INDEX のま加納NIINOMYOそんちょ8bitEarlいわしまん原代篠原透
 
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The sea can be seen if that hill is surpassed.
#02 再開 05.24
#EX01 サンタクロース 12.24
#01 倦怠 10.30

#02 再開  2002/05/24


『「塵俗の世のわめき聲」窓前に騒々しくも、
 僕の額は机から離れはしまい、
 われとわが意思の力で、存分に「春」喚び醒し、

 自分自身の心の中から太陽さへも抽き出したり、
 烈火の自分の思念の熱で、温暖な空氣を醸すなぞといふ
 心樂しい逸樂にはまり込んでゐる筈だから。』


 またボードレールだ。
 そういうつもりはなかったが、たまたま今読んでる本で彼の名前が出てきて、それを調べようとしてこうなった。ちなみに肝心の調べ物の方はわからなかった。
 まぁ、この際だからいっそボードレールで続けてみるか、と思わなくもない。


 続けてみるか、というのも間が空いてしまったからこそ出てきた言葉だ。歩き始めたつもりだったが、結局数歩もいかないうちに止まっていた。そういう事だ。情けない話だ。

 ともあれ空いてしまったものは仕方がない。
 しかし、再開するのは骨の折れる作業だ。いや、作業がきついんじゃない。作業はあくまで作業だ。きつくしているのは自分自身だ。

 今さら人目を気にする事もない。これだけ放っておけば誰も見てやしない。ただ続ければいいのだ。続くのならきっと意味がある。

 夢を見よう。自分のための夢を。
 ただし他人に期待する夢だけは見ない事だ。どうにかなるのは自分自身だけだ。己の為すべき事を知ってさえいれば他人に期待する必要はない。


 また、こんな投げやりな文章だ。 まとまりも何もない。
 けれども、とにかくもう一度動かねばならない。
 それだけ。それだけのために。

 歩き出そう、……摩滅してしまうその前に。


出典 ボードレール「悪の華」(堀口大学訳)

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