだろう。ましてや荒は人の精神(ココロ)を扱う仕事の者である。
(・・・そういうことか・・・)
初老のバーテンダーがいつのまにか作ったカクテル・・・それは気付くとすでに荒の手の中にあった・・・を飲み,その意味を再確認する。そして,しばし黙り込む。




 ふと見ると,新たな客がいた。耳をそばだてて,話を聞く・・・盗み聞きは良い趣味とは言えないが。そして,尋ねた。
「『黒い太陽/731』ってどんな映画なんです?」
 荒のグラスは空になっていた。

 [ No.226 ]


Re:問

Handle : “シャークバイト”ジョー・オコンネル   Date : 2002/04/11(Thu) 02:15
Style : 益世狗◎兜●投喜居   Aj/Jender : 33/M


それは彼の故郷の風習からすると無作法な声のかけ方だったが、別に気にする風もなかった。
なぜなら彼はとっくの昔にこの街の匂いに染まっていたからだった。
「……まあ、俺に聞くよりそこらのシネウェアを見たほうが早いだろうが、俺の考えからするとヒューマンドラマだ」
彼は愉快そうに笑った。
「それより、どうだ?同じのをこのマスターに頼んでみちゃ。そうすれば分かるかもしれないぜ」

http://www.ucatv.ne.jp/~fkd/index.htm [ No.227 ]



Handle : “カウンセラー”荒 一<Ara Hazime>   Date : 2002/04/12(Fri) 05:34
Style : カリスマ=カリスマ◎●,マヤカシ   Aj/Jender : 30/♂
Post : カウンセリグオフィス経営


「確かに,そうですね。同じものを味わえばまた違うものです。」
 荒はマスターに頼む。
「すいません。私にも同じものを・・・」
 (・・・シネマウェアか。探して見つかればいいのだが,)

 [ No.228 ]


黒い太陽/731 (RE:“Black is Beautiful” &解)

Handle : 櫻庭 誠一郎   Date : 2002/04/15(Mon) 06:43
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62歳/男性
Post : shoot the MOVIE マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 サントリー・ノーブル・ドール(ブランデー)、ゴディバ(チョコレート・リキュール)、エーデル・キルシュ(チェリー・リキュール)をシェイク。オールド・ファッションド・グラスに、桜の花入りの氷を沈める。注ぎ、ビターズを1ダッシュ。

「おまたせしました」

 黒に近い紅の中央に、白い花が浮かんでいる。
 むせかえりそうな甘い香り。それは、ノーブル・ドール(黄金の貴族)やエーデル(高貴)という名、王室御用達という授けられた名誉(ゴディバ)の匂い。
 悪魔でも飽食しそうな甘さを、桜の氷が、口当たりのいいものにしている。
 厄災前の日本の七三一部隊、他人を餓えさせながら飽食していた日本人が、ふたつ並んでそこににいた。

 [ No.229 ]


Buck’s B.S.

Handle : “シャークバイト”ジョー・オコンネル   Date : 2002/04/16(Tue) 22:29
Style : 益世狗◎兜●投喜居   Aj/Jender : 33/M


彼は無言でグラスをとり、高い鼻を突っ込むように香りをかいだ。僅かに小鼻に皺を寄せ、もったいぶるように一口ふくむ。
しげしげと大きな手の中の小さなグラスを眺め、ふと口を開いた。
「ショコラとグリーンを混ぜるとは大胆だな。お互い匂いは変わっちまってるが、変わった味だ」
指先で酒面を泳ぐ桜を弄ぶ。
「ただ氷が……ロングカクテルでも薄くなるのはもったいないな。ゆっくり楽しむなら、こいつは無粋だぜ」
そう言いつつも彼は一息に飲み干した。
「ま、好みは人それぞれだ。あんたは、どうだい?そいつを飲んで、一体どういう映画だと思った?聞かせてくれよ」
白い歯をきらめかせて、隣の男に笑いかける。

http://www.ucatv.ne.jp/~fkd/index.htm [ No.230 ]


向き不向き

Handle : “カウンセラー”荒 一<Ara Hazime>   Date : 2002/04/17(Wed) 05:34
Style : カリスマ=カリスマ◎●,マヤカシ   Aj/Jender : 30/♂
Post : カウンセリグオフィス経営


 荒は用心深くグラスを取ると,匂い・・・香りを確かめ,口に含む。
 隣の男が氷で薄まることについて何か言うのが聞こえた。そして,男が笑いながら話し掛けてくるのが見えた。この男,歯がやけに白い・・・ウェットだろうか?
「そ う,好みは人それぞれでしょうね。無粋かもしれませんが,私は氷で薄まってくれた方が飲みやすい。すぐ飲むのではなく,氷がある程度解けるのをまってから 飲む方が好みでしょうか。このままでは私にはくどすぎる。・・・映画も軽い気持ちで見れるものではなさそうですね。十分な鑑賞時間を確保できる時に見るよ うにしたいですよ。」

 [ No.231 ]


“I Dig you”

Handle : “シャークバイト”ジョー・オコンネル   Date : 2002/04/18(Thu) 23:59
Style : 益世狗◎兜●投喜居   Aj/Jender : 33/M


「まあ、確かにくどいな」
彼は大きく長く息を吐いてからのグラスのなかの氷を鳴らした。
やたらと喉を鳴らして唾を飲み込む。甘すぎたらしい。
「映画の内容からいったら、仕方が無いんだろうがな。気持ちは分かるぜ」
バックバーにむやみに並ぶボトルを眺めながら、呟くように口を開いた。
「……Doojerみたいにすっきりするようなもの……『阿修羅/ミラクル・カンフー』を一杯もらおうか」

http://www.battlebots.com/ [ No.232 ]


自称、レディ・ジョーンズ

Handle : ”観察者”南部 カナ   Date : 2002/04/25(Thu) 21:34
Style : Kaze◎Kabuto●Kabuto-wari   Aj/Jender : 43/F
Post : 帝大考古学部


一人の女性が扉を開けた。
テンガロンハットにサファリスーツ姿。見た目は30代半ばだが、瞳の輝きはそれ以上の年齢を感じさせた。

帽子を預け、彼女はカウンターに座る。
「”インディ・ジョーンズ”をお願い。
作品はマスターのお任せで。」
年に似合わぬ無邪気な表情でカナはオーダーした。

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Toys/1745/nova/ntn_cg.htm [ No.233 ]


阿修羅/ミラクル・カンフー(Re:“I Dig you”)

Handle : 櫻庭 誠一郎   Date : 2002/04/29(Mon) 23:10
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62歳/男性
Post : shoot the MOVIE マスター&バーテンダー


「かしこまりました」

 慇懃に一礼。
 氷を入れたグラスにカンパリを注ぎ、ジンジャー・エールで満たす。マドラーを添えて出す。

「おまたせしました」

 下半分が赤、上半分が白のカクテルは、合体させてくれる導き手を待ちながら、佇んでいる。

 [ No.234 ]


Bad Go.

Handle : “シャークバイト”ジョー・オコンネル   Date : 2002/05/04(Sat) 23:56
Style : 益世狗◎兜●投喜居   Aj/Jender : 33/M


マドラーを静かに使って上下にかき混ぜる。
赤みの強いピンクのそれをひとくち含み、彼は口を窄めた。
「苦い……」
しげしげとグラスを持ち、そのカクテルを眺めた。
「勝利の味は苦し、というわけかい?注文とは違うが、まあいい。体にはいいだろう。“体は大事にしなきゃな”」
彼は静かにグラスを傾けはじめた。

http://www.ucatv.ne.jp/~fkd/index.htm [ No.235 ]


インディ・ジョーンズ (Re:自称、レディ・ジョーンズ)

Handle : 櫻庭 誠一郎   Date : 2002/05/12(Sun) 23:49
Style : ミストレス◎、タタラ=タタラ●   Aj/Jender : 62歳/男性
Post : shoot the MOVIE マスター&バーテンダー


「かしこまりました。では”魔宮の伝説”はいかがでしょうか? ……ありがとうございます」

 ドライ・ジン、コアントロー、レモン・ジュース。シェイクし、カクテルグラスに注ぐ。

「おまたせしました。魔宮の伝説、またの名を、スタンダードカクテル・ホワイトレディです。……はい、物語の始まりでございます」

 ジョーンズが冒頭で飲み干し、冒険に出るきっかけとなった古いカクテルを供しながら、老マスターは微笑んだ。
 ピアノから、あのメロディが聞こえてくる。

 

 [ No.236 ]


Re:インディ・ジョーンズ (Re:自称、レディ・ジョーンズ)

Handle : ”観察者”南部 カナ   Date : 2002/05/21(Tue) 10:40
Style : Kaze◎Kabuto●Kabuto-wari   Aj/Jender : 43/F
Post : 帝大考古学部


> 「かしこまりました。では”魔宮の伝説”はいかがでしょうか? ……ありがとうございます」

カナは老バーテンダーのあざやかな手つきをじっと見つめている。

> 「おまたせしました。魔宮の伝説、またの名を、スタンダードカクテル・ホワイトレディです。……はい、物語の始まりでございます」

ピアノが奏でるメロディーに耳を傾けながらカナはグラスに口をつける。
「やっぱり、彼は格好いいわ…。」そうつぶやいて。

 [ No.237 ]


[ Non Title ]

Handle : : “カウンセラー”荒 一<Ara Hazime>   Date : 2002/06/26(Wed) 19:04
Style : カリスマ=カリスマ◎●,マヤカシ   Aj/Jender : 30/♂
Post : カウンセリグオフィス経営


・・・ようやく飲み終えた。
向き不向きはあるものだ。
好む映画とカクテルに因果関係があるのだろうか。
得てでなくとも最後まで飲んだのは律義さの現われ。・・・何より氷に救われたことは内緒だ。
 あの男はすでにもう一杯注文しそれも飲み終えていた。どうやら次に何を頼もうか試案しているようにも見える。
 ぼんやりとカウンターの向こうを見ているとなにやらマスターが忙しそうにしているのが見える。
酔った頭は働かず,何がどうしたか分からなかったが,荒はそれをぼんやりと眺めつつ,ピアノに耳を傾けていた・・・。
 (この曲はなんだったろうか・・・?)

 [ No.238 ]


帰宅・・・

Handle : “カウンセラー”荒 一<Ara Hazime>   Date : 2002/10/11(Fri) 19:54
Style : カリスマ=カリスマ◎●,マヤカシ   Aj/Jender : 30/♂
Post : カウンセリグオフィス経営


時は流れる。
店に入ってから程よい時間が過ぎ去ったろうか・・・。
そろそろ帰るに相応しい時刻だろう。
荒はひっそりと勘定を終え,静寂の中,店を後にした。

 [ No.239 ]


コラテラルダメージ

Handle : “人事部長”石目夷吟   Date : 2002/10/11(Fri) 20:06
Style : エグゼク◎,カリスマ●,クロマク   Aj/Jender : 45/♂
Post : イワサキ


「ふぅっ・・・お邪魔しますよ。」
男は息をつくと,カウンターにつく。
「奇跡の合成酒,“伏水”をお澗で・・・」
おしぼりで顔を拭きながら,注文を告げる。
「え?災厄前のカクテルが売り?へぇ〜♪」
少し思案する男。
「コラテラルダメージとかいう映画があったんですが,それを頼めますか?」
無機質な微笑を浮かべ,そして続けた
「今も昔も・・・人間はいつまで愚かなんでしょうね・・・。」

 [ No.240 ]


…………Bug off.

Handle : “シャークバイト”ジョー・オコンネル   Date : 2002/10/14(Mon) 23:32
Style : 益世狗◎兜●投喜居   Aj/Jender : 33/M


静かに店を出て行く、隣の席に座っていた男を目で追った。

バーで隣の席についた、ただそれだけの。
それ以下でもそれ以上でもない。だが、ジョーはこういうときに運命だとか縁だとか無常だとかいう青臭い事を考え込んでしまうのだった。
空になったグラスを弄び、無意味な笑みを頬に浮かべる。
気がつくと、また新しい客が入ってきていた。

http://www.ucatv.ne.jp/~fkd/index.htm [ No.241 ]


必然

Handle : “人事部長”石目夷吟   Date : 2002/10/15(Tue) 01:48
Style : エグゼク◎,カリスマ●,クロマク   Aj/Jender : 45/♂
Post : イワサキ


 石目夷吟がジョー・オコンネルが同じ店に居合わせたのはまったくの偶然だった。他にも客がいるわけだから,特にジョー・オコンネルと二人きりというわけではない。だが,石目夷吟にとってはそこにいたのがジョー・オコンネルであるということが意味があった。
「最近,景気は如何ですか?」
テキーラベースのカクテルを受け取りながら,石目は笑みを浮かべている男・・・オコンネルに問うた。

 [ No.242 ]


Buck’s B.S. 2

Handle : “シャークバイト”ジョー・オコンネル   Date : 2002/10/28(Mon) 00:45
Style : 益世狗◎兜●投喜居   Aj/Jender : 33/M


「景気?さあね。俺はいま無職の身なんでね、詳しいことは知らないさ。けど、あんたの会社はそんなもん関係ないだろ?」
こんな初対面の挨拶もないものだが、ジョーはそんなこと気にもとめなかった。
彼はどちらかといえば保守的な性格だったが、変化に対応する柔軟な姿勢をすでに勝ち得ていたのだから。
その場の状況に合わせて、慎重にも、奔放にも。
必要とあらばDoojerだってやるし、Like a rockと呼ばれることも。
もう手垢だらけで黒ずんだ言葉だったが、彼はクルードとテクニカルについての警句をその逞しい胸の奥に刻み込んでいた。そして、それがこの街で生きていくために絶対必要なことだと考えていた。
「……俺だけ何も飲まないだなんて、Barで許されるわけがないな。マスター、それをくれ……ボトルごと……ああ、ありがとう」
アネホと泡立つ炭酸をグラスに満たして、掌とカウンターで弾く。
それを一息に飲み干し、その男に向きながら、ジョーは口を開いた。
「いいスーツだ」

 [ No.243 ]


BLAC K HAW K DOWN

Handle : “人事部長”石目夷吟   Date : 2002/10/28(Mon) 18:52
Style : エグゼク◎,カリスマ●,クロマク   Aj/Jender : 45/♂
Post : イワサキ


「それはどうも」
 スーツを誉められるのは悪くはないものだ。
「無職というわりにはとても羽振りがよさげに見えますが・・・」そこまで言って自分のグラスが空なのに気付く。
「そこのブランコを思いっきり水で割って下さい,マスター。もしくはブラックホーク・ダウンで軽目のカクテルを♪」
 遺伝的にも極東人である石目は決して酒豪ではない・・・が,酒場の“酔った”雰囲気は好きだ。
 そして再び向き直る。
「話し掛けられて気に障りましたかな?」

 [ No.244 ]


Laugh-in

Handle : “シャークバイト”ジョー・オコンネル   Date : 2002/11/02(Sat) 23:38
Style : 益世狗◎兜●投喜居   Aj/Jender : 33/M


「気になんかしないさ」
彼が気に触るのは酒を水で薄める事と、安葉巻の匂いを嗅がされる事、そのふたつきりだった。
忍耐を身につけている彼は、だがグラスを空のままにしておく辛抱強さは持っていなかった。それは彼の持っている忍耐とは別のものだったから。欲しくなったら神様に100回アーメンと言って授けてもらうつもりだった。
グラスを満たし、ちびちび口に運ぶ。
「……仕事をしなくとも食っていけるまでになったんでね。すっぱりとやめた。気ままに好きな事をしているのさ。へたな油絵を描いたり、友達の話し相手になったりな」
絵筆を握るような身振りで呟く。

http://www.ucatv.ne.jp/~fkd/index.htm [ No.245 ]


自虐的時間

Handle : “人事部長”石目夷吟   Date : 2002/11/04(Mon) 23:53
Style : エグゼク◎,カリスマ●,クロマク   Aj/Jender : 45/♂
Post : イワサキ


「最近はどのような絵を?」
石目は微笑しつつオコンネルを見た。
マスターが作ったカクテルは黒い液体だった。確かに口当たりは悪くなく度数も低い様だが,石目には何と何を混ぜたものかまるで見当がつかなかった。
 それほどオコンネルは興味深かった。
 仕事が無い,つまり,暇・・・それは苦痛な時間だ。
 どうしてこの男はここまで自虐的なことができるのだろう?石目にとって実に興味深い発言であった。

 [ No.246 ]


自動車購入

Handle : Ta   Date : 2002/11/05(Tue) 15:59


「こちらの車はどうでしょうか?」
赤い車のカタログを出した。
購入者がじっと見ている
バーのマスターもジロリと見ている。
こんなところでこんな時間でこんなこと、ここでやるやつがいるものかと思ってたら、
「この車にします」
といい、金のたくさん入ったアタッシュケースを出していた。
「これは車購入よりワイロだな・・・」
マスターがいった・・・・
それが本当にわいろだったらどうなるのだろうか・・・

 [ No.247 ]


I will fuck over red car man.

Handle : “シャークバイト”ジョー・オコンネル   Date : 2002/11/20(Wed) 21:56
Style : 益世狗◎兜●投喜居   Aj/Jender : 33/M


彼は困ったように眉をひそめてみせた。
自分に興味を示す酔狂なブラザーの、心の中に作ってしまった虚像を、会話でじっくりとひとつひとつ作り直すことが彼は好きだった。
だが、それにはこの場所が野暮になりすぎてしまった。
伊達で話すことではないが、神と人とがつくりたもうたこの街に、どんな人間がふさわしいか彼は知っている。
どんな人種がふさわしいか彼は知っている。
だから、一瞬マスターに哀悼の眼差しを送り、無言でクリスを差し出して会計を済ませた。
「あんたの分は今日は奢ろう。また会ったら」
運命の車輪の導くままに、自分に声をかけてくれた男に向かってグラスを持つしぐさをする。
「See you」
時代遅れの別れと再会を願う挨拶を呟きながら、ドアを開き、夜の街へ消えていった。
災厄の街へ消えていった。

http://www.ucatv.ne.jp/~fkd/index.htm [ No.248 ]


かの地からの幻想

Handle : 青葉   Date : 2002/11/20(Wed) 23:13
Style : クロマク◎フェイト●トーキー   Aj/Jender : 60/M
Post : 隠居


からん、とドアが開いて、白髪の老人がバーに入って来た。片手のステッキと、古びたコートをクロークに預け、柔和な笑顔で空いている席につく。
「古い映画を肴に呑める店があると聞きましてね。そう、ここのことでしたか。・・・随分迷いましたが、ようやく見つけました」
迷ったとしても、開いている間にたどり着ければそれはそれでかまいはしないものだ。
銀縁の老眼鏡を取り出すとメニューを開き、迷わずに「P」の項を指でなぞる。
「いや、年を取ると眼が弱りましてね・・・」
薄暗い明かりに眼を擦り苦笑して、ようやく見つけたお目当ての映画をオーダーした。
「プリンセス・ブライト・ストーリーを」

http://www.dice-jp.com/ys-8bit/b-2unit/data.cgi?code=CA068 [ No.249 ]


[ Non Title ]

Handle : “人事部長”石目 夷吟   Date : 2003/01/09(Thu) 22:23
Style : エグゼク◎ カリスマ● クロマク   Aj/Jender : 46/♂
Post : イワサキ人事局


人の出入りが激しい・・・
色々な人がいるものだ・・・。
石目は場所に合わせる・・・それが石目のスタイルだ。
だが,ややこの店の雰囲気が掴めなくなってきており軽く頭を振る。
(・・・難しく考えても仕方がない。)
 新たに入ってきた客を観察することにする。
(彼に合わせて振舞っておけばとりあえずは良かろうか?)

 [ No.250 ]


雄弁は銀だが,沈黙は金だ・・・。

Handle : “人事部長”石目 夷吟   Date : 2003/01/13(Mon) 16:41
Style : エグゼク◎ カリスマ● クロマク   Aj/Jender : 46/♂
Post : イワサキ人事局


 視界の片隅にこそこそと奇妙な取引をする男たちがうつる。
 (あんなに目立ってしまって・・・)
 石目はアマチュアたちの労働を微笑ましく観察した。
 干渉する趣味はないし,利益も見込めない。
 「マスター,毘沙門ビールね。」
 だが,もう少しここに留まることにした。

 [ No.251 ]


[ Non Title ]

Handle : “Winged Guardian”アシュリール・ガーディア   Date : 2003/01/15(Wed) 23:40
Style : バサラ カブト◎ チャクラ●   Aj/Jender : 21/♀
Post : Cafe Noirウェイトレス


ドアが開き、一人の女性が入ってきた。革製のジャケットにジーンズというラフな恰好だ。
女性はカウンターに歩み寄るとバーテンダーを呼び止めた。
バーテンダーと二言三言言葉を交わし、笑顔を浮かべてスツールに腰掛ける。
「映画の名を冠したカクテルか。それじゃ“Enter the Dragon”をもらおうかな」
そう言うと彼女は改めて店内を眺めた。彼女が“顔見知り”を見つけ出すまでそう時間はかからなかった。

 [ No.252 ]


[ Non Title ]

Handle : “人事部長”石目 夷吟   Date : 2003/01/16(Thu) 05:29
Style : エグゼク◎ カリスマ● クロマク   Aj/Jender : 46/♂
Post : イワサキ人事局


 石目はその女性・・・ガーディアが店内に入ってくるのを見つけると軽く手をあげた。彼女が側に座りカクテルが彼女に供されると同時に口を開く。
「目的地は知っていますね?」
 石目は残りわずかになっていたグラスを空けた。
「外 に"ジェネシス"を置いているのが見えたと思います。あれで川崎タタラ街を抜けていこうと思っています。運転手を含め3名ほどここまでの護衛がいるのです が,どうしましょうか?ここで帰してもいいですし,あなたの指揮下に入れてもいい。ただストリートに通じていない奴等なので足手纏いになるやも・・・。」
 懐から,無造作にシルバーを数枚取り出し,カウンターに置く・・・今まで飲んだ金額を(ガーディアの酒代を入れたとしても)十分に超える額である。
「報酬は,あらかじめ連絡していた額で足りますかな?それとご質問はありますか?」
 石目が仕事用の“スマイル”を浮かべガーディアに問うた。

 [ No.253 ]


[ Non Title ]

Handle : “Winged Guardian”アシュリール・ガーディア   Date : 2003/01/17(Fri) 01:35
Style : バサラ カブト◎ チャクラ●   Aj/Jender : 21/♀
Post : Cafe Noirウェイトレス


“チャイニーズブルー”に大胆なアレンジを加えた“Enter the Dragon”の幻想的な色彩に見惚れる間もなく、カウンターにシルバーが並べられる。プラスチックの無機質な光沢とカクテルの色彩が薄暗い照明の中でコントラストを描いた。
「とりあえず1枚もらっておくよ。残りは戻ってきてからでいい」
アシュリールはシルバーを1枚取り上げるとバーテンダーに渡した。
「護衛は…そうだな、銃を扱えるなら助かるんだが。質問のほうは道すがら聞かせてもらうことにするよ。」
グラスが空けられ、アシュリールが席を立った。

 [ No.254 ]


退店

Handle : “人事部長”石目 夷吟   Date : 2003/01/17(Fri) 05:43
Style : エグゼク◎ カリスマ● クロマク   Aj/Jender : 46/♂
Post : イワサキ人事局


「銃ね・・・あまり期待しないでくれると助かりますね。」
 他の客達もマスター達は何も気にしていないようだが,あえて声を潜めてガーディアに言う。
(それに・・・たしか外で待機している者達は,このあたりでの護衛に適した技能・装備だったはずだ。)
 立ち上がったガーディアの身長・身のこなしを満足げに見つつ,石目も席を立った。

 [ No.255 ]


[ Non Title ]

Handle : “狂狼”救世 現時朗   Date : 2003/01/22(Wed) 22:24
Style : カリスマ◎ イヌ● クロマク   Aj/Jender : 40/♂
Post : 弁護士(元検察官)


「邪魔する・・・」
 目だけをぎろつかせた中年の草臥れた男は,そう言うとコートをきたまま,カウンターにつく。
「MACALLANをいただこうか。」
 カクテル・メニューも見ず,あくまで自分のペースで注文する。
 しばしの間の後
 出てきたショットグラスを手に取ると,その香りを確かめた。

 [ No.256 ]


【『勝利への脱出』:及び腰の来店】

Handle : “不言色”氷月 千景   Date : 2003/01/23(Thu) 01:03
Style : カブト● カタナ マヤカシ◎   Aj/Jender : 19/♂
Post : 新星帝都大学文学部歴史文化学科/ナイト・ワーデン



「紹介された店は、たしかここだったと思うんだけど……」
千景は些か及び腰で重い扉を押して中に入る。
予想していたとおり、自分が来店するには十年は早い気がしないでもなかった。
(もう来ちゃったんだし腰据えるしかないよなぁ。今更逃げられないし)
席に着くと同時にメニュー受け取りながら、そう思い直した。

(ふぅ〜〜ん、映画のイメージのカクテルなんてのがあるのか。あっ、そういえばこれがお奨めとか言ってたな。じゃあ、これにしてみるかな)
暫く映画のタイトルを指で辿っていったが次第に眉間へ皺が寄り始めた。
(こ、困った。下手に気取ったタイトル選んでもアレだしなぁ……素直にいくか)

「それじゃ『勝利への脱出』を。ベタベタなストーリーなんですけど、好きなので」
女の子を思わせるその風貌で微笑みながら、ボーイへ注文した。

 [ No.257 ]


[ Non Title ]

Handle : “狂狼”救世 現時朗   Date : 2003/01/24(Fri) 20:41
Style : カリスマ◎ イヌ● クロマク   Aj/Jender : 40/♂
Post : 弁護士(元検察官)


 グラスを傾けながら店内の客を観察する。
 長引く不況のせいか・・・客の数は決して多いとはいえない。奥の席に見える老人には見覚えがあった・・・絵本書きだった筈だ・・・。新しく店に入ってきた人物・・・性別不詳は誰だろうか?
 救世はグラスを傾けつつ,IANUSをひそかに起動した。そして契約しているデータ会社に繋ぎ,情報の提供を求めた。

 [ No.258 ]


「刑務所の中」

Handle : “狂狼”救世 現時朗   Date : 2003/01/25(Sat) 22:09
Style : カリスマ◎ イヌ● クロマク   Aj/Jender : 40/♂
Post : 弁護士(元検察官)


 「ただの男子大学生か・・・」
 検索の結果は思ったよりも平凡な結果だった。
 嘆息とともにグラスを空ける。
 「“刑務所の中”を」
 無口なマスターに注文する。
 <災厄>前の古き良き時代の牧歌的な映画・・・。
 今の刑務所とはかけ離れた犯罪者も人でいられた時代の作品・・・。
 救世でも意識せず皮肉な笑みを口元に浮かべていた。

 [ No.259 ]


Some Like It Hot

Handle : “Innosent Blakk”レフィアラ・イノセンス   Date : 2003/01/26(Sun) 03:23
Style : カブキ◎ ミストレス カブトワリ●   Aj/Jender : 20/♀
Post : Cafe Noirウェイトレス


 ドアにつけられた鐘がコロコロと鳴って来客を告げる。入ってきたのは二十歳そこそこの女性。年齢の割に黒いスーツをしっかりと着こなしている。彼女は一度フロアを見渡したあとでカウンター席に座ると、カウンターの奥でグラスを磨いているバーテンダーにオーダーを告げた。
「“Some Like It Hot”を。」

 [ No.260 ]


類推解釈

Handle : “狂狼”救世 現時朗   Date : 2003/01/28(Tue) 20:51
Style : カリスマ◎ イヌ● クロマク   Aj/Jender : 41/♂
Post : 弁護士(元検察官)


甘そうな注文だな・・・店に入ってきた女性の注文を聞いて救世はぼんやり考えていた。
おそらく温かいカクテルが出されるのだろうな・・・と予想する。
「・・・」
不意に外は寒いのだろうか?と気になった。

 [ No.261 ]


【『勝利への脱出』:友情・努力・勝利】

Handle : “不言色”氷月 千景   Date : 2003/01/29(Wed) 06:27
Style : カブト● カタナ マヤカシ◎   Aj/Jender : 19/♂
Post : 新星帝都大学文学部歴史文化学科/ナイト・ワーデン


「かしこまりました」
マスターは慇懃に一礼して、まずホワイトラム・ブルーキュラソー・ライムをシェイクしグラスに注いだ。
次にホワイトチョコレートクリームリキュール・牛乳をシェイクしたものを二層目とし、最後にウォッカ・オレンジリキュール・クランベリージュース・フレッシュライムジュースをシェイクものを注いで完成させた。
それらはどのような熟練の技を使ったか、赤・白・青の三層に分かれたままだった。

「お待たせしました」
「凄く綺麗ですね。飲むのが勿体無いくらいです」
千景は目の前に佇む技の結晶を束の間眺め続けた……。

 [ No.262 ]


寒い寒い

Handle : 「はったりの」イツァーク   Date : 2003/01/30(Thu) 12:51
Style : マネキン● レッガー◎ フェイト   Aj/Jender : 28/♂
Post : 風俗スカウトマン


 いやぁー、マイッタマイッタ。
 こんなに冷える日もあるもんですなぁ。
(白い手袋を外して、サングラスを拭く)
 ここ、映画だけじゃだめなんですよね。
 じゃあ・・・あー、知ってる映画少ないなあ。
(パキン、と指を鳴らして)
 今、流れているヤツを。

 [ No.263 ]


[ Non Title ]

Handle : “Innosent Blakk”レフィアラ・イノセンス   Date : 2003/01/30(Thu) 22:12
Style : カブキ◎ ミストレス カブトワリ●   Aj/Jender : 20/♀
Post : Cafe Noirウェイトレス


「“Some Like It Hot”です。熱いのでお気をつけ下さい。」
 バーテンダーが彼女に供したカクテルは温めた赤ワインにオレンジリキュールとグレナディンシロップをステアしたもので、透き通った紅色の液体とグラスから立ち上る湯気は恋の熱さを十分にイメージさせるものだった。

 [ No.264 ]


退店

Handle : “狂狼”救世 現時朗   Date : 2003/01/30(Thu) 22:22
Style : カリスマ◎ イヌ● クロマク   Aj/Jender : 41/♂
Post : 弁護士(元検察官)


 賑わってきた・・・そろそろいい頃合だろう。
「勘定を頼む・・・」
 支払いを終えるとコートを羽織り,救世は夜の闇へと吸い込まれていった。

 [ No.265 ]


【『勝利への脱出』:カクテル鑑賞中】

Handle : “不言色”氷月 千景   Date : 2003/02/01(Sat) 18:56
Style : カブト● カタナ マヤカシ◎   Aj/Jender : 19/♂
Post : 新星帝都大学文学部歴史文化学科/ナイト・ワーデン


千景が眼前に置かれている芸術品を鑑賞している最中、チャラチャラした様子の如何にもモテそうな伊達男が近くの席に座った。
(指鳴りでウェイターさん呼ぶなんて気障な人だなぁ。──何してる人なんだろう? ちょっとレッガーっぽいところが女の子に受けそうな感じだな。イセサキ町のホストの人だったりして)

(まっ、相手の外見を見てるだけで推察してもどうせ分からないしね。 いつまでもカクテルを眺めてるわけにもいかないし、勿体無いけどそろそろ戴くとするか)
そう思い直すと、イツァークを洞察しようとするのは止めて、カクテルの攻略へ乗り出した。

 [ No.266 ]


【熱情の色】

Handle : “Innosent Blakk”レフィアラ・イノセンス   Date : 2003/02/04(Tue) 03:17
Style : カブキ◎ ミストレス カブトワリ●   Aj/Jender : 20/♀
Post : Cafe Noirウェイトレス


 “Some Like It Hot”に口をつけ、熱く紅い液体が喉を過ぎていく。甘い味わいの中に柑橘系のほのかな酸味があり、相手のすべてを受け入れてなお恋の熱情に焦がれる、そんな一途さを感じる。
「美味しい…。」
 レフィアラはそう言うとグラスに両手を添え、目を閉じた。
 グラスの温かみが彼女の記憶を引き出す。カクテルのように甘い恋の行方は霧散する湯気のように儚く消えうせた。

 [ No.267 ]


【恋の終幕】

Handle : “Innosent Blakk”レフィアラ・イノセンス   Date : 2003/02/08(Sat) 18:50
Style : カブキ◎ ミストレス カブトワリ●   Aj/Jender : 20/♀
Post : Cafe Noirウェイトレス


 グラスの熱が少し下がり、時間の経過をレフィアラに伝える。
 フィルムの中の恋も現実の恋もいつかは冷めるときが来る。それを両手で感じたレフィアラの頬を涙がつたった。
「あ、いけない。」
 レフィアラはハンカチで涙を拭った。自分が泣いてしまったことが恥ずかしく、ぎこちなく周囲を窺う。幸いなことに、レフィアラの姿を気にする者はなかった。たとえ気付いていても気付かない振りをしてくれているのだろう。そんな周囲の好意を有り難く思う。
「いいお店ね。」
 レフィアラはそう言うと再びカクテルに向き直った。

 [ No.268 ]


【退店】

Handle : “Innosent Blakk”レフィアラ・イノセンス   Date : 2003/02/10(Mon) 23:22
Style : カブキ◎ ミストレス カブトワリ●   Aj/Jender : 20/♀
Post : Cafe Noirウェイトレス


 室内を流れる曲が二度変わり、レフィアラのグラスは空になっていた。すっかり熱を失ったグラスは室内灯の光を受けて小さな輝きをつくった。
「ごちそうさま。おいしかったわ。」
 レフィアラは勘定をグラスホルダーに挟むとそのまま立ち上がった。そして入ってきたときと同じように扉の鐘がコロコロと鳴って、レフィアラが店を出たことを告げた。

 [ No.269 ]


Re:【退店】

Handle : 「はったりの」イツァーク   Date : 2003/02/19(Wed) 00:47
Style : マネキン● レッガー◎ フェイト   Aj/Jender : 28/♂
Post : 風俗スカウトマン


 音楽に耳を傾けながらも、視界の端にしっかりと女性だけは写していたらしい。

「いい酒だね。
 男も酒も、女を泣かせられれば一級です。
 お代、こちらで」

 カウンターに支払いをこすりつけると、レフィアラを追っていそいそと席を立つ。

 [ No.270 ]


『帰宅』:勝利への脱出

Handle : “不言色”氷月 千景   Date : 2003/02/19(Wed) 02:01
Style : カブト● カタナ マヤカシ◎   Aj/Jender : 19/♂
Post : 新星帝都大学文学部歴史文化学科/ナイト・ワーデン


「御馳走様。見た目だけでなく中身もとても美味しかったです」
職人芸の粋を尽くしたカクテルを満足そうに飲み干した千景は、マスターへそう感想を述べた。
「お勘定はここに置いておきます。機会があったらまた来ますね」
穏やかな曲調の映画音楽が流れる中、梔子色の瞳をもつ青年は真夜中のオフィス街へ足を踏み出していくのだった。


【退出】

 [ No.271 ]


敗戦

Handle : 「はったりの」イツァーク   Date : 2003/02/21(Fri) 03:45
Style : マネキン● レッガー◎ フェイト   Aj/Jender : 28/♂
Post : 風俗スカウトマン


 頬に赤い手形をつけて店内に戻ってくる。

「プリティウーマンを」

 [ No.272 ]


待ち合わせ

Handle : “人事部長”石目 夷吟   Date : 2003/03/04(Tue) 19:47
Style : エグゼク◎ カリスマ● クロマク   Aj/Jender : 46/♂
Post : イワサキ人事局


男は店内に入ると素早くバテンダーに何かを告げた。
バーテンダーは表情を変えず,奥まった席を指し,男は店内を見渡した後,その席に座る。
男・・・石目夷吟はポケットロンで時刻を確認すると,バテンダーに注文をする。
「七人の侍・・・いや少林足球でカクテルを作ってくれないかな?」

 [ No.273 ]


自己紹介

Handle : “人事部長”石目 夷吟   Date : 2003/03/12(Wed) 18:17
Style : エグゼク◎ カリスマ● クロマク   Aj/Jender : 46/♂
Post : イワサキ人事局


「少林足球という作品がありまして,それでお願いしたんですよ。」
 久遠寺に会釈しつつカクテルを嚥下する。
 くどいともえぐいともいえる味わいは絶妙なバランスで,はじけるような爽やかさを醸し出していた。
「うまいカクテルです。飲んだら終わりという儚さが花火と同じように実に日本人好みの美を持っている・・・いや,失礼。礼儀をわきまえない田舎者ゆえ,ご無礼があると思いますが平にご容赦願います。」
 どこか垢抜けない石目に比して久遠寺の洗練された物腰は注文をはじめとする所作に見て取れた。
「いえ,ついさっき来たばかりですよ。」
 久遠寺が遅れたことをわびると石目は月並みな返事を返した。
「こちらこそお呼び立てして申し訳ありません。
 石目夷吟です。イワサキという会社で働いています。」
 自慢の名刺を差し出す。簡単な日系企業人流の挨拶を交わし終える頃には久遠寺のカクテルは出来上がっていた。
「最近は,本当に冷え込みますね。」
 久遠寺の手の中に収まったグラスを見ながら,石目は月並みな台詞を呟いた。

 [ No.275 ]


SIGNS 商談の始まり

Handle : “人事部長”石目 夷吟   Date : 2003/03/15(Sat) 12:21
Style : エグゼク◎ カリスマ● クロマク   Aj/Jender : 46/♂
Post : イワサキ人事局


 冷え込む・・・LU$Tのここ最近の平均気温は例年を上回る温暖なものだ。ここでいう冷え込むというのは景気のことである。
「なんか暖をとるいい方法がないかと思いまして,貴社がお持ちの商品にとりわけ良いものがあるとお聞きいたしまして,わざわざご足労願った次第なんですよ。」
 情報が確かなら目の前にいる人物は取って置きの起爆剤の持ち主だ。“老公”は千早の力を借りるのを嫌うだろうが,よく分からないオカルトよりはよっぽど信用できる存在だ。
石目はかつての“主君”の密命と与えられた現状,個人的な目的を天秤に掛け,今回の賭けに出た。もともとギャンブルは嫌いだが,命令に黙々と従うことはもっと嫌なのだ。
「支払い方法なんですが,ご希望はありますか?それとただ商品を購入するのは芸がないので,設備や開発資金の提供もしたいのですが,どんなものでしょうか?」
 払う代償の大きさに期待しつつ石目は久遠寺に問うた。
 加えて,次のカクテルを頼んだ。
「サイン・・・映画の題名ですよ。これでカクテルをお願いします。」
 頼んだ後で,微妙にシチュエーションを外していると自分で自分を笑った。

 [ No.276 ]


ふらりと……

Handle : “紅影刃”上和田 陽平   Date : 2003/03/19(Wed) 19:09
Style : エグゼク◎ フェイト カゲ●   Aj/Jender : 32/♂
Post : カゲ養成機関【ミラーSH∀DE】 主宰


……しくじった。
無意識レベルに刷り込まれている<陽炎化>。
それを気にかけないまま、ドアをくぐってしまえば、誰にも気がついてもらえないじゃないか……

まあ、いいか。
店の中を見回して、他にどんな客が入っているかを見る。
カウンターに1人、奥のブースに2人……

おや、イワサキの石目部長とQUONの久遠寺社長が額をつき合わせてご商談という様子。

……せっかくだから、ちょっとだけ聞かせてもらいますか。

あらためて、<陽炎化>を解いて扉を閉める。
バーテンに会釈をして、奥のカウンターへ。
「はじめまして」
あたりまえのように<無面目>を装いつつ、そんなあいさつをする。
「ここは映画のイメージにあわせてカクテルを選んでくれるんでしたね」
いかにもという様子でそう確認する。他の客たちにも、ある程度の印象付けを目論んでの言葉だ。
「……どうしようかな。そうだ、『硝子の塔』でお願いします」
とりあえずは、サブリミナル・エフェクトで。
事実、まるっきりの盗み聞きはフェアじゃないからね。













http://homepage2.nifty.com/kurenaiageha/lt_top.htm [ No.277 ]


ブックメーカー

Handle : “有閑紳士”久遠寺光流   Date : 2003/03/20(Thu) 00:52
Style : マネキン◎ エグゼク● クロマク   Aj/Jender : 36/♂
Post : 好事家/大陸解放同盟資金提供者/QUON(千早系列ソフトウェア企業)社長


「ふ……そこまでご期待に沿える商品かどうかはわかりませんよ?」

 久遠寺は、柔らかな笑みを浮かべてカクテルに口をつけた。

「……貴方が希望しているのは、あいにく真っ当な商品ではないのです。宝くじ、いや馬券の方が近いかな? いずれにしろ望んだ結果が得られるかどうかは運次第というような代物なのですから」

 意気込んでいるかのような石目に対して、久遠寺の言葉は諭しているかのようにも聞こえた。

「それでも良ければお売りしましょう。またそちらの希望も“騎手”に伝えておきます。支払方法は……これもそちらにお任せしましょうか」

 そういって再度グラスに手を伸ばしかけて……久遠寺はカウンターにいつのまにか客が増えている事に気づいて目を向けた。

(ふ……む)

 しかしわずかに逡巡しただけで久遠寺は視線を石目に戻した。

「……どういたします?」

 そしてよそ見の事などなかったかのように、最後の確認をした。

 [ No.278 ]


成立

Handle : “人事部長”石目 夷吟   Date : 2003/03/20(Thu) 06:15
Style : エグゼク◎ カリスマ● クロマク   Aj/Jender : 46/♂
Post : イワサキ人事局


 肩透かしを食らったな。
 石目はグラスを口元に運びながらそう思った。
 当初の目的である人物よりも石目の中で久遠寺への興味が増した。今回の“企画”を終えた後も十分に楽しめそうだ。
「ギャンブルは好きですから」
 穏やかに微笑む。あからさまな嘘。耳を澄まして聞いている者が居れば,しかも最初の会話から聞いている者が居れば,この微妙な会話の不整合から,その中身を容易に読み取れよう・・・石目はそれでいいと思っていた。
 懐から,データクリスを一つ取り出し久遠寺の前へと滑らせる。
「これに購入をお願いしたい馬券をあらかじめ書いておきました。すいませんがご足労願います。」
 データクリスの中身は費用と装備の受け渡し場所なのだが,石目はふと思う,見ようによっては社外秘を千早のエグゼクに渡しているようにも見えなくもないな,と。

 [ No.279 ]


推理の果て

Handle : “紅影刃”上和田 陽平   Date : 2003/03/22(Sat) 23:56
Style : エグゼク◎ フェイト カゲ●   Aj/Jender : 32/♂
Post : カゲ養成機関【ミラーSH∀DE】 主宰


『……ギャンブルは好きですから』
 と、石目氏の声。
 それは私の持っている彼の心理プロファイルとは明らかに矛盾する発言だ。

 目の前に差し出されたトールグラスの中身は薄いブルーの液体をたたえ、透き通った氷が塔をなしていた。
 わずかばかりの苦味をともなった甘さが咽喉を湿らせていく。

 視界の隅では、石目氏がデータクリスを久遠寺氏に手渡している。
 商談というには展開が速すぎる。
(……事前に商談の大枠は決まっていたというわけだ)
 この2人を結びつける因子というと……

 冷え込んでいるというのは、ここ最近の景気。暖を取るっていうことは何かに火をつけようって言う意図か……
 久遠寺氏のほうは騎手に伝えるっていうコトだから、自分は動かない。
 ということは、石目氏の真意は大陸開放同盟を動かしたいっていうところか……
 
 仮にそうだとしてだ。
 石目氏の計算としては、どれほどのタイムスパンを考えているのだろう?
 数ヶ月単位の商品を目論んでいるのであれば、我々の出番も出てくるのだが……
 
 そういえば、QUONとの直接取引はなかったな。
 新規顧客の開拓は、営利団体の宿命。
 ……なんていうのは明らかな言い訳だ。
 要するに私自身が関わりたいらしい。そう思うと口元に自嘲的な笑いが浮かんでくる。

 飲み干したグラスを掲げて、バーテンダーに一言。
「今度は『T.R.Y.』で作ってもらえますか?」
 さて、タイミングを見計らうことにしますか。

http://homepage2.nifty.com/kurenaiageha/lt_top.htm [ No.280 ]


いやぁ驚いた驚いた

Handle : 「はったりの」イツァーク   Date : 2003/05/02(Fri) 18:10
Style : マネキン● レッガー◎ フェイト   Aj/Jender : 28/♂
Post : 風俗スカウトマン


 今、中華街から帰ってきたところなんですけれどね、なにか起きてるのかな? こう、レーザー光線のすごいヤツが空に向けて柱みたいにそそりたってましてね。ここからでも見えますけれど、ちょっとしたパニックですよ。
 まあ、おかげで逃げてこられたわけですが。
 中華は油っぽくて好きじゃないんです。拉致られでもしない限り行きやしませんよ。大人(ターレン)のイロだかなんだか知らないが、そんなに大切ならお屋敷から出さなきゃあいいんだ。
 とりあえず・・・(パチン、と指を鳴らして)
 「逃亡者」を。
 ミッキー・ロークのデスペレード・ハウスじゃなくって、ハリソン・フォードのフュージティヴの方ね。

 [ No.281 ]


古き良き時代を偲んで。

Handle : “魔王の愛娘” メフィストフェラ   Date : 2003/05/04(Sun) 13:03
Style : カブキ● ニューロ ◎ハイランダー   Aj/Jender : 16/♀
Post : 情報屋


「ここね。」

私は“災厄”前の映画にちなんだカクテルを出すという店の評判に惹かれてこの街までやって来た。
きっちり三歩後ろをタルタロスが付いて来る。

店内は落ち着いたムードで統一されている。

ゆっくりとカウンターに近づく。

「ライムライトを」

「過去を偲ぶなんて柄じゃないけど、ここなら許される気がして・・・。いいかしら?」

 [ No.282 ]


始めの一歩

Handle : ”手品師”各務 京矢   Date : 2003/05/10(Sat) 02:09
Style : カブキ◎ バサラ マヤカシ●   Aj/Jender : 25/♂
Post : 流浪の手品師


「まいったな・・・」

初めてのステージにと選んだバー。だが落ち着いたムードが却って緊張を加速させていく。
入ってきてからもうすでに10分が経過している。傍から見ればとても不審に見えているのだろう。

(先生〜〜、やっぱりボクには早すぎたんですよ)

どうやったらそっと帰れるだろうかとメニューを読む振りを続けていると、いつも奇術の先生が唱えていた口癖が目の前に飛び込んできた。

(自分が楽しんでいられれば他人も自然と楽しんでくれる・・・・か)

そして青年は言葉を紡ぐ

「すいません、『ショウほど素敵な商売は無い』をください。」

 [ No.283 ]


Re:始めの一歩

Handle : 「はったりの」イツァーク   Date : 2003/07/30(Wed) 14:38
Style : マネキン● レッガー◎ フェイト   Aj/Jender : 28/♂
Post : 風俗スカウトマン


「酒の力を借りるかい?」
 顔を正面に向けたまま、目だけで各務を見る東南アジア系の男。
「確かにすばらしい力ですが、最初の一歩だけにしておいたほうがいい。クセになると、その力に自分も飲み込まれる」
 そう言って、持っていたグラスを一気にあおり、
「いや。こんな話は営業妨害だったかな」
 ニヒルに笑ってみせると、空のグラスを静かにテーブルへ戻した。
「だけどね、酒の力は借り物です。気をつけないと……」
「『ファイトクラブ』のお代わりはいかがですか?」
「……苦みがきついのは僕への当てつけかいマスター。結構だよ」
 言葉を遮るマスターに吐き捨てて、男は立ち上がった。
 影になっていたその顔の向こう側半分には、痛々しい青たんが。

「ほんと、あんまり酒で気を大きくするもんじゃないよ?」

 誰に言うともなく言い置いて、彼は店を出ていった。

 [ No.284 ]


店を出る

Handle : “人事部長”石目 夷吟   Date : 2003/08/29(Fri) 22:23
Style : エグゼク◎ カリスマ● クロマク   Aj/Jender : 46/♂
Post : イワサキ人事局


ポケットロンが予定の時間を告げる
退店の時間だ。
石目は客人達に無作法にならない程度の礼を示し,
会計の後,店を後にした。

 [ No.285 ]


大人ですよ♪

Handle : 象が踏んでも壊れない°ヒ生 えり   Date : 2003/09/26(Fri) 17:05
Style : トーキー◎ チャクラ カブキ●   Aj/Jender : 19/♀
Post : マリオネット


ここが噂のshoot the move!…だよね。
噂になっている割には…看板がボロかったから違うかと思っちゃった。
よかった。この前、ウェブで確認しておいて。
さて、こっそりと取材です。決して個人的興味で来ているわけではないんです。タダ酒が飲めるということではないんです。
ホントですよ?

入り口をくぐると…ああ、渋いバーテンさん!
おじ様、って感じで素敵です。
それに静かでキレイなメロディ…これが噂のピアノですね。実はホンモノは初めて見ました。噂どおりだとすれば、材質は木なのかなあ…? あ、ちなみに私、声が大きい方なので、こんなところでは小声で話しています。
大声で話す雰囲気ではないですもんね。

と、いうわけで、お楽しみ、ご注文ターイム。
「すみません、座頭市をホットで」

 [ No.286 ]


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